検索アナリティクスで順位が大下落! でも表示回数は増加? 何が起きてるの?【SEO記事12本まとめ】
SEO担当者ならば、Search Consoleの「検索アナリティクス」で、サイト全体の検索順位が大幅に下落しているのに気づいただろうか。何が起きているのか、わかりやすく解説する。
ほかにも、Googleモバイル検索結果の新デザイン、グーグル主催のイベント情報×2、ドメイン・オーソリティ(DA)の重要性、Googleウェブサイトビルダー製サイトが1か月で25万件などなど、SEO関連の情報をまとめてお届けする。
検索アナリティクスで順位が大下落! でも表示回数は増加? 何が起きてるの?
低い順位のデータも正確にレポートできるようになったから (Search Console ヘルプ)
SEO関係者には必須のツールだと言ってもいい、Search Consoleの検索アナリティクス。そのデータ集計システムにGoogleは改良を加えた。
その影響で、一見するとあなたのサイトの平均順位が低下してしまったように見えるかもしれないので、お知らせする。
というのも、検索順位が低い(上位ではない)結果に関しても、今までよりも正確なデータをレポートするようにグーグルが変更したのだ。これまでレポートに含まれていなかった低順位のデータもレポートに反映されるようになった。
その影響で、検索アナリティクスの全体レポートで、これまでと比べて、
- 掲載順位が下がって見える
- 表示回数が増えて見える
という(見せかけの)変化がおきている場合がある。
特に、最初に表示されるサイト全体のレポートでこの傾向が顕著だ。なぜなら、今までデータにちゃんと含まれていなかった低順位のキーワードに関する情報が加わったことで、全体平均が変わってしまったからだ。
より正確なデータを手にできることはありがたいことなのだが、この改良の影響で検索アナリティクスのデータに、一見すると異常とも思える変化が発生するサイトも出てきているので、注意が必要だ。
この影響をわかりやすく示すために、検索アナリティクスのレポート画面には「注」という注釈が表示されるようになっている。この「注」クリックすると、内容を説明するヘルプページが開かれる。
筆者のブログも影響を受けていた。緑の線は掲載順位だ。「注」以降に大きく下がっている。赤の線は表示回数だ。「注」以降、いったん下がっているがこれは週末で検索数自体が減るためだ。しかしその後は以前よりも増えている。
とはいうものの、前述のように、これはサイト全体のデータを表示するレポートでの見かけ上の変化にすぎない。
各キーワードの情報を見れば、(上位のキーワードならば)「注」の前後で大きな変化はないだろう。
実際の検索結果で大きな順位変動が起こったわけではない。異常事態ではないから安心していい。
- すべてのWeb担当者 必見!
日本語で読めるSEO/SEM情報
グーグル、モバイル検索のデザインを継続して改良中
水色リンクにグーグルカラーのドット (Makoto Murase on ツイッター)
モバイル検索結果のデザイン改良にグーグルは精力的に取り組んでいるようだ。さまざまなテストを継続して行っている。
筆者がつい最近出会った検索結果を照会しよう。
画像右側の表示では、次の点が既存のものと異なる。
URL(ドメイン名)がタイトルの上に配置されている(このデザインは以前にも体験したことがある)
検索結果のリンクの色がかなり明るい青で、もはや水色と言っていいだろう。グーグルのリンクといえば「青」を思い浮かべるが、かなり印象が変わっている
モバイル検索では、各結果が四角の「カード」に収まっているが、丸角のカードになっている
似たような検索結果表示だが、カードの右上にグーグルカラーの4色のドットが表示されているものも見られている(ここはクリックできない、単なる飾りだということだ)。
こちらのツイートで紹介されている画面では、左側がテスト中だと思われる新表示だ。
筆者たちもグーグルにならって、ユーザー体験を高めるためのデザインを絶えず探求したいものだ
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル主催のイベントとワークショップのご案内
間もなく募集締切&PWA/AMPが学べる (金谷 武明 on ツイッター & Google Developers Japan)
グーグルからのイベントへの招待を2つ共有する。
1. Google Dance Tokyo 2017(8/25開催、7/28締切)
グーグルのスポークスマンともいうべき、ゲイリー・イリェーシュ氏をゲストに招いての「Google Dance Tokyo 2017」が8月25日(金)に六本木で開催される(以前にもこのコーナーでお知らせした)。
このイベントへの参加希望者の受け付けは、今日(7月28日)で締め切られる。抽選だが、次回があるとは限らない特別イベントなので当選を願って応募しよう。
2. Google for Mobile Workshop Day
Android に関連したテクノロジーや製品の実践的知識を実際に手を動かして学ぶワークショップのイベントも予定されている。
さまざまなワークショップを集めた「Google for Mobile Workshop Day」というイベントで、8月4日(金)に六本木での開催、主催はGoogle Playチームだ。
PWA、AMP、Instant Appsといった検索にも関わるプロダクトのワークショップも含まれる。社内の開発者を参加させてはいかがだろうか(コーディングのスキルがあるなら、もちろんあなたも)。
- Google Dance TokyoはすべてのWeb担当者 必見!
- Workshop Dayは技術がわかる人に伝えましょう
日本のHTTPS導入率の現状
増えてはいるけれどまだまだ少ない (Yoshifumi Yamaguchi on ツイッター)
日本のウェブサイトでのHTTPS導入状況に対して、耳の痛いツイートが投稿された。
他の先進国に比べて日本ではHTTPS対応が遅れている実態は、このコーナーでも紹介したことがある。
しかし、このツイートを見たグーグルの山口氏が次のように反応した。
山口氏が言うように、今年の春以降たしかに、ヤフーニュースやアメブロ、クックパッドなど日本を代表する巨大サイトがHTTPS移行を完了させている。だが、それでもまだ半分程度のようだ。
あなたの管理サイトは日本のHTTPS導入率を上げているだろうか? それとも下げているだろうか?
- すべてのWeb担当者 必見!
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
海外カンファレンスのセッションレポート記事と、米国の検索で導入されている新機能の設定に関する記事をピックアップ。
- SEO vs. CRO――検索エンジン最適化とコンバージョン率最適化はどちらが重要か? #CTAConf
現代のSEOにはCROが必須
- すべてのWeb担当者 必見!
- 求人サイト向け: JobPostingの構造化データのマークアップによくある質問
日本導入前にGoogle for Jobsに備えているなら参考に
- 求人・転職サイトを運用するWeb担当者
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- ドメイン・オーソリティのスコアをグーグルSEOで気にするべきか?
- meta keywordsタグにキーワードを詰め込んだらスパムになる?
- PWAを導入する前に参考にしたいベストプラクティス
- AIが書いた記事をグーグルはどのように扱うのか?ガイドライン違反になるのか?
- Googleウェブサイトビルダー製サイトが1か月で25万
- グーグル、透明性レポートのサイトを刷新
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
ドメイン・オーソリティのスコアをグーグルSEOで気にするべきか?
グーグルはまったく使っていない指標 (Webmasters Stack Exchange)
「Domain Authority(ドメイン・オーソリティ)」という、サイトの強さを示すSEO関連の指標がある。
これは、Mozが提供するOpen Site Explorer(オープン・サイト・エクスプローラー)というバックリンク調査ツールで、サイト全体の強さを示すものとして提供している数値だ。
また各ページに対しては、「Page Authority(ページ・オーソリティ)」という指標も示している。
この指標が「想定とかけ離れたスコアを算出しているので理由が知りたい」というサイト管理者に、グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように諭した。
ドメイン・オーソリティやページ・オーソリティは、グーグルのSEOとは一切関係ない。Mozがやっていることにすぎない。
Mozの連中は本当に賢いやつばかりだから、その数値にはちゃんとした使い道があると私はわかっている。だが、グーグルではまったく使われていない。
だから、出てきた数値が困惑するようなものだったとしたら、ランキングに影響することはないから心配しなくていい。
日本でも、SEOを深く追求する人たちにとっては、MozのOpen Site Exploreが算出するドメイン・オーソリティとページ・オーソリティのスコアは有用なデータのようだ。
しかしそれは、SEOの専門家として、さまざまな要因やグーグルの変化などを把握したうえでの話だ。
もちろん、グーグルも何らかの形で同じような指標をもっている可能性は否定できない。とは言うものの、それはMozのドメイン・オーソリティとは別の指標だし、今の時代では順位決定に使っている数多くの要因の1つに過ぎない。
Mozのドメイン・オーソリティは、一般のウェブ担当者が自社のサイトに関して気にするような指標ではないと思っておくほうがいいだろう。
もし、これらの数値を調べる機会があったとしても、「ふ~ん、そういうものなのね」程度の認識でいよう。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
meta keywordsタグにキーワードを詰め込んだらスパムになる?
グーグルは完全無視 (鯨理 on Twitter)
meta keywords タグがSEOに効果があると解釈している人は、さすがにもう存在しないだろう(と信じたい)。グーグルがmeta keywordsをランキング要因として使わなくなったのは、はるか昔だからだ。
では、meta keywordsタグが評価を上げることはないとして、(昔ながらの)meta keywordsにキーワードを詰め込んだスパム行為を、グーグルはどう扱うのだろうか? 評価を下げるのであろうか?
グーグルのゲイリー・イリェーシュによれば、どうやらそういうこともないらしい。グーグルのアルゴリズムはmeta keywordsタグを完全に無視するようだ。
つまり、meta keywordsタグに何を書こうが、プラスにもならないし、マイナスにもならない。
もっとも、meta keywordsタグにキーワードを詰め込むようなサイトは、ガイドライン違反になるような悪事をほかにも働いていそうな気もする。
いずれにせよ、少なくともグーグル検索という視点から見た場合、サイト運営においてはmeta keywordsのことを考えるのは時間の無駄だと考えておいて問題ない。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
PWAを導入する前に参考にしたいベストプラクティス
これを指針に詳細設計 (Think with Google)
PWA(プログレッシブ ウェブ アプリ)に関して、次のような情報をGoogleが整理して紹介した。
- PWAとは何か(概要)
- PWAを活用するメリット
- これまでに公開されたPWA成功事例のまとめ
- PWAを設計する際のベストプラクティス
ベストプラクティスとしては、次のような内容が示されている。
まず、自社のビジネスにPWAが適しているかどうかを判断する。
PWAはウェブサイトなので、アプリよりも幅広くリーチできる。ほとんどのユーザーは、最初はウェブサイトに訪問するものだからだ。
現在すでにネイティブアプリを公開しているのであれば、今後も自社サービスを利用し続けてもらえるように、PWAサイトを訪問したユーザーに対してアプリのダウンロードを促すといい。
次に、インストール体験を考慮する。
PWAではホーム画面にアイコンをインストールできるが、ユーザーに対してホームへのアイコン配置をどのタイミングで促すのが良いかは、訪問頻度などを含めて慎重に検討する。決して押し付けがましくなってはいけない。
また、インストールしたあとのアイコンと起動時のスプラッシュスクリーンのデザインにもこだわること。
さらにPWA本体のデザイン(インターフェイス設計)も重要だ。
モバイルユーザーは、アプリが優れたユーザーインターフェイスであることを期待するものだ。
PWAサイトも、ユーザーから見るとアプリだとして扱われるという前提で、接続速度が遅いときでも高速でシームレスな、アプリと同等な操作性を持つように設計すること。
最後に、プッシュ通知はPWAの機能のなかでも最も利用価値がある機能だ。ブラウザが起動していないときでも機能する。適切に使い、最大限に利用する。
大枠な説明だが、PWAをこれから導入するのであれば、ここで紹介したベストプラクティスを指針として詳細を設計したい。
- PWA導入を考えている人
AIが書いた記事をグーグルはどのように扱うのか?ガイドライン違反になるのか?
議論の真っ最中? (鯨理 on Twitter)
コンピュータのプログラムによって自動生成されたコンテンツをインデックスさせることを、グーグルはガイドラインで禁止している。次のような理由からだ。
(自動的に生成されたコンテンツは)多くの場合、読者にとって意味を持たないが、特定の検索キーワードを含むでたらめな内容の段落で構成されています。
だが、科学技術が進歩した現在は、人工知能が人間に代わって記事を書く時代にさしかかっている。たとえば、日本経済新聞社では、企業の決算発表のサマリー記事を人工知能が作成する試験運用が始まっている。
テーマによっては、人間と遜色ない、ひょっとしたら人間以上の品質を持つ記事を人工知能であっても書けるのではないだろうか。
人工知能が作成した一定の品質を保つこうした記事をウェブに公開することも、グーグルはスパム行為としてみなすのだろうか?
ゲイリー・イリェーシュ氏は次のようにコメントしている。
そのことについて、僕たちはおおいに議論しているところだ。だが今はまだ言えることはたいしてない。
グーグル内部でも、AIが作成したコンテンツをどのように取り扱うべきかについては、慎重に検討している段階のようだ。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
Googleウェブサイトビルダー製サイトが1か月で25万
日本は約6700サイト (Understanding Google My Business & Local Search)
会社やお店のウェブサイトを本当に簡単に作成できるツールとして、「ウェブサイトビルダー」をグーグルマイビジネスで先日から利用できるようになった。
ツールの提供開始から約1か月の間に、およそ25万のサイトが公開されたと思われる。ウェブサイトビルダーで作成したサイトはbusiness.siteのドメイン名が割り当てられる(独自ドメインも使用可能)。site:
検索で調べたところこの数字が出てきたそうだ。
筆者が日本語のサイトに絞って調べてみたところ、6700ほどのサイトが見つかった。
この数字が多いのか少ないのかの客観的な判断はできないとしても、個人的には、それなりに利用されてるのではないかと感じた。
ウェブサイトビルダーで作成したサイトは今のところ、非常にシンプルでカスタマイズ性が皆無に等しいが、利用者が増えれば機能も増えていくのではないだろうか(せめてアクセス解析くらいは、今すぐにでも実装してほしいものだ)。
- ローカルSEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル、透明性レポートのサイトを刷新
サイトを管理する者として目を通しておく (The Keyword)
グーグルは「透明性レポート」のサイトを刷新した。今までよりも多くのデータを読みやすく見やすく提供している。
透明性レポートにある、セーフブラウジングの状況を検証する「サイトステータス」ツールも、新しいデザインになった。
グーグルが関係するサービスや製品における、プライバシーやセキュリティのさまざまな情報を透明性レポートでは入手できる。
日々のサイト管理にすぐさま役立つものではないが、ウェブ担当者として認識しておきたい情報がたくさん存在する。日本語化されているので、ウェブサイトを管理する者として、ひととおり目を通しておくことを推奨する。
- すべてのWeb担当者 必見!
ソーシャルもやってます!