ウザいインタースティシャル広告に徹底ペナルティ、グーグルが遂に決定 などSEO記事まとめ10+2本

広告が挟み込まれたり画面を覆ったりする「インタースティシャル」を使っているページは、検索結果から追放する――グーグルが本腰を上げたようだ
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コンテンツを見たいのに、広告が挟み込まれたり画面を覆ったりする「インタースティシャル」を使っているページは、検索結果から追放する――グーグルが本腰を上げたようだ。
ほかにも、グーグルの社員がウェブマスターからの質問に答える「ウェブマスター向けオフィスアワー」、ユーザビリティテスト、「AMP対応は待ち?」、HTTPSでインデックス済みのページをHTTPに、キーワードを埋め込んだフッターリンクなどなど、SEO関連の情報をお届けする。


ウザいインタースティシャル広告にペナルティ、グーグルが遂に決定
★★★★★ 2017年1月決行! (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)

グーグルは、モバイル検索に関する非常に重要な変更を2つ予告した。

  • 「スマホ対応」ラベルの廃止
  • インタースティシャルを表示するページのランキングを下げるアルゴリズムの導入

大きな話題はインタースティシャル対策アルゴリズムだが、まずスマホ対応ラベルの件を解説し、その後にインタースティシャルの件を解説する。

「スマホ対応」ラベルの廃止

モバイルフレンドリーなページには「スマホ対応」のラベルをモバイル検索結果で2年前からグーグルは表示していた。

しかし検索結果に表示されるページの85%が現在はスマホ対応しており、もはやその役割を終えたと判断したようだ。ラベル表示を廃止することになった。すでにラベルは表示されなくなっている。

とはいうものの、ラベルはなくなるが、モバイルフレンドリーのランキングアルゴリズムは継続して使われる。モバイルフレンドリーツールとモバイルユーザビリティレポートも変わることなく利用できる。

インタースティシャルを表示するページのランキングを下げるアルゴリズムの導入

アプリのインストールをすすめるインタースティシャルを表示するページの評価を下げるランキング要素をグーグルはすでに導入しているが、より幅広いインタースティシャルで評価を下げるようにする。

たとえば次のようなわずらわしいインタースティシャルが、ランキングを下げられる可能性があるとのことだ。

  • ユーザーが検索結果からページに移動した直後やページを閲覧している最中に、メインのコンテンツを覆い隠すようにポップアップを表示する。

  • スタンドアロン インタースティシャルを表示して、それを閉じないとメインのコンテンツにアクセスできないようにする。

  • スクロールせずに見える部分がスタンドアロン インタースティシャルのように見えるレイアウトを使用して、インラインのメインのコンテンツはスクロールしないと見えないようにする。

具体的には、次のようなものだ。

メインコンテンツを覆い隠すポップアップ。裏に隠れたメインコンテンツがポップアップの上下に薄っすらと見えるのがわかるだろうか?
スタンドアロン インタースティシャルの例。検索結果に出たページに実際にアクセスする前に強制的に広告ページが差し込まれる。
レストランのレビューサイトである米Yelp(イェルプ)は、ファーストビューにはアプリの利用を勧めるコンテンツしか見えない。下にスクロールすると、実際のコンテンツが見えてくる。

一方で、正しく使われている次のようなインタースティシャルはアルゴリズム変更の影響を受けないそうだ。

  • 法律上の必要性に基づいて表示されているように見えるインタースティシャル(Cookie の使用、年齢確認など)。

  • 一般公開されていないコンテンツ(そのためインデックス登録ができない)を有するサイトが表示するログイン ダイアログ。たとえば、メール サービスのように個人的なコンテンツが含まれる、有料のコンテンツであるためインデックス登録できない、などの場合が考えられます。

  • 画面スペースから見て妥当な大きさで、簡単に閉じることのできるバナー。ここで言う妥当な大きさとは、たとえば Safari や Chrome に表示されるアプリ インストール バナー程度の大きさです。

Chromeのアプリインストールバナーの例(Google Developersより)

ユーザー体験を損ねるのはアプリダウンロードのインタースティシャルだけではない。どんなタイプであっても、インタースティシャルをわずらわしいと感じるユーザーは筆者も含めて多いはずだ。グーグルは多くの検索ユーザーの声を反映させたのだろう。

本当ならば、あらゆる検索でこのアルゴリズムを導入してほしいところだが、今はまだモバイルだけのようだ。

対インタースティシャルのアルゴリズム更新は、2017年1月に導入予定だ。対象になりそうなインタースティシャルをもし設置しているのであれば、間に合うように余裕を持って対応してほしい。

もちろん、広告を優先してモバイル検索トラフィックを失うほうをとるのであれば、そのままでいいだろう。

インタースティシャルのペナルティはページ単位で影響する
★★★★☆ でも全ページで使っていれば結局はサイト全体に影響 (Gary Illyes on Twitter)

わずらわしいインタースティシャルを表示するページの評価を下げるアルゴリズムは、ページ単位で影響する。サイト全体ではない。

グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏は、ツイッターでこのように説明した。

たとえば、トップページだけでインタースティシャル広告を表示していたなら、評価が下がる可能性があるのはそのトップページだけだ。サイト内のそのほかのページは悪い影響を受けない。

とはいえ、たいていのサイトではサイト全体でインタースティシャルを使っているのではないだろうか。もしそうなら結局サイト全体で影響を受けることになるだろう。

日本語で読めるSEO/SEM情報

重複ページのrel="canonical"、アルゴリズム変更を事前告知する場合としない場合の違い、コンテンツの登用対策など、8月のオフィスアワー
★★★★☆ 初登場のアンナさんを加えて3人のグーグル社員が回答 (ウェブマスター オフィスアワー)

グーグルの社員がウェブマスターからの質問に答える「ウェブマスター向けオフィスアワー」の8月版が開催された。今回は、いつもの回答役の金谷氏と長山氏に加えて、司会進行役としてアンナさんが登場している。

取り上げられた主な質問は次のとおりだ。

  • 「プロパティの健全性に重大な問題が発見されました」の警告の対処
  • 重複ページのrel="canonical"設定
  • 閉業した実店舗の対応
  • インデックスの順番とオリジナルの判断
  • 事前に告知するアルゴリズム変更と告知しないアルゴリズム変更の違い
  • インデックスさせたくないAMPページがある場合の設定
  • Search Consoleの時差
  • AMPページの内部リンク
  • コンテンツの盗用対策
  • クロールされないページが多いときの対処
  • サイト移転後の301リダイレクトの設定

いつものように、ライブ参加していなければYouTubeの録画を視聴できる。

あなたにも絶対に必要なユーザビリティテストとその始め方
★★★★☆ 最終的にはSEOにも効果あり? (ポップインサイト公式ブログ)

ユーザビリティやユーザー体験を改善するには、ユーザビリティテストが役に立つ。

しかし、実際にやるとなると手間もお金もかかりそうだし、そもそも自分たちくらいの規模のサイトには必要ないんじゃないか、そう考えるウェブ担当者も多いに違いない。

こちらの記事は、ユーザビリティテストの重要性を本当に理解するために、次のようなことを解説している。

  • そもそもユーザビリティとは何か
  • なぜWebマーケティングでユーザビリティが重要か
  • ユーザビリティテストとは何か
  • ユーザビリティ改善において、なぜユーザビリティテストが重要か
  • ユーザビリティテストでは何が分かるのか
  • ユーザビリティテストでどのような実施方法があるか
  • ユーザビリティストはどのように活用されているか

ユーザビリティテストが必要な理由と、あなたでもすぐに始められるユーザビリティテストを、知ることができるだろう。

使いやすくて、良い体験を提供してくれるサイトをユーザーは評価する。そして、検索エンジンが検索結果に出したいのは、ユーザーが評価するサイトだ。

「ユーザビリティでしょ、SEOには関係ないでしょ」とは言わず、ユーザビリティとユーザー体験の向上にも積極的に取り組んでほしい。

少なくとも、「そもそもユーザビリティとは」として解説している、「ユーザビリティとは、特定の利用者によって、特定の状況で、特定の目的を達成するために使われる」際の指標であるという観点は大切だ。

漠然とではなく、自分の担当しているサイトやコンテンツが「だれのために」「何のために」存在しているのかを、改めて考えるきっかけになるだろうし、重要性が高まっている「検索意図」への意識も高まるはずだ。

やはり「AMP対応は待て」か? AMP導入3か月後に出した結論
★★★☆☆ メリットがあるのは大規模ニュースパブリッシャーのみ (ICS MEDIA)

AMPを導入してから3か月が経過した時点の状況を公開した記事。

標準ページに比べてAMPページは読み込み速度を約半分に短縮できたものの、アクセスという観点では期待に見合った成果は得られなかったそうだ。

次のように結論付けている。

  • AMPはエンドユーザーに最適な配信方法であるものの、現在のところサイト運営側のメリットは局所的

  • AMP対応の工数に対して効果は見合わないため、ビジネスでの積極的な提案や採用は難しい

  • AMP導入の利点があるのは大手のニュースメディアやブログメディアなどのメガサイトのみ

  • 即時性の高いサイトは、ニュースがカルーセルとしてエンドユーザーの目に触れられる機会が多いためAMP対応の利点はある

  • 小規模のアクセス数のサイトであれば、Googleでニュースとして掲載されることはほとんどないため、無理に対応する必要はない

先週紹介した「AMP対応すべきか? SEOプロの出した答」と共通点が多い。大多数のサイトにとってAMP対応は「準備はしつつも、優先度はさほど高く設定しない」でいいものなのだろうか。

ちなみに筆者の個人ブログは小規模だが、新しいニュース的なコンテンツを配信することが多いため、ほとんどの記事は何らかのクエリでトップニュースのカルーセルに表示される。(自慢できるほどのアクセス増ではないが)AMP化したことのメリットをそこそこ感じている。

それにしても、元記事はページネーションが細切れすぎたり、記事コンテンツにたどり着くまでに広告などの要素が多かったりして、非常に残念だと思うのは筆者だけだろうか。

海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ

インタースティシャルに対するアルゴリズム変更とGooglebotのJavaScriptレンダリングに関する記事を今週はピックアップ。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
  • HTTPSでインデックス済みのURLをHTTPに戻すにはどうすればいいのか?
  • キーワードを埋め込んだなフッターリンクにSEO効果はあるのか?
  • AMPでA/Bテストまで利用できるようになった
  • titleタグのおかしな書き換えが発生したらグーグルにフィードバックしよう
  • hreflangで、言語の順番は関係ないが、タグの場所は重要
(SEO Japanは今週もお休み)

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

HTTPSでインデックス済みのURLをHTTPに戻すにはどうすればいいのか?
★★★★☆ rel="canonical"が機能するはずだけど、効かないこともある? (Gary Illyes on Twitter)

HTTPSからHTTPへ301リダイレクトしているのに、それをグーグルが無視してHTTPSのURLを検索結果に出し続けるのには理由があるのですか?

こんな質問を、グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏にツイッターでフォロワーが投げかけた。

イリェーシュ氏は次のように説明している。

ああ、そういうケースは確かにある。僕たちはHTTPSを非常に優先するから、どうにかしてそれを覆さなければならない。ひとつの方法は(httpのURLに向けた)自己参照のrel="canonical"だ。

これで解決するかに思えたのだが、そうではなかった。

質問者はこう続けた。

rel="canonical"の設定はもうやってます。本当はHTTPSにしたいのですが、大きなサイトなので移行には1年くらいかかるのです。

イリェーシュ氏は次のように言って、実際のサイトのURLをダイレクトメッセージで送るように質問者に伝えた。

おかしいな。rel="canonical"が優先するはずなのだが。

最終的に何が原因だったのかは不明だが、次の2つを覚えておきたい。

  • グーグルはHTTPよりもHTTPSを優先して検索結果に表示する傾向がある

  • HTTPを優先させたい場合は、HTTPのURLを指定した自己参照のrel="canonical"を設置する

また、いったんHTTPSでインデックスされたURLをHTTPに戻すのは難しい場合もあることも、あわせて知っておいたほうがよさそうだ。

キーワードを埋め込んだなフッターリンクにSEO効果はあるのか?
★★★★☆ グーグルは無視する (English Google Webmaster Central office-hours hangout)

英語版のオフィスアワーで、参加者が次のように質問した。

クライアントのサイトは、主だったページヘの内部リンクをフッターにたくさん設置しています。そのリンクはトップのナビゲーションやサイドメニューにもあります。

本当に必要だと思いますか? もし撤去したら、良い影響か悪い影響が出てきますか?

グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように答えた。

おそらく検索エンジンは、それらのリンクをすでに無視しているのではないだろうか。通常のナビゲーションに、そのページヘのリンクがすでにあるなら、フッターに再び設置する必要はない。

あなたのケースに該当するかどうかはわからないが、多くのサイトがやっているのは、下層ページへのリンクを小さなフォントでキーワードを詰め込んだ形でフッターに詰め込むやり方だ。

私たちの観点から見ると、そういうのはキーワードの乱用に近い。私たちのアルゴリズムは、どのキーワードも実際のコンテンツとは関係ないから無視しようとするだろう。

サイトにもよるが、そういった詰め込み型のリンクを私たちは無視する。

サイトをリニューアルしているとしたら、そんな無駄なリンクのメンテナンスに時間を費やすのは意味がないことだ。

ユーザーが本当に使うためのフッターリンクなら何も問題ない。しかしSEOの効果を狙ってフッターにリンクを詰め込んでも、昔は効果があったかもしれないが、今は期待する成果は得られないだろう。それどころか度が過ぎれば、キーワードの乱用だとして手動対策の対象になりうる。

AMPでA/Bテストまで利用できるようになった
★★★★★ 一般的なA/Bテストでやれることが可能 (Accelerated Mobile Pages Project)

AMPページでA/Bテストができるようになった。

ソーシャルボタンやサイドバー、広告、レコメンドなど、今はAMPでさまざまなことができるようになっていることを、前回お伝えした。

ここに、新たにA/Bテストの機能が追加されたのだ。

どのくらいの割合でユーザーを割り振るかを設定したり、3つ以上のパターンを試したり、同じユーザーには同じテストを提供し続けるかどうかを決めたりなど一般的なA/Bテストでやれることが可能だ。

AMPページでのA/Bテストには、<amp-experiment> という専用のAMPタグを使う。設定はJSONで記述する。

<amp-experiment>
<script type=”application/json”>
    {
      recommendedLinksExperiment: {
        sticky: true,
        variants: {
          shorterList: 25.0,
          longerList: 25.0,
          control: 50.0,
        },
      },
      bExperiment: {...}
    }
  </script>
</amp-experiment>

詳しい実装方法はドキュメントを参照してほしい。サンプルコードも公開されている。

AMPの話題なのでまださほど多くの人には関係ないかもしれないが、A/Bテストは非常に大切なものなので、要注目だ。

titleタグのおかしな書き換えが発生したらグーグルにフィードバックしよう
★★★★☆ アルゴリズムの将来の改善に役立ててもらえる (English Google Webmaster Central office-hours hangout)

検索結果に表示されるページタイトルが、実際のtitleタグの中身ではなく、グーグルが書き換えたものになってしまう件に関して、グーグルのジョン・ミューラー氏は英語版オフィスアワーで次のようにアドバイスした。

本当に変で、すべてのユーザーに対して役に立たないタイトルを私たちが生成していたとしたら、フィードバックしてほしい。

タイトルチームが、将来のアルゴリズム変更に際してきちんと考慮に入れてくれる。

フィードバックしたら検索結果ですぐに反映されるというわけではないが、問題を解決するために何ができるか、アルゴリズムレベルで解明してくれる。

検索結果におけるtitleタグ修正のアルゴリズムを専門に扱うチームが、グーグルには存在するようだ。誰がどう見ても問題がある書き換えが発生していたら、フィードバックするといい。アルゴリズムの将来の改善に役立ててもらえる。

Google+のダイレクトメッセージでフィードバックを送ってもいいとミューラー氏は言っているが、検索結果ページの下にある「フィードバックを送信」リンクからでも報告できる。

hreflangで、言語の順番は関係ないが、タグの場所は重要
★★☆☆☆ 可能な限り先頭に配置 (Google Webmaster Central office-hours)

英語版のオフィスアワーで次の質問が出た。

hreflang属性で、言語の順番は関係しますか?

ジョン・ミューラー氏からの回答は次のようだった。

いいや、順番はまったく関係ない。

ただし、次のように補足している。

ひとつ気を付けることがあるとしたら、私たちが確実に認識できるように、hreflangはできるだけheadセクションの先頭に置いたほうがいいということだ。

なぜかというと、hreflang要素がもしheadセクションの下の方にあった場合、JavaScriptがheadセクションの内容を操作したら、結果としてhreflangがうまく認識されない場合があるからだ。

hreflangの順番自体は好きでいい。英語を1番目にしてもいいし、日本語を1番目にしてもいい。好きに並べることができる。

だが想定していない何らかの出来事が発生していて、hreflangが読み取られないことがある。

headセクションでは使用が許可されていないiframeタグがheadセクション内でhreflangよりも上に存在していたため、hreflangが認識されなかったというトラブルも以前に紹介したことがある。

ミューラー氏は動画で、JavaScriptによってhreflangがbodyセクションの中に移動させられてしまう例を挙げている(そんなことが起こるのかは少し疑問だが)。

hreflang要素を設定するなら、確実に認識されるように可能な限りheadセクションの先頭近くに配置しよう。

SEO Japanの
掲載記事からピックアップ

今週もお休み。SEO Japanはもう更新されないのだろうか……。

この記事の筆者

鈴木 謙一(すずき けんいち)

「海外SEO情報ブログ」の運営者。株式会社Faber Companyの取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。

海外SEO情報ブログは、SEOに特化した日本ではもっとも有名なSEO系ブログの1つ。米国発の最新のSEO情報を中心に、コンバージョン率アップやユーザーエクスペリエンス最適化のための施策も取り上げている。

正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうために、ブログでの情報発信に加えて所属先のFaber Companyでは、セミナー講師や講演スピーカーを主たる役割にしている。

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