【Web企業グランプリ2025年】Web人賞 大丸松坂屋の岡崎氏他、各Webサイト賞 集英社、NTT東日本なども受賞

Webサイトに関わる活躍や功績を称える「Webグランプリ」で、個人の活躍を表彰する「Web人賞」、サイトを表彰する「企業グランプリ」などの授賞式が東京都港区の「シェラトン都ホテル東京」で開催された

大嶋 喜子

12月11日 9:30

日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構は12月4日、優れた活動やWebサイトを顕彰し、功績をたたえる「Webグランプリ」の第13回贈賞式を発表した。表彰は個人を対象にした「Web人部門」、見本とすべきWebサイトを表彰する「企業グランプリ部門」の2部門。

「Web人部門」では6人に「Web人賞」を贈呈。大丸松坂屋百貨店の岡﨑路易デジタル戦略推進室 DX推進部部長、宮崎県都城市ふるさと納税課の野見山修一課長などを選出した。

2025年「Web人賞」の受賞者(手前3名、奥側の左から2番目、3番目、4番目の人物。画像提供:日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)
2025年「Web人賞」の受賞者と選考委員(画像提供:日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)

Web人部門 「Web人賞」

「Web人部門」の表彰は、前身となる「Webクリエーション・アウォード」(2003~2012年)から毎年開催している。Web社会の発展に貢献してきた「人」に「Web人賞」を授与する。受賞者は、有識者で構成するWeb人賞選考委員会による審査会、デジタルマーケティング研究機構 幹事会で審議により選出した。

岡﨑路易氏/大丸松坂屋百貨店 デジタル戦略推進室 DX推進部部長

岡﨑氏はDX推進部部長としてメタバース事業、インフルエンサー事業、VTuber事業などの新規事業を次々に立ち上げた人物。メタバース上でアバターやアバター衣装を百貨店の事業として実際に販売するなどの実績を上げており、本業の売り上げにも貢献しているという。大丸松坂屋百貨店の「YouTube」「TikTok」アカウントの運営などで動画活用を経験。海外でも口コミを巻き起こすなど、幅広く活躍している。

インフルエンサーのプロデュース、世界で“バズる”アカウント作り、メタバース空間での伝統芸能の再現、VTuberのプロデュースといった、デジタルのクリエイティブに関わる仕事を担当しました。一緒に走ってくれたメンバー、共創パートナー、クリエイターの皆さまがいたからこそです。これからも新しい挑戦をしていきたい。

岡﨑路易氏(大丸松坂屋百貨店)
岡﨑路易氏

野見山修一氏/宮崎県都城市 ふるさと納税課 課長

野見山氏は、宮崎県都城市で、民間の力を取り入れたふるさと納税の仕組み作りを推進している。役人らしからぬチャレンジ精神を持つという。都城市のふるさと納税サイトは、寄付受入額において全国で唯一11年連続トップ10入り。2022年、2023年は2年連続で全国トップを獲得した。全国1位はこれまでに5度。多くの市町村が参考にするふるさと納税サイトに成長させている。

同僚や関係者の皆さま、ふるさと納税の返礼品を一生懸命に作ってくださっている地元の事業者の皆さまと官民で連携し、Webの力を活用して発信できたからこそ受賞できたと思っています。これからも、行政でできること、さらには行政を変えていかないといけないことにしっかりと向き合い、デジタルを活用して地域貢献につなげていきたいと考えています。

野見山修一氏 ふるさと納税
野見山修一氏

織田友理子氏/認定NPO法人ウィーログ 代表理事

織田氏は、自らの車椅子ユーザーとしての経験をもとに、バリアフリーマップアプリ「WheeLog!」を開発。車椅子ユーザーや高齢者、ベビーカーユーザーなど、「誰もが使える地図情報」の提供を進めている。さらに、各地での車椅子街歩きイベントを通じて、当事者・地域・行政が協働で街のアクセシビリティを考える機会を創出。行政や公共施設に対して現地調査や政策提言を行い、アクセシビリティ向上の実践にも取り組んでいる。

私自身も障害者の1人。障害者を見捨てることなく多くの企業がWebアクセシビリティに取り組んでいることに感謝の気持ちでいっぱいです。人権を軸とした、皆が社会に出られる世の中を作っていくように頑張っていきます。

織田友理子氏(認定NPO法人ウィーログ)
織田友理子氏(写真中央)

鎌田義之氏/一般社団法人企業研究会

鎌田氏は、一般社団法人企業研究会にて初のWeb専門勉強会(Webマネジメントフォーラム)を立ち上げた人物。延べ数百社におよぶ企業Web担当者の育成と相互コミュニケーションやコミュニティ形成に貢献しているという。

企業研究会は、大手企業を対象に、業種研究会やビジネスセミナーを開催している団体です。「Webマネジメントフォーラム」はその1つ。テーマ別の分科会になっています。メンバーのなかで各業務経験の長い方に幹事の役目を担っていただき、運営の協力をいただいています。「Webマネジメントフォーラム」発足以来、20年にわたって支えていただいた歴代の運営幹事の皆さまに感謝を申し上げます。

鎌田義之氏:(一般社団法人企業研究会)
鎌田義之氏

川延浩彰氏/Figma Japan カントリーマネージャー

「Figma」はWebサイトやアプリのUIデザインを作成できる無料ツール。近年は、デザイナーがデザインを作って共有・協業するだけでなく、そこからHTML/CSSの生成や他システムへの実装まで落とし込む仕組みを備えたプロダクト開発プラットフォームに進化している。川延氏はWeb制作におけるフロントエンドのあり方を変えた人物という。

「Figma」はプロダクトのラインナップを8つまで拡充しています。これにより、ユーザーが思いついたアイデアをWebサイトやアプリといった最終的なプロダクトまで一気通貫に対応できるプラットフォームに進化しています。今後もこの歩みを止めることなく、より一層進化していきます。

川延浩彰氏(Figma Japan)
川延浩彰氏

山田陸氏:サイバーエージェント 常務執行役員/AbemaTV ビジネスディベロップメント本部 VP

「ABEMA」を運営するAbemaTVはサイバーエージェントの子会社。山田氏は「新しい未来のテレビ」を掲げる「ABEMA」において、「新しい未来の広告」の姿を模索し続け、実現してきた人物という。開発から運用までを内製化している「ABEMA」ならではの広告やタイアップには、今後の広告主とメディアの新しい関係性に向けた可能性が感じられると評価。山田氏を受賞者に選定した。

サイバーエージェントでAbemaTVの担当をしています。メディアとして広告自体を楽しんでいただけるように努力してきました。社員皆で頑張ってきたものが受賞の形で評価されることを嬉しく思いますし、今後10年、100年続くサービスを作っていくという思いでやっているので励みになりました。

山田陸氏 サイバーエージェント
山田陸氏

企業グランプリ部門

「企業グランプリ部門」の各賞も表彰した。各企業のWeb担当者同士の研さんにより制作・構築された見本とすべきWebサイトに授与する。2025年の参加企業は77社・89サイトだったという。参加企業からそれぞれ選出された審査委員による相互審査、公募により選出された特別審査委員を加えた合計305人の審査委員が審査した。

各賞を受賞したWebサイトは次の通り。

コーポレートサイト賞

グランプリ

優秀賞

「コーポレートサイト賞」受賞サイトの事業者(盾を持っている人物)と、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構の中村俊之代表幹事(左の男性)(画像提供:日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)
日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構の中村俊之代表幹事(写真左上)と「コーポレートサイト賞」受賞サイトの事業者(画像提供は日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)

企業BtoBサイト賞

グランプリ

優秀賞

受賞サイトの事業者(盾を持っている人物)と、中村俊之氏(画像提供:日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)
中村俊之氏(写真左)と「企業BtoBサイト賞」受賞サイトの事業者(画像提供:日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)

企業BtoCサイト賞

グランプリ

優秀賞

「企業BtoCサイト賞」受賞サイトの事業者(盾を持っている人物)と、中村俊之氏(画像提供:日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)
中村俊之氏(写真左上)と「企業BtoCサイト賞」受賞サイトの事業者(画像提供:日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)

プロモーションサイト賞

グランプリ

優秀賞

「プロモーションサイト賞」受賞サイトの事業者(盾を持っている人物)と、中村俊之氏(画像提供:日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)
中村俊之氏(写真左)と「プロモーションサイト賞」受賞サイトの事業者(画像提供:日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)

アクセシビリティ賞

「アクセシビリティ賞」は参加全89サイトを対象に、Webアクセシビリティチェックツール2種を用いて、スコア上位20サイトを選出。二次審査でWebアクセシビリティ専門家5人が8サイトずつ審査し、順位スコアから上位6サイトを選出した。最終審査では、実際にさまざまな障害を持つ有識者7人が6サイトを「ストレスなく情報を取得できるか」を基準に審査し、順位スコアからグランプリを決定したという。

グランプリ

優秀賞

中村俊之氏(写真左上)と「アクセシビリティ賞」受賞サイトの事業者(画像提供:日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)

企業課題部門(課題提供:サンリオ)

会場では、「U35 Creative & Communication Award 2025」の贈賞式も行われた。日本アドバタイザーズ協会デジタルマーケティング研究機構と、デジタル系クリエイティブに携わる企業が加盟する一般社団法人Interactive Communication Expertsとの共同事業で、さまざまな企画の仕事に携わる35歳以下のビジネスパーソンを対象に、挑戦と経験の機会を提供することを目的として開催するクリエイティブアワード。

今回は課題協力企業としてサンリオが協力し、「『Sanrio+』のアクティブユーザーを増やし、ファンの“好き”を育てる施策提案」の課題を提供した。「Sanrio+」は、サンリオグループ共通の会員サービス。

最優秀賞と優秀賞を、Webグランプリでは「企業課題部門」として表彰した。受賞した人物は次の通り。

最優秀賞

  • 加藤茶子氏、木野咲氏(N35インターナショナル)

優秀賞

  • 瀧田凱斗氏、佐藤瑞樹氏(サイバーエージェント)
「U35 Creative & Communication Award 2025」/Webグランプリ「企業課題部門」の受賞者(手前2名、奥側の中央2名)(画像提供:日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)
「U35 Creative & Communication Award 2025」/Webグランプリ「企業課題部門」の受賞者(手前2名、奥側の中央2名)(画像提供:日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)

審査委員特別貢献賞

「Webグランプリ」の企業グランプリ部門は、参加企業同士がお互いに審査し受賞企業を決定する相互審査方式で選考。各参加企業が登録した審査委員・特別審査委員が、それぞれのサイトについて「学ぶ点」と「こうしたらもっと良くなる」点を記入し、参加企業にフィードバックしている。「審査委員特別貢献賞」は、審査コメントを受け取った各企業からの投票による推薦で選定し、得票数上位4人に授与した。受賞者は次の通り。

  • 鶴岡紗織氏(ソフトバンク)
  • 本間充氏(マーケティングサイエンスラボ)※特別審査委員
  • 村上純希氏(電通デジタル)
  • 横山薫氏(ジオコード)
「審査委員特別貢献賞」の受賞者(盾を持っている人物)と、中村俊之氏(画像提供:日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)
中村俊之氏(写真左)と「審査委員特別貢献賞」の受賞者(画像提供:日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構)

「ネッ担」掲載のオリジナル版はこちら【2025年Web人賞】大丸松坂屋の岡崎氏、宮崎県都城市の野見山氏などが受賞(Web企業グランプリ授賞式をレポート)

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