まとめ
まとめ
この事実をご存じでしょうか。
「人は自分にとって値段以上の価値があるものしか買わない」
ちょっと哲学的ですが、人が何か買い物をするときには、100円のモノには100円以上の、1万円のモノには1万円以上の価値があると考えるからお金を支払います。その逆に100円の値がついている商品に99円の価値しかないと思えば、100円を支払うことはありません。ヒトは誰だって損をしたくはないのです。
今回、鈴木部長が30万円のセミナー代金を(経費で)支払ったのは、森田のセミナーは(会社にとって)30万円以上の価値がある(はずだ)と考えたからに他なりません。この時点で鈴木部長にとっての価値は30万円を超えているのです。
そして100倍、1000倍と現実離れした数字も人の心理の真理を突いています。最近、ネットを駆け抜けたニュースに「米国債13兆円事件」があります。詳細はネットで検索していただくとして、一報に際し思い出したのが「M資金詐欺」や「100万円札詐欺」です。冷静に考えればあり得ない話ですが、極端に現実離れした数字は、人間のロマンと妄想を刺激します。
もちろん、コンサルタントのすべてが今回紹介した「森田」ではありませんが、この言葉で締めくくります。
「セミナーノウハウで儲かるのはセミナーを主催するコンサルタント」
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この記事の筆者
原作:宮脇睦(みやわき・あつし)
プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。制作、営業の双方の現場を知ることからWebとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供し、一業種一社、制作案件は足立区内のみという営業施策をとっている。本業の傍らメールマガジン「マスコミでは言えないこと」を発行。好評を博す。著書に『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)、『月刊宝島』などに寄稿。
作画:牧岡ちかひで
元はお堅い経理マン、初めて応募した新人漫画賞で佳作受賞。まぐれ当たりが人生の分かれ道、脱サラして漫画家に人生軌道修正。一般、広告からお色気まで森羅万象、この世のすべてを漫画にするのが秘めたる野望。「子作りからあの世まで」をモットーに、地図の無いマンガ街道をただ今邁進迷走中!!