営業とのリレーションで、ネット中心へ移行
営業とのリレーションで、ネット中心へ移行
人と仕事研究所は営業支援の役割を担っているというとですが、具体的にはどのような形での支援になっているのでしょうか?
「さまざまな内容の問い合わせが社内から寄せられるので、それに応えています。その数は1か月に1000件ほどになります。賃金データなどを営業の際に活用してもらっています。また、ネットとは関係ないところで、お客さま個別の労務管理上のお悩みなどのお問い合わせをいただいて、口頭で説明したり、参考資料を送ったりもしています
」(岸川氏)
イーアイデムのように直接の売上があるわけではなく、広報や営業支援といったことが中心の「人と仕事研究所」ですが、事業の評価はどういった点がポイントになるのでしょうか?
「基本的には、“いかに良い情報を出していくか”が第一の目標になりますね
」(岸川氏)
Webサイトの運営は収益を第一目標としているわけではないため、媒体認知のために積極的なプロモーションはできないという「人と仕事研究所」ですが、情報を多くの方に伝えるのに、どうしているのでしょうか?
「基本的に“良い情報を発信すれば人は自然に集まってくれる”という考えで動いていますが、当部署の営業、求人媒体の営業をはじめ、グループ全体の力を借りてお客さまに案内してもらっています。人材育成のセミナーを開催しているので、会員登録をしていただくと割引があるということでネットに来てもらっています。以前は、セミナーの告知でもリーフレットを作成して情報誌と一緒に送付していたのですが、いまはほとんどがネットでのお申し込みになりました
」(岸川氏)
営業の方の協力を得たうえで、ネット登録のメリットを提供することによって、紙からネットへの転換をうまく促進できているようです。
会員制コンテンツへのチャレンジ
「人と仕事研修所」では現在、そのコンテンツの一部をオンライン登録してもらった方に限定して公開する会員制のサイト「Work-ium(ワーク・イウム)」にチャレンジしています。その告知や集客については、試行錯誤を含め、いろいろ挑戦してきたとのこと。
「セミナーの集客にリスティング広告を利用したこともありました。他のサイトでは考えられないくらいの低い予算を設定し、毎月どのワード効いたかをチェックしながら運用していたのですが、今はもう行っていません。リスティング広告で費用対効果を得るのは、単価が高い商材でないと難しいという判断です。単価3,000円、5,000円、1万円というセミナーでは、リスティング広告の運用にかかる時間や費用を考えると、なかなか大変だったのです
」(岸川氏)
リスティング広告の利用を見直した一方で、現在の告知活動に活用しているのが自社のメールマガジンとニュースリリースです。
「会員登録いただいている方にメールマガジンを配信しているのですが、やはり反応が良いですね。告知がくどくならないように、1週間に1回くらいのレベルで、回数を調整しながらやっています。またニュースリリースなら限られた予算のなかで1回で広く配信でき、信頼度もあがります。リリースが各種媒体に掲載されることでリンクも増えるのがありがたいですね。同じことをSEO施策の専門企業に依頼しようと思えば、もっとコストがかかってしまいますから
」(岸川氏)
運営の手間を考えると、リスティング広告よりも、自社運営のメルマガやニュースリリースを中心にした告知集客の方が、効果が高いという結論のようです。そのほか、グループの各媒体を活用するなど、自社メディアとコンテンツを中心とした集客を実施しています。
メディアリレーションもネットPRもゼロからスタート
もともと紙メディアを使った広告宣伝活動の実績が多いアイデムですが、専任の広報担当チームができたのは、つい最近とのこと。広報チームの立ち上げに、社内から最初の広報担当者として参加したのが望月氏。
「自分から希望して、求人広告を扱う営業職から広報担当になりました。たまたま広報の部署を立ち上げたタイミングで、大手企業を退職された社外のオブザーバーの方が中心になって動いていたものの、広報の手足となる現場スタッフがいない状態でした。実際に広報担当として異動するまでに1~2年かかり、その後オブザーバーの方から引き継ぎが完了するまで1年ほどかかりました
」(望月氏)
どういった経緯で広報の仕事を希望したのでしょうか?
「営業担当として、ある雑誌の取材を受けたことがあったのですが、取材を進めるまでの工程をみて、こんな仕事があるんだな、と思ったのです。一枠一枠の広告を売る営業職も楽しいのですが、全体を見て情報を提供したりお勧めしたりできることをやってみたいと思いました。また、自分が話をするよりも、人が話すのを聞いているのが好きなんですね
」(望月氏)
現在、広報として担当している仕事の内容はどのようなものになるのでしょうか?
「会社として出すリリースは広報で一本化しています。新しいサービス、機能、調査レポートなどのリリースを出したり、その告知の手配をしたりしています。また、広報や取材の窓口以外にも、CSRのイベントの開催、社内報の作成、アイデム自体のコーポレートサイトの管理も担当しています
」(望月氏)
社外広報から社内広報、CSRやコーポレートWebサイトまで、幅広く業務内容を担当している広報ですが、現場スタッフは望月さんを含めて2名という少人数で広報チームが運営されています。
ニュースリリースについても、広報ができる以前は各部門から直接あるいは内容によっては広告代理店に依頼して発信していたそうですが、現在は「どこでどうしているかわからない状況にならないように、問い合わせ窓口を一本化
」(望月氏)することで、リリース情報の一元管理を推進しています。
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