Google MFI対応、PCアクセス中心のサイトではどうなる? 無視していいの? などSEO記事まとめ10+2本
「MFI(モバイルファーストインデックス)対応といっても、ウチのサイトは、モバイル比率が低く、PCからのアクセスが多い。どうすべき?」という方に、グーグルの長山氏によるアドバイスをお届けする。
ほかにも、Yahoo! JAPANでSSL検索急増、スマホ向けページに良いパンくずリスト表示、MFIでサイドバーなどのリンクの扱い、インタースティシャルのMFIとの関係などなど、SEOに関する情報を今週もまとめてお届けする。
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Google MFI対応、PCアクセス中心のサイトではどうなる? 無視していいの?
スマホ用ページがあるならそちらで評価される (Kazushi Nagayama on ツイッター)
PCからのアクセスがスマホからのアクセスよりも今でも圧倒的に多いサイトでも、モバイルファーストインデックス(MFI)の導入後は、やはりモバイルページで評価されてしまうのですか?
グーグルの長山氏が、こうした質問をツイッターで受け取った。長山氏の回答のポイントをまとめると次のようになる。
PCからのアクセスが多かったとしても、スマホ向けページがあるならば、スマホ向けページが評価の対象になる
スマホ向けページを持たないという選択肢もある。この場合は、PC向けページが評価の対象になる
ただしスマホ対応していないので、モバイルフレンドリーアルゴリズムによって評価が下がる可能性がある
結論としては、PCからのアクセスが中心だとしても、モバイル向けページがあるならば、MFI後はそちらの内容で評価されるということだ。
モバイル向けページを作らずPC向けページだけならば、評価は今と変わらない。モバイル検索では非モバイルフレンドリーだとして評価は下がるが、モバイルを重視していないのならば、それはそれでありかもしれない。
実は、筆者のブログもモバイルユーザーは決して多くない。全体では20%程度、オーガニック検索は15%に届かない。
だが、それでも筆者はモバイル対応を無視しようとは思わない。モバイルユーザーが存在することは事実だし、今後間違いなく増えていくことは明らかだからだ。
無視どころか今のうちにモバイルユーザーの増加に備えておくことが最優先事項の1つだと認識している。
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ヤフー検索のHTTPSが倍増、キーワードが見られなくなる日は間近か
来年の3月には完全に見られなくなる!? ( バカに毛が生えたブログ)
ヤフー検索のHTTPS化が一段と進行したようだ。
ヤフーは、検索サービスを段階的にHTTPS化してくことを2015年8月に発表していた。しかし実際のところ、これまでは、HTTPSが使われている検索結果はごく一部だった。
ところが10月上旬ごろから、HTTPS化した検索が増えているようだ。バカに毛が生えたブログさんが発見している。
検索キーワードが隠された状態を示す (not provided) のヤフー検索からのアクセスがGoogleアナリティクスで増加していることを複数のサイトで確認できたとのことである。
筆者のブログでも、ヤフー検索の(not provided)が約2倍に増えていた。
2016年4月から2017年3月にかけて、検索を含むすべてのサービスをHTTPS化するとヤフーは告知している。あと数か月でヤフーも完全にHTTPSになるのだろう。
- 今となっては参考情報
検索トラフィックが増加する一方で収益が減少するAMPのジレンマ
スピードと収益を両立させるにはもう少し時間がかかりそう (DIGIDAY)
AMPの成功事例が続々と登場している。
「スリリスト(Thrillist)」は検索トラフィックの15%をAMPから獲得しており、その検索トラフィックは3分の1以上も上昇している
「USAトゥデイネットワーク(USA Today Network)」では、AMPはすべてのモバイルページビューの12%を生成している
「ザ・バージ(The Verge)」では、9月にはトラフィックの14%をAMPが占めた
ある大規模パブリッシャーの幹部は、AMPページは95%も高速に読み込まれ、直帰率は通常のモバイル検索流入よりも50%以上低くなっている
だが一方で、懸念点も出てきているようだ。広告収益の減少だ。
AMPで成功しているサイトは大規模なニュースサイトやメディアサイトがほとんどだ。こうしたパブリッシャーは広告がビジネスモデルになっている。AMPは通常のサイトと比べると、広告収入という点ではまだまだ及ばないらしいのだ。
「ニューヨーク・デイリー・ニュース(New York Daily News)」は、AMPページは当初、自社サイト収益の50%しかマネタイズできなかった
「パーチ(Purch))でも、プログラマティックに販売している広告は、AMPページで自社サイト収益の75%しか生み出していない
AMP対応したせいで広告収入が落ち込んでいるパブリッシャーがいくつも存在することは以前にも紹介したことがある。
広告収入の低下のほかにも訪問別ページビューが下がっているという問題も発生しているそうだ。
“スピード”の観点から見たユーザー体験と“収益”の観点から見たビジネスを、AMPで両立させるにはもう少し時間がかかりそうだ。
- 広告がビジネスモデルのパブリッシャー
スマホ向けページでUXを向上させるパンくずリストはどれだ?
「家型」が使いやすそう (バカに毛が生えたブログ)
モバイルサイトにおける、見やすく使いやすそうなデザインのパンくずリストを集めた記事を紹介する。
「パンくずリスト」は、今いる場所やサイトの構造をユーザーに伝えるための便利な手段だ。
ところが、スマートフォンはPCに比べてスクリーンサイズが小さい。PC向けページのように広いスペースパンをくずリストが専有すると、かえって使いづらくさせてしまう。
スクリーンエリアを有効に活用するために、モバイル向けページではパンくずリストを設置していないサイトも存在するくらいだ。
とはいえ、モバイルファーストインデックスにおいては、モバイル向けページが評価対象になる。もし多少なりともパンくずリストが評価に関わっているとしたら、モバイル向けページにもパンくずリストを設置したほうがいいとも考えられる。
モバイルサイトでもユーザー体験を向上させられるパンくずリストのヒントを、この記事から得られるかもしれない。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- サイトのデザイナーさんに教えてあげよう
モバイルユーザーの本当の行動をGoogleアナリティクスで焙り出す方法
「モバイルユーザーは売上に繋がらない」は真実ではなかった (アユダンテ株式会社のコラム)
Googleアナリティクスを使ってモバイルデータの分析方法を解説した記事。
ECサイトでモバイルデータを分析してみると、興味深いことが判明する。
モバイルユーザーは、訪問数比率は高いが、コンバージョン率は低い。
デスクトップユーザーは、訪問数比率は低いが、コンバージョン率は(非常に)高い。
ここで分析を止めると、「モバイルユーザーは売上に繋がらない」の結論で終わってしまう。ところが、仮説に基づいて追加の分析を進めると次のような事実が浮き彫りになった。
「ひとりのユーザーが複数デバイスでこのECサイトを利用しているかもしれない。」という仮説で考えてみると、
(中略)
結果として起点でのデバイスとは異なるデバイスでコンバージョン(つまり、クロスデバイスコンバージョン)した収益の中の約55%がモバイル起点のユーザーが占めている
つまり半数以上のユーザーは、「購入」ではなく「購入までの下調べ」にスマホを活用しており、最終的な購入は他のデバイスで行っていると考えられる。したがって、モバイルユーザーは収益に結び付く、無視できない開始地点なのだ。
次のように締めくくっている。
記事で言う「『モバイルユーザー』というユーザーはいない?」という言葉が、この事象をよく説明している。
Google アナリティクス のようなツールでの計測データは、その仕様上「ユーザー」はデバイス別に計測/集計されることが多く、モバイルユーザーとかPC(デスクトップ)ユーザーとか言われてしまうことがほとんどであると思いますが、リアルな実体としてはどうでしょうか?
もし、皆さんに「あなたはモバイルユーザーですか?デスクトップユーザーですか?」と質問したら何と答えますか?
(中略)
実際にはもちろんモバイルもデスクトップも使っているわけです。皆さんもおそらく複数デバイスを日々の生活の中で様々に使い分けている人が多いのではないでしょうか?
重要なのは、ユーザーは複数デバイスを持ち様々に使い分けながら消費行動を行っているという事を知った上で、自らのビジネスがどのようなデバイスによる利用状況なのか?をしっかりと確認する必要があるということです。
あなたのサイトをモバイルユーザーがどのように利用しているのか、この解説記事の手順をもとに分析してみよう。
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掲載記事からピックアップ
モバイルファーストインデックスに関して出てきた疑問に対するGoogle社員からの回答まとめ。
- Google、モバイルファーストインデックスの導入予定を正式発表。スマホ向けページを検索の評価対象に。SEOへの影響は?
あなたの疑問は解けたか?
- SEOがんばってる人用(でも、ふつうの人も気にしてほしい)
- Googleのモバイルファーストインデックスに関するQ&A第2弾
解けなかった疑問はこちらで解決できたか?
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- PCページにはあるけどモバイルページにはないナビゲーションリンクの扱いはMFIでどうなる?
- モバイルページのインタースティシャルはMFIでどうなる?
- グーグル社員が推奨するAMPサイトの構成
- Googlebotのクロール活動が急に激しくなった。なぜ!?
- Googleキャッシュの日付はクロールの状態を示す指標にはならない
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PCページにはあるけどモバイルページにはないナビゲーションリンクの扱いはMFIでどうなる?
リンクの発見には影響するかも (Gary Illyes on Twitter)
PC向けページには、サイドバーのナビゲーションリンクを設置している。これらのリンクをモバイル向けページで小さくしていたり省略していたりする場合、モバイルファーストインデックスはどのように影響するのだろうか?
こうした質問に、グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏は次のようにコメントしている。
ナビゲーションリンクはただのリンクにすぎない。スマホユーザーがそういったリンクを見られた方がいいなら、設置すればいい。
検索においてはそういったリンクは、ほとんどの場合、URLの発見や再クロールのスケジュールのために利用される。(クロールを促進するために)すでにサイトマップやフィードを送信しているなら、それを補うものにはならない。
もし2,000本もあるナビゲーションリンクの話をしているんだったら、どっちみち役にはたたないがね。
サイドバーやパンくずリストのような補助的な内部リンクは、クロールのために主に利用されるようだ。ページの評価にはさほど影響を与えないと思われる。
長山氏も次のように言っている。
とはいえ、100%断定した情報でもない。モバイルファーストインデックスのテストが進むなかでより明らかになっていくだろう。新たな情報を手にしたらお伝えする。
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モバイルページのインタースティシャルはMFIでどうなる?
インデックスできるならメインコンテンツ扱い (John Mueller on Twitter)
グーグルは「ユーザー体験を損ねるインタースティシャルを表示するページのランキングを下げるアルゴリズム」を来年の1月に導入する予定だ。
このアルゴリズムは、モバイル向けページを対象にしている。モバイルファーストインデックスではモバイル向けページが検索評価の対象になるが、このアルゴリズムにどのように関わってくるだろうか?
グーグルのジョン・ミューラー氏にツィッターでフォロワーが次のように質問した。
インタースティシャルやポップアップをモバイルページで使っていたら、Googlebotはそれをメインコンテンツとして認識しますか?
ミューラー氏はこのように説明した。
インデックスできるならもちろんそうなる。ページで表示しているほかのものと同様だ。
ユーザー体験を損ねないインタースティシャルやポップアップなら、インデックスされればクエリによっては検索結果に表示される要素になるかもしれない。
しかし、ユーザー体験を損ねるものであったら、モバイルファーストインデックスの導入によりモバイル検索だけでなくPC検索でも順位が下がることになるだろう。
インタースティシャルやポップアップを利用しているなら、見直しておきたい。
- インタースティシャル/ポップアップを利用しているすべてのWeb担当者
グーグル社員が推奨するAMPサイトの構成
RWD+AMPまたはAMPオンリー (John Mueller on Twitter)
グーグルのジョン・ミューラー氏は、「個人的な意見」だとしつつも、AMP対応する際の2種類の構成を勧めた。
- レスポンシブウェブデザイン+AMP
- AMPだけ
「レスポンシブウェブデザイン+AMP」は、PC向けサイトと(通常の)モバイルサイトをレスポンシブウェブデザインで構成し、AMPページを別途(別のURLで)提供する構成だ。
レスポンシブウェブデザインは適切に構成すればモバイルフレンドリーだし、モバイルファーストインデックスの影響も受けない。この状態に、AMPページを追加すればいい。
もう1つ、AMPだけでサイトを構成する形態も可能だ。PC向けサイトもモバイル向けサイトもAMP HTMLだけで作成する。AMP向けページは別途存在しない。
AMPプロジェクトの公式サイトはこの作りになっている。もっともAMP HTMLで作られているとはいえ、レスポンシブウェブデザインを採用しておりモバイルフレンドリーだ。かなり先進的だが、この構成も問題ない。
一般的に考えると、「レスポンシブウェブデザイン+AMP」が無難な選択ではないだろうか。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
Googlebotのクロール活動が急に激しくなった。なぜ!?
もっとクロールできるとき、クロールすべきURLがたくさんあるとき (John Mueller on Twitter)
Search Consoleの「クロールの統計情報」でGooglebotのクロール活動が突如として急激に活発になることがある。
その理由を、グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように説明した。
- もっと多くのクロールをサーバーが処理できると判断した場合
- クロールすべきURLがたくさんあると判断した場合
Googlebotのクロール頻度は、サーバーに過度な負荷を与えないように、自動で調整されている。サーバーに負荷をかけてしまうようならばクロール頻度を下げるだろうし、反対にもっと頻繁にクロールしても大丈夫だと判断すればクロール頻度を上げるかもしれない。
またクロールすべきURLがたくさんあると認識した場合にも、クロール頻度が上昇することがある。たとえば、別のドメイン名へサイトを移転したりHTTPSに移行したりした場合だ。筆者も体験したことがある。
Googlebotのクロールが突然活発化したからといって、悪いことが起きているわけではない。もしサーバーに負荷がかかっているようなら、手動でクロール頻度を下げるといい。
- 技術がわかる人に伝えましょう
Googleキャッシュの日付はクロールの状態を示す指標にはならない
クロールの状況を知りたいならサーバーログで確認 (Search Engine Roundtable)
Google検索のキャッシュの日時表示は、
「どのくらい頻繁にクロールされているのか」
や
「最後にクロールされたのはいつか」
を示すものではない。
キャッシュ日付のSEO目的に利用に関して、グーグルのジョン・ミューラー氏はこのように釘を刺した。
というのも、キャッシュの日付は必ずしもGooglebotがクロールした直近の日時とは限らないからだ。実際にはクロールしていても、日付を更新しないこともある。特に、そのページのコンテンツに大きな変更がない場合だ。以前のキャッシュの日付をそのまま表示し続けることがある。
クロールされたかどうかを正確に知りたいのであれば、サーバーログを確認するといい。また、キャッシュの日付が変わっていないとしても、最新の状態がキャッシュされているのであれば問題ない。
なお、キャッシュは古くても実際には最新ページがインデックスされていて、現在のページが検索結果の対象になっていることもあるので注意が必要だ。
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今週は、残念ながらピックアップ対象の更新なし。
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