ディスカバリーズ、笛吹市教育委員会と連携し、市内小中学校の校務における生成 AI 活用支援を開始

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ディスカバリーズ株式会社
~先生の時間を、子どもと向き合う時間に~





ディスカバリーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 CEO:島田 祐一朗、以下「ディスカバリーズ」)は、山梨県笛吹市教育委員会と連携し、市内の小中学校における教職員の校務での生成 AI (Microsoft 365 Copilot Chat)活用を支援する取り組みを実施しました。これまで企業の現場で培ってきた生成 AI 活用支援の知見を、新たに教育の現場へと広げてまいります。
ご支援の背景と課題
ディスカバリーズは「働くすべての人たちがイノベーションをもたらす世界を創る」をビジョンに掲げており、この「働くすべての人たち」には、日々子どもたちと向き合う教職員も含まれます。
教育現場における生成 AI 活用には、主に以下の3つの課題があると捉えています。

課題1.:校務負担が「子どもと向き合う時間」を圧迫している
学級通信や保護者連絡、会議記録、指導案づくりといった校務が教職員の大きな負担となり、本来もっとも大切にしたい「子どもと向き合う時間」を圧迫しています。

課題2.:不安と指針の不在が、最初の一歩をためらわせている
生成 AI はこうした校務を支える有力な手段となり得る一方、現場には「使い方が分からない」「使ってよいのか判断できない」といった不安があります。活用を後押しする明確な指針(ガイドライン)の整備も、多くの現場で道半ばです。

課題3.:管理職の姿勢が、現場の活用を左右している
現場での活用は、管理職の理解や姿勢に大きく左右されます。多くの管理職は生成 AI を否定しているわけではなく、「何かあったときの責任」や「正しい知識を持つ機会の不足」から、慎重にならざるを得ないのが実情です。

これらは特定の地域に限らず、全国の教育現場、さらには民間企業にも共通する課題です。
ディスカバリーズはこれまで数多くの組織で生成 AI の活用・定着を支援してきました。その経験から見えていたのは、現場の意欲だけでは活用は広がらず、管理職の後押しがあって初めて組織に根づくということです。この構造は教育現場でも変わりません。
一方、教育には企業と決定的に異なる点があります。企業活用の多くが「効率化」を目的とするのに対し、先生方の仕事には、児童・生徒のためにあえて時間や手間をかけてでも大切にしたい業務があります。生成 AI に任せるべきなのは、先生にしかできないこの部分ではありません。アンケートの集計、お便りの文面の調整、条件に基づくクラス分けや班分けといった、必要だが教職員の時間を奪っている作業を AI が支えることで、生まれた時間を先生が本当に注ぎたいことへ振り向けられます。私たちはこの違いを起点に支援を設計し、現場の意欲を組織の力に変えるために、管理職への働きかけを支援の柱の一つに据えました。

笛吹市教育委員会は、こうした課題に早くから向き合い、各校に ICT リーダーを配置するなど、現場主導で活用を広げる独自の体制を整えてきました。今回の取り組みは、この土台の上に、ディスカバリーズが民間の現場で培ってきた活用支援の知見を生かすものです。

ディスカバリーズはこれまで「ツールを導入して終わり」ではなく、利用者一人ひとりの不安に向き合い、実際に業務で使える状態になるまで伴走してきました。教育は社会の土台を支える営みであり、その現場で働く教職員の挑戦を後押しすることは、ディスカバリーズのビジョンの実現そのものです。企業で培った知見を教育現場へ広げる今回の取り組みは、その第一歩となります。

(校務での生成 AI 活用支援 全体像)

取り組みの概要
ディスカバリーズは笛吹市教育委員会と連携し、市内19校(小学校14校・中学校5校)の ICT リーダー計38名を中心に支援を行いました。4月から現場の状況把握を進め、5月19日から6月19日までの約1か月間を「集中利用期間」と位置づけて、以下のステップで教職員の校務での生成 AI 活用を支援しました。

1. 現状調査とヒアリング
まず、各校の代表である ICT リーダーを対象とした利用状況アンケート(回答38名)を実施し、あわせて校長・教員へのヒアリングを行いました。推測ではなくデータと現場の声の両面から実態を捉えることで、その後の打ち手を的確に設計する土台としました。
調査からは、まず活用の素地がすでに育っていることが分かりました。プライベートで生成 AI を使った経験のある先生は9割(97.3%)にのぼり、校務でも「ほぼ毎日」「週に数回」使う積極利用層が過半数(65.4%)を占めていました。「所見」「保護者連絡」「行事文書」など、今後活用したい校務への意向は現状の利用実態より幅広く、現場の期待が高まっていることもうかがえました。
一方で、活用をさらに広げるための課題も明確になりました。校務利用では「回答の正確性への不安」に次いで「管理職の考えが気になる」が上位に挙がり、心理的な安心感の醸成が鍵であることも見えてきました。
さらに、全職員を対象とした実際の利用状況を分析したところ、興味深い実態が浮かび上がりました。校務での利用が最も活発だったのは校長をはじめとする管理職層であり、平均プロンプト提出数は校長で月300回を超えていました。つまり、ICT リーダーが「管理職の考えが気になる」と感じている一方で、実態としてはその管理職こそが日常的に生成 AI を使いこなしているという、認識と実態のギャップが見えてきたのです。この気づきは、管理職を「活用を妨げる存在」ではなく「現場の活用を後押しする推進役」として位置づける、後続の働きかけ(ステップ4.)の重要な裏づけとなりました。
これらの結果から、個人としての素地は十分にある一方で、「組織的なルール」と「心理的な安心感」が活用拡大のボトルネックになっていることが分かり、後続のステップ(研修・伴走・管理職への働きかけ・ガイドライン整備)を設計する明確な指針となりました。

(ICT リーダー向けアンケート分析結果イメージ)


(教職員の利用状況ログ分析イメージ)

2. 教職員向け体験型 Copilot 研修
5月26日、体験型研修「Copilot はじめの一歩 ~まずは触ってみよう!体験型研修~」を現地・オンライン併用のハイブリッド形式で実施し、計70名(現地14名・オンライン最大56名)の教職員が参加しました。この研修で最も重視したのは、「実際の校務シナリオを題材に、自分の業務で試すきっかけをつくる」ことです。生成 AI の仕組みや得意・不得意、注意点を短時間で押さえたうえで、大半の時間を、教職員が日常的に行っている校務をそのまま題材にしたハンズオンに充てました。
- Copilot Chat で調べてまとめる
- 授業1回分の指導計画を作成する
- 学級通信の下書きを作成する
- Forms で集めた委員会の希望調査を Excel にダウンロードして活用する
- Forms で集めたアンケートを Excel にまとめ、Word でレポートを作成する

「便利そう」という抽象的な理解ではなく、「明日から自分の校務に生かせる」という具体的な手応えを持ち帰っていただくことを目指しました。
当日は、「Copilot で作成した学級通信に写真やイラストを入れる方法」「Copilot の回答を Word に書き出す手順」といった、実務に直結する質問が数多く寄せられました。こうした反応からは、文書作成や事務作業に対する関心の高さと、その裏返しとしての日常的な業務負荷の大きさがあらためて浮かび上がりました。実務に即した題材を通じて体験することが、活用イメージの具体化に直結することを確認できた研修となりました。

(実際の研修スライドイメージ:抜粋)

3. Copilot フォローアップ相談会
研修は「受けて終わり」になりがちです。実際に校務で試してみると、その場では気づかなかった小さな疑問や「どうやるんだろう」という戸惑いが、後から必ず出てきます。そうした声を放置すると、せっかく芽生えた「使ってみよう」という意欲は薄れてしまいます。
そこで、研修後の5月28日から6月18日にかけて、週次のフォローアップ相談会(計4回)をオンラインで開催しました。これは、試す中で出てきた迷いや疑問を、気軽に持ち寄って一緒に解消できる場として設けたものです。一度の研修で完結させるのではなく、現場が実際に手を動かす期間に寄り添い続けることを意図した、活用支援の一環です。


4. 管理職向け研修
現場での活用は、管理職の姿勢に大きく左右されます。これは民間企業の AI 活用支援でも私たちが繰り返し直面してきた構造であり、教育現場も例外ではありませんでした。一般に管理職は、生成 AI を否定しているわけではなく、「何かあったときの責任」や「正しい知識を持つ機会の不足」から慎重にならざるを得ないのが実情です。1.の現状調査でも、ICT リーダーが感じるハードルの上位に「管理職の考えが気になる」が挙がっており、管理職の一言が現場の動きを左右することがうかがえました。
そこで、管理職を対象とした「生成 AI のよくある誤解と正しい理解」を骨子とした研修を実施しました。狙いは、管理職の役割を、活用の可否を「判断する人」から、現場の挑戦を「後押しする人」へと転換することです。セッションでは、管理職層に多く見られる代表的な誤解を取り上げ、一つひとつを正しい理解へと置き換えていきました。
- 「AI に任せると、自分で考えなくなる」 → AI は考えを深めるツール。最後に思いを込めて伝えるのは人の役割
- 「出力が正確じゃないから心配」 → 最終的に判断するのは人。確認体制のもとで使うことが大前提
- 「自分が使えないから、推進できない」 → 管理職が使いこなす必要はない。「使っていい」と後押しするだけでよい
- 「何かあったとき、責任が取れない」 → 管理職の役割は、組織として安全に使われる仕組みを整えること

そのうえで強調したのは、「やらない理由」ではなく「やる理由」を語れる管理職へ、という転換です。ここで支えとなったのが、1.の現状調査で見えた認識と実態のギャップでした。現場が管理職の目を気にする一方で、実際には管理職層こそが日常的に生成 AI を活用していました。すでに使いこなしている管理職が、その経験をもとに「これは使える」と現場の背中を押す、この構図こそが、活用を組織全体へ広げる推進力になります。

(研修でのスライドイメージ)

5. ユースケースの集約と横展開
取り組みの成果を、感覚ではなく具体的な変化として捉えるため、集中利用期間の前後でアンケートを実施し、理解度・行動・成果・認識変化の4観点で実施前後を比較しています。あわせて、「集中利用期間中に1人1ユースケース」を合言葉に、教職員が校務の中で実際に試した活用事例を収集しています。
ここで大切にしているのは、うまくいった事例だけでなく、思うようにいかなかった工夫も含めて拾い上げることです。集まった事例は、学校の枠を越えて共有できる形に整理し、現場どうしが学び合える土台にしていきます。一つの成功例を一人で抱えるのではなく、現場から現場へと活用の輪が広がっていく、その横展開こそが、取り組みを一過性で終わらせないための鍵だと考えています。
なお、今回の集中利用期間の成果を踏まえ、8月上旬には全教職員を対象とした研修の実施を予定しています。
今後の展望
ディスカバリーズは引き続き、教職員が安心して生成 AI を試し、自分の業務で使いこなせる状態づくりを支援してまいります。ディスカバリーズの支援は「伴走」をめざすものであり、最初のきっかけづくりを担いながらも、最終的には現場が自分たちの力で活用を進められる状態を目指します。笛吹市での実践で得た知見を他地域の教育現場へも広げ、教職員が子どもと向き合う時間を増やせるように、現場に寄り添った支援を続けてまいります。

笛吹市教育委員会様のエンドースメント
笛吹市教育委員会学校教育課 統括情報通信技術支援員 土田 純氏
本市では、令和4年度から各校に校務や授業でのICT環境の活用を推進する「ICT リーダー」を置き、以前から現場での生成 AI 活用を広げる取り組みを進めてきました。今回、外部の専門的な知見が加わったことで、教職員の活用が前進し、管理職を含めた学校全体に前向きな変化が広がっています。市内全校への展開が一巡し、ここからは本格的な活用に向けた段階に入ります。私たちがめざすのは、生成 AI によって余剰時間を創出し、それぞれの先生方が本当にやりたかったことへの時間や、子どもと向き合う時間を増やせるようにすることです。各学校が自律的に活用を進められるよう、教育委員会として引き続き環境を整え、現場をしっかりと支えてまいります。

ディスカバリーズについて
「働くすべての人たちがイノベーションをもたらす世界を創る」をミッションに、コミュニケーションやコラボレーションを再設計し、AI で組織のナレッジを人に繋げて新しい価値(=イノベーション)を生みやすい組織変革を目指した AX(あらゆる業務に AI を組み込んだ組織のトランスフォーメーション)でお客様の成功を支援しています。
SaaS 型クラウドサービスの開発・販売と、上場企業100社以上の実績を持つコンサルティング・サービスを提供。マイクロソフト認定ソリューションパートナー、2011年にマイクロソフト パートナー オブ ザ イヤーを受賞。
https://discoveries.co.jp/

各種リンク
Microsoft Copilot 伴走支援サービス
https://discoveries.co.jp/consulting/copilot/

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