複数台構成+冗長化で信頼性の高い広告配信インフラを構築/オプト+ブロードバンドタワー
株式会社オプト/ブロードバンドタワー
取材・文:野本幹彦
スキルの高い技術者に運用を任せることで
流れの速い広告業界に次々と新規事業を展開
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インターネット広告に特化した事業で
新たな柱となる新規事業を立ち上げる
オプトは、インターネット広告を含むeマーケティング事業を行う会社である。ASP型の効果測定ツール「ADPLAN」なども提供し、広告クライアントに対してROI(費用対効果)が最適になるようにコンサルティングサービスを行う一方、直接入稿可能な広告配信サービスやファイナンス関連の比較データの提供なども手掛けるなど、新規事業も積極的に展開している。新規事業本部事業開発2部の部長である羽根井豊氏によれば、流れの速い広告業界において、新たな事業を作っていくことは非常に重要だとのこと。「広告業界は3~4年のスパンでパラダイムシフトが起きています。Googleが直接入稿という手法でクライアントを管理するようになってきましたが、この手法は将来の主流となるでしょう。我々としては、お客様のROIを最適化するコンサルティングを行っていくとともに、新規事業として直接入稿ができるようなプラットフォームも開発していかなければならないと考えました」
こうした考えのもと、オプトは2008年にメディアへの広告配信サービス「aisync」を提供し始めた。aisyncは、約50サイトのメディアと提携し、広告主が直接入力した情報をリアルタイムで配信できるサービスだ。地理情報システム(GIS:Geographic Information System)を使ってエリアごとに情報を配信できるほか、PCやモバイルだけでなく地デジのデータ放送などにも広告を配信できるようになっている。
決め手は柔軟な拡張性と安心して運用を任せられる信頼性
新規事業としてaisyncを立ち上げた羽根井氏のチームは、インフラとなるサーバーを選択するにあたって「拡張性」を最重要視したと話す。「GISを使ったロングテールの広告の拠点数は膨大であり、飲食店だけで全国で40万件以上あるといわれています。また、掲載するメディアの数も増やしていかなければ意味がないので、トランザクションも大きくなることが予想されます。通常のリスティング広告とは異なり、画像や位置情報なども含めなければならず、より多くの広告クライアントがリアルタイムにキャンペーン情報などを配信できるようにするためには、必要に応じてデータベースを拡張できるスケーラビリティが必要だと考えました」
サーバーの選択にあたって、すでに事業として軌道に乗っているADPLANを運用しているデータセンターを利用することも検討した羽根井氏だが「サーバーの運用管理を任せられて、相談したり、提案を受けられるような事業者のほうが新規事業を行いやすいと考え、レンタルサーバーを検討することにしました」と当時を振り返る。最終的に、ブロードバンドタワー(以下、BBタワー)の専用サーバーサービス「FlexHosting」を利用したのは、数年前に新規事業として立ち上げたファイナンス関連の比較サイトでも使われていたからだ。
オプトでは従来からの主要取引先であるファイナンス関連企業に対して、見込み客の獲得チャネル提供を目的とした「ローンギンザ・ドットコム」「カードギンザ・ドットコム」「オンライン証券会社ガイド」「外為ギンザ・ドットコム」「保険ギンザ・ドットコム」といった金融比較サイトを運営しており、大手ポータルなどにそのコンテンツを提供している。コストを抑えて運用の手間を低減させるために、当初はデータセンターに置いてあったこれらのサーバーをBBタワーに移転させたと話す新規事業本部事業開発1部の奥田光洋氏は、BBタワーを選択した理由を次のように話してくれた。「新規事業の立ち上げは少人数で行うことが多く、専任のシステム運用担当者を抱える余裕はありませんでした。サーバーやネットワーク回りの運用を任せられる事業者を探していたところ、ADPLANのチームからBBタワーがよいという話を聞きました。すでに当社での利用実績もあるし、大手ポータルサイトの運用実績もあると聞き、インフラとしての信頼性の高さを感じました」
柔軟で親切な対応が魅力トラブルにも素早く対応できる
実際に利用した感想を聞くと、羽根井氏は「柔軟な対応で相談にのってもらえる」と話してくれた。サーバーの台数が増えてくるにつれて価格面での相談にも応じてくれるようになり、助かっているという。
また、運用面での対応のよさもBBタワーを使ってよかったところだと羽根井氏は続ける。「ビジネスの性格上、広告が配信されないといった状況は絶対に避けなければなりません。夜間にトラフィックが急増したときなど、配信が瞬断しそうになることもありますが、そうしたトラブルにもきちんと対応してくれるし、どのような対応を行ったかも報告してくれるので安心です。トラブル発生時には、開発ベンダも含めて複数の担当者に連絡を入れてくれる点も評価しています」
一方、比較サイトを運用している奥田氏は、小規模な構成でも冗長化された安定した環境を手に入れられるところがありがたいと話す。「比較サイトの事業は、aisyncのような大規模な構成ではなく、シンプルな構成となっていますが、このようなライトユーザーであるからこそFlexHostingを選択したという理由があります。上流の共有部分にロードバランサなどの機器が用意されているため、小規模な複数台構成でアクティブ/スタンバイの冗長化を行うことができます。ネットワークの知識を必要とするロードバランサの設定もBBタワー側にやってもらえるので非常に助かっています」
さらに、これらの設定やトラブル対応に対して真摯に向き合ってくれるところもBBタワーのよさだと両氏は感じているようだ。「エンジニアの方の対応が柔軟であることもありがたいですね。急な依頼や相談をしても、すぐに対応してくれますし、急なサーバーの追加や、特殊な設定の依頼にも快く応じてくれます。これまでお付き合いした事業者で、ここまで対応してくれるところはありませんでした」(奥田氏)
まだまだ新たな可能性を秘めているインターネット広告の世界で、オプトはさまざまな可能性を追求し、今後も新たな事業を展開していこうと考えている。最後に、aisyncの今後の展望を羽根井氏にうかがった。
「今回のaisyncによって、プラットフォーム事業という新たな柱を築き、モバイル戦略も強化していかなければならないと考えています。多くのキャリアにも興味をもっていただいていますし、将来的にはモバイル放送なども配信できるような仕組みを作っていくつもりです。ユーザーのエリアや嗜好性を基に広告を配信するというニーズは高まっていくことが予測されるため、我々は今後もより多くのデータを蓄積し、有効に活用できるようにしたいと考えています。こうした市場を盛り上げ、まだ限られた業界にしか使われていないインターネット広告の世界を拡げていくことが我々の使命だと思っています」
株式会社オプト
- 設立:1994年3月
- 本社所在地:東京都千代田区
- 事業内容: eマーケティング事業(広告代理業務、テクノロジー、ソリューション、コンテンツ提供)およびコンサルティング
- URL:http://www.opt.ne.jp/
- 利用サービス:ブロードバンドタワー FlexHosting 20台以上
- URL:http://www.bbtower.co.jp/
- 利用内容:広告配信サービス、およびファイナンス比較サイトのインフラとして
株式会社オプトが選んだレンタルサーバーサービス
ブロードバンドタワー
http://www.bbtower.co.jp/
信頼性の高い運用と高度な技術サポートに定評があるブロードバンドタワーは、一次代理店として高性能クラスターストレージ「Isilon」の提供や、カーボンオフセットプロバイダ2社との提携によるカーボンオフセットサービスの提供など、技術面や環境面の新しい取り組みにも積極的な先進企業である。同社の「FlexHosting」は、24時間365日体制のマネージドサービスが標準で提供される専用サーバーで、高い運用・管理ノウハウが惜しみなく投入されている。
※この記事は『レンタルサーバー完全ガイド Vol.17』掲載の記事です(2009年5月発売)。
社名、所属部署、利用サービス、価格など、この記事内に記載の内容は、取材当時または記事初出当時のものです。
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