AMPでは、ソーシャルボタンもサイドバーも広告もレコメンドも実現できる などSEO記事まとめ10+3本

ソーシャルボタンはもちろん、サイドバーも広告もレコメンドも、さらにはアコーディオンやカルーセルなどのUIも充実してきている
よろしければこちらもご覧ください

「AMPは制限が多い」は過去のことになりつつある。ソーシャルボタン、サイドバー、広告、レコメンド、さらにはアコーディオンやカルーセルなどのUIも充実してきている。さらに、「AMP対応すべきか」のヒントも紹介する。
今週は日本語記事が3本だけ。その代わりに、海外情報を7本、まとめてお届けする。コンテンツ品質のペナルティ対応、キーワードプランナーに制限、HTTPヘッダーでのrel="canonical"などなど、SEO情報を今週もまとめてお届けする。


AMPでは、ソーシャルボタンもサイドバーも広告もレコメンドも実現できる
★★★☆☆ ただのテキスト表示以上のことができる (Qiita)

AMP化するとしても、○○はどうなるのだろう?

○○ができないとしたら対応するにはまだ早そうだ。

こんなふうにAMP対応を躊躇しているウェブ担当者に読んでもらいたい記事だ。

「え? こんなことも大丈夫なの?」という、AMPページでもできることを10個まとめて簡潔に説明している。

AMPと相性がいいのは、読むだけの静的コンテンツ(通常の記事など)だが、単なるテキスト表示以上のことも次第にできるようになっている。たとえば次のような機能はすでに実装可能だ。

  • ソーシャルボタン
  • サイドバー
  • アクセス解析
  • YouTube動画埋め込み

この記事では触れられていないが、アコーディオンメニューカルーセルなどのインターフェイスもある。さらに、ユーザーのアクションが関わってくるフォームもAMPで使えるように開発が始まっている。

AMP対応すべきか? SEOプロの出した答
★★★★☆ 大規模パブリッシャーならすべき、ECサイトは準備だけ (Builtvisible)

AMPに対応すべきかどうか」――この未だ判断しづらい問いに対する私見を、英国のSEOコンサルタント企業ビルトビジブル(Builtvisible)の創設者、リチャード・バクスター氏がブログに書いている。

バクスター氏は検索エンジンの技術的なことにも非常に精通しており、レベルの高いSEOコンサルタントだ。バクスター氏の意見に筆者も概ね同意するので紹介する。

AMP対応へのバクスター氏の考えをまとめると、次のようになる。

  • ニュース系記事のサイトであれば導入すべき。特に、グーグルニュースに登録しているような大規模なパブリッシャーであれば絶対にしたほうがいい。

  • 小規模なコンテンツサイトやブログは、

    • 高速化の必要性を感じていて
    • 優先度が高いタスクの妨げにならない

    ようであれば、対応してもいい。

  • ECサイトでは、検証を兼ねてテストできるリソースがあるならば試してみるといい。面白い発見があるかもしれない。

  • だがほとんどのECサイトでは、試すには早い気がする。事例がまだ少ないからだ。

バクスター氏は、現状でのいちばんいいアドバイスとして最後に次のように締めくくっている。

AMPがグーグルの本流になったときのために準備だけはしておくといい。そうでなければ、フロントエンドでのHTMLとCSS、JavaScriptのパフォーマンスを高める取り組みを続けていく。

ちなみにバクスター氏は「個人的な予想としては、AMPは数年後に消滅しているだろう」と、グーグルが聞いたら眉をひそめそうなコメントも残している。

日本語で読めるSEO/SEM情報

不自然リンクのペナルティは回数が重なるとどんどん重くなる
★★★★☆ 仏の顔も三度まで? (グーグル ウェブマスター ヘルプフォーラム)

グーグルのウェブマスター向け公式ヘルプフォーラムに、「外部リンクペナルティーを2回受けるとどうなる?」という件名でこんな質問が投稿された。

現在、外部リンクを実施していて、ペナルティーを受け、削除し、再審査で復活しました。

また外部リンクを実施してペナルティーを受けた場合、罪は重くなりますか?詳しく教えてください。よろしくお願いします。

質問の意図は定かではないが、(ガイドラインに違反した)リンク獲得の施策を再び行おうとしているのだろうか。もしそうだとしたら、絶対にやめたほうがいい。

フォーラムのエキスパートメンバーが公式ブログの記事を引用している。

……ウェブマスター向けガイドライン違反を繰り返しているサイトは、再審査リクエストにおいて通常よりも厳しく審査する可能性があります。特に、悪意を持ってガイドライン違反を繰り返している場合、手動による対策において、更に厳しい対処を取る場合があります。

2回目はより厳格に審査されるだろう。1回目なら見逃してもらえたかもしれないリンクの削除漏れは許されないに違いない。

3回目ともなれば信用を完全に失い、手動の対策が永久に解除されないことだってありえそうだ。

事実、次のような返信もついている。

実際に3度ペナルティを受けたことがあります。
3度目は1,2回目より再審査が通るまで厳しかったです。

再審査自体が通るまで3度ほど
再審査リクエストを行いました。
また、内容もより詳細を求められました。

4度目は解除されないのではないかと思います。

知人は3度目が全く解除されないと言っていたので
やはりペナルティの罪は都度重くなります。

小規模サイトにアクセス解析はいらない、もっとやるべきことがある
★★★★☆ SEOもアクセス解析も手段であって目的ではない (SEM-LABO)

2011年の記事だが、大切なことを解説している記事を紹介する。

アクセス解析好きの人にとっては過激にも聞こえるかもしれないが、次のようなことが主題だ。

月商が数百万円くらいのECサイトだったら、アクセス解析なんて使う必要はない

とはいうものの、「アクセス解析が役に立たない」と言っているわけではない。「規模が小さいときには、アクセス解析を行う工数に対して得られるリターンが小さい」ということだ。

SEOもアクセス解析もユーザビリティもソーシャルも、すべて大切だ。しかし、どれを進めるにしても、必ずコストがかかる。

社外の人に頼めば直接原価だし、社内の人間がやっていても貴重な人件費をそこに使っていることになる。

にもかかわらず、現状のEC売上額が少ないのであれば、そこから得られるリターンもさほど大きくはない。

だとすると、同じお金や時間を、ほかのことに費やすほうが、全体としてはもっと大きな売上を得られることになるだろう。たとえば、次のようなことだ。

それがどういうものかといえば、新商品の開拓だったり、ブラッシュアップだったり、新しいプロモーションだったり、メルマガだったり、コミュニケーションだったりと多種多用だ。

これは、「SEO」「アクセス解析」「リスティング広告」などの施策に関する話ではない。ビジネスとして、どのフェーズで何に組織のリソースを費やすのかという方向性判断の話だ。

本当に大事なのは、どのタイミングでどの施策を行うことがビジネスに大きなインパクトを与えるのかの見極め

SEOと同じように、アクセス解析もそれ自体は目的ではない。目的(ECサイトなら売上アップ)を達成するために使う1つの手段に過ぎないということだ。

海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ

AMP関連記事を今週は2本ピックアップ。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
  • コンテンツ品質の問題で順位が下がったら、それを修正しても元に戻るとは限らない
  • 【SEOに悲報】キーワードプランナーで検索ボリュームが調べられなくなってしまった
  • HTMLとPDFで同一コンテンツを公開したら重複コンテンツになるのか?
  • HTTPヘッダーのrel="canonical"は画像には使えない
  • グーグルはSVGのなかのリンクをたどることができるのか?
  • 大手メディアサイトが常時HTTPS化に苦戦
(SEO Japanは今週もお休み)

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

コンテンツ品質の問題で順位が下がったら、それを修正しても元に戻るとは限らない
★★★★☆ ウェブもアルゴリズムも常に変化している (Google Webmaster Central office-hours)

おそらくコンテンツの品質が問題でランキングが大きく下がりました。

品質の問題を修正したら、グーグルはもとの順に戻してくれますか?

こんな質問が、英語版のオフィスアワーであった。

グーグルのジョン・ミューラー氏はこう回答した。

一般的に言えば、ページの品質に関して大きな変更をサイトが加えたなら、それを私たちは考慮に入れる。ランキングに良い変化があるんじゃないかと思う。

ただし、元の状態とまったく同じように戻ることはほとんどない

なぜなら、インターネットは変化し続けるし、私たちのアルゴリズムも変化し続けるため、今の状態は以前の状態とは違っているかもしれないからだ。

あなたのサイトにも私たちのアルゴリズムにも何も起こっていなかったとしても、その間にウェブのほかのことが変化しているかもしれない。だから、新しい状態は以前の状況とは違っているかもしれない。

「3年前はこのクエリでこの順位だった、関係する問題を修正したら、また元の順位に戻りますか?」――こんな質問があったとする。

2年も3年もたてば、ウェブは変化しているだろうし、同じ検索に関係する他のコンテンツもたくさん作られているはずだ。そのため、検索に関しても状況はかなり変わっているはずだ。

検索に対して何か問題が発生して順位が下がった場合、短期間で問題を修正できたなら、ほぼ元の順位に戻ることはあるだろう。

たとえば、ありがちなのはうっかりドメイン名を失効してしまったとか、noindexタグを設置したままにしてしまったなどのトラブルだ。数日や1~2週間程度で対応したなら、ほとんどのケースでは回復する

しかし、問題を修正するまでに長い時間が経ってしまった場合は、どうなるかは定かではない。あなたのサイトが問題を完全に解決できていたとしても、その間にもっと素晴らしいサイトがたくさん出現していれば、もとの順位には戻れないかもしれない。

反対に、検索エンジンのアルゴリズムが洗練され、以前よりも高く評価してもらえたなら、順位が上がることだってあるかもしれない。

大切なのは、インターネットやWebの世界は変化が激しいし、世の中に存在するのはあなたのサイトだけでないということだ。

【SEOに悲報】キーワードプランナーで検索ボリュームが調べられなくなってしまった
★★★★★ 自動データ取得でサーバーに負荷 (The Google Advertiser Community)

キーワードプランナーの利用に制限がかかる場合があることを、グーグル社員が広告主向けコミュニティでアナウンスした。

キーワードプランナーは、指定したクエリとそれに関連するクエリの検索ボリュームのデータを提供するツールだ。アドワーズ広告主のために用意されたツールだが、SEOのキーワード調査に利用しているサイト管理者やSEOコンサルタントも多い。

しかし、一定の広告費を支払っていないユーザーには制限がかかるようになった。検索ボリュームの詳細が手に入らなくなり、非常におおまかな数値しかわからなくなった。そのクエリがどのくらい検索されているかのデータを知る目的では、ほとんど使いものにならない。

本来の顧客としての広告主がツールを安定して利用できるようにすることが狙いだとのことである。APIを介した自動化ツールが、通常の利用に障害をもたらすほどの負荷をサーバーに与えることがあるようだ。

最低いくらの広告費を使えば、通常どおり使えるようになるのか」という質問に対しては、公開できないと回答している。

またクライアントセンター(MMC)にもこの制限は適用される。

SEOに取り組む側としては歓迎できない仕様変更だ。しかし、ツールの本来の利用者の利益を守ろうとするグーグルの考えは理にかなっている。

なお、キーワードプランナーの利用制限について、日本のグーグルに安田編集長が直接取材し、より詳しい状況を聞き出している。次の記事を参考にしてほしい。

HTMLとPDFで同一コンテンツを公開したら重複コンテンツになるのか?
★★★☆☆ 不安ならHTTPヘッダーのrel="canonical"を使う (John Mueller)

HTMLのウェブページの内容をPDF版でも提供することがある。調査結果を公開する際によくあるパターンだ。

だが、HTMLとPDFといえど中身はほぼ同一だ。重複コンテンツになる可能性はないのだろうか?

グーグルのジョン・ミューラー氏によれば問題ないそうだ。

しかし絶対に大丈夫とは言い切れないようにも思う。もし不安があるなら、PDF版をHTML版に正規化すればいい(もしくは逆に、HTML版をPDF版に正規化する)。

PDFをHTMLに正規化するには、HTTPヘッダーでrel="canonical"を使えばいい。

PDFはHTMLではないので、rel="canonical"タグを記述することはできない。しかしPDFのダウンロードであっても、HTTPで通信する限りは、HTTPヘッダーを送信するので、HTTPヘッダーにrel="canonical"を含めることで、正規化が可能になる。

詳しくは、このコーナーで以前に解説したのでそちらを参照してほしい。

HTTPヘッダーのrel="canonical"は画像には使えない
★★★☆☆ ウェブ検索のコンテンツのみに適用 (Google Webmaster Central office-hours)

rel="canonical"の、特にHTML内ではなくHTTPヘッダーでの使用に関する記事をもう1つ紹介する。

1つ前の記事で、HTTPヘッダーによるrel="canonical"に触れた。

だが、グーグルのジョン・ミューラー氏によれば、HTTPヘッダーのrel="canonical"は画像の正規化には利用できないそうだ。たとえ設定されていたとしてもグーグルは処理しない。

HTTPヘッダーのrel="canonicalのサポートを始めたとき、ウェブ検索でのみ利用できるとグーグルは言っていた。画像はウェブ検索の対象となるコンテンツではないから適用されないのだろう(画像は画像検索が対象とするコンテンツ)。ウェブ検索のコンテンツだけという適用範囲は今でも変わっていないようだ。

グーグルはSVGのなかのリンクをたどることができるのか?
★★☆☆☆ SVG画像はインデックスするが、リンクはたどれない (John Mueller on Twitter)

SVGには、<xlink:href>でURLを指定できる。しかしSVG内のURLをグーグルがたどることはないようだ。

グーグルのジョン・ミューラー氏がTwitterでフォロワーからの質問にそう答えている。質問者の実験でも、たどっていないことが確かめられたらしい。

本当に豆知識だが、面白い情報だったので紹介する。

なおグーグルは、SVGの画像自体はインデックスしている。JPEGやPNGと同様だ。

画像検索結果に出てくる「犬」のSVG画像(画像検索オプションで「ファイル形式」を選択)

大手メディアサイトが常時HTTPS化に苦戦
★★★☆☆ 諦めるつもりはなく夏の終わりまでには完了予定 (WIRED)

大手メディアサイトのワイアード(WIRED)は、今年の4月に常時HTTPS化に着手した。4か月後の状況を報告している。2つの問題点が依然として残っているそうだ。

  • 4つのセクションで検索トラフィックが減少したまま
  • HTTPSとHTTPが混在するコンテンツの存在

混在するコンテンツとは、HTTPSのページにおいてHTTPでリソースを配信してしまう場合に発生するエラーだ。ブラウザのアドレス欄には鍵マークが表示されず、HTTPSで保護された安全な通信が完全には保証されない。

ただ混在するコンテンツに関しては対策が進み、徐々に減少しておりさほど憂慮していないようだ。

一方で、一部のセクションで発生しているHTTPS移行後の検索トラフィック減少に関しては、対策を模索中だ。サイトのほかのセクションでHTTPS化を進めるのを躊躇させる要因になっているのとのことである。

完全HTTPS移行が首尾よく進んだ事例はよく聞くが、思いどおり進んでいない事例はあまり聞かない。ワイアードのように、歴史が古く規模が大きいサイトともなれば一筋縄ではいかないのであろう。

しかしワイアードはHTTPS化を断念するつもりはないらしく、夏の終わりまでには完了させる予定だとも言っている。

SEO Japanの
掲載記事からピックアップ

今週もお休み。SEO Japanはもう更新されないのだろうか……。

この記事の筆者

鈴木 謙一(すずき けんいち)

「海外SEO情報ブログ」の運営者。株式会社Faber Companyの取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。

海外SEO情報ブログは、SEOに特化した日本ではもっとも有名なSEO系ブログの1つ。米国発の最新のSEO情報を中心に、コンバージョン率アップやユーザーエクスペリエンス最適化のための施策も取り上げている。

正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうために、ブログでの情報発信に加えて所属先のFaber Companyでは、セミナー講師や講演スピーカーを主たる役割にしている。

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