レンタルサーバー導入&活用事例

大容量で機能の豊富なVPS/音響企画+ラピッドサイト

レンタルサーバー導入&活用事例

株式会社音響企画+ラピッドサイト

野本 幹彦(フリーライター)

デジタル化された音源を配信するため
付加価値の高いVPSサービスを利用

株式会社音響企画

音源配信サイト「net-fujiyama」
http://net-fujiyama.com/(2005年11月時点。2007年1月現在はアクセス不可)
  • 設立:1969年3月15日
  • 本社所在地:東京都港区赤坂2-22-15 赤坂加藤ビル4F
  • 事業内容:テレビ・映画・演劇の選曲・音楽・効果音制作、業務用音楽の制作・販売、録音・整音業務および音源制作
  • URL:http://net-fujiyama.com/onkyo-kikaku/(2005年11月時点。2007年1月現在はアクセス不可)

レンタルサーバー利用概要

著作権フリーで利用できる400曲以上の楽曲を提供

音響企画は、テレビや映画などで利用される音楽や効果音などの選曲/制作を行う会社だ。同社の設立は1969年で、35年以上も業務用音楽業界の第一線で活躍してきた会社である。

「設立当時は、テレビや映画のシーンや演劇に合った音楽などを選曲することが主な仕事でした。しかし、著作権などの問題もあり、音楽や効果音を新たに作ってしまうことも増えてきました」と取締役の山崎茂之氏は語る。

株式会社音響企画 取締役
山崎茂之氏

その山崎氏と同社の代表取締役社長の諸藤彰彦氏が平成元年(1989年)に結成したのがコンポーザーデュオである「Fuji-Yama」だ。Fuji-Yamaは、映画や演劇、CM、テレビなどの音楽を多数作曲し、幅広い活躍を行っている。

「Fuji-Yamaに限らず会社所有の楽曲は数千曲に及びます。これらの音楽がそのまま埋もれてしまうのは非常にもったいないことです。これらの音楽をデジタルに変換してデータベース化し、社内で活用するほか、二次利用のために広く配信する方法はないかと考えていました」

音楽制作会社として、楽曲をデジタル変換することに関してはエキスパートである音響企画だが、データベース、ウェブサイト、サーバー、ネットワークなどに関する蓄積やノウハウは持ち合わせていなかった。将来的なニーズに対応するためにも、デジタル化された音源をインターネットで配信する仕組みが必要だったのだという。

「2004年の5月頃から解説本などを買ってきて、HTMLの知識から詰め込んで、まずは会社案内のホームページを作ろうという状況から始めました。SQLやPHPなどをいろいろと勉強してきてやっと1年後の2005年の5月にnet-fujiyamaを開設することができました」と山崎氏が語るように、その道のりには相当の苦労があったようだ。

現在のnet-fujiyamaは、XOOPSを利用したコミュニティースペースとしても利用できる無料会員制のサイトとなっており、96Kbpsに圧縮されて2分程度になっているが、約400曲の音楽のダウンロードが可能となっている。また、データベース化された楽曲は、ジャンルや「楽しい」「明るい」などのイメージで検索することが可能だ。

「将来的には曲数や会員数をもっと増やして、有料コンテンツの配信まで行えるようなサイトを目指しています」と山崎氏は言う。

容量の大きさと機能の豊富さが魅力

net-fujiyamaを開設するにあたり、音響企画ではレンタルサーバーの情報をかき集め、数社の候補に絞り込んだという。

「デジタル化された音楽を置くということが前提となるので、サーバーの容量の問題が一番大きいと考えました。また、配信することを考えれば回線容量も気になるところです」と山崎氏は言うが、数ある選択肢の中からラピッドサイトを選択した理由はどこにあるのだろうか。

「いくつか問い合わせを行っている中で、ラピッドサイトには対応のよさを感じていました。講習会があるというので参加してみたところ、詳しく丁寧な説明があり、行いたい事業に合ったサービスを提案してくれたことが大きかったですね。どのようなサービスを行いたいという考えははっきりとしていても、サーバーやネットワークの知識はないので具体的にどのようなサービスを選べばよいか悩んでいたところでした」

スタジオ風景

音響企画では、ラピッドサイトのVPS(Virtual Private Server)サービス「RV-312」を利用している。VPSサービスとは専用サーバーと共有サーバーの中間とも言われるサービスで、共有サーバーと同様に1つのサーバー上に複数のユーザーを置くが、仮想的に専用サーバーと同等な機能(root権限など)を提供するものだ。

ウェブサーバーもユーザーごとに独立したソフトウェアが使われ、CPUやメモリーなどのハードウェアリソースも均等または動的に振り分けられているため、共有サーバーよりも高いパフォーマンスが提供できると言われている。

ラピッドサイトのVPSサービスでも大容量HDDと転送速度の速さを謳っており、RV-312プランでは3GBのディスク容量を利用できるようになっている。

「音楽配信に利用することを考えれば、共用サーバーでは容量やパフォーマンスの面で不安が残ります。逆に、専用サーバーでは管理面で敷居が高いと感じてしまう。価格面も考えれば、VPSサービスを選択したことは現時点でベストだと考えています」

インストール不要でさまざまなツールを使えることも、音響企画にとっては選択理由の1つとなったようだ。

「HTMLベースでサイトを構築することを考えていたので、XOOPSのようなツールがすぐに利用できるというのは驚きでした。会員制のサイトを構築できて、コミュニティースペースとしても利用できるのは非常に魅力的です。XOOPSに関しては現在でも勉強中ですが、より使いやすいコミュニティーサイトを作れればと考えています」

RV-312プランでは、XOOPSのほかにもブログ構築ツール「Movable Type」やショッピングサイト構築ツール「osCommerce」も提供されている。net-fujiyamaではブログも管理者日記のような形態で構築し、アクセス増加の一役を担っているという。将来的に有料コンテンツの販売も考えているなら、無償提供のカート機能も役に立ってくるだろう。

会員数を増やして音楽利用の裾野を広げたい

net-fujiyamaでは、今後も会員数を増やし、多様なユーザーに楽曲を提供していく方針だ。

「映画やテレビなどだけでなく、FlashやCGなどの制作の現場で利用できる音楽の需要はもっと広がっていくと思います。携帯電話の普及を考えれば、ジングルなどの短い効果音のような音ももっと増やしていきたいし、MIDIによる楽曲も提供していきたいと思います。将来的には専用サーバーなどに移行して、サービスを拡大していきたいと考えていますが、現状ではコストも人もかけることができない。VPSサービスを足がかりにして、もっと会員数を増やしていき、商用ベースの見極めをつけていきたいと考えています」

株式会社音響企画が選んだレンタルサーバー

ラピッドサイト
http://www.rapidsite.jp/

「VPSサービス」では、コミュニティーサイト構築ツールの「XOOPS」が標準搭載されており、面倒なインストールなしですぐに利用が可能。他にも、ブログサイト構築ツール「Movable Type」、ショッピングサイト構築ツール「osCommerce」などが標準搭載されている。
http://www.rapidsite.jp/product/vps/

※この記事は、『レンタルサーバー完全ガイド vol.3』 掲載の記事です。

※社名、所属部署、利用サービス、価格など、この記事内に記載の内容は、取材当時または記事初出当時(2005年11月)のものです。

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