※本記事は、アタラ合同会社 Official noteにて連載中のコラム『BIツールで、働き方改革を実践してみた!』を転載したものです。
目次
・働き方改革で注目されるスマートオフィスとは?
・スモールスタートのハードルを上げているIoTの実情
・Domoを使った省エネの実現
働き方改革で注目されるスマートオフィスとは?
2019年に「働き方改革関連法案」の一部が施行されてから、”働き方改革” というキーワードをよく耳にするようになりました。
新型コロナウィルス感染症(以下、コロナ)の広がりにより働き方の多様化は加速度的に進んでおり、どの企業にとっても「働き方改革の推進」は今や直視せざるを得ない経営課題の一つになったのではないかと思います。
働き方改革が進む中で、スマートワーク、スマートオフィス、スマートファクトリーといった言葉もよく聞くようになりました。
スマートオフィスとは
ビルエネルギー管理システム(通称BEMS:Building Energy Management System)が目指すオフィスのあり方のこと。以下に羅列した項目などが含まれ、業務の質の向上が期待できるものとして昨今注目を集めています。
・オフィスビルの空調、照明、受変電設備などを自動制御しながら、オフィスで働く人が快適に過ごせる空間創造
・勤怠や給与といった人事業務支援
・ウェブ会議や在宅ワークといったリモートワーク支援
・ファイルや名刺といった情報の共有ツール
色々な項目がある中で、今回この記事で着目したのは「オフィスビルの空調、照明、受変電設備などを自動制御しながら、オフィスで働く人が快適に過ごせる空間創造」についてです。
BEMS (Building Energy Management System) とは
配電設備や空調設備、証明設備、換気設備、OA機器などの電気使用量のモニターや制御を行うためのシステムのことを指し、電力センサーや温度センサー、照度センサーなどから情報を集めて可視化する機能と、空調や証明などの機器を制御する機能に大別できます。
インテリジェントビルや大型のショッピングモールなどでよく利用されているシステムなのですが、電気使用量を可視化して適切に制御することで、電気基本料金の削減が実現できます。
皆さんの職場でも、「電気料金のコストカットがしたい」、その一方で「改善のための予算は少ない」「BEMSはいいな~と思うけど、そんな便利なシステムが備わっているビルへの移転予定はない・・・」といった課題はありませんか。
コロナにより出社人数に制限がかかったり、出社義務がなくなったりする企業も多い中で、電気料金のコストカットは削りやすい予算の一つかもしれません。とはいえ、毎月の料金明細とにらめっこしていても、結局よくわからないというのが実情だと思います。まずは電気利用の実態の「見える化」を実現することで、具体的な改善案を出しやすくなります。
本連載でエネルギーコスト改善の第一歩として、BI(今回はDomoを利用)とIoTを組み合わせた「見える化」の方法を紹介したいと思います。
第1回である今回は、Domoを使ってどんなことができるのか、どんなダッシュボードが作れるのか、そのためのデータの収集方法についての概要を説明し、第2回目以降で具体的なダッシュボードの構築方法について紹介する予定です。
スモールスタートのハードルを上げているIoTの実情
本題に入る前に、IoT(Internet of Things)の実情について触れておきます。IoTとは、これまでインターネットに接続されていなかった様々なモノから、ネットワークを介して相互に情報交換できるようにする仕組みです。
2015年の国連で採択されたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の重要テーマである「Society5.0」を実現するためにもIoTは不可欠ですが、IoTを実現するためには、膨大なデータを有効活用するための基盤が必要とされています。
IoTを実現するための仕組みの構築フロー
1. 末端機器(センサー、ゲートウェイ、生産機器)からのデータを収集する
2. 大量のデータ(ビッグデータ)を蓄積する
3. 用途に合わせたアプリケーションを開発・購入し分析、可視化する
4. (用途に応じて)末端機器へデータを更新する
これらを網羅しているIoTプラットフォームは存在しますが、世界中には主要なベンダーが90社以上、日本国内だけでも30社近くあり、それぞれに特性が大きく違います。どのベンダーが自社に適しているのかを調査するコストだけでも多くのリソースを割かなくてはならず、スモールスタートに踏み切れない企業が多いのが実情です。
Domoを使った省エネの実現
では、実際にDomoを使ってエネルギー利用の実態を可視化・改善するための方法を紹介していきます。大まかな改善までの流れは以下です。
まず環境センサーで室内の温度データ、湿度データをセンシング(収集)し、センシングしたデータをDomoに蓄積、Domoでカード化した情報をモニタリングして分析・解析します。そこで閾値を設定しておき、閾値を超えた場合、異常値を検知した場合はアラートが通知されることで改善を促す仕組みです。
この構成を実際に作成してみました。第2回では、イメージを具体的に落とし込んで紹介したいと思います。お楽しみに!
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