Biz/Browserを用いたRIA技術紹介
RIAシステム 構築ガイド Essential 2
RIAコンソーシアムが発行したRIAの普及促進や開発に関するガイドライン『RIAシステム 構築ガイド』の2008年版である『RIAシステム 構築ガイド Essential 2』をWeb担向けに特別にオンラインで公開するコーナー。
ビジネス‐RIAとして
Biz/Browserは、単にリッチな画面を作るために生まれたのではなく、あくまでも業務そのものの生産性を高めることを目的として開発された製品です。
ビジネス‐RIA 誕生の背景
Biz/Browserは、1999年にリリースされました。10年余の歴史を持つ製品です。誕生の背景は、単純明快でした。Webシステムは、手元にPCがあってブラウザさえ搭載していれば、誰でも手軽にアプリケーションを操作できるという点が一つの大きな利点です。また、アプリケーション配布やクライアントの管理が楽になり、システム運用部門にとってはコストメリットがあります。この利点を最大限に生かし、且つ、一般的なHTMLブラウザの操作性の課題点を払拭する為に生まれてきました。「ブラウザ」そのものをビジネスユーザ専用に作ってしまったのがBiz/Browserです。
ビジネス‐RIA 10年の歴史の中で
10年前は、まだ業務システムをWeb化する企業も今ほど多くはありませんでしたが、業務担当者の生産性を高めることが、企業の業績を高めることに繋がるという認識は、今も昔も変わりません。システムアーキテクチャの違い云々の以前に業務システムを支え続ける意志が製品には込められています。
10年の歴史の中で、Biz/Browserは、世代を重ねて成長してきました。そこには、開発者として約630社の日本を代表する企業の声に耳を傾け、製品に取り込む努力をしてきました。RIAを表現する時「Webアーキテクチャのメリットを活かしたまま操作性や表現力を向上させたアプリケーション」といった言い方がされます。ここで言う「操作性や表現力を向上」とは、Biz/Browserにとっては現場の業務担当者の声を反映させる事と捉えています。
ビジネス‐RIA 国産ビジネスブラウザとして
RIAの技術を業務システムに適用した場合に、企業の業務システムに対する考え方を理解しておくことは非常に重要です。企業における業務システムは、5年あるいは10年と使い続けることを想定しています。アクシスソフトでは、過去の製品リリースに対して、すべてサポートを継続していく方針であり、また、過去の旧リリースをお使いのユーザ様が最新のVISTA端末に切り替えたとしてもアプリケーションが同じ挙動をするように対応しています。
また、すべての顧客に対して、永続的に保守し続けることを宣言しています。製品がバージョンアップしても、古いバージョンのサポートを止めることはありません。古いバージョンに対してもWindows Vistaへの対応を行いました。それは、Biz/Browserというものがフロントだけの問題ではなく、業務システムのツールだからです。
その業務システムが利用されている間、安定して確実に稼働し続けるように対応することが、製品メーカーの使命であるとの考えからきています。
ビジネス‐RIA 世界規模での利用について
RIAの技術が活かせる可能性を秘めた場面は、数多くあります。Biz/Browserのユーザの多くが世界各国に海外支店をもっています。米国、欧州、中国、韓国、アセアン、オセアニアなど、多国語対応済みのBiz/Browserが言語を判別してアプリケーションを切り替えるのはもとより、様々な回線スペックの各国でも安定してサービスを提供できるミドルウェアとして利用されています。
ビジネス‐RIA 印刷の課題
Web化でクローズアップされるのが、印刷の課題です。
アクシスソフトでは、1999年の当初からWeb印刷エンジンとしてPrintStreamというモジュールを世に送り出してきましたが、日本国特有の帳票デザインへの対応は、RIAとして語られることは少ないかもしれませんが、業務システムの生産性を考えた場合には、重要な要素として捕らえています。
ビジネス‐RIAとしての今後
業務システム専用のビジネスブラウザとして今後も企業における生産性を高める為の製品リリースとサポート行っていきます。
Biz/Browserは、名前こそ閲覧ソフトを連想させる「ブラウザ」となっていますが、実体は「CRS(Chain Reflection Script)」という独自のスクリプト言語で記述したクライアントソフトを解釈し実行する一種の言語処理プログラムです。クライアントPCからBiz/Browserを起動し、必要なCRSファイルのURLを指定して実行します。
Biz/Browserは、CRSをダウンロードし、テキスト形式のスクリプト言語を中間言語にコンパイルした上で、クライントPCにキャッシュ格納します。ユーザが画面を操作している最中は、キャッシュの内容を保持し続けるのでサーバとの通信は、ほとんど発生しません。
Biz/BrowserではCRSをダウンロードする場合とデータベースの検索結果などのデータをダウンロードする場合とを明示的に区別して処理するようになっています。Biz/Browserでは、画面情報とデータを分離することで、画面遷移と通信を非同期にしてキャッシュを可能としました。
Biz/Desiner EXで提供するGUI画面イメージと主要な提供機能
- 西村 修/Nishimura Osamu
- アクシスソフト株式会社
この記事は、RIAコンソーシアムが発行した『RIAシステム 構築ガイド Essential 2』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。※掲載されている内容は2008年12月発行時点のデータに基づいています。
RIAコンソーシアムの活動記録とも言える本ガイドは、RIAの普及促進、開発に関するガイドライン、課題解決などについて、マネージメント、ユーザーインタフェース、テクノロジーの3つの視点からみた、それぞれのテーマについてまとめています。
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