【台湾情報】台湾再生可能エネルギー産業の振り返りと2022年の展望<ワイズ機械業界ジャーナル2022年7月第1週号発行>

リリース情報提供元: プレスリリース・ニュースリリース配信サービスのPR TIMES
2022年07月07日(木)
威志企管顧問股イ分有限公司(ワイズコンサルティンググループ)
~台湾機械業界の最新動向を分析する~

ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2022年7月第1週号を発行しました。今週号では、エネルギー業界、ファスナー業界、エアーネイラーを主力とする力肯実業(DE POAN)、電動車輌業の動向をご紹介します。



<最新号目次>


台湾再生可能エネルギー産業の振り返りと2022年の展望
台湾ファスナー産業の振り返りと2022年の展望
エアーネイラーを主力とする力肯実業(DE POAN)
世界的なネットゼロの流れ 台湾の電動バス大手が海外市場開拓

<台湾再生可能エネルギー産業の振り返りと2022年の展望>
一、産業概況
太陽光発電産業

 台湾太陽光発電産業の2022年第1四半期の生産額は178億9000万台湾元で、前期比4.8%減、前年同期比15.6%増となった。太陽光発電設備の駆け込み設置があった前期からの反動減と出荷先送りで前期比マイナスとなったが、太陽光発電の電力買い取り価格の引き上げにより、太陽電池、太陽光発電モジュールの需要が拡大し、前年同期比では2桁プラス成長となった。
 製品別では、太陽電池用シリコンウエハーの生産額は5億3000万元に増加した。多結晶シリコンの価格上昇を受け、シリコンウエハーの価格も上昇したためだ。また、太陽電池の生産額は78億4000万元で前年同期比33.8%増、太陽光発電モジュールの生産額は87億4000万元で8.1%増だった。太陽光発電の買い取り価格の引き上げにより、太陽光発電設備の設置が相次ぎ、 需要増で太陽電池、太陽光発電モジュールの価格が高い水準で推移した。

風力発電産業
 台湾風力発電産業の22年第1四半期の生産額は69億5000万元で、前期比49.7%減少した。第1四半期は世界風力発電産業の非需要期で、主に中国に工場を持ち、中国の発電所開発業者や中国に進出する欧米の発電所開発業者に製品を供給する台湾メーカーの原材料、風力発電機部品の出荷が大幅に減少した。
 また、台湾では、主要製品の風力発電機タワーと海底基礎構造物のうち、海底基礎構造物は21年第4四半期に多くが納品されていたため、第1四半期の生産額は大幅な反動減となった。それに、陸上風力発電所の開発も円滑に進まず、生産額への貢献が限られた。


その他再生可能エネルギー産業
 その他再生可能エネルギー産業の22年第1四半期の生産額は7億7000万元で、前期比7.8%減、前年同期比3.6%増だった。▽燃料電池部品を主要製品とし、主に海外の固体酸化物形燃料電池(SOFC)メーカーに供給している台湾燃料電池産業の受注分の大半が前期に出荷されていた、▽水電解水素製造装置の開発が世界の主流となり、電力供給システムや燃料電池ビークルなどを生産している台湾の固体高分子形燃料電池(PEMFC)メーカー数社の受注が予想を下回った、▽第1四半期は非需要期に当たることが要因だ。なお、バイオ燃料の22年第1四半期の生産額は前年同期比3%増加した。地政学的要因などによる国際原油価格の上昇が寄与した。
 台湾再生可能エネルギー産業全体の22年第1四半期の生産額は256億1000万元で、前期比23.5%減少した。

二、重大トピック
1.米商務省が中国太陽光パネルメーカーの関税回避疑惑を調査へ

 米商務省は3月末、太陽光パネルメーカーの米オーキシン・ソーラーからの申し立てを受け、中国の太陽光パネルメーカーが生産ラインを▽マレーシア、▽タイ、▽ベトナム、▽カンボジアに移転し、中国製品に対する反ダンピング(不当廉売)・補助金相殺関税を回避している疑いがあるとして、調査を実施すると発表した。調査期間は1年とみられ、関税回避の事実が認められた場合、関連国からの太陽電池、太陽光発電モジュールに最大250%の関税が課される見通しだ。
 同調査の開始に伴い、台湾の太陽電池関連メーカーは転注が期待できる。また、技術開発を今後も続ければ、世界市場に返り咲くことも可能となる。ただ、中国メーカーはメキシコやトルコなど東南アジア以外でも工場を設置しており、リスク分散を図っている可能性がある点には留意が必要だ。

2.世界最深の着床式風力発電所が23年稼働へ
 スコットランドのアンガス海岸から27キロメートル沖合で開発が進められている同国最大の着床式洋上(オフショア)風力発電所「シーグリーン」は、水深約58.7メートルで、着床式風力発電所として世界最深だ。デンマークの風力発電機メーカー、ヴェスタスの「V164-10.0MW」114台を導入して23年の稼働を予定している。同発電所には仏トタルエナジーズと英SSEリニューアブルズが各51%、49%の割合で計30億ポンドを出資している。22年3月上旬時点で既に「V164-10.0MW」10台が設置されている。
 これまでは、水深50メートルより浅い海域には着床式風力発電所を設置し、水深50メートルより深い海域にはコスト面から考えて浮体式風力発電所を設置した方が良いとされていたが、着床式風力発電所は設置数拡大に伴って技術が成熟化し、コストが下がってきている。
 台湾では規制緩和に伴い、水深のより深い海域に洋上風力発電所を設置できるようになってきており、今後も着床式を採用すれば、洋上風力発電所の設置が加速し、再生可能エネルギー目標の達成が早まると予想される。

三、今後の展望
台湾の太陽光発電需要は強く、太陽電池、太陽光発電モジュールメーカーはフル稼働となっている。第2四半期は需要期でもあるため、台湾太陽光発電産業の生産額は約196億8000万元と前期比10%増加する見通しだ。(つづく)
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