Adobe、ブランド可視化のSemrushを19億ドルで買収へ

米Adobe（アドビ）は、オールインワン競合分析ツールなどで知られるSemrush Holdings, Inc.（セムラッシュ）を、約19億ドル（1株あたり12ドル）の全額現金取引で買収することで合意したと2025年11月19日に発表した。

この買収によりAdobeは、Semrushが持つ「ジェネレーティブ・エンジン・オプティマイゼーション（GEO）」をはじめ、10年以上蓄積してきたSEO・広告・SNSに関する専門知識やデータを獲得する。これらは今後、「Adobe Experience Manager (AEM)」や「Adobe Analytics」、さらに新製品の「Adobe Brand Concierge」など、Adobeのデジタルエクスペリエンス領域のソリューション群に統合される予定だ。

これまでSEOが主流だったが、生成AIの普及により「大規模言語モデルの回答」の重要度が増している。Semrushを買収することで、ブランドがAI時代に顧客に「見つけてもらうための競争力」が飛躍的に向上すると期待される。

Semrushは直近四半期でエンタープライズ顧客セグメントで前年比33%の年間経常収益成長を達成している。本取引は両社の取締役会で承認されており、規制当局の承認などを経て、2026年前半の完了を見込んでいる。