グーグルの手動ペナルティは100日で時効になる? など10+2記事(海外&国内SEO情報)

リンクせずにURLだけ書くとSEO効果はどうなのか、「+1」(プラスワン)の効果測定といった話題も
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グーグルの手動ペナルティは100日で時効になる?
★★★★★ でも逃げることはできない (distilled)

グーグルのマット・カッツ氏が、グーグルがペナルティを与える仕組みと解除する仕組みについて以前に詳しくビデオで解説したことがある。その中で、手動で与えたペナルティでは一定の期間が与えられ、その期間は最終的に終了すると言っていた。

この事実を裏付けするデータをこちらの記事では公開している。あるサイトが、明らかにグーグルにペナルティを受けインデックス削除されたらしく検索からのアクセスがゼロになった。しかし何の対処もせずにそのまま放置しておいたところ、100日後に検索からのアクセスが再び発生しだしたのだ。完全ではないが元の水準に近いレベルにまで検索アクセスが復活したというのだ。

100日という日数が固定なのかどうかなど、明らかではない点も残るが、筆者にとっては1つ重大な発見がある。手動ペナルティを受けた場合は、ガイドライン違反をまったく修正しなくてもペナルティ期間が過ぎればいったんペナルティが解除されるということだ。対処しなければ解除されないものかと考えていたのだがそうではないようだ。

となると“逃げ得”のように思えるがそうではない。そのままにしておき再び人間の目視が入りガイドライン違反が見つかると、前よりももっとシビアな手動ペナルティが与えられると予測できる。これは筆者が昨年11月に米ラスベガスで参加したカンファレンスでマット・カッツ氏に直接聞いた話だ。いったんは保釈されとしても、次はさらに長い期間の勾留が発生するに違いない。

日本語で読めるSEO/SEM情報

グーグルを使う人とヤフーを使う人の違いを調査データで明らかに
★★★★★ “やっぱりそうだよね”を裏付けるデータ (株式会社スパイア プレスリリース)

株式会社スパイアは、グーグルとヤフーの利用者についての調査結果を発表した(調査結果はPDFで配布されている)。性別・年代別に、「検索エンジン利用状況」「商品を購入するときに参考にする情報」「スマートフォンの利用状況」「各種ブラウザの認知・利用状況」などを調査している。

グーグルとヤフーの利用状況では、次のような特徴が見られたとのことである。

  • 男性ではGoogleとYahoo! JAPANがほぼ同数だが、女性ではYahoo! JAPANの方が倍以上多くなっている。

  • 男女ともに、若年層ほどGoogleが多い傾向にある。

  • “20代男性”だけGoogleの方が多く、Googleだけ利用しているは22.5%で、“全体”を約13ポイント上回る。
    また、Yahoo! JAPAN だけ利用しているは3.3%にとどまり、“全体”(13.7%)を約10ポイント下回る。

  • Googleを中心に使うユーザーは、PCリテラシーが高く、スマートフォンの利用率が高く、ブログやTwitterの利用も高い。
    Yahoo! JAPANを中心に使うユーザーは、ほとんどIEだけを使っていて、インターネットリテラシーも低め。

  • モノに対しては、Googleを中心に使うユーザーはPCサイトの情報を参考にする傾向があるが、Yahoo! JAPANを中心に使うユーザーは、質や機能性よりも安さを強く求める。

調査に関わったアイレップの渡辺隆広氏が自身のブログでポイントをまとめて解説しているのでこちらも併せて参照してほしい。渡辺氏も言うように、多くの人が感じていただろう傾向がデータに現れている。そうした傾向を確認できるデータは日本では多くはないため、貴重な資料だと言える。

「+1」(プラスワン)の効果をウェブマスターツールとGoogleアナリティクスで計測できる
★★★☆☆ 今のところ眺めて終わり? (グーグル ウェブマスター向け 公式ブログ)

GoogleウェブマスターツールとGoogleアナリティクスで、「+1」ボタンの利用状況を確認できるようになった。

Googleウェブマスターツールの「+1」データ
Googleアナリティクスの「+1」データ

「+1」は、グーグル版の「いいね!」とも呼べる機能で、検索結果に出てきたページが気に入ったときにマークを付け、友だちに勧めることができる。また自分のウェブページに「+1」ボタンを設置することで、訪問者が気に入れば投票してもらうこともできる。

筆者のブログでは、ツイートボタンやはてなブックマークボタン、いいね!ボタンにくらべて、+1ボタンの利用は10分の1以下であり、今のところ有用なデータだとは言い難い気がする。しかし今後+1が普及することがあれば、何らかの分析に使えるかもしれない。

なお新しいバージョンのGoogleアナリティクスを使えば+1のデータは自動的に計測される。ツイートやいいね!のデータは、Googleアナリティクスのソーシャルプラグインを利用すれば計測可能になる。

上位表示するサイトには理由がある
★★★★☆ 上位に出される価値があるかを考える (お得なSEO対策マスターガイド)

SEOを施策する目的が「被リンクを集めて上位表示すること」になっているウェブ担当者に読んでほしい記事だ。いくつかの部分を引用する。

競合になっているサイトは、まずなぜその位置にいるのかをしっかりと認識して、自分のサイトと見比べてみましょう。
競合のサイトにはどんな「魅力」があるのかを見つけましょう。そして、自分のサイトには逆にどんなユーザーにとって魅力になるものがあるのかを確認してみると、実はけっこう少なかったり、競合になっているサイトと劣っているんですよね。
サイトで魅力や他のサイトにはなくて自分のサイトだけにあるオリジナル性をうまく見つけて、伸ばせればそれがユーザーの魅力となり、強いサイトになり、その結果、その魅力に惹きこまれたユーザーがリンクを張り、さらに強くなっていく

上位表示できているのには被リンクの多さだけではない別の理由があるのだ。同じ検索結果ページに出てきた他のサイトと比べて、自分のサイトがユーザーにもっとも価値のある情報を提供していると自信を持って言えるようなコンテンツを作らなければならない。ユーザーにとって価値のある情報を与えるからこそ検索エンジンも評価するのだ。

自作自演リンクや有料リンクなどのリンク集めで上位表示しているページがあるのは事実だが、見習うべきところはそこではない。

順位が落ちたのはサブディレクトリで運用していたから?
★★★☆☆ SEOは怪しい情報がたくさん (インハウスSEOブログ)

ランキングが下がったのはサブディレクトリでサイトを運用しているためで、独自ドメインに移転すれば解決する。

仕事関係の知人が依頼していたSEO業者このようなアドバイスを受け、「それは正しい判断ではない」だろうと指摘した記事。

原因はサブディレクトリでありサブドメインへ移行すれば元に戻るという判断を、このSEO業者がどういったロジックでしたのかは詳しく書かれていないが、記事投稿者の分析を読む限りでは、確かにサブディレクトリやサブドメインがどうこういう問題ではないようにも思える。

私がインハウスSEO担当として結果を出していても、結局はSEO専門業者さんの発言というのが最優先されるんですよね。

最後に上のように嘆いている。一般のウェブ担当者にとってはSEO業者はみなSEOに精通したプロフェッショナルに見えるからだろう。SEOを外部に委託するのであれば、SEOを担当してくれる人物が本当のプロであるかどうかの目利きが大切だ。なぜそのような施策をするのか、論理的で納得のいく説明を聞けるSEO事業者を選ぶようにしたい。

Yahoo! JAPANがリアルタイム検索を改善
★★★☆☆ グーグルが×ないま重要だ (Yahoo!検索 スタッフブログ)

ヤフーは、リアルタイム検索を1か月前に公開しているが、これを改良したことをアナウンスした。次のような変更点がある。

  • 自動更新の継続時間: 2分間→5分間
  • 「さらに読み込む」ボタンで追加できる検索結果件数: 90件→990件

今後も利用者のフィードバックを受けて改良を続けていくそうだ。要望があれば、ハッシュタグに「#yrealtime」を付けて、Yahoo!検索スタッフブログの公式ツイッターアカウントにツイートしてほしいとのこと。

個人的には、もっと過去に遡ったツイート・英語のツイートへの対応を希望する。Googleのリアルタイム検索が終了してしまったため、ヤフーのリアルタイム検索に期待したい。

なお、ヤフーのリアルタイム検索はスマートフォン版も公開されている。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
・リンクなしでサイトに言及するだけでもプラス評価されるのか
・契約解除したらSEO業者にサイトを抹殺された?
・グーグル、無限スクロールと新インスタントプレビューをテスト中
・グーグル、最新の画像を検索できる機能を追加
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
・Googleのリアルタイム検索が消えた理由
・Googleのリアルタイム検索が無くなった余波

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

リンクなしでサイトに言及するだけでもプラス評価されるのか
★★★★★ ローカル検索では重要 (Sugarrae Affiliate Marketing Blog)

ラエ・ホフマン氏が、リンク獲得のエキスパート10人に質問して得た回答を11個公開している。どの質問の回答も興味深いのだが、特に筆者の興味を引いたQ&Aを紹介する。

質問ウェブサイトの人気度や関連性を指し示すものとして、ハイパーリンクのないサイテーション(言及)でリンクを補っている可能性はあるか?

つまり、リンクを張らずにサイト名を書いたりURLを書いたりすることは、サイトに関する言及として、リンクの代わりとして評価されるかという質問だ。

10人のほぼすべての回答に共通した見解がある。次の2つだ。

  • ローカル検索においては、リンクのない言及は間違いなく評価対象になっている。

  • リンク付きの言及(通常のリンク)ほどではないにしても、通常のウェブ検索においても評価シグナルとして使われている可能性が高い。

場所や地域を含んだローカル検索においてはサイトへの言及が評価要因になっているであろうことは、ずっと以前にこのコーナーでも取り上げている。そして今ではウェブ検索においてもリンクなしのサイト言及が何らかの評価要因になっている可能性も高そうだ。

契約解除したらSEO業者にサイトを抹殺された?
★★★☆☆ 本当ならヒドイ話 (Google Webmaster Central Help Forum)

依頼していたSEO業者との契約を解除したその日に、グーグルの検索結果から自社のサイトが消えてしまったというサイト管理者が、米国版のグーグルウェブマスター向け公式ヘルプフォーラムに投稿した。

そのSEO業者は契約解除を快く受け入れたわけではなかったようだということから、ウェブマスターツールのURL削除ツールを悪用するなどして、そのSEO業者が悪質な嫌がらせをしたのではないかと、グーグル社員が回答している。

この件が実際にどうだったのかは不明だが、外部にSEOを依頼するときには、ウェブマスターツールやアクセス解析ツール、FTPなどの各種ツール・サービスのID・パスワードの提供や取り扱いには十分注意したい。もし教えていたり管理アカウントを追加していたりしたなら、無用なトラブルを発生させないためにも必ず変更するようにしよう。

そもそもそういったSEO業者を間違っても選ばないような事前の調査が必要だろう。

グーグル、無限スクロールと新インスタントプレビューをテスト中
★★★☆☆ いい感じのUI変更 (Google Operating System)

グーグルは、絶えず新しい検索UIのテストを行っている。今回目撃されたのは、「無限スクロール」と「インスタントプレビューの改良」だ。

無限スクロールは、検索結果ページのページ送りがなくなり、スクロールするとその後の結果が次々と出てくるもの。画像検索ですでに取り入れられている形態だ。検索結果の1ページ目と2ページ目のアクセスには大きな格差があるが、無限スクロールが導入されたらその格差は縮まるかもしれない。

インスタントプレビューのほうでは、プレビュー用の虫眼鏡がわかりやすくなっている。これまでは検索結果に表示されたページのタイトルの横に虫眼鏡アイコンが付いていたが、改良バージョンでは、タイトルやスニペットなどの上にマウスカーソルを持っていくと虫眼鏡アイコンが表示されるようになっている。

マウスを動かすとアイコンがひとりでに出てくる「変化」とスマートフォン版の検索結果ページと同じ虫眼鏡の位置で、今の形よりもずっと気付きやすい。これまではインスタントプレビューの存在を知らないユーザーが多かったように思えるが、これならすぐに気付きそうだ。もちろんテストなので、このインターフェイスが正式版として採用されるかどうかは不明だ。

グーグル、最新の画像を検索できる機能を追加
★★★☆☆ ホットな画像から探せる (Inside Search)

グーグルは、1週間以内に投稿(インデックス)された画像に絞り込んで検索する機能を画像検索に追加した。日本のグーグルにも導入済みで、左ペインのメニューから「1週間以内」を選択することで最新の画像だけを表示できる。

グーグルは、今年4月から新しい画像に「◯時間前」や「◯日前」のようにどのくらい前にインデックスされたかを表示するようになっている。今回の機能はホットなトピックに関する最新の画像を見たいときに役立つだろう。

SEO Japanの掲載記事からピックアップ

サービスを終了したグーグルのリアルタイム検索に関する記事を2本今週はピックアップ。

この記事の筆者

鈴木 謙一(すずき けんいち)

「海外SEO情報ブログ」の運営者。株式会社Faber Companyの取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。

海外SEO情報ブログは、SEOに特化した日本ではもっとも有名なSEO系ブログの1つ。米国発の最新のSEO情報を中心に、コンバージョン率アップやユーザーエクスペリエンス最適化のための施策も取り上げている。

正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうために、ブログでの情報発信に加えて所属先のFaber Companyでは、セミナー講師や講演スピーカーを主たる役割にしている。

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