『アマゾンのロングテールは、二度笑う』 「50年勝ち残る会社」をつくる8つの戦略
BOOK REVIEW ウェブ担当者なら読んでおきたいこの1冊
『アマゾンのロングテールは、二度笑う
「50年勝ち残る会社」をつくる8つの戦略』
森山 和道(サイエンスライター)
実際の開発の中で生まれたプロジェクトマネジメントの手法
何をなすべきか、何をなさざるべきか
- 『アマゾンのロングテールは、二度笑う』 「50年勝ち残る会社」をつくる8つの戦略
- 鈴木貴博 著
- ISBN:4-06-282031-5
- 定価:1,600円+税
- 講談社
不利な局面で努力してしまう「優秀な企業」は長期的に見ると致命的なハンディを背負っている。それがイトーヨーカ堂やダイエーの業績が落ちていった本当の理由だ。事業の寿命をマネージするためには「土俵のシフト」が必要——。
本書は、経営戦略コンサルタントが、会社が本当に生き残るための方策をさまざまな具体例を出してやさしく説く一冊。業界トップが取るべき王道「同質化戦略」の意味、供給者も消費者も共に初心者である日本での上流市場戦略は難しい、展開すべきは絞り込んだ機能性サービスといったことをわかりやすく説いていく。経営戦略の視点を教えてくれる本だ。
経営戦略の絶対定石は、成長する市場を見つけたらそこで勝てるビジネスモデルを組み、いち早くビジネスを展開すること。すでにシェアが固定している成熟市場と違って、成長市場ではシェアを競争で獲っていけるからだ。また、内部がダメな会社であっても成長市場ではやっていける場合もある。これからの日本で伸びていくのは「年収300万円」の下流市場だという。スターバックスは「手に届く贅沢」を提供することで、富裕層だけではなく下流市場をも同時に開拓したことで急成長を遂げたという指摘などもわかりやすい。
また、ロングテールの売り上げを除くとアマゾンといえどもROA(総資産利益率)は他の小売りと変わらない、代わりに在庫投資を負担しているのは出版社だという指摘も色々考えさせられて、面白い。
※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウ vol.4』 掲載の記事です。
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