日本のウェブはHTTPSが嫌い? HTTPS率は他国の5~6割の謎 などSEO記事まとめ10+4本
興味深いデータをグーグルが発表した。日本のウェブのHTTPS化状況は、アメリカ・ロシア・インド・ドイツなど他国と比べて低いようなのだ。これは、なぜなのだろうか。
ほかにも、モバイル ファースト インデックス(MFI)、AMPのフォーム対応(注意点あり)、ドメイン名の歴史と順位、グーグルの検索順位決定200以上の要因などなど、SEO関連の情報をまとめてお届けする。
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- SEO Japanからのピックアップはなし
日本のウェブはHTTPSが嫌い? HTTPS率は他国の5~6割の謎
世界規模ではHTTPS利用率は着実に増加 (Google Online Security Blog)
どうやら日本では、HTTPSの導入が世界の他の国と比べて少ないようだ。
これは、グーグルの「透明性レポート」に追加された「HTTPSの使用状況」セクションのデータで確認された事実だ。
HTTPSで読み込まれたページの割合を国別+時系列で示す次のグラフを見てみてほしい。矢印で示したものが日本の状況で、調査対象となった他のすべての国と比べてかなり低い。
このデータは、Chromeブラウザを利用するユーザーから送信されるデータをもとに、HTTPSの利用率を調査したものだ(そのため、正確には「サイトやページのHTTPS化状況」ではなく、「ユーザーが訪れているページのHTTPS化状況」を示している)。
レポートでは、HTTPSページの閲覧時間はウェブの利用時間の3分の2を占めるようになっていることも示している。
また、データ全体を見ると、HTTPSの使用率が着実に高まっていることがわかる。実際に、PCユーザーは表示するページの半分以上をHTTPS経由で読み込んでいるというデータが示されている。
ところが、日本に焦点を当ててみると必ずしもそうとは言えないようなのだ。他の国が43%~60%程度のHTTPS率なのに、日本では21%~32%程度なのだ
時間とともにHTTPSでの訪問が増えているという傾向は他の国と同様だが、その絶対値が他の国と比べて低いのだ。
グーグル社員の北村氏がツイッターで次のようにボヤいていた。
別のグーグル社員、山口氏はHTTPSの普及が進まない原因を次のように述べている。
特に日本でHTTPS対応が進まない原因は、山口氏が指摘する以外にもあるのかもしれない。
いずれにしても、ユーザーのプライバシー保護は今後ますます重要になってくるだろうし、HTTPSでないと利用できないテクノロジーも増えてくるだろう。あなたのサイトが依然としてHTTPのままなら、本当に真剣にHTTPS対応を考えてほしい。
- 将来を見据えているWeb担当者
日本語で読めるSEO/SEM情報
グーグル、「スマホ第一」推進のためにインデックスシステムを変更
名称は「モバイル ファースト インデックス」 (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)
グーグルは「モバイル ファースト インデックス」と呼ぶインデックスシステムの変更を発表した。
モバイルファーストインデックス(以下、MFI)では、検索結果のための評価としてモバイル向けページが使われるようになる。現状では、PC向けページの評価が使われている。
今は、たとえスマートフォンから利用するモバイル検索であっても、PC向けページの情報をもとにして検索結果ができあがる。しかしMFIでは、この仕組みが逆転し、PCからの検索であってもモバイル向けページの情報をもとに検索結果ができあがる。
文字だけで読むとややこしく感じるかもしれない。安田編集長が図解とともにMFIをわかりやすく解説しているので、詳細な説明はそちらに譲る。
要は、「インデックスや順位付けに、モバイル向けページの内容だけを見るようになり、PC向けページの内容は基本的に関係なくなる」ということだ。
もちろん、公式アナウンスもきちんと読んでおいてほしい。
自社のサイトで対応が必要かどうかも、両方を読めばある程度検討がつくだろう。
モバイル検索数がPC検索数を上回っている状況から考えると、MFIの導入は自然な流れだと言える。
なお実施時期は未定だ。今後数か月にわたって小規模なテストを継続するとのことである。テスト結果を踏まえて、日程が決まるようだ。
少なくとも明日や来月にという話ではないので慌てる必要はない。とはいえ、関連情報が適宜グーグルから出てくるであろうから、逃さないように注意してほしい。
質問がある場合は、オフィスアワーで答えてもらえる。こちらのフォームから質問を事前に送っておくといい。
- すべてのWeb担当者 必見!
【SEOリマインダー】リンクプログラムへの参加はガイドライン違反です
アフィリエイトサイトに限らない (金谷 武明 on ツイッター)
グーグルのサーチクオリティチームの金谷氏と長山氏のツイートを紹介する。
アフィリエイトサイトに対するリンクプログラムの注意喚起をこのタイミングで(あらためて)行っているのは、ひょっとしたら何らかの意図があるのかもしれない。
とにもかくにも、グーグルがこの後どのように動くかは関係なく、また、アフィリエイトに限らず、ガイドラインに違反するリンク集めは絶対にご法度だ。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグルタグマネージャがAMPでも使えるように
モバイルアプリ向けの新たな機能も追加 (アナリティクス 日本版 公式ブログ)
Googleアナリティクスやアドビアナリティクスなど多くのアクセス解析ツールを、AMPはすでにサポートしている。AMPページで使えるタグに、グーグルタグマネージャが仲間入りした。
また、モバイルアプリ向けの新たな機能もタグマネージャに追加されている。
タグマネージャでスクリプトを活用しているなら公式アナウンスをじっくり読むといい。
- 技術がわかる人に伝えましょう
「64%は店舗で買い物の前にスマホで下調べ」「周辺情報を検索したユーザーの28%が実際に購入」などスマホユーザーのショッピング動向調査
年末商戦のヒントになるかも (アナリティクス 日本版 公式ブログ)
スマホを利用してショッピングするユーザーの傾向をまとめた記事が、Googleアナリティクスの公式ブログに掲載された。米国での調査データに基づくが、参考になりそうなので紹介する。
たとえば次のような調査結果が出ている。
普段は決まった実店舗を利用しているユーザーも、スマートフォンからオンラインで買い物をするときは、その 4 分の 3 以上が新しい小売店やブランドを積極的に利用してる
「Google で検索した後、購入する小売店やブランドを変更したことがある」と答えた回答者は、モバイル ショッパー(モバイルで買い物をするユーザー)の 76% に達する
スマートフォン ショッパー(スマートフォンで買い物をするユーザー)の 64% が「店舗で買い物をする前にモバイルで下調べ」する
モバイル動画視聴者の 4 人に 1 人が、「店舗内または店舗のウェブサイトで YouTube を閲覧し、買い物の参考にしている」
スマートフォン ユーザーの半数以上が、自分のスマートフォンで検索した際に新しい会社や商品を見つけている
YouTube で商品レビュー動画を視聴する時間が前年より 60% 増えている
自分のスマートフォンで周辺情報を検索したユーザーの 76% が、検索した店舗を 1 日以内に訪れ、そうした検索の 28% が実際の購入につながっている
40% 以上のスマートフォン ショッパーが、店内での陳列場所、特別セール、関連商品などの情報がスマートフォンに自動的に表示されることを望んでいる
SEOに直接関係する情報ではないが、年末商戦に向けた売上アップのためヒントにしてほしい。
- ECサイトのWeb担当者の参考に
AMPがついにフォームに対応
待ち望んでいた機能 (Google Developers Japan)
AMPがフォームを正式にサポートした。「amp-form」と呼ばれるAMPコンポーネントだ。
フォームのサポートにより、ニュースレター購読のためのメール登録やECサイトでの商品カラー選択など、インタラクティブなアクションが可能になる。
フォームはさまざまなサイトで利用される要素だ。待ち望んでいたAMP対応サイトも多いのではないだろうか。
詳細は、グーグル公式開発者向けブログで確認してほしい。また、技術情報はAMPプロジェクトサイトのamp-formページで確認できる。
現時点のamp-formの仕様のまま積極的に利用すべきかどうかには、多少の疑問もある。
AMPドキュメントはAMPプロジェクトのサーバーにキャッシュされるため、CSRF(XSRF)というセキュリティ問題を防止するための一般的なフォームトークンなどの管理が、今までどおりの方法では行えないように思われるからだ(仕様を精査できていないため、断言はできないのが申し訳ないが)。
また、AMPキャッシュからのフォーム送信を可能にするには、サイト側でもCORSというセキュリティ関連の設定をAMP用に追加で行う必要がある。設定を間違えると、思わぬ問題を引き起こす可能性もある。
AMPページのフォームで訪問者の個人情報などを扱う場合や、登録・更新などのアクションをAMPフォームから行乳母相には、自社サイトに設置するページ以上に、セキュリティには注意を払ってほしい。
少なくとも、「利用できるようになったから使う」のではなく、Webセキュリティを理解している人と相談したうえで適切に実装することをおすすめする。
- AMPがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- 必ずセキュリティのわかる技術者に相談を
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
筆者が9月に米ニューヨークで参加したSMX East 2016カンファレンスのセッションレポート記事を4本ピックアップする。
- Googleの強調スニペットが持つ力 ―― 分析とケーススタディ、推奨 #SMX East 2016
強調スニペットがSEOに与えるインパクトとは?
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- アイトラッキング最新調査: モバイル検索結果をユーザーはどのように見て行動しているか #SMX East 2016
スマートフォンの普及にともない、検索ユーザーの行動はどのように変化しているのだろうか?
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- 音声検索世代に対するコンテンツ最適化 #SMX East 2016
音声検索が急増するなか、どのようにSEOは対応していくべきなのか?
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- ソーシャルメディアとSEO: 作り話と事実を分ける #SMX East 2016
ソーシャルメディアはSEOにどのように影響しているのか?
- SEOがんばってる人用
- ふつうの人も参考にはなる
- 【よくあるSEO都市伝説】ドメイン名の登録期間が長いほど上位表示に有利
- グーグルの検索順位決定200以上の要因!(でもそれ本物? 意味あるの?)
- 重複コンテンツの防止にrobots.txtは適さない
- 絶対にハマってはいけない、悪いSEOのサイクルとは?
- 今週のピックアップ
- 日本語で読めるSEO/SEM情報
- 海外SEO情報ブログの掲載記事から
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- SEO Japanからのピックアップはなし
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
【よくあるSEO都市伝説】ドメイン名の登録期間が長いほど上位表示に有利
別のことにSEOの時間を費やそう (John Mueller on Twitter)
ドメイン名の登録期間はランキング要因である。
ドメイン名が古ければ古いほど検索エンジンの評価は高い。
こんなSEO都市伝説を聞いたことがあるだろうか?
グーグルが取得している特許には、そのように読み取れる部分がある。しかしドメイン名登録期間はランキング要因には使っていないと、あるグーグル社員は過去に明言したことがある。
グーグルのジョン・ミューラー氏は、次のようにも言っている。
私が知る限りでは、ほとんどのドメイン名登録事業者は、ドメイン名の登録期間を提供していない。そういったことに、SEOの時間を費やすべきではない。
「長期契約はグーグル検索に有利です」と契約更新を勧めてくるドメイン名登録事業者の誘いがもしあったとしても、くれぐれも引っかからないようにしてほしい。
- 一応、全員が知っておく
グーグルの検索順位決定200以上の要因!(でもそれ本物? 意味あるの?)
グーグル社員が褒め殺し (John Mueller on Twitter)
グーグルは200以上もの検索アルゴリズムを利用していると言われる。これらのアルゴリズムについて、WebmasterWorldフォーラムでディスカッションが発生していた。
これを見たグーグルのジョン・ミューラー氏は、次のようにツイートした。
グーグル検索における200以上のランキング要因についての興味深いディスカッションだ。
これは文字どおり「興味深い」とポジティブな意味で投稿したコメントではないだろう。「200以上のランキング要因」を論じる人たちを皮肉っているのだと思われる。
その証拠に、著名なSEOコンサルタントであるビル・スロースキ氏による次のようなツイートにミューラー氏は「いいね」している。
私が今までに見てきた「200のランキング要因」系リストのほとんどは、適当に引用されたり、よく考えもせずに選ばれたりしたものばかりだ。リンクを集めるためだけに作られたゴミのようなものだ。
好奇心を満たす目的で、ランキング要因をまとめあげることには別段問題はないだろう。しかし、ビジネス(=サイト運営)の一環としてランキング要因をリスト化しても、何かの役に立つとは思えない。
またウェブ担当者のあなたが、「グーグルの200のランキング要因」的なコンテンツに出会っても、それを仕事に活かそうとは思わないほうがいい。好奇心を満たしたり、純粋に楽しんだりする“読み物”としてとらえるのが適切だろう。
- 必見とまではいかないが、すべてのWeb担当者に知っておいてほしい
重複コンテンツの防止にrobots.txtは適さない
Googlebotにクロールさせて処理してもらう (John Mueller on Twitter)
重複コンテンツの防止策に関して、グーグルのジョン・ミューラー氏が次のようにツイートした。
重複コンテンツの処理にrobots.txtを使うなら、それはかなり慎重に行うべきだ。
「クロールを減らすこと」は、必ずしもサイトにとって良いことだとは限らない。
重複コンテンツの発生を防ぐ手段としてグーグルはrobots.txtの利用を勧めていない。ヘルプ記事ではこのように説明している(読みやすいように編集部で改行や読点を追加)。
Google は、ウェブサイト上の重複コンテンツに対するクローラ アクセスを禁止することは、robots.txt ファイルかその他の手段かにかかわらず、おすすめしていません。
重複コンテンツを含むページをクロールできないと、検索エンジンではそれらの URL が同じコンテンツを指していることを自動検出できないため、このような URL を独立した個別のページとして効率的に処理する必要があります。
それよりも、重複コンテンツの URL について、検索エンジンによるクロールを許可する一方で、rel="canonical" リンク要素、URL パラメータ処理ツール、または 301 リダイレクトを使用して重複としてマークする方が適切です。
グーグルは重複コンテンツのURLもクロールしたうえで、重複コンテンツを適切に処理したいのだ。
もしグーグルに任せるのではなく、自分で重複コンテンツを防止するのならば、原則として次に示す仕組みを利用するべきだ。
- 301リダイレクト
rel="canonical"
- Search Consoleの「URLパラメータ」機能
また、そもそも余分なURLを発生させないURL構成も重要だ。
- 技術がわかる人に伝えましょう
絶対にハマってはいけない、悪いSEOのサイクルとは?
アルゴリズムの抜け穴をふさがれてグーグルに逆ギレ (Steve Hammer on Twitter)
筆者のツイッターのストリームに回ってきたツイートを紹介する。
悪いSEOのサイクルとは:
- (グーグルの)抜け穴を見つける
- 抜け穴を利用して(順位を上げ)利益を得る
- グーグルが抜け穴を修正する
- 「グーグルが収益源を奪った」と文句を言う
この繰り返し
同調した人が多いのだろう。いいね・RTを多く獲得している。
上位表示して成果を上げるときには不正あるいは裏技的な手段を使うくせに、グーグルがアルゴリズム更新して順位が下がると不満を口にする――そんなサイト管理者は、たしかにいそうだ。
わかってグーグルの裏をかこうとするのもどうかと思うし、逆に自分が何をやっているかわからずにSEO施策を行うというのも、おかしな話だ。
このコラムの読者は、たちの悪いSEOのサイクルにはまって逆ギレするようなことがないように、くれぐれも注意してほしい。
- すべてのWeb担当者 必見?
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
今週は、残念ながらピックアップ対象の更新なし。
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