[図解]オーバーチュア新システム完全理解&準備法

品質インデックスの裏側――新スポンサードサーチの掲載順位はこう決まる

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[図解] オーバーチュア新システム 完全理解&準備法 ~パナマで変わる7つのポイントと「キーワード広告2.0」への意識改革

パナマ運河が世界の物流を一変させたことにちなんで、開発コード「パナマ(Panama)」と名付けられていたオーバーチュアの「新スポンサードサーチ」。先行して導入された米国に引き続き、日本でも2007年4月17日から、新スポンサードサーチへの移行が開始された。新スポンサードサーチで何が変わるのか、どう対応すればいいのか、徹底的に解説する。

TEXT:鶴田 修朗 協力:オーバーチュア株式会社、株式会社デジカル

2007年4月に日本でもリリースされたオーバーチュアの「新スポンサードサーチ」。全ユーザーの新システムへの移行完了後に実施されるとアナウンスされていた、広告掲載順位の決定方式の変更(「品質インデックス」の導入)が、いよいよ実施された。順位決定に影響を持つ広告の品質は、そして管理画面に表示される「品質インデックス」はどう決まるのか? 新方式での掲載順位アップのノウハウは?

新スポンサードサーチの広告掲載順位決定方式はこう変わる

まずは新スポンサードサーチにおけるキーワード広告掲載順位の決定方式を、簡単におさらいしておこう。ご存じのとおり旧スポンサードサーチでは、単純に入札価格(上限クリック単価)の高い順に上位に広告が表示される仕組みになっていた。4月からスタートした新スポンサードサーチへの移行期間中(ユーザーが1週間単位で段階的に移行)も、この掲載順位決定方式のままだった(コンテンツマッチ広告を除く)。

しかし、全ユーザーの新スポンサードサーチへの移行完了に伴い、この順位決定方式がいよいよ変更された。従来の入札価格に完全に依存する方式ではなく、入札価格と広告のクオリティを基準に、掲載順位が決定されることになるのだ。Googleのアドワーズ広告と同様の仕組みと言えば、わかりやすいかもしれない。

図1 新スポンサードサーチの掲載順位決定方式
図1 新スポンサードサーチの掲載順位決定方式

広告の「品質」はどんな要素で構成される?

新スポンサードサーチでの広告の品質を構成する要素はさまざまだが、オーバーチュアによれば、主に次の3つがが関わってくるという。

  1. クリック率

  2. 掲載順位ごとのクリック率(異なる掲載順位の広告におけるクリック率の差を補正する)

  3. 広告とリンク先ページの関連性

クリック率に関しては、絶対的な数値だけでなく、競合する広告との相対値によっても評価される。また過去のクリック率の実績に基づいて算出された、将来の予想クリック率も加味されるのが特徴だ。

これらの要素が、どのように計算され、品質として数値化されるかは明らかにされていない。しかしクリックされやすく、かつ広告と関連度が高いリンク先ページ(ランディングページ)を用意することで、品質が向上すると理解しておけば、間違いないだろう。

実際の広告掲載順位は、「入札価格」と、「品質」の2要素で決定される。オーバーチュアによれば、両者はイーブンに評価され、どちらか一方が重視されることはないとのことだ。従来のように入札価格によって掲載順位をコントロールできなくなる反面、品質が高ければ、入札価格が低くても、より上位に表示される可能性が生じることが、メリットとなる。

なお広告の品質は、管理画面上では「品質インデックス」という5段階の目盛りで表示されるが、実際にはもっと細かな数値で管理されている。単純に言えば、目盛りは同じ「3」であっても、「2.8」の場合もあれば、「3.2」の場合もあり、入札価格が同一であれば、後者が上位に掲載される。管理画面で確認できる目盛りは、あくまでも目安だと考えてほしい。

図2 管理画面での品質インデックスの表示
図2 管理画面での品質インデックスの表示
管理画面では、広告の品質インデックスを確認できる。

新規広告の品質は標準値として中間の値からスタート

移行期間中から掲載されている広告は、現状の品質の値がそのまま引き継がれる。新掲載順位決定方式のスタートと同時に、全広告の品質がリセットされるということはない。

新規に作成した広告に関しては、標準の状態として品質の最高値と最低値の中間値からスタートする。その後、一定期間を経て、品質インデックスが表示されることになる。表示までの具体的な期間は、広告のインプレッション数などにより異なる。掲載順位にもよるが、インプレッションが多い広告は、相対的に短い期間で確定するということだ。

またいったん確定した品質も、それ以降ずっと同じ値というわけではなく、クリック率の実績値などにより、随時見直される。管理画面に表示される品質インデックスは1日1度しか更新されないが、実際にはもっと短いサイクルで変動しているという。

CTR

クリック率(Click Through Rate)のこと。広告が表示された回数(インプレッション数)に対する広告がクリックされた回数の割合で、「クリック数÷インプレッション数×100」で求められる。

ただし広告の品質は、CTR実績などの過去のさまざまな要素の移動平均によって計算されており、また前述のように将来の予想CTRも影響を与える。このため、たとえば1日だけクリック率が著しく低い日があったとしても、大きな変動は生じないようになっている。

図3 品質の推移(イメージ)
図3 品質の推移(イメージ)
新規に広告を掲載した場合、品質の初期値は最高値と最低値の中央値となり、一定期間、評価が蓄積される。その後、品質の値は移動平均的に変動していく。なお実際には、過去の実績値だけでなく、将来の予想CTRも加味される。
用語集
CTR / アドワーズ / インデックス / インプレッション / オーバーチュア / キーワード広告 / クリック率 / スポンサードサーチ / パナマ / リンク / 品質インデックス / 掲載順位
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