イベント・セミナー

新機能「Cross-Visit」でセッションを越えた分析を

ページ

新機能「Cross-Visit」でセッションを越えた分析を

Discover 3に新しく追加された「Cross-Visit」とは、その名の通り、セッション(Visit)を越えた一連の訪問をユーザー単位で分析する機能だ。

バージョンアップで大きく変わったのが、「フォールアウトレポート」だろう。

従来のフォールアウトを設定できるのは、「ページ」「サイトセクション」「prop」などのトラフィック変数のみで、しかもそれらの個々の変数の中でしかフォールアウトを設定することができなかった。しかし、新バージョンでは、「マーケティングチャネル」「ページ」「サイトセクション」「prop」「eVar」「event」など異なる変数同士をさまざまな形で組み合わせることができる。設定の自由度が格段に広がっているのだ。

たとえば、下図を見てほしい。この図は、「ソーシャルメディアから流入し、サイト内検索を行った後、子供・おもちゃのカテゴリへ遷移、商品購入に至る一連のフロー」を示している。左側が従来のvisit(訪問単位)であり、右側が今回から新しく追加されたvisitor(ユーザー単位)となっている。

図でわかるように、訪問単位(左側)では購入件数は0件となっているが、ユーザー単位(右側)で見てみると指定した期間においてソーシャルメディア経由の来訪から29件の購買に結びついていることがわかる。

このようにプルダウンで、訪問(visit)とユーザー(visitor)の単位をすぐに切り替えられるだけでなく、2つのレポートを画面上に並べて表示することで差異を簡単に把握できるようになっている。

このような自由度の拡張とvisitor単位での分析機能は、フォールアウトレポートだけでなく、サイト分析にも実装されている。

現バージョンのサイト分析はあくまでも、「訪問中におけるサイト内の行動を対象に、『X軸』『Y軸』『シリンダーの幅』『高さ』『色』といった5つの次元でコンテンツ間の関連性を可視化する」、といったものだが、今回のバージョンアップで、「マーケティングチャネル」「ページ」「event」などをサイト分析1つのキャンバス内に取り込むことが可能になった。これにより、「ソーシャルメディア」「Eメール」「自然検索」「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「他サイト」などのさまざまなチャネルと、サイト内での行動、とりわけコンバージョンポイントとを結び付けて、それぞれの前後関係や量的関係をも把握できるようになっている。

ジェネラルセッションでは、このようなチャネル間の関係図に対して、さらに男性と女性というセグメントを適用することで性別によるチャネル接触の差異を、「購入件数」「1人当たりの累計購入金額」という視点から俯瞰するデモが紹介されていた。

左が女性、右が男性

この他に、event変数のパーティシペーションにもvisitorレベルの指標が追加されたことで、従来であればセッション単位でしかコンバージョンに対する貢献を把握できなかったのに対し、流入元と間接効果と直接効果を含めたトータルの効果も評価できるようになっている。

ワークスペース内に複数セグメントを適用

Cross-Visit関連以外では、ワークスペース内に複数のセグメントを適用できるようになっている点も大きな特徴といえるだろう。

たとえば下図では、①「モバイル」で、かつ、②「リスティング広告から来たユーザー層」に絞り込んだうえで、「流入元別」に、③「ロイヤル訪問者と初回訪問者」という2つのセグメントに関する検索数と購入件数を示している。

このように計3箇所でセグメントを設定し、さらに3つ目の箇所には複数適用することで、同一の指標に対するセグメントごとの差異を把握できるのだ。従来でも①と③のセグメント設定は可能であったが、②の機能が追加されたことで、より柔軟なセグメンテーションができるようになっている。

また、主要指標の期間ごとの推移もテーブル形式で表示できるようになっている。

下図は、初回訪問者における4半期ごとの売上を商品別に示したものである。

セグメントの編集もより簡単にできるようになっている。Discover利用者は決まったデータを見るのではなく、その都度切り口を変えながらさまざまなセグメントを作成することが多いだろう。そうした利用者にとって、Discover 3では作業効率が大幅に高まっている。

たとえば、現バージョンではセグメントの単位をVisitレベルからVisitorレベルへ変更する際には一から作成しなおす必要がある。しかし前述のように、今回の機能拡張によりプルダウンから選択するだけでレベル変更ができるようになっているといった点は大きい。

また、セグメントの条件式を一画面内で確認できるようになった点も、細かいながらも利用者に配慮された仕様だ。

プルダウンから選択するだけでレベル変更、セグメントの条件式を一画面内で確認できるようになった。
◇◇◇

以上、Discover 3.0の主な新機能を紹介したが、今後も別途紹介する予測マーケティングの機能拡張の一環として、クラスター分析などさまざまな機能の追加が予定されているとのことだ。

ページ

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

DX
Digital Transformationの略。企業におけるデジタル化・電子化 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]