ネット担当者フォーラム
ネットショップ担当者フォーラム 特選記事

「ネットショップ担当者アワード」MVPはカンロの武井デジタルマーケティングチームリーダー。受賞者に学ぶ成長の秘訣

ネットショップ担当者フォーラムが11/20に開催した、EC業界の「人」を讃えるアワードの受賞者をダイジェストで紹介。

この記事は、姉妹サイトネットショップ担当者フォーラムで公開された記事をWeb担当者Forumに転載したものです。

EC業界で活躍する“人”にフォーカスし、企業や団体などで活躍する個人の功績や取り組みを表彰するアワード「ネットショップ担当者アワード」(主催はインプレスの「ネットショップ担当者フォーラム」)の第2回授賞式で、受賞者を発表しました。受賞者が獲得した賞、受賞者の実績をダイジェストでお届けします!

第2回アワードの受賞者(トロフィーを持っている7人)、2023年に開催した第1回アワードの受賞者(前列の右から4人)、選考委員(後列の右から4人)
第2回アワードの受賞者(トロフィーを持っている7人)、2023年に開催した第1回アワードの受賞者(前列の右から4人)、選考委員(後列の右から4人)

いま注目するべき7人を表彰

ネットショップ担当者フォーラム編集部と4人の選考委員が、いま注目するべき7人の受賞者の功績を讃えました。

選考委員を務めたのは、ネクトラス代表取締役の中島郁氏(委員長)、スマイルエックス代表の大西理氏、CaTラボの代表でオムニチャネルコンサルタントの逸見光次郎氏、ルームクリップ KANADEMONOカンパニー管掌やオルビスCDO(Chief Digital Officer)などを務める石川森生氏です。

ネットショップ担当者アワード MVP:カンロ 武井優氏

カンロ株式会社 マーケティング本部 デジタルマーケティングチームリーダー 武井 優 氏
カンロ株式会社 マーケティング本部 デジタルマーケティングチームリーダー 武井 優 氏
2010年、カンロに入社。情報システム、マーケティング、EC、広報を経験するなかで、各デジタル領域を担当。2021年にデジタルマーケティングを推進する全社プロジェクトのリーダーを務めたのち、デジタルコマース事業にて戦略立案・EC商品の開発・サイト運用を担当。現在は、デジタルマーケティング業務全般を担当するチームのマネジメントを担当。
武井氏(左)と、プレゼンターを務めた中島選考委員長
武井氏(左)と、プレゼンターを務めた中島選考委員長

MVPは、実績や個人の挑戦などを総合的に考慮して選出しました。

カンロの武井氏はD2Cのメーカー直販ECをリードしてきました。自社ECサイト「Kanro POCKeT(カンロポケット)」の運営を管掌し、コロナ禍を契機とした自社ECの販路強化に成功しています。2021年度~2023年度のEC売上の伸長率は前年比40~50%増で推移。2024年度も堅調に伸ばしています。

「体験価値」を売りにした高単価商品の開発や、商品だけでなくカンロそのもののファンを増やすという考え方など、さまざまな挑戦にも取り組んでいます。

ベストチーム賞: マドラス 丸山堅太氏

マドラス株式会社 リテール事業部EC課 課長 (紳士担当)丸山堅太氏
マドラス株式会社 リテール事業部EC課 課長 (紳士担当)丸山堅太氏
2013年、マドラスに入社。入社後、紳士靴の百貨店セールスを担当。2020年にEC課へ異動。2021年にECサイトリニューアル、ECサイトとブランドサイトの統合、顧客データ統合などのプロジェクトに携わり、現在は自社ECサイトと外部ECモールの業務全般、ECチームのマネジメント、リアル店舗とのOMO事業推進を担う。
丸山氏(左)と、プレゼンターを務めた逸見選考委員
丸山氏(左)と、プレゼンターを務めた逸見選考委員

ベストチーム賞は、ほかのEC事業者のロールモデルとなり得るチームをけん引している人物や、チームそのものを顕彰する賞です。

ECのベストチームを築き、リーダーとして活躍してきた丸山氏を受賞者に選出しました。老舗革靴メーカーとして知られるマドラスでEC改革のけん引役となったのが丸山氏です。

百貨店セールスからいきなりEC課の責任者に抜擢され、EC経験ゼロから挑戦し続けてきた丸山氏。ブランドサイトとECサイトの統合、サイトのリプレイスなどに力を入れてきました。2024年は2019年と比較して会員数が137%増加。自社ECサイトへの流入数は2020年と比較して約3倍近く伸長しています。

サブスクリプション賞:POST COFFEE 下村祐太朗氏

POST COFFEE株式会社 CCO 下村 祐太朗 氏
POST COFFEE株式会社 CCO 下村 祐太朗 氏
デザイン会社 HERETIC, inc.の取締役、デザイナー、アートディレクターを経て、2018年に国内最大級のコーヒー通販PostCoffee®を創業。Webデザインからグラフィック、UI/UX 、ムービーなどあらゆるクリエイティブを駆使し、PostCoffee®の世界観を構築する。過去には渋谷でMAKERS COFFEEというコーヒースタンドを立ち上げ、バリスタとして立っていた経験もある。
下村氏(左)と、プレゼンターを務めた逸見選考委員
下村氏(左)と、プレゼンターを務めた逸見選考委員

サブスクリプション賞は、特にサブスクリプションの分野でほかのEC事業者のロールモデルとなり得る取り組みをしてきた人物を讃える賞です。

コーヒーのサブスクリプションECを手がけるPOST COFFEEの下村氏は、データドリブンにより顧客の好みに合わせたコーヒーの提案、チャートによる味わいや香りの可視化など、先進的な取り組みによって優れた顧客体験を実現しています。好みに基づく高精度の商品提案により、解約率はわずか3%となっています。年間売上高は、サービスのローンチ当初と比べると約10倍に成長し、前年比20%増で推移しています。

フロンティア賞<BtoB部門>:エトワール海渡 桑原惇氏

株式会社エトワール海渡 営業開発部 副部長 桑原 惇 氏
株式会社エトワール海渡 営業開発部 副部長 桑原 惇 氏
2014年、エトワール海渡に入社。オリジナルタオルの営業としてキャリアをスタート。その後、レッグウェアやアパレルの営業を経験。2020年にEC化のプロジェクトメンバーを経て、法人営業に異動。2023年よりデジタルマーケティングを活用した新規営業も担当し、現在は法人営業と新規営業の業務全般、およびチームのマネジメントを担当。
桑原氏(左)と、プレゼンターを務めた石川選考委員
桑原氏(左)と、プレゼンターを務めた石川選考委員

フロンティア賞は、受賞者が所属する企業のEC事業において、従前にない取り組みに果敢に挑戦し、実績をあげている人物を讃える賞です。BtoB部門では桑原氏を選出しました。

企業を対象にアパレル、雑貨、食品まで幅広い商品を販売している総合卸問屋のエトワール海渡。従来のショールーム型の商品提案から、BtoB-ECのビジネスモデルに大きく転換し、成果を上げています。

その最前線でデジタルマーケティングをけん引し、デジタルを通じた新規顧客の獲得、獲得顧客のナーチャリング(顧客育成)を進めているのが桑原氏です。ECの売上比率はコロナ前の20%から90%に急拡大しています。

フロンティア賞<BtoC部門>:Tshirt.st 後藤鉄兵氏

株式会社Tshirt.st 代表取締役 後藤鉄兵氏
株式会社Tshirt.st 代表取締役 後藤鉄兵氏
1999年からEC事業に関わり2002年には自社製造アパレルブランドの販売をするなど、日本のEC黎明期から活動を続ける。Shopifyはまだ日本語版も日本法人も存在しない頃から独自のローカライズで運用。現在は年間140万枚30万件のECサイトを運用している。
後藤氏(左)と、プレゼンターを務めた石川選考委員

フロンティア賞のBtoC部門ではTshirt.stの後藤代表を選出しました。

Tシャツ専門のECサイト「Tshirt.st」を運営している後藤氏。購入をキャンセルしたユーザーに対する再購入を促す新たなマーケティング「キャンセルリカバリー」の実践、バックヤードのシステム化による改善など、EC業界でも先進的な取り組みに着手している点が特長です。「Tshirt.st」では“キャンセル落ち”ユーザーのなんと7割超が再購入につながっています。

ロールモデル賞<ワークライフバランス賞>:ルームクリップ 田中ゆみえ氏

ルームクリップ株式会社 KANADEMONOカンパニー General Manager MD&QA管掌 田中ゆみえ 氏
ルームクリップ株式会社 KANADEMONOカンパニー General Manager MD&QA管掌 田中ゆみえ氏
商社などで貿易や生産管理を経験。2014年第一子の妊娠をきっかけに離職もアルバイト勤務を続けながら第二子を出産。2020年に株式会社bydesign(現ルームクリップ株式会社KANADEMONOカンパニー)に時短契約社員として入社。2020年8月に同社初の時短マネージャー、続く2022年2月に初代General Managerに抜擢。商品開発・生産・品質管理を行うチームのマネジメント、並びに国内外工場とのサプライチェーンの構築を担当。
田中氏、田中氏のお子さん2人(前列)、プレゼンターを務めた大西選考委員
<キャプション>田中氏、田中氏のお子さん2人(前列)、プレゼンターを務めた大西選考委員

ロールモデル賞は、働き方やキャリア形成などのさまざまな観点で、個人でほかのEC事業者の目標となりうる人物を顕彰する賞です。育児とキャリアアップを両立して活躍している田中氏を、ロールモデル賞のなかの「ワークライフバランス賞」に選出しました。

田中氏は、成長著しいベンチャー企業であるルームクリップの管理職業務と育児を両立する2児の母です。「育児中の女性が仕事を諦めなくて良い世の中になってほしい」という思いを抱いています。授賞式にはお子さんたちも参加してくれました。

ロールモデル賞<キャリアデザイン賞>:タイムマシン 小川 公造 氏

株式会社タイムマシン 取締役 小川 公造 氏
株式会社タイムマシン 取締役 小川 公造 氏
Webエンジニアとしてキャリアをスタートし、その後マーケターへ転身。カタログ通販やテレビ通販企業のEC部門を経て、一度タイムマシンに入社。その後独立を経験し、2023年に再びタイムマシンにジョイン。現在はタイムマシンの「e☆イヤホン」ブランドにおける、OMO、デジタル戦略およびメディア部門を管掌。また、ガジェット系ブロガー・YouTuberとしても活動中であり、その経験とインフルエンサーの視点も生かしながら事業の成長に注力している。
小川氏(左)と、プレゼンターを務めた大西選考委員

ロールモデル賞のなかの「キャリアデザイン賞」は、EC担当者のキャリアデザインのヒントになるようなキャリアを築いた人物を讃える賞です。「イヤホン・ヘッドホン専門店 e☆イヤホン」を運営するタイムマシンから小川氏を選出しました。

小川氏はECのエンジニアやマーケターを経験した後、タイムマシンに入社。その後、独立してインフルエンサーとして活躍し、ガジェット紹介のブロガーやYouTuberとして頭角を表しました。在職時の実績を評価され、2023年に再びタイムマシンに参画。OMOを中心に、メディアミックスの顧客コミュニケーションを構築し、タイムマシンのDX化を担っています。

授賞式には2023年受賞者も参集。「『人』を顕彰するアワードの意義は大きい」

「第2回ネットショップ担当者アワード」授賞式には、第1回アワード開催となった2023年の受賞者も駆けつけてくれました。自身や部内のモチベーションアップにつながるなど、「『人』を顕彰するアワードの意義は大きい」「アワードの再度受賞をめざして励む」などと話してくれています。

前回受賞者のうち授賞式に駆けつけてくれた4名(左上・マッシュスタイルラボ 今井貴大氏、右上・集英社 湯田桂子氏、左下・大網 小林裕児氏、右下・アズワン 中野裕也氏)
前回受賞者のうち授賞式に駆けつけてくれた4名(左上・マッシュスタイルラボ 今井貴大氏、右上・集英社 湯田桂子氏、左下・大網 小林裕児氏、右下・アズワン中野裕也氏)

「第2回ネットショップ担当者アワード」の授賞式は、2024年11月20日(水)に東京・虎ノ門で実施しました。

詳細なレポート記事は近日配信します。各賞の選出ポイント、受賞者のコメント、選考委員の講評など、詳しくお届けします。お楽しみに!

「ネットショップ担当者フォーラム」掲載のオリジナル記事はこちらEC業界の「人」を表彰するアワードMVPはカンロの武井デジタルマーケティングチームリーダー。2024年受賞者に学ぶ成長の秘訣(2024/11/25)

ネットショップ担当者フォーラム
ネットショップ担当者フォーラムについて

ネットショップ担当者フォーラムでは、ECサイトを運営する企業の経営者や運営担当者、制作者が語り合う場所や、“ここに行けば情報がある”、“ここに行けば問題が解決できる”を目指したメディア運営をしています。

用語集
D2C / DX / EC / OMO / POST COFFEE / Tshirt.st / UI / UX / インフルエンサー / エトワール海渡 / オムニチャネル / カンロ / キャリア / クリエイティブ / サブスクリプション / タイムマシン / ネットショップ担当者アワード / マドラス / リンク / ルームクリップ / 表彰 / 顕彰
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

インフルエンサー
「世間に与える影響力が大きい人物」のこと。一般にはSNSの有名人、タレント、知識 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]