[『インターネット白書2008』版] 検索連動型広告導入のための、社内決裁の通し方(オリジナル稟議書付き)
担当者レベルでは検索連動型広告の効果を理解していても、実際に始めるとなると上司の決裁を得る必要が生じてくるだろう。しかし、検索連動型広告のことをよく知らない上司に、どのように説明すれば良いか困っているWeb担当者も少なくないはず。そこで今回は、上司を説得できる稟議書の書き方をわかりやすく指南する。
本記事は、昨年公開して好評いただいた「今さら聞けない!「検索連動型広告」再入門~実践編 稟議書の書き方、社内決裁の通し方」の稟議書データをアップデートしたものだ。最新の調査データを盛り込んでいるので、記事末尾のアンケートに答えて、ぜひダウンロードしていただきたい。
検索連動型広告導入時の稟議書の例文とは
稟議書に必要な項目は、(1)件名、(2)稟議内容、(3)理由(効果)、(4)予算、(5)添付資料の5つに大別されるのが一般的だ。稟議書には、経営者や部門長など多忙なポジションの人も目を通すケースも多いため、できるだけシンプルに、かつ具体的な数字を挙げながら記述していくのが望ましい。それでは項目ごとに、ポイントをチェックしていこう。
(1)件名
件名は、何に関する決裁なのか(=決裁の結果、何をするのか)をズバリ記述すればよい。ただし単に「検索連動型広告の導入」としたのでは不親切で決裁者が首を捻ってしまう可能性もある。「商品Aの販売促進における検索連動型広告の導入について」といった具合に、どんなビジネスにおいて検索連動型広告を導入するのかを明記しよう。
(2)稟議内容
次は稟議内容だ。(1)で示した件名の内容を明確に伝えるだけでなく、その背景についてもマーケティング調査やアクセス解析の結果を踏まえながら、具体的な数値で簡潔に記すのが望ましい。稟議書の基になっている企画書を、数行程度でまとめるイメージだ。次の例文のような形が基本形になる。
商品Aの販売に先立ってマーケティング調査を行った結果、ターゲットとする顧客層の約7割がYahoo! JAPANを最も利用する検索サイトとして挙げていることが明らかになりました。
本商品の主要な販売チャネルは弊社ショッピングサイトを想定しており、効果的な集客・販売促進を行うために検索連動型広告を導入し、Yahoo! JAPANをはじめとするサイトに広告出稿をしたいと考えております。
ご決裁いただけますようお願い申し上げます。
また決裁者が検索連動型広告について詳しくない場合、次のような添付文書を添えるといいだろう。
【検索連動型広告とは】
検索サイトでユーザーが入力した検索キーワードに連動して表示される広告のこと。
- 商品に関連するキーワードを検索した見込客に絞り込んで広告を表示するため、高い広告効果が期待できる
- 費用対効果が明確。広告の表示回数、クリック数、購入に至った回数、投資効果(ROI)などを数値で把握できる
- 広告は表示されただけでは課金されず、ユーザーが広告をクリックすると料金が発生する
- ほぼリアルタイムで広告の掲載・停止ができ、フレキシブルなプロモーションが可能
- 広告予算の管理がしやすい
【検索連動型広告の主な特長】
数値を交えながら箇条書きで効果をアピール
(3)理由(効果)
最も重要なのが理由(効果)だ。稟議書で決裁を得られるかどうかは、この理由(効果)をどれだけ説得力をもって表現できるかにかかっている。したがってここでもできる限り数値を交えながら理由(効果)を説明する作業が欠かせない。
おすすめは、文章で長々と説明するのではなく箇条書きで記述する方法だ。稟議書の基になっている企画書から、たとえば次のようなポイントを抜き出しながらアピールするといいだろう。なおスポンサードサーチのアカウントをすでに開設済みの場合、設定した予算に応じた1日あたりの予想広告表示回数(インプレッション数)や予想クリック数を知ることもできる。こうしたデータも上手にアピールしてほしい。
- 検索連動型広告の予想インプレッション数:○×/月
- 検索連動型広告の予想クリック数:○×/月
- 検索連動型広告利用者の購入(コンバージョン)数:○×/月
- 検索連動型広告による予想売上高(平均購買単価×月間コンバージョン数):○×/月
- 予想CPA(1コンバージョンあたりの獲得単価=予算÷コンバージョン数):○×円
- 予想ROI(予想売上高を基に算出した利益÷予算)=○×%
(4)予算
ここでは、検索連動型広告の広告予算をそのまま記載する。スポンサードサーチでは、1日単位で広告予算を設定でき、1か月の予想予算も自動的に計算される。これらのデータを踏まえ、「○円(1か月あたり○円×△か月)」と明記し、必要があれば詳細な見積書を添付するといいだろう。
なお必要な広告予算は、商材や市場規模などにより大きく異なるため、この程度が適切と一概に言うことはできない。ニッチな商材であれば、数万円程度の月額予算で効果を挙げているネットショップも現実にあるので、限られた予算でも工夫次第で成果につなげられるはずだ。
(5)添付資料
最後に、稟議書を補足するための調査データを添付する。特に予算が大きい場合は、こうした添付資料もしっかり準備したうえで稟議書を提出しよう。
以上の項目を踏まえて、Web担当者Forumではオリジナルの稟議書の文例と、(5)の添付資料になる検索連動型広告などの調査データ(『インターネット白書2008』などのデータを掲載)をご用意した。記事末尾の簡単なアンケートに答えて、ぜひダウンロードしていただきたい。
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