グーグル公式SEO情報リソース9種まとめ【SEO記事10本まとめ】

信頼できるSEOの情報はどこにある? 散在しているSEO関連のグーグル公式情報をまとめてみた
よろしければこちらもご覧ください

信頼できるSEOの情報はどこにある? その答の1つが、グーグルの公式情報だ。そうしたSEOに役立つ情報を調べたり質問したりできるSEO関連のグーグル公式情報を9種類、まとめて紹介する。

ほかにも、rel="canonical"のJavaScriptによる動的生成の注意点、グーグル検索クエリ15%の秘密、ダイナミックレンダリング、「.app」ドメイン名、HTTPS率などなど、SEOに役立つ情報を今週もまとめてお届けする。

筆者取材のため、来週(5月25日)のこのコーナーはお休みとさせていただきます。次回6月1日の更新をお楽しみに。

今週のピックアップ

グーグル公式SEO情報リソース9種まとめ
有効に活用してSEO力アップ (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ) 国内情報

サイト管理に役立つ情報リソースを、グーグルはオンラインで数多く公開している。とは言うものの、その数が多く一か所にまとまっているわけでもないので、欲しい情報にたどり着くのが難しいこともある。

そこで、というわけでもないのかもしれないが、公式ブログがサポートリソースをまとめて紹介する記事を公開してくれた。

紹介されているものを列挙する。

それぞれの詳細は参照元記事を参照し、実際に訪問して確認してほしい。必要に応じてこれらのリソースを有効に活用すれば、あなたのSEO力がきっとアップするだろう。

また、これらのページをまとめてブックマークしておくと、あとから参照しやすくて良いだろう。

★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!

グーグル検索SEO情報

グーグルはrel="canonical"を生HTMLから取得する(レンダリング後ではなく)
レンダリング後ではない (John Mueller on Twitter) 海外情報

グーグルは、rel="canonical"の情報を最初に取得したHTMLバージョン(生HTML)をもとに処理する(現状では)。JavaScriptやCSSとともにレンダリングした後のページ(DOM)から取得するわけではない。

グーグルのジョン・ミューラー氏はこのようにコメントした。グーグルのイベント「Google I/O」での発表を受けた一連のツイートで明確にしたものだ。

少しわかりづらいかもしれないが、たとえば、

  1. Webサーバーから送り出す初期のHTMLはテンプレートをもとにしたシンプルなもの
  2. ブラウザ側でJavaScriptを使って動的にサーバーから追加の情報を取得してHTML内の<head>や<body>の要素を埋めていく

といった処理をしているサイトで重要になる話だ。

JavaScriptを使ってDOMを操作し、レンダリングの結果としてrel="canonical"を挿入することは、技術的に可能だ。Googlebotは適切にレンダリングし、そのrel="canonical"を認識することもできるだろう。

しかしながら、現状ではインデックス処理として使われているのはレンダリング前(サーバーから取得した生のHTML)に記述されているrel="canonical"とのことだ(前出のフローでいう1.の部分)。

そのため、ページの情報をJavaScriptでブラウザに処理させている場合でも、rel="canonical"だけはサーバーから返すHTML内で適切に設定しておく必要がある。

もしHTMLテンプレート自体に手を入れられない場合は、HTTPヘッダーでrel="canonical"を指定する形でも問題ないようだ。

現状でこの挙動が明確にされているのは、rel="canonical"に関してのみだ(hreflangやrel="prev/next"に関する質問も出ているが、回答はない)。

たとえばタグマネージャを使って構造化データをページに追加できる。そうした情報をグーグルはきちんと認識し、リッチリザルトにも有効な構造化データとして利用される。

ところが、rel="canonical"に関して言えば、タグマネージャでの挿入に成功したとしても、グーグルのインデックスには利用されないようだ。

もしかしたら将来にはこの仕様が変わる可能性もある。とは言うものの、レンダリング後の内容をインデックスする仕組みが成熟していない現状では、シンプルな形の実装のほうが無難である例だといえる。

★★☆☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
  • 技術がわかる人に伝えましょう

【公式情報】毎日グーグルで検索されるクエリの15%はまったく新しいクエリ!
上位表示のチャンスはまだまだたくさん生まれてくる (Google I/O 2018) 海外情報

グーグル検索に関する次のような統計情報を、グーグルのジョン・ミューラー氏が紹介した。

  • 数十億のユーザーを検索結果からサイトに毎月送っている
  • 数兆の検索を毎年処理している
  • 日々のおよそ15%のクエリは、検索されたことがないまったく新しいクエリ

5月8日~10日に米マウンテンビューで開催されたグーグルの技術系イベント「Google I/O」カンファレンスのセッションで登壇したミューラー氏が明かしたものだ。

特に注目したいのは3つ目だろうか。過去に一度も検索されたことがないクエリによる検索が、毎日の検索の15%を占めているとのことだ。

あなたが上位表示を狙えるだろうキーワードが次々と生まれていると考えることはできそうだ。今、この瞬間のユーザーが求めている情報が何なのかを予測することもコンテンツ作りには重要と言える。

検索ボリュームのデータは大切だが、それはあくまでも過去のデータ。「過去よりも、今と未来」という考え方でコンテンツやSEOに取り組むのも、1つの手だろう。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

グーグルが近々導入する「ダイナミック レンダリング」とは?
クローキングには当たらない (Kenichi Suzuki on Twitter) 国内情報

グーグルのジョン・ミューラー氏は、「ダイナミック レンダリング(Dynamic Rendering)」という、検索向けの新しいレンダリングの技術をGoogle I/Oカンファレンスで発表した。

簡単に言うと、ダイナミック レンダリングとは次のような仕組みだ。

  • ユーザーがアクセスしてきた場合には、一部もしくは全てのコンテンツをブラウザでレンダリングさせる
  • Googlebotがアクセスしてきた場合には、サーバー サイド レンダリングしたコンテンツを返す

ユーザーとGooglebotに異なるコンテンツを返すように見えるので、「クローキングでは?」と一瞬思ってしまうかもしれない。しかし、ブラウザがレンダリングを完了させれば最終的にはGooglebotが見るものと同じコンテンツになる。そのためクローキングには当たらない。

たとえばJavaScriptを多用したサイトで、レンダリング後のコンテンツを確実にGooglebotに認識させることに役立つ。最新のテクノロジーを使っていて、Googlebotのレンダリングに不安を抱えているサイトには有効な機能になりそうだ。

筆者がミューラー氏に尋ねたところ、公式な技術ドキュメントは数週間後を目処に公開する予定とのことだった。正式な発表を待とう。

I/O カンファレンスでのミューラー氏の説明はYouTube動画で視聴できる。

★★★★☆
  • ホントにSEOを極めたい人だけ
  • 技術がわかる人に伝えましょう

関係ない動画のサムネイルが検索結果に表示された、どうすればいい?
動画サイトマップかrobots.txtを利用 (John Mueller on Twitter) 海外情報

あなたのサイトのページが、グーグルの検索結果に表示されたとする。それ自体は良いことだ。しかし、そのページにYouTubeなどの動画を埋め込んでいると、その動画のサムネイル画像も検索結果に表示されることがあるようだ。

ページの内容に関連した動画なら問題ないのだが、サイドバーに設置しているプロモーション動画のようにメインのコンテンツとは必ずしも関係しない動画のサムネイルが表示されるケースがある。こうした場合、検索結果のクリック率に悪い影響を与えてしまう。探しているものとは違うとユーザーがみなしてしまうからだ。

そうした状況に困っているサイト管理者が対応策を求めた。

動画のサムネイルを表示させない方法として、ミューラー氏は動画サイトマップの expiration_date を指定することを勧めた。expiration_date は動画の有効期間を設定するタグ要素だ。開発者向けサイトに例が載っている。

動画をYouTubeなどではなく自分のサーバーに置いているのならば、動画のクロールをrobots.txtでブロックすることも、サムネイル表示を防ぐ方法としては効き目がありそうだ。

関係しない動画のサムネイルが検索結果に表示されて悩んでいたとしたら、ここで紹介した2つの方法のどちらかを試すといい。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
Web担当者に役立つ最新情報
  • アプリのブランディングに最適な.appドメイン名が登場、ただしHTTPS強制
  • レスポンシブとAMPは別モノだなんて、誰が言った!?
  • グーグルマイビジネスの口コミに返信すると元投稿者にメール通知が届くように
  • ドイツでは75%以上がHTTPSページ、米国は80%突破間近、日本は?
  • PWAはモバイルだけの技術ではない、デスクトップPCでも利用可能に
海外SEO情報ブログの掲載記事から

(今週は更新なし)

Web担当者に役立つ最新情報

アプリのブランディングに最適な.appドメイン名が登場、ただしHTTPS強制
セキュリティも万全 (The Keyword) 海外情報

トップレベルドメイン(TLD)として「.app」ドメイン名が登録可能になった。スマホアプリの公式サイトあるいはウェブアプリのサイトとしてブランディングするのにうってつけのドメイン名だ。

「.app」ドメイン名の特徴は、ブランディングに役立つ名前だけではない。標準でHTTPSに対応しているのだ。と言うとわかりづらいが、要は「.app」のTLD自体がHSTSプリロードリストに登録されているのだ。そのため、メジャーなブラウザは「.app」のドメイン名に必ずHTTPSで接続する(HSTSプリロードリストに対応していないブラウザはHTTPで接続することもある)。

セキュリティという点でも際立つ特徴を持っているのが「.app」ドメイン名なのだ。

.app自体がHSTSプリロードリストに登録されている

自社アプリのブランディングに適した「.app」ドメイン名を、誰かに取られる前にさっそく取得してはいかがだろうか? get.appにアクセスして空き状況を確かめられる。

なお、「.app」ドメインはgTLD(ジェネリック トップレベル ドメイン)に含まれる。特定の国には関連付けられていない。また、検索において優遇されることもない。

★★★☆☆
  • アプリを提供しているすべてのWeb担当者 必見!

レスポンシブとAMPは別モノだなんて、誰が言った!?
PC向け・モバイル向け・AMPをRWDでひとまとめ (AMP Project on Twitter) 海外情報

AMPに対応したページをレスポンシブ ウェブ デザインで作ることできるのだろうか?――まったく問題ない!

AMPで作ったページだったとしても、「PC向け」「モバイル向け」「AMP版」をすべて1つのコードで構成されたレスポンシブ ウェブ デザインで作成することが可能だ。実際に、AMPプロジェクトの公式サイトはレスポンシブ ウェブ デザインでありながらAMP対応もしている。

PC向けページ・モバイル向けページ・AMPページを分けずに共通で公開する構成は、「スタンドアロンAMP(Standalone AMP)」や「カノニカルAMP(Canonical AMP)」と呼んだりもする。

AMPだからといって、デザインが貧弱になることもない。通常サイトと同じように洗練されたデザインにできる。

概要を解説した動画をAMPプロジェクトが公開している。

★★★☆☆
  • AMPがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
  • サイト制作者に伝えましょう

グーグルマイビジネスの口コミに返信すると元投稿者にメール通知が届くように
ローカルビジネスでは顧客とのやりとりが重要に (The Google Advertiser Community) 海外情報

グーグルマイビジネスに書き込まれたレビューに対してビジネスオーナーが返信すると、そのレビューを投稿したユーザーにメール通知が送られるようになった。

これまではビジネスオーナーから返信があっても、自分で見に行かない限りは返信に気付くことはなかった。返信をすれば自動的に通知が届くようになったということは、顧客とのコミュニケーションがますます重要になってきそうだ。

好意的な顧客にはきちんとお礼すればファンになってもらえるだろうし、クレームであれば真摯な対応が求められる。

レビューに返信する際のヒントを、グーグルマイビジネスのツイッター公式アカウントが解説するヘルプ記事を共有している(このリンク先は日本語版)。グーグルマイビジネスを開設しているなら、目を通しておこう。

なお返信はすぐに公開されるが、メール通知は5分以上経過してからになる。投稿後にビジネスオーナーが返信を修正する猶予を与えるためだ。

★★★☆☆
  • グーグルマイビジネスに登録しているWeb担当者 必見!

ドイツでは75%以上がHTTPSページ、米国は80%突破間近、日本は?
水を開けられているけれど見通しは悪くない (Let's Encrypt on Twitter) 海外情報

ドイツでは、Firefoxで読み込まれるウェブページの75%以上がHTTPSになった。実に4分の3がHTTPSで配信されているということになる。

米国は80%突破が間近だ。日本は64%で、全体よりも下の数値で、HTTPS普及国にまだまだ水を開けられていると言っていいだろう。それでも右肩上がりで伸びているので悲観すべき状況ではない。

あなたのサイトが依然としてHTTPのままだとしたら、HTTPS化を真剣に検討しよう。

★★★☆☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

PWAはモバイルだけの技術ではない、デスクトップPCでも利用可能に
ゆくゆくはWindowsとMacでも (Google Developers) 海外情報

PWA(プログレッシブ ウェブ アプリ)といえば、モバイルウェブの技術という認識だろう。だが状況は変化しつつある。デスクトップ向けOSでもある「Chrome OS」でもPWAを動かせるようになった(ブラウザのChromeではなく、OSとしてのChrome OS)。

まだ試験段階ではあるものの、Chrome OS 67のベータチャンネルでPWAを利用できるようになったのだ。

PWAの代名詞とも言える「ホーム画面アイコン追加」や「プッシュ通知」が機能する。実際にはChromeでウェブページを開いているのだが、アドレスバーは表示されずアプリのような外観だ。タイトルバーのカラーもカスタマイズできる。

Chrome OSのみならず、WindowsとMacでもPWAが機能するように開発が始まっているとのことである。PWAの将来がますます楽しみになるニュースだ。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ

筆者がカンファレンス参加のためブログを更新していなかったので、今週はピックアップなし。

この記事の筆者

鈴木 謙一(すずき けんいち)

「海外SEO情報ブログ」の運営者。株式会社Faber Companyの取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。

海外SEO情報ブログは、SEOに特化した日本ではもっとも有名なSEO系ブログの1つ。米国発の最新のSEO情報を中心に、コンバージョン率アップやユーザーエクスペリエンス最適化のための施策も取り上げている。

正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうために、ブログでの情報発信に加えて所属先のFaber Companyでは、セミナー講師や講演スピーカーを主たる役割にしている。

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