2024年のセキュリティ十大ニュース、1位は「史上最大規模のクラウドストライクの障害」【JNSA調べ】

重要な選挙が多かった1年、その選挙結果にSNSが大きな影響を与えたことが明確に。

NPO日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)は、「2024セキュリティ十大ニュース」を発表した。12名の選考委員で構成された選考委員会によるノミネートと投票により、2024年に発生した重大なセキュリティ事案をランキング形式で整理したものとなっている。

情報漏えい、不正アクセス、偽情報、ランサムウェア…2024年もサイバー犯罪が横行

2024年の十大ニュースとしては「クラウドストライクの障害」が1位となった。影響受けた端末は850万台、損失は54億ドルで、多くの航空会社、医療機関、放送メディア、小売業、金融機関などで、業務が停止する事態となった。

1位 7月19日 「史上最大規模」の障害引き起こしたクラウドストライク
2位 11月29日 「能動的サイバー防御」法整備への提言まとまる
3位 6月9日 KADOKAWA「サイバー攻撃」が示した経営リスク
4位 2月14日 AIセーフティ・インスティテュート (AISI) を設立
5位 1月1日 能登半島地震に乗じてSNS上に偽情報が拡散
6位 11月21日 偽のウイルス感染警告を表示させるサポート詐欺に注意
7位 4月16日 LINEヤフーの情報漏洩に2度目の行政指導、国家間問題へ
8位 5月29日 イセトーへのランサムウェア攻撃 全国多数の委託元が影響を受ける
9位 5月1日 太陽光発電、サイバー攻撃の温床に IoT経由で不正送金
10位 7月5日 JAXAにおいて発生した不正アクセスによる情報漏洩
2024セキュリティ十大ニュース
クラウドストライク社サイトトップページ

2位には「能動的サイバー防御の法整備に向けた、日本政府の動き」、3位はニコニコ動画などを含む「KADOKAWAに対するサイバー攻撃、その結果起きた情報漏えい」がランクインした。

内閣官房は「能動的サイバー防御の法整備」に向け有識者会議を開催
KADOKAWAによるプレスリリース

そのほか選外となったニュースとしては「相変わらずのシステム障害」「情報不正流出」「LockBitのテイクダウン」「ポケベル攻撃」などがあげられている。

委員長の大木榮二郎氏は「2024年は選挙の年、日本をはじめとして世界で重要な選挙が行われた。民主主義の根幹を支える選挙制度ではあるが、選挙により返って分断が進むなど、世界中で政治の安定に大きな疑問符が投げかけられている」とし、その背景にSNSをはじめとしたサイバー空間の活動が深く関係していると指摘している。実際、SNSにより選挙結果が大きく左右された事例が国内外で多数発生した年となった。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

Z世代
厳密な定義はないが、おおむね1990年代後半から2010年代前半に出生した世代を ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]