朝日新聞社と日本経済新聞社が生成AI事業者の米国Perplexityを著作権侵害で共同提訴

両社サーバーに収録する記事を許可なく複製・保存、記事内容が含まれた回答を表示

朝日新聞社と日本経済新聞社は8月26日、生成AI(人工知能)事業者の米国Perplexity AI(パープレキシティ)を著作権侵害行為の差し止めと損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に共同提訴したと発表した。朝日と日経の両社は、無断で自社記事コンテンツがAIサービスの回答に使用されていることを問題視している。

パープレキシティは、インターネット上の情報を収集して生成AIに入力し、その出力結果を利用者に提供するサービスを運営している。朝日と日経の両社によると、パープレキシティは両社のサーバーに収録された記事を許可なく複製・保存。2024年6月以降、記事内容の含まれた回答を利用者の端末に繰り返し表示していた。

両社は自社サイトに「robots.txt」による技術的措置を実施し、記事コンテンツの利用を拒否する意思表示をしたが、パープレキシティはこれを無視してコンテンツ利用を継続している。許諾なく使われたコンテンツには、日経が有料会員にのみ提供しているペイウォール内の記事や、朝日が提携先に配信した記事も含まれている、と主張している。

この行為は著作権法21条(複製権)、27条(翻案権)、23条(公衆送信権)に違反すると両社は指摘。引用元に両社名や記事を表示して虚偽の事実を多数表示し、新聞社の信用を著しく毀損して不正競争防止法にも抵触していると主張。記事の複製・送信の差し止め、保存データ削除、虚偽回答の送信差し止め、両社にそれぞれ22億円の損害賠償を求めた。

両社は「新聞記者が膨大な時間と労力を費やして製作した記事が対価なしで大量利用されることは、報道機関全体の基盤を破壊する」と強調。業界全体でも課題への対応を求めてきたが改善されず、共同で訴訟に踏み切った。健全な報道環境を守るため、著作権侵害への歯止めと違法利用事業者への対応強化を訴えていく姿勢を示している。

朝日新聞社のプレスリリースより

 

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