アクセシビリティ対応に遅れが目立つ政党サイト、アライド・ブレインズのクオリティ調査発表

A.A.O.ウェブサイトクオリティ調査より、公明党・社民党「対応に着手した段階」、自民党・民主党・共産党・国民新党・新党日本「対応不十分」の結果を発表
※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。

アライド・ブレインズ株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:内田 斉、以下アライド・ブレインズ)は、衆議院選挙公示日である2009年8月 18日に実施した「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査 政党編第2回」の調査結果を発表します。衆議院選を控えネット上の論戦も熱いさなかに実施した今回の調査では、対象7政党の公式ウェブサイトのうち2サイトが「対応に着手した段階」、残る5サイトは「対応不十分」の評価で、アクセシビリティ対応に関しては官公庁や自治体と比べて取り組みの遅れが目立つ結果となりました。

ウェブサイトはいまや重要なコミュニケーションツールの一つであり、先般の米国大統領選での隆盛をきっかけに、日本の政党・政治家による活用も広がりつつあります。ウェブによる情報伝達、特に公共性の高いサイトでは、「高齢者や障害者など心身の機能に制約のある人でも、年齢的・身体的条件に関わらずウェブで提供されている情報にアクセスし利用できる」こと、すなわちウェブアクセシビリティの確保が大前提ですが、アライド・ブレインズがこれまでにお伝えしてきた官公庁、独立行政法人、自治体等の A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査では、機関によって問題意識に依然大きな温度差があることが明らかになっています。

この度発表する「政党編第2回」調査は、より多くの公共サイトが「誰にとっても使いやすいものになる」という理想を実現するために、取り組みの指針となる現状を認識していただく目的で、公示直前のサイトを対象に調査・分析を行いました。実施にあたっては、当社が独自開発したウェブサイトの品質解析プログラム「CRONOS2(クロノス2)」を用いて対象サイトの“公開されている全ページ”を解析し、アクセシビリティ対応状況を数値化・集計しています。

政党サイトについては、2008年11月に第1回調査を実施しております。第2回目となる今回の調査結果は以下のとおりです。

  • Aレベル 0団体

    サイト全体で基本・発展ともに十分対応している
  • Bレベル 0団体

    サイト全体で基本・発展ともに対応している
  • Cレベル 2団体 公明党、社会民主党

    基本・発展ともに対応に着手している
  • Dレベル 0団体

    基本対応が不十分である/発展対応の着手が遅れている
  • Eレベル 5団体 自民党、民主党、日本共産党、国民新党、新党日本

    基本対応が不十分なページが極めて多い

調査結果の一覧は、ウェブアクセシビリティ総合サイトA.A.O.にて公開しております。
http://www.aao.ne.jp/research/cronos2/party2/index.html

各サイトのアクセシビリティ対応状況を上記5段階で評価したところ、サイト全体でアクセシビリティ対応が行なわれている可能性の高い「Aレベル」には該当がなく、調査対象とした7政党のうち、5党のサイトは対応不十分と考えられる「Eレベル」でした。3党のサイトが前回調査時に比べて到達レベルが下がった一方で、改善が見られたサイトはありませんでした。
具体例としては、「複数のページに表示される政党のロゴ」「バナー等のリンク画像」「模式図」等に代替テキストが付与されていないなど、特に音声読み上げソフトの利用者にとって利用の妨げとなる問題点が見られました。

また、リニューアル前の古いページや、共通レイアウトが適用されていないページが混在しているサイトも見られました。アセシビリティの基本的な配慮については、サイト全体で一貫して行うことが重要です。多数の利用者が情報を閲覧し利用するのは下層を含めた個別ページであり、これらを含めてアクセシビリティ対応がなされなければ十分とは言えません。

アライド・ブレインズのA.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査では、「Aレベル=公共サイトが最低限到達すべき、アクセシビリティ対応のスタート地点」と位置づけておりますが、政党サイトにおいてはいずれも届かない現状が明らかになり、官公庁や自治体に比べて取り組みの遅れが目立つ結果となりました。

アライド・ブレインズは今後も、客観的な指標で官公庁・自治体・政党等のウェブクオリティ評価をお伝えし、公共サイトの一層の品質改善と「すべてのサイト利用者」の利便性向上に貢献してまいります。

【アライド・ブレインズ株式会社】
調査・コンサルティングファーム。アクセシビリティを中心としたウェブサイトの品質確保・向上に関し、総務省推進プロジェクト支援、官公庁・自治体・企業のコンサルティングなど多数の実績がある。「みんなの公共サイト運用モデル」に関しては、総務省より委託を受け検討支援を担当。
http://www.a-brain.com/

【A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査について】
アライド・ブレインズが独自に開発したウェブサイトの品質解析プログラム「CRONOS2(クロノス2)」を用いて公共機関サイトの全ページファイル解析を行い、アクセシビリティの観点からサイトの品質を評価する調査。評価した公共機関ウェブサイトの更なる品質向上のための指標として役立てていただく目的で、2006年より継続して実施中。ウェブサイトの一部のみを抜き出してチェックする調査とは異なり、公開されている全ページを解析し、下層ページを含めたウェブサイト全体の品質を明らかにする。
次回は2009年9月17日、現在調査実施中の「自治体編第4回」の調査結果を発表予定。
http://www.aao.ne.jp/research/cronos2/index.html

【A.A.O.について】
自社運営のウェブアクセシビリティ総合サイトを核にした、提供者と利用者のためのアクセシビリティ向上支援プロジェクト。サイト及びメールマガジン、セミナーを通じ、関連情報や支援ツール、また制作者・提供者と利用者の連携支援サービスなどを提供している。
http://www.aao.ne.jp/

【CRONOS2について】
ウェブサイトの全ファイル(同一ドメイン内)を解析し、ウェブアクセシビリティをはじめとするサイト全体の問題点をレポートする、アライド・ブレインズの独自開発プログラム。本調査のほか、毎年公表している「自治体調査全ページクオリティ実態調査」等の独自調査、また個別クライアントからの受託を通じ、約 1200サイトの解析実績がある。「全ページクオリティ実態調査」において評価項目としている「画像に対する代替テキスト付与状況」「HTML記述の文書構造化状況」のほか、HTML以外の全ファイルを対象にしたファイル構成や容量、更新状況などの項目による解析が可能。
http://www.aao.ne.jp/service/unneisya/cronos2.html

【本プレスリリースに関するお問い合わせ
アライド・ブレインズ株式会社
Tel:03-3261-7431  Fax:03-3261-7432 
master@a-brain.com
〒101-0003 東京都千代田区一ツ橋2-6-8 トミービル3 2階

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

ユーザビリティテスト
ユーザビリティテストとは、Webサイトやアプリなどのユーザビリティ上の問題点を見 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]