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多言語対応のWeb社内報で課題解決! グローバル企業・ダイフクのインナーブランディングとは?

「GLOBALIZED インナーブランディング」に、ダイフク 広報部が登壇。多言語対応のWeb社内報のメリットと効果を解説した。

本記事のポイント

  • M&A で海外従業員比率が高まり、グループ全体での一体感の醸成が急務
  • 社内報を Web へ移行し、速報性の強化と DX 推進へ。現地法人間の情報共有から成功事例の横展開も誕生
  • WOVN.io を使い、翻訳外注していた言語も広報部主体で内製化。3週間のリードタイムも解消

Wovn Technologies株式会社は、2023年10月13日に「GLOBALIZED インナーブランディング」を開催し、「急速な海外展開に対応するためのインナーブランディング ~言語の壁を越える社内コミュニケーションとは~」をテーマにセッションをお届けしました。

導入事例講演では、株式会社ダイフク 川村氏、カイル氏を迎え「グローバルでの企業カルチャー醸成のためのインナーブランディング」と題して、Web 社内報にて母国語でのリアルタイムな情報提供を実現したお話を伺いました。本レポートではその内容をご紹介します。

Wovn Technologiesの許諾を得て、Web担で掲載しています。オリジナル記事はこちら →https://mx.wovn.io/blog/0110

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【登壇者】
株式会社ダイフク 広報部
川村 勇貴氏

Web 制作会社に Web ディレクターとして入社。客先常駐メインで進行・品質管理、数値分析、フロー整備など運用業務全般を経験後、総合人材サービス企業に転職。Web 企画部門でサイト改善やメールマーケティング業務、MA ツール導入に携わる。
2021年にダイフクへ入社し、コーポレートサイトの管理運営を中心に、Web デザイン制作/実装、社内ツールの最適化、Web 社内報の企画立案・取材・原稿作成など幅広い業務に従事。

株式会社ダイフク 広報部
カイル・カロ氏

2022年にダイフクへ入社以来、海外現地法人の広報支援、海外メディア対応、グローバルサイトの品質管理のほか、社内報の Web 移行に伴い社内報多言語サイトの立ち上げや運営、動画制作など、幅広く社内外のグローバルコミュニケーションに従事。

海外従業員比率70%、25の国と地域に拠点を展開

川村(ダイフク):
当社はマテリアルハンドリングの専業メーカーです。コンサルティングから設計、施工、アフターサービスまで一気通貫で行うシステムインテグレーターです。

直近10年間で当社の従業員数は約2倍の13,000人にまで伸びており、海外従業員比率は約70%といった社員構成になっております。現在は25の国と地域に拠点を展開しており、このような状況下で、グローバルでの企業カルチャー醸成の必要性が高まってきました。

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インナーブランディング施策としての「社内報」

川村(ダイフク):
当社では、主に次の4点をインナーブランディング施策として行っております。

  1. 社内ポータルサイト
  2. グローバル幹部ミーティング
  3. 社長・社員の車座イベント
  4. 社内報
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当講演では社内報にスポットを当ててお話します。まず、社内報の発行目的としては次の5点です。

  1. 経営理念・方針、トップメッセージ、事業方針の伝達
  2. 会社の目指すべき方向を明示し、目標達成のための行動の促進
  3. 企業文化やグループ一体感の醸成
  4. 事業活動の紹介を通じた、当社提供価値の理解促進
  5. 社員の活動紹介による、社員間コミュニケーションの促進

経営方針やトップメッセージをグローバルに情報発信し、浸透させることを至上命題としています。

社内報を創刊したのは1955年です。当社の設立が1937年ですので、設立19年目から現在に至るまで長く活用しているコミュニケーションツールとなっています。

グローバル展開が進む中で、1993年より海外現地法人に向けて、英語版社内報の発行がスタートしました。2000年代には日英だけではなく、中国語・韓国語を合わせた4言語でのグローバル配信をスタートしています。去年から今年にかけては、それまで冊子版で配信していた社内報を Web に移行し、韓国語にWOVN.io を導入しています。

社内報で発信している内容は大きく分けて3点です。

1.経営情報コンテンツ
CTO や CFO などの担当役員にインタビュー取材を行い、経営層の想いを届けます。

2.ニュースコンテンツ
グループ会社の展示会出展情報や各事業部の出来事を取り上げています。

3.社内イベント・社員紹介コンテンツ
非常に人気のあるコンテンツとなっており、社員同士のコミュニケーション活性化に寄与しています。

課題解決に向け、紙からWebへ

川村(ダイフク):
従来の冊子版社内報が抱えていた課題は次の5点になります。

  • 課題1:海外従業員比率の上昇、多様化
    M&A で海外従業員比率が高まる中、ダイフクグループ全体で一体感の醸成をしていく必要性が高まってきました。

  • 課題2:速報性
    冊子版だと月1回の発行で、タイムリーに鮮度の良い情報を提供することができていませんでした。

  • 課題3:紙資源コストの削減
    環境に配慮し、紙資源の節約や印刷配送コストの削減をしていく必要がありました。

  • 課題4:制作業務の負荷が偏っていた
    冊子版では入稿前に作業が集中し、担当者の負荷に偏りが生まれていました。多言語版の翻訳業務については、日本語版が発行されてから一気に全ての記事の翻訳依頼が来る状態で、翻訳担当者の負荷が非常に高い状態でした。

  • 課題5:DX 推進
    誌面上の制約の中で、伝えたい情報すべてを余すことなく盛り込むことが難しい状態でした。デジタルメディア・動画を活用した理解促進が社内から求められていましたが、冊子だとそもそも不可能といった課題がありました。

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川村(ダイフク):
Web 社内報を導入したことによってこれらの課題がどのように解決されたのか、順にご説明します。

まず1つ目、「海外従業員比率の上昇、多様化」については、 SharePoint で Web 社内報を構築しているので、メールアドレスを持っている人であれば全員アクセスできる方向で解決しました。

2つ目の「速報性」ですが、毎月発行していた紙から都度更新が可能な Web に移行したことで情報の鮮度が向上しました。また、物理的な配送作業が不要となり情報提供のスピードも上がりました。

3つ目の「紙資源コストの削減」では、Webに移行したことでペーパーレス化を実現し、印刷配送費用はゼロになりました。

そして4つ目の「制作業務の負荷が偏っていた」では、月末月初に集中していた作業が、随時更新というスタイルになったことで業務の平準化が進みました。

 

カイル(ダイフク):
多言語版の翻訳においても、 Web に移行後は1つの記事ができるごとに翻訳を開始できるので、業務平準化に繋がっています。

また、英語にすると日本語よりも文字数が多くなることから、紙版では翻訳後にレイアウトの検証が必要でしたが、Web ではその点も解消されました。

 

川村(ダイフク):
最後に5つ目の「DX 推進」についてですが、テキストの情報と比べて、動画や画像などのリッチコンテンツの方が興味を持たれやすい・届きやすいといった潮流に乗ることができました。役員メッセージの動画制作なども進めていますが、今後もさらに Web の特性を活かした情報発信に努めていきたいと思います。

 

カイル(ダイフク):
実際に Web 社内報による「グループの一体感」という効果も出ています。

タイの現地法人がバンコクのお客様向けにミニショールームを開設したという記事を見て、米国の現地法人から「自分たちのところでも是非やりたい」と声があがり、米国でも同様のショールームが開設されました。社内報では、本社からグループ会社への情報提供になりがちですが、本件は現地法人間の情報共有からコラボレーションが生まれた事例となりました。

社内リソース不足でも多言語での情報発信を可能に

川村(ダイフク):
WOVN.io 導入前の社内報運営体制をご紹介します。

日本語は編集長を含めて担当者が5名、英語と中国語については海外窓口兼翻訳担当といった形で1名ずつ、韓国語に関しては外部の翻訳会社に依頼していました。

そこで韓国語に WOVN.io を導入することで、広報部を主体に完全に内製化できる体制になりました。

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川村(ダイフク):
WOVN.io 導入の決め手は次の3点になります。

  • 社内リソースが不足している言語での情報発信が可能
    運営チーム内で韓国語に対応できるメンバーがいなかったので、 WOVN.io の自動翻訳・公開機能が非常に魅力的でした。

  • コーポレートサイトでの WOVN.io 導入実績
    当社のコーポレートサイトは、2021年のリニューアルを機に WOVN.io を導入しています。当社が世界の様々なエリアでビジネス展開している中、母国語で情報にアクセスしていただきたいという想いで、コーポレートサイトを10言語で運営しております。翻訳自動化で運用コストを圧縮できた実績があったので、有用性は理解していました。複数のサイトで利用すればするほど、翻訳資産を一元化・共有できることも便利なポイントですね。

  • サポート体制
    カスタマーサポート担当の方の提案力やレスポンスの速さが信頼できるといったところも決め手の1つです。他にはない WOVN の強みだと思います。

 

カイル(ダイフク):
実際に 韓国語にWOVN.io を導入した効果としては、機械翻訳による速報性の向上が挙げられます。

WOVN.io導入前は、日本語の記事を公開してから翻訳会社へ翻訳を依頼し、翻訳文書が納品されてから流し込みの作業があり、完成まで3週間程度の時間がかかっていました。WOVN.io 導入後は、記事が公開されてからすぐに自動翻訳されるので公開までの時間を大幅に短縮し、即時性を担保できています。

 

川村(ダイフク):
また、外部リソースを使わずに、全従業員の9%を占める韓国従業員に対して、母国語でのリアルタイムな情報提供が可能になりました。

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川村(ダイフク):
今後の展望としては、次期中期経営計画の策定に向け、経営情報を国内外の全グループ社員に浸透させる施策を展開していきたいと考えています。

まずは、もっといろんな人に読んでもらうために「さらなるアクセシビリティの向上」

そして、Web に移行したことにより数字の解析が可能になったので「定量的な評価軸の設計」と、その数字を元とした「定点観測に基づいたコンテンツ企画」

そのコンテンツによってどのぐらい情報が浸透したのか、「情報浸透度の測定手法を確立させる」。この4つに注力し、 PDCA サイクルを確立させていきたいと思います。

Q&A

WOVN:
ここからは視聴者の方からのご質問に回答いただければと思います。「社員同士のコミュニケーションが活性化されるようなコンテンツ企画をする際に、意識している点はありますか?」

川村(ダイフク):
情報に付加価値をつける
ことを意識しています。

単純に情報を羅列するだけではなく、実際に情報を読む人 ・見る人が面白いと思えるような付加価値があるコンテンツに仕上げること。

その上で、グループ全体の一体感を醸成していくために、経営系のコンテンツであればそのまま掲載するのではなく、実際に事業部門長へインタビューをして、経営層の想いが社員に伝わるような記事を作成しています。

カイル(ダイフク):
また、グローバルの情報を配信するのも大事なポイントです。

Web 社内報は、日本の広報部がメインで運用しているので、どうしても日本からの発信に偏りがちです。なので、海外現地法人の窓口の方から様々な情報を集め、社内共有できそうなネタだったら積極的にコンテンツ化を進めるなど、日本だけのコンテンツにならないように意識しています。

 

WOVN:
続いての質問です。「全地域で Web 社内報にアクセスできるとのことですが、セキュリティ上の課題や各国の通信環境の課題などはありましたか?」

川村(ダイフク):
例えば、回線が弱い国や地域に対しては、動画のようなデータが重いコンテンツと相性が悪いので、どのように情報を届けていくかが課題となっています。

セキュリティに関しては、SharePoint を活用し、当社のメールアドレスを持っている社員しかアクセスできない環境に構築しているので、情報の不正利用は基本的にはないと考えています。

また、会社が支給している端末に限定したアクセス制限を行っておりますし、有事の際にはアクセスログを追跡することができるため、物理的に持ち出しが可能な冊子と比較するとセキュリティは堅牢になったと考えています。

 

WOVN:
最後の質問です。「社員のユーザーボイスを拾う方法はありますか?」

川村(ダイフク):
Web 社内報のページ内にアンケートフォーム導線を常設しておりますので、社員の方に投稿いただいて随時意見を受け付けています。

そこでいただいた意見がコンテンツ企画の検討材料になることもあり、広報部と社員間の相互コミュニケーションはある程度できていると思います。

また、広報部から能動的に情報を取りにいくということもやっております。当社のポータルサイトに掲載されている情報からグループ全体で共有すべき情報をピックアップして、社内報で取り上げるといった動きですね。

WOVN:
本日はありがとうございました!

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