ストライク
ウクライナ情勢、円安で海外案件は減少
2022年のM&A件数(適時開示ベース)は前年比8.2%増の949件と、2021年(877件)に記録したリーマン・ショック(2008年)後の最多を大幅に更新しました。
海外案件は落ち込みましたが、国内案件が高水準で推移し、全体の件数を押し上げました。一方、1兆円以上の超大型案件がなく、年間の取引金額は24%減の6兆5612億円にとどまり、2015年(6兆1831億円)以来の低水準にとどまっています。
調査結果の概要
1.2022年は949件と、リーマン・ショック(2008年)後の最多を大幅に更新
2.年間の取引金額は24%減の6兆5612億円にとどまり、2015年(6兆1831億円)以来の低水準
3.ウクライナ情勢、円安で海外案件は前年比8件減の156件
件数は増加する一方、金額は減少
上場企業によるM&Aは、コロナ禍が本格化した2020年(4件減の849件)こそ足踏みしたものの、21年は反転し、22年はさらに躍進を遂げました。経済活動の正常化、アフターコロナを見据え、産業界の旺盛なM&A意欲が浮き彫りになっています。
2022年の取引金額は前年を約2兆1000億円下回る6兆5612億円。総件数が大きく伸びた割に、金額は伸び悩みました。1兆円以上の超大型案件が7年ぶりに姿を消し、数千億規模の大型案件も3割ほど減少しました。
海外案件は減少、インバウンドは高止まり
年間の総件数が増加する一方、海外案件は前年比8件減の156件にとどまりました。ウクライナ情勢などによる地政学的リスクの高まり、記録的な円安進行といった新たな事態が重しになったと考えられます。
海外案件については、コロナ禍を境に大きく内容が変化しています。日本企業が買い手のアウトバウンド取引が伸び悩む一方で、外国企業が買い手のインバウンド取引が高止まりしています。インバウンド比率は42%で、2年連続で40%を超え、コロナ前に比べてほぼ倍増しています。日本企業が不採算の海外子会社・事業を売却する動きが目立っているためです。
金額上位は海外案件が占める
一方で、取引金額の上位の大半(上位10社のうち8社)は海外企業、ファンドの関わる案件で占められているのが特徴となっています。
レポート全文はこちら
https://maonline.jp/articles/2022ma_summary
上場企業に義務付けられている適時開示情報のうち、経営権の異動を伴うM&Aについて、M&A仲介のストライク(M&A Online編集部)が集計しました。※グラフ、順位表の出所:M&AOnline
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