テーマパーク業界、値上げだけでは限界? 物価高・人件費高騰で成長鈍化【TSR調べ】

黒字が約8割も減益が半数近く。売上高トップはオリエンタルランド。

今井扶美(Web担編集部)

8月31日 6:00

東京商工リサーチ(TSR)は、2026年の「遊園地・テーマパークなど運営企業」の業績動向調査を実施した。「遊園地」「テーマパーク」「動物園・植物園・水族館」などを運営する122社を対象に調べている。

国内テーマパーク企業、4期連続の増収増益も伸び率は鈍化

遊園地・テーマパークの業績推移

調査によると、2025年度の売上高合計は1兆931億円で、前年度から3.4%増加した。売上高は4期連続の増収となっている。また、当期純利益が判明した121社の利益合計は1,577億円で、前年度比3.0%増。2021年度の14億円の赤字から回復し、こちらも4期連続の増益となった。

ただし、売上高と利益の増加率はともに鈍化傾向。同社では、物価高や人件費の高騰に加え、人気施設では収容可能客数が限界に近づいていることなどが影響しているとみている。

売上高ランキング

売上高ランキングでは、東京ディズニーリゾートを運営する「オリエンタルランド」が5,881億7,100万円で首位となった。前年度から2.9%増加しており、入場者数は微減した一方、ゲスト1人あたりの売上高は過去最高を更新した。

2位はナムコ・ナンジャタウンや浅草花やしきを運営する「バンダイナムコアミューズメント」で975億4,900万円、3位は「東京ドーム」で615億1,300万円。4位は鈴鹿サーキットパークなどを運営する「ホンダモビリティランド」で443億9,100万円となり、前年度比43.4%増と大幅な増収になった。

約8割が黒字も、減益企業は半数近く……物価高や人件費が逆風に

損益別・対前年増減益別

利益が判明した121社のうち、2025年度に黒字だった企業は95社で、全体の78.5%を占めた。一方、赤字企業は26社で、構成比は21.4%だった。

また、前年度から増益となった企業は63社で、全体の52.0%を占め、6社増加した。一方、減益企業は56社で、全体の46.2%を占めた。前年度からは3社減少したものの、2023年度からは14社増加している。

売上高伸長率別・対前年増減収別

さらに、売上高が前年度から増加した企業は74社で、構成比60.6%となったが、前年度から10社減少した。一方、減収企業は46社で、前年度から12社増加しており、業界全体で増収の勢いが弱まっていることがうかがえた。

調査概要

  • 【調査対象】東京商工リサーチの企業データベース(390万社)のうち、日本産業分類(小分類)の「遊園地」「テーマパーク」「動物園・植物園・水族館」に該当する企業。
  • 【対象企業】2025年度(2025年4月期~2026年3月期)を最新期とし、5期連続で売上高を比較できる122社。このうち、当期純利益を比較できる企業は121社。「博物館・美術館」は対象外。
  • 【備考】対象分類以外の事業も展開する企業は、他事業を含めた合計の売上高・利益を集計。売上高ランキングは、上場企業およびその連結子会社、官報やホームページなどで売上高が判明している企業を対象とした。ハウステンボスは5期連続での売上比較ができないため、業績推移の算出対象(売上高122社、利益121社)には含まれていない。
この記事のキーワード

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る