NECが自動で図表を読み取り情報を利活用できるサービス開始、生成AIの適用業務を拡大

NECは、多くの時間と人手をかけていた複雑な図表の読み取り作業を、情報を損なうことなく自動でデータ化し利活用できるサービスを2025年1月から提供すると11月27日に発表した。業務マニュアルや商品カタログなどの図表を多く含む書類の活用が生成AI(人工知能)で加速できる。回答の正確性を高め、図表を活用したユースケースを拡大する。生成AIで活用可能なデータの種類を広げ、適用業務を拡大できる。

図表の意味や形式を考慮した処理で、文字や図表の間の位置関係で表される文脈を損なわずに自動で正確に読み取る。損益計算書やプロセスフロー図、組織図など専門性の高い業務特化した図表をデータ化し、AIのファインチューニング(微調整)に必要な追加学習や、RAG(検索拡張生成)と呼ばれる社内文書検索システムに活用して専門業務に特化したAIを構築でき、これまで対応できなかった高度なタスクの実行を実現する。

業務における生成AIの利用では多くの図表を含む書類の活用が期待され、複雑な図表の読み取り作業をこれまで多くの時間をかけて人が行ってきた。AIによって自動で読み取る技術もあるが、文字の読み取りや図表の判別に機能が限定され、文字や図表の間の位置関係によって表される文脈を理解できなかった。NECは金融・医療・製造業を中心にシステムを提供し、生成AI関連事業で2025年度末までに約500億円の売り上げを目指す。