なぜエクスペリエンス潮流の視点が必要か?

  • ネットで事前に予約して待ち時間を短縮する 
  • 分からないことはチャットですぐに回答を得る 
  • あいまいな記憶でも検索で探せてしまう 

 

世の中の体験はデジタルの力で、今挙げたようにスムーズでスマートに進化しています。裏を返せば、スマートな体験に慣れ親しんだ生活者は、ひとたびそれが損なわれた状況に出くわすと、ストレスを感じるようになっているのではないでしょうか? 

現状の競合調査で見えてくる結果のみをケアしていても、優れた顧客体験を作った新規参入のディスラプターが出現してきて脅威となってしまう。数値をもとに自社のユーザービリティ改善のみに注力しすぎて、世の中のトレンドと乖離してしまう。 

そんな状況にならないように、世の中全体のエクスペリエンスの潮流を知り、考慮しておくことが大切になります。 

独自に抽出した潮流をもとに、ストレス体験経験をユーザー調査

IMJニンゲンラボでは、エクスペリエンス潮流として、独自の3大潮流と12の傾向を導いています。

[1]

今回は12の傾向を、体験トレンドに乗れていない具体的なストレスシーンに分解し、生活者に対して調査をしました。今回の記事では、結果の一部を公開します。

 

【調査概要】
調査タイミング: 2019年08月
調査方法:ネットリサーチ
有効回答数:2266サンプル
対象者:マクロミル調査パネル/ 10歳から69歳の男女 / スマートフォン所有者のみ

生活者が感じているストレス体験は?

3大潮流と12の傾向と紐づくストレス体験のうち、「あてはまる」と答えた割合が高かった順のランキングを紹介します。

 

エクスペリエンス潮流からみえるストレス体験 TOP20​

※色分けは3大潮流を表しています。※クリックで拡大します。

[3]
[4]

 

 

ストレス体験として自分の経験にあてはまると回答されたトップ5について補足していきます。

1位.企業から同じような内容の情報が何度も来ると、ストレスを感じる

該当するエクスペリエンス潮流:【確実性/スマート】 大量の情報からザッピングする​

常にフレッシュな情報に触れるようになった生活者は、同じような情報が何度も来ることにさらに苦痛を感じるようになっているのではないでしょうか?
これまで以上に、いかに最新の情報やタイミングにあった情報を顧客に届けられるかがポイントになってきています。

2位.退会やデータ削除を簡単に出来ないとき、不満に感じる

該当するエクスペリエンス潮流:【ライト/ラフ】 ゆるい気軽なコミュニケーション

入会や登録、退会といったアクションが簡単に気軽にできるようになっているため、退会手続きがスムーズでない場合に不満を感じやすくなっていると思われます。
引き留めのための設計もあるかもしれませんが、結果的によくない心情を生むことで、ブランド全体や会社に対して、よくない印象になったという回答も多く見られた項目です。

3位.パスワードや暗証番号、締め切りなど自分の頭で記憶する必要がある場合にストレスを感じる

該当するエクスペリエンス潮流:【効率性/スムーズ】 記憶をデジタルに頼る​

友人の誕生日はSNSが教えてくれ、予定はカレンダーアプリが覚えてくれ、レシピは都度検索すれば出てくる。というように、様々な情報を自分で記憶しない場面が増えています。なにかを覚えておかなければならない場面へのストレスをより感じるようになっています。
顧客によって有益なログや情報は保管して、すぐにアクセスできるようにしておくべきでしょう。

4位.長い文章を読まなければならないときにストレスに感じる

該当するエクスペリエンス潮流:【ライト/ラフ】 読み書き負担がない​

チャットでのやりとりが増えたこと、動画での理解が増えたこと等を背景に、以前よりも長い文章を読むこと、また書くことにストレスを感じるようになっていると考えられます。
説明に画像や動画を使う、長文を書かせるフォームは減らすといった工夫をするだけでエクスペリエンスが向上するかもしれません。

5位.エラーへのヘルプやサポートがない

該当するエクスペリエンス潮流:【効率性/スムーズ】 曖昧さを補助される

検索ワードを間違っても補正してくれたり、なんとなくしか覚えていない場所に地図アプリでたどり着けたり、とデジタルでうまくサポートされる体験が増えています。

なにかエラーが起きた際に、きちんとサポートされるフローがないと不満に感じやすくなっているのではないでしょうか?いまいちど、顧客が立ち往生する部分やミスが起こりやすい部分を点検してみていただければと思います。

ブランド好意度や購買に影響するストレス体験は?

続いて、該当のストレス体験によって、ブランドや企業への好意度が下がった、または購買行動へ影響した経験があるかどうか尋ねた結果です。

好意度への影響が高かった項目としては、上位3項目については上記のランキングと同様でしたが、4位に「レスポンスや回答がすぐないとストレス」、5位に「利用を想い立った時にサービス時間外であると不満」になど、【要望がリアルタイムに叶えなれないと】というストレス体験がランクインしました。

▼ブランドや企業の好意度に影響を与えた体験

[5]

 

購買への影響についての質問でも、上位3つは同様でしたが、4位は「待ち時間があったり、非効率的なフローがあったりすると不満に感じる」、5位は「ネットで事前予約や申し込みをしたのにスムーズではなかった」がランクインしました。実際に、待ち時間や非効率な手順があった際に、購買や利用をやめてしまうといったシーンが想定されます。

▼商品やサービスの購買や利用行動に影響を与えた体験

[6]

ネット利用頻度によって差がある、エクスペリエンス潮流

エクスペリエンス潮流の影響は、性別年代との関連性よりも、普段のインターネット利用度合いやSNS利用度合いとの関連性のほうが明確に確認できました。
特に、SNS利用ユーザーは、非利用ユーザーに比べて、ライト・ラフに関するストレス傾向を多く示し、「チャットなどで気軽に問い合わせができないとき、ストレスを感じる」等の項目で高い値を示しました。

一部、性差があった部分としては、「絵文字やスタンプを利用したい場面で、十分なバリエーションがないとき不満に感じる」「文章だけの説明書だと分かりにくく、読みたくないと感じる」というストレス体験は女性の方が多く感じています。

以上、データの一部ではありますが、顧客体験見直しの際に、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

 

 

エクスペリエンス潮流を詳しく、知りたい方はこちらの記事も参照にしてください。

【エクスペリエンス潮流についてはこちらもどうぞ】

[7]エクスペリエンス潮流分析レポート(1)

>>デジタル行動の浸透がもたらした12のユーザー体験傾向とは? [2]

 

[8]エクスペリエンス潮流分析レポート(2)

>>あいまいさの補正、記憶のアウトソース…デジタルにサポートされるのに慣れた生活者 [9]

 

[10]エクスペリエンス潮流分析レポート(3)

>>「絵文字がないと、感情が伝えにくい…」適度なライトさが体験設計の鍵に [11]