日本のWeb担当者2000人の大調査報告書

Web担当者の多忙な日々:31%がSEOを実施、ブログは23%、フィードは……

[特集]日本のWeb担当者

Web担当者の多忙な日々:アクセス向上、ブログ、携帯サイト……

TEXT:インプレスR&D インターネットメディア総合研究所、編集部

ウェブサイトは単にページが作って置いてあればいいわけではなく、Web担当者が行わなければいけないことは非常に多い。管理コストを減少させて効率的にコンテンツを更新するためのコンテンツ管理システムの導入や、アクセスを増やすためのSEOやキーワード広告の施策、PDCAサイクルをまわすためのアクセス解析などだ。こういった施策を他のWeb担当者はどのように行っているのだろうか。

アクセスを増やすにはまずSEO

ウェブサイトへのアクセス数を増やす施策はさまざまあるが、どんな対策をしているのかを調べた結果が図1だ。

図1 実施しているアクセス誘導施策
図1 実施しているアクセス誘導施策
Copyright © 2007 impress R&D All rights reserved.

最も多かったのは「SEO(検索エンジンで上位に表示されるためのコンテンツ調整)」で、31%の企業が実施していた。Web担当者ForumでもSEO関連のコンテンツの人気が高いことからも、この結果には納得だ。

次いで、「紙メディア(雑誌広告やチラシ)にURLを記載して誘導」「キーワード広告の出稿(Googleアドワーズ広告、オーバーチュアなど)」「会員登録してもらった人へのメールマガジンの配信」となっている。

ここでも42%の企業が「特に何もしていない」と回答しているのが気になるが、「特に何もしなくてもアクセス数は問題ない」という可能性もある。とはいえ、もしウェブサイトの効果がうまく上がっていないのに何のアクセス誘導施策も行っていないのならば、それは問題だろう。

今後取り組みたいのはやはりアクセス向上

特にアクセス誘導に限らず、投資対効果を期待して今後ウェブサイトで取り組みたい施策も調査した(図2)。

図2 今後投資対効果を期待して取り組みたい対策(複数回答)
図2 今後投資対効果を期待して取り組みたい対策(複数回答)
Copyright © 2007 impress R&D All rights reserved.

やはりアクセス数は大切で、「アクセス数向上・集客のための広告対策、ネット上の露出アップ」が37%でトップだった。次いでやや比率が下がるが「商品情報などコンテンツ増強のためのデータベース構築」「ユーザービリティ(操作性やアクセシビリティ、ウェブデザインの向上)」が21%と続く。

一方で、30%の企業が「特に取り組みたい対策はない」と回答しており、ウェブサイトを開設しているものの、あまり力を入れていない企業も多いことがうかがえる。

ブログの利用は多いがフィードやSNSには消極的

ブログ、フィード(RSSとAtom)、SNSについて、ウェブサイトで開設しているかどうかを調べた(図3)。

図3 ブログ、フィード、SNSの利用状況
図3 ブログ、フィード、SNSの利用状況
Copyright © 2007 impress R&D All rights reserved.

23%の企業で「ブログ」を利用しており、「フィード」は8%、「SNS」は4%の企業で利用されている。

「積極的に」「可能ならば」を合わせた、今後利用したいと回答している企業の比率は、「ブログ」「フィード」が15%前後であるのに対し、「SNS」では12%とやや低い。

携帯サイトはまだまだこれから

次に、携帯電話向けウェブサイトの開設状況を用途別に調べてみた(図4)。

図4 携帯電話向けウェブサイトの開設状況(用途別)
図4 携帯電話向けウェブサイトの開設状況(用途別)
Copyright © 2007 impress R&D All rights reserved.

「製品・サービス情報の掲載・告知」が20%、「会社概要の掲載・告知(地図含む)」が19%と、パソコン用のウェブサイトの用途でも上位の用途の利用率が高い。「お知らせの配信などのための顧客情報の登録受付」は6%と低く、今後の利用意向も積極的ではない。

今後の利用意向では、3つの用途にそれほど大きな差はみられなく、「現在使用していないが、今後は積極的に利用したい」と「現在使用していないが、今後は可能ならば利用したい」を合わせた利用意向がある企業はそれぞれ18%前後である。

とはいうものの、携帯電話向けウェブサイトは半数以上の企業が開設しておらず、今後も開設の予定はないと回答しており、企業が携帯電話向けにウェブサイトをもつことは、まだそれほど一般的にはなっていない。

SEO施策は自分たちで行う

ここからは、全体的なウェブサイトの管理ではなく、具体的な施策それぞれに関する項目をみていこう。

さまざまな施策のなかでも実施率の高かったSEOの業務をだれが行っているのかをみると(図5)、「自分・自分の所属部署(兼業)」が29%で最も高く、続いて「自分・自分の所属部署(専業)」が11%だった。SEOをしていない企業を除くと、Web担当者自身や部署内のスタッフが担当している企業が65%を占めている。

図5 SEO業務の担当者(複数回答)
図5 SEO業務の担当者(複数回答)
Copyright © 2007 impress R&D All rights reserved.

また、SEOに関しては、「アウトソーシング先のウェブサイト制作会社」や「広告代理店」などの外部の企業にアウトソーシングしている企業は9%(SEOをしていない企業を除くと15%)と少数にとどまっている。

インターネット利用動向調査<ウェブ担当者編>2007 調査概要
  • 調査対象:企業におけるウェブサイトの企画および制作・運用・管理、およびオンラインマーケティング担当者
  • 対象地域:全国
  • サンプリング:NTTレゾナント株式会社gooリサーチの保有するアンケートパネルからの条件抽出によるメール配信、アンケートサイトへの誘導
  • 有効サンプル数:2154
  • 調査期間:2007年4月18日(水)~5月2日(水)

※『インターネット白書2007』に収録された資料と同じ設問もあるが、同書の約2倍のサンプル数を対象としており、データ精度が高くなっている。

※本調査の集計は、実際の状況に近い市場の代表性の高いデータとするために日本全体の業種別雇用者規模別のウェブサイト開設企業数に整合するように比重調整を行っている。このため、回答結果は日本の9割を占める50人未満の中小企業の実情に強く影響されていることに留意されたい。

『インターネット利用動向調査報告書〈ウェブ担当者編〉2007』

インターネット利用動向調査報告書〈ウェブ担当者編〉2007

http://www.impressrd.jp/iil/net07_web

本記事は、インプレスR&Dによる『インターネット利用動向調査報告書〈ウェブ担当者編〉2007』の資料を基にしている。同調査報告書は、「個人動向編」「企業動向編」「ウェブ担当者編」の3種類の調査による「インターネット利用動向調査」のうち、企業のウェブ担当者の利用動向をまとめたもの。

本記事で紹介した内容以外にも、ブログやSNSの利用、Web APIの利用、コンテンツ連動型広告やアフィリエイトの導入状況、B2C/B2Bの売り上げ比率、ドロップシッピングの利用状況、Web2.0に対する取り組みや売り上げ規模など、さまざまな設問や集計軸による詳細な集計結果が収録されている。

  • 価格(税別):
    • 書籍:98,000円
    • PDF版(プリントアウト可):98,000円
    • PDF版(プリントアウト不可):49,000円
    • サイトライセンス利用期限1年):98,000円
    • サイトライセンス利用期限なし):196,000円
  • サイズ・判型:A4版
  • ページ数:400P(仮)
  • 調査・執筆:インプレスR&D インターネットメディア総合研究所
  • 発行:株式会社インプレスR&D
  • 発売:株式会社インプレスコミュニケーションズ

この利用動向調査報告書に関して、詳しくはhttp://www.impressrd.jp/iil/net07_webを参照。

用語集
Atom / RSS / SEO / SNS / Web担当者 / アクセシビリティ / アクセス解析 / アドワーズ / アフィリエイト / ウェブマスター / オーバーチュア / キーワード広告 / コンテンツ連動型広告 / ドロップシッピング / フィード / 市場動向 / 広告代理店 / 検索エンジン / 調査
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