マーケティングの鍵は「5G」「オンライン人口の拡大」「拡張現実」【セールスフォース・ドットコム調べ】
セールスフォース・ドットコムは、年次調査レポート「マーケティング最新事情 第6版」の日本語版を公開した。世界各国約7,000人のマーケティングリーダーを対象に、「マーケティングにおける成功の定義の変化」「エンゲージメントの基準とプライバシーの慣行の推移」「マーケティングのスキルとプロセスの進化」「データ管理の戦略・戦術の展開」に焦点を当てた調査となっており、5月に米国で発表された資料を日本向けに加筆・再編集した。
マーケティング変革のなか、日本は「人材」を最優先事項に
まず「マーケターの最優先項目」についてワールドワイドで見ると、パフォーマンスの高いチームほど「イノベーション」「ツールとテクノロジーの活用方法の改善」「リアルタイムの顧客エンゲージメント」を優先するが、パフォーマンスが低いチームは「プライバシーに関する規制の順守」を優先する傾向が見られた。
「マーケターの最優先課題」では、パフォーマンスの高いチームほど「リアルタイムの顧客エンゲージメント」や「一貫性のあるカスタマージャーニーの創出」を課題と捉えていたが、パフォーマンスの低いチームは「予算上の制約」を最優先課題にしていた。
これを国別の統計データで見ると、日本のマーケターは「人材の雇用と育成」を最優先項目とし、以下「一元化された顧客データを全ビジネスユニットで共有」「イノベーション」の順だった。最優先課題については「リアルタイムの顧客エンゲージメント」が1位、それに「一元化された顧客データを全ビジネスユニットで共有」「パーソナライズのレベルと顧客の快適度のバランス」が同点で続いた。
一方でB2Bマーケティング、B2Cマーケティングにおける予算配分を見ると、「広告」「テクノロジー」への配分が多く、「人材」「コンテンツ」への予算はそれらを下回っている。
また、「マーケターが最優先する成功指標」について日本のマーケターは「収益」「顧客維持率」「顧客満足度」をあげている。これらは他国も同様だが、「マーケティングリード」(インド)、「顧客からのリファラル率」(オーストラリア)、「営業効率」(タイ、フランス)、「デジタルエンゲージメント率」(北欧)、「Web・モバイル分析」(南アフリカ)などを1位にあげている国もある。
「5G」「オンライン人口の拡大」「拡張現実」が今後のマーケティング活動のカギ
日本のマーケターが使用している「顧客データソース数」は、2019年の20データソースから25に増加。2021年は30に増加すると予測されている。「目標や指標の共有」においては、82%が「営業チームと目標や指標を共有している」、72%が「サービスチームと目標や指標を共有している」、74%が「Eコマースチームと目標や指標を共有している」とした。営業チームとの共有は9割台に達している国も多く、日本は高くもなく低くもない位置だ。
そして、「2030年までにマーケティングに最大の影響力を発揮すると考えられているテクノロジー・事象」について、日本のマーケターは「5G」「オンライン人口の拡大」「拡張現実」をあげている。
その他、ワールドワイドでの調査結果や他国の調査結果は、セールスフォース・ドットコムのサイトより無償でダウンロードが可能(要登録)。
調査概要
- 【調査対象】北米、中南米およびメキシコ、日本を含むアジア太平洋、ヨーロッパ、中東、アフリカのB2B、B2C、B2B2C企業のマーケター(マネージャ以上の指導的役割を担う常勤マーケティングリーダー)
- 【調査方法】セールスフォース・ドットコムのリサーチ機関Salesforce Researchが実施
- 【調査期間】2020年1月8日~2月11日
- 【有効回答数】6,950名(日本のマーケター300名を含む)
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