中小ECサイトでは嘘のメアドや住所を登録するユーザーが多数~中小EC企業向け2016年EC戦略白書より
この記事は、姉妹サイトネットショップ担当者フォーラムで公開された記事をWeb担当者Forumに転載したものです。
PayPal Pte. Ltd.(ペイパル)と一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA、ジェシカ)は3月2日、2万人の消費者と1000社超の中小EC企業を対象にECサイトの利用意識などについて調査した「中小EC企業向け2016年EC戦略白書」を発表した。
▼「中小EC企業向け2016年EC戦略白書」について(ジェシカのHPからダウンロード可能、ジェシカのHPにジャンプします)
ECサイト利用動向
全国2万人のECサイト利用者のうち、87%が「楽天市場」「Amazon.co.jp」などのモールを利用。伊勢丹、ベルメゾンネット、ケンコーコムといった大手の自社ECサイトを利用したことがある人が45.2%、中小のECサイトの自社サイトを利用したことがある人は7.3%にとどまっている。
モールや大手ECサイトで購入する理由は、「すでに会員登録をしている」「使い慣れている」といったことを上げるユーザーが多かったという。
中小ECサイトで商品購入しない理由
また、中小のECサイトで購入しない理由について聞いたところ、「その企業のことを知らないから」「新規で会員登録するのが面倒だから」といった理由が上位に入った。
中小のECサイトへ会員登録するのに抵抗があると回答したユーザーは96%。会員登録しないと商品購入できない場合でも、メールアドレスや住所といった情報をわざと間違って入力するユーザーが相当数いるということも明らかになった。
中小EC企業の意識
一方、中小EC企業に消費者行動について聞いたところ、「消費者は会員登録を嫌がっていない」と考えている企業は約半数にのぼる。消費者との意識の差が大きいことも明らかになった。
日本と米国での会員登録施策
米国でも会員登録を嫌がる消費者が増えており、ECサイトはこうした状況に対して2年ほど前から対応を始めているという。日本の売上TOP100社のサイトの内、70社が強制的な会員登録を必須にしているのに対し、米国では26社のみ。TOP25に絞ると日本は21社、米国では2社。
こうした状況を踏まえ白書では、「今後は日本でも強制的な会員登録から脱却し、ゲスト購入を起点とする新しいEC戦略を立てる必要がある」と解説。まずは1回目の購入はゲスト購入で買ってもらい、その後、会員登録を任意で促し、会員登録をした消費者に対して各種販促を行っていくことが重要なのではないかとしている。
さらに、モバイルへのシフトが加速している現状では、さまざまな情報を打ち込むことはユーザーへの負担が多いと指摘。すでに登録している情報を利用して買い物ができるID決済の導入が重要になってくるとしている。
記者会見を行ったジェシカの川連一豊代表は次のように話した。
実際、調査を実施してみて、驚いた数字がいくつもあった。ECサイトに対して消費者は思った以上にシビアに見ているので、ECサイトとしてはできるだけ早くそのギャップを埋めることが重要だ。
オリジナル記事はこちら:2万人超の消費者意識などをまとめた「中小EC企業向け2016年EC戦略白書」を発表(2016/03/03)
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