1日2000記事を公開する新聞社&システム連携を実現した航空会社: 大規模CMS「WebCenter Sites」事例
大規模Webサイト向けコンテンツ管理システム(CMS)の導入事例を2件、お届けする。1つは、オーストラリアの新聞社「ニューズ・リミテッド」で、多数の記者が1日2000記事を登録し公開するシステム。もう1つは、ブラジル第3位の航空会社「アズールブラジル航空」で、コンテンツをスピーディに更新し、各種システムと連携するシステムだ。
新聞社「ニューズ・リミテッド」のCMS導入事例
ニューズ・リミテッドは、オーストラリア有数のメディア複合企業。オーストラリア全土に8000人以上のスタッフを抱え、約3000人のジャーナリストを擁する。
同社にとって大きな課題となっていたのは、次の3点だった。
- 執筆者(ITに明るくない人)によるニュースの迅速な公開
- 新サービスの速やかな導入
- ウェブサイトの膨大な通信量とピーク負荷の扱い
ニューズ・リミテッドは、ウェブコンテンツ管理ソリューション(WCM)として、Oracle WebCenter Sitesをベースとするスケーラビリティの高いシステムを導入した。今では、同社がオーストラリアで発行する新聞の約60%でこのソリューションが使われている。
これにより同社は、オンラインニュースの記事制作プロセスを根本的に作り直すことが可能になった。これは、記事公開までの作業を迅速化するだけでなく、制作する記事の質の向上にもつながった。
今や同社では、ITに明るいわけではないユーザーたちが、1日2000本に迫る記事を制作・公開しており、1記事の公開にかかる時間は、常に90秒以内だ。
またピーク時には、300人が同時にこのシステムで編集作業を行っており、サイト訪問者による毎秒8万件のページアクセスを処理している。
抱えていた業務上の課題
オンラインニュースの世界は競争が激しいため、ニューズ・リミテッドは、常に最先端の技術を取り入れ、魅力的なオンライン体験でこの分野をリードしたいと考えていた。
同社がそれまで利用していたコンテンツ管理システム(CMS)は、迅速なニュースの公開(スピード公開)ができず、新サービスの速やかな導入も思うようにならなかった。
また運用の面でも、システムの維持が難しくなってきており、維持コストも上昇していた。
導入したソリューション
ニューズ・リミテッドは、Oracle WebCenter Sitesをベースとするスケーラビリティの高いウェブコンテンツ管理ソリューション(WCM)を導入した。
同社は現在、オーストラリアの新聞の約60%を、この共有プラットフォームで運営している。
このシステムはJavaベースのアプリケーションサーバー上で稼働しており、WebCenter Sites独自のキャッシュ機能とCDNを組み合わせて活用することで、より良いパフォーマンスを実現している。
ビジネス成果
ニューズ・リミテッドは、オンラインニュースの記事制作プロセスを根本的に作り直すことができた。その結果、記事公開の作業を迅速化するソリューションだけでなく、コンテンツ「ウィザード」と独自アルゴリズムを利用して、質の高い記事を制作できるソリューションの導入も可能になった。
記者から見ると、コンテンツの制作・公開とウェブで利用する素材の管理を、ITの知識がなくても、とても簡単に行うことができるようになった。
ニューズ・リミテッドは現在、最大で1日2000本の記事を公開している。記事の公開にかかる時間は、常に90秒以内だ。
ピーク時には、300人がこのシステムで編集を行い、ページへのアクセス数は毎秒8万件に達する。
ニューズ・リミテッドのジェイソン・ブロック氏(ITマネージャ)は、次のように話している。
私たちが他のコンテンツ管理ソリューションではなくOracle WebCenter Sitesを選んだのは、コンテンツをすばやく構築できるからだ。特に、Webサイトのコンテンツに関して、そのスピードは最も重要だ。
われわれITチームでは、社内的なSLA(サービ品質の保証基準)として「コンテンツは90秒以内に公開できること」というものを設定しているが、Oracle WebCenter Sitesの導入によって、そのSLAを問題なく満たせるようになった。しかも、それだけでなく、新システムによって、編集スタッフの生産性が200%も向上したのだ。
また同氏は、オーストラリアのオンラインニュースの60%以上は、Oracle WebCenter Sitesのおかげで、ITに詳しくはない大勢の編集スタッフによって記録的なスピードで公開されていると説明している。
ニューズ・リミテッドは、オーストラリア有数のメディア複合企業だ。オーストラリア全土に8000人以上のスタッフがおり、約3000人のジャーナリストを擁している。
同社の事業として公表されているのは、新聞と雑誌の出版、インターネット、有料テレビ、市場調査、DVDと映画の配給、映画およびテレビ番組の制作と売買など。
発行している新聞は日刊紙、日曜紙、週刊紙、隔週紙、隔々週紙などおよそ146紙。このうち3紙は通勤者向けの無料紙であり、102紙は大都市の周辺地域で発行されている(ニューズ・リミテッドが株式の50%を所有する16紙を含む)。
航空会社「アズールブラジル航空」のCMS導入事例
アズールブラジル航空はブラジル第3位の航空会社。4500人の乗務員を擁し、49機の航空機を保有して42地点を結ぶ。
同社では、利用客が航空券を検索して購入でき、さらにマーケティングチームがより効果的にキャンペーンを実施できるような、革新的で購入手続きの簡単なサイトを提供したいと考えていた。
そこで「Oracle WebCenter Sites」を実装したところ、サイトの重要な情報すべてを1つのプラットフォームにまとめることができた。
アズールブラジル航空では、これまで48時間ほどかかっていたウェブサイトのコンテンツ更新処理を5分もかからずに完了できるようになった。
抱えていた業務上の課題
同社では、利用客が航空券を検索して購入でき、さらにマーケティングチームがより効果的にキャンペーンを実施できるような、革新的で購入手続きの簡単なサイトを提供したいと考えていた。
航空券購入手続きが簡単にできる革新的なウェブサイトを顧客に提供する。
Webサイトのコンテンツ更新処理に即応性を持たせ、マーケティングや製品開発などアズールの戦略的部門が自分たちで更新できるようにする。
航空券の売り上げを左右する予約状況確認や決済処理など、サイトのさまざまなアプリケーションを提供している各プロバイダー間の統合を促進する。
導入したソリューション
アズールブラジル航空は、オラクルのパートナーであるTQIと協力してOracle WebCenter Sitesを導入し、サイトの重要な情報すべてを1つのプラットフォームにまとめることができた。
これまでは、少なくとも3種類のサーバーと企業情報環境から集めた情報をポータルとして提供していた。今ではオラクルベースのプラットフォームで、毎日絶え間なく発生するサイトの更新を楽に行えるようになった。
ビジネス成果
実装からコンテンツ編集まで、すべての処理で開発の自由度が増した。
Webサイトの重要な情報すべてを1つのプラットフォームにまとめることで、毎日絶え間なく発生する更新が楽になった。これまでは少なくとも3つのIT環境に情報が分散しており、顧客向けにオンラインで公開するには複雑な処理を行わなければならなかった。
バナーなどWebサイトのコンテンツの更新に必要な時間が、平均48時間から5分未満に短縮された。
Webサイトのユーザビリティを改善できるツールの柔軟性によって、航空券の販売処理が簡素化された。
Oracle WebCenter Sitesが提供するプラットフォームは使いやすく、当社のマーケティング部門では、コンテンツの更新にかかっていた時間を減らして革新的な活動にあてる時間を増やすことができた。
Webサイトのコンテンツを更新するのにこれまで48時間かかっていたところが、今では5分もかからない。航空券の購入手続きを改善して顧客の利便性を高めたことで、われわれは、当社が革新者であることを市場に示した。
アズールブラジル航空は、低価格と高水準のサービスを組み合わせたビジネスモデルを柱として、ブラジル第3位の規模を誇る。
49機の航空機を保有して42地点を結び、4500人の乗務員で毎日350便を運航している。ブラジル民間航空局(ANAC)によると、2011年の利用客数は1500万人で、ブラジル市場でのシェアは10%に達したという。
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