グーグル、モバイルフレンドリーによるランキングや対策を強化 などSEO記事まとめ10+4本

グーグルは、モバイルフレンドリーをさらに強化する。この動きは止まらない。
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グーグルは、モバイルフレンドリーをさらに強化する。モバイルでのUXが良いサイトをさらに優遇し、モバイルUXが悪いサイトは検索結果で不利になる。そうしたグーグルの動きがわかる2つの記事が今週のピックアップ。
ほかにも、AMPの詳細情報、企業がブロガーに商品を提供するときのルール、「強調スニペット」、Googlebotのクロールトラブル対応策、そしてRankBrain詳細解説など、SEO関連情報をまとめてお届けする。


今週のピックアップは2記事。モバイルフレンドリーをさらに進めているグーグルの方向性がわかる2つの記事だ。

グーグル、モバイルフレンドリーアップデートの強化を決定
★★★★★ まさかモバイル対応まだなんてないですよね? (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)

グーグルは、昨年4月に実施したモバイルフレンドリーアップデートの効果を高める変更を行うことをアナウンスした。5月から開始するとのことである。

この 5 月からは、当該ランキング要素の効果を高めるアルゴリズムのアップデートを段階的におこなっていきます。

ということなので、モバイルフレンドリーなページをより多く表示することで検索ユーザーの満足度がさらに増すとグーグルは判断したのだろう。

スマホからの検索がPCからの検索を上回り、今後も伸び続けていくことが予想されるから、当然の決定のようにも思う。

すでにモバイル対応しているなら、何かアクションを起こす必要はない。そのままでいい。

なお、検索クエリの意図は引き続き重要なランキング要素となります。そのため、モバイル フレンドリーではなくてもページのコンテンツの質が高ければ、関連性の高い優れたコンテンツとして今後もランキングされることがあります。

とは言うものの、もしいまだにモバイル対応にしていないのでれば、今後モバイルでの検索順位がさらに下がる恐れがある。早急に対応すべきだ。

「モバイルフレンドリーを偽装したサイトには手動で対策する」グーグルが警告
★★★★☆ ユーザーにはインタースティシャルだけを見せる、あざといやり方 (The SEM Post)

スマートフォンでアクセスした際に、アプリのインストールを勧めるインタースティシャルが画面の大部分を覆うように表示されるページがある。こうしたページはモバイルフレンドリーではないとして、モバイル検索での順位を下げることがあると、グーグルは表明している。

しかし、グーグルにはモバイルフレンドリーとして認識させつつも、ユーザーにはインタースティシャルを見せている状態と同様になるという、裏をかくようなやり方を使っているサイトがある。こうしたサイトに対しては、手動での対策もありうるとグーグルのジョン・ミューラー氏が忠告した。

たとえば、レストランのレビューサイトYelp(イェルプ)が、次のようなやり方を採用している。

スマホでアクセスすると、ファーストビューではアプリのダウンロードを促すコンテンツだけが見える。

少し下にスクロールすると、不自然なくらいの広い空白スペースを経て、レストランの詳細情報やレビューなどの実質的なコンテンツが出てくる。

実質的にはインタースティシャル的な、ユーザーの体験を損ねる表示だ。にもかかわらず、モバイルフレンドリーテストツールでは、モバイルフレンドリーとして認識される。

実際にはコンテンツがきちんと存在するのだが、大多数のユーザーは、アプリのインストールを勧めるバナーにしか気付かないであろう。あざといやり方だと思われても仕方がない。

こうした抜け道のような手法をグーグルが発見し、良くないと判断したら、モバイルフレンドリーアルゴリズムではOKが出ていても、何らかの対処が手動でなされることもあるとのことだ。

裏をかくようなやり方は、いずれグーグルに対策されるというのは、SEOの歴史で繰り返されてきたことだ。真似は絶対にやめよう。

日本語で読めるSEO/SEM情報

これでAMP対応に不安なし? AMPオフィスアワー日本語版が開催
★★★★★ AMP紹介とQ&A (Japanese AMP Office Hour)

予告していたとおり、AMPの日本語版オフィスアワーが開催された。

グーグル日本でAMPの開発にたずさわっているダンカン・ライト氏と、おなじみの金谷氏と長山氏の3人が登場した。

前半では、ライト氏がAMPを紹介している。AMPとは何か、なぜ生まれたのか、どんなメリットがあるのかなど、非常にわかりやすく解説している。

後半は参加者とのQ&Aで、たとえば次のようなものをはじめ、多くの質問に回答している。

  • ニュースや最新記事以外にAMPは拡張されていきますか?

  • Googleウェブ検索結果ページの、トップニュース(Top Stories)以外の場所からAMPページへナビゲートしていく予定はありますか?(通常の10個の検索結果や、ニュース検索ページなど)

  • AMPサーバーを運用するのはGoogleだけですか?他の事業者がAMPサーバーを運用することは考えていますか?

  • ampのキャッシュはGoogleが提携している業者のみがアクセスできるでしょうか?

  • Google AMP Cacheにキャッシュされたコンテンツを更新したい場合、どのようにInvalidateをリクエストすればよいのでしょう?

  • AMP対象としたいページに固有の画像がない場合、なにかしらデフォルト画像を指定するということは行っても良いのでしょうか?その他良い方法はありますか?そもそもそのようなページはAMPに出してはいけないのでしょうか?

  • AMPはUX向上に大いに繋がると思います。 その為、適切にAMPを使用しているページは自然と評価も高まると思いますがランキング要因ではないと聞いています。この矛盾は何を意図しますか?

  • AMP対応したニュース記事ページに広告を出す際、特別な対応は必要でしょうか。今のところは従来型のバナー広告等が表示されているようですが、いずれはAMP対応した入稿が必要になりますか?もしくはAMP対応したほうが有利になりますか?

これ以外にもさまざまな質問に答えており、AMP対応に際しての役立つ情報も多い。YouTubeで録画を視聴できる。

企業からもらった商品のレビュー記事を書くとペナルティ!? 何が悪いの?
★★★★☆ 訪問者にもグーグルにも誠実に (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)

企業のマーケティング手法として、商品を無料で提供することでレビュー記事をブログなどで書いてもらうというものがある。

しかし実は、企業から商品をもらったブロガーがそのまま記事にすると、ガイドライン違反としてペナルティの対象となる可能性があるのだ。

商品やサービスを受け取る見返りとして、PageRank を転送するようなリンクを設置することは、リンク プログラムに関する Google のガイドラインに違反しています。

そのため、ブログ運営者に企業が無料で商品を送付して、レビュー記事を書いてもらったり、ブログ投稿で言及してもらったりする場合の適切なやり方を、グーグルが公式ブログで解説した。

次の3つをベストプラクティスとして推奨している。

  • 必要に応じて nofollow 属性を使用する
  • 関係を開示する
  • 魅力的でユニークなコンテンツを作成する

自然に発生したものではないリンクは評価しないようにしたうえで、ブログ読者に対しても情報を開示するということだ(コンテンツがしっかりしているべきなのは、この件に限らない)。

これらを忘れると、最悪の場合、ガイドライン違反に問われることもある。

PR目的の記事を公開することがあるブログ運営者は、公式ブログの説明をよく読んでおこう。

また、企業として大切なお客さんに協力してもらう場合は、その人があなたのマーケティングプログラムのせいでペナルティを受けないように、こうした情報をちゃんと伝えるのが大切だ。

「強調スニペット」のヘルプ記事がこっそりと公開されていた
★★★☆☆ 英語名は Featured Snippets だった (Search Console ヘルプ)

Featured Snippets(フィーチャード・スニペット)のヘルプ記事が公開されていることを、バカに毛が生えたブログさんが発見している。公開されたのは比較的最近のはずだ。

※ちなみに、記事執筆時点で、このヘルプページの画像はheight属性に間違った値が指定されているため、長体がかかってしまっている。グーグルの担当の方は、修正しておくことをおすすめする。

日本語では、「強調スニペット」と名前が付けられている。強調スニペットは、次のようなもののことだ。

「開花宣言」で出てくる強調スニペット

次の4項目がヘルプ記事では説明されている。

  • 回答の概要はどこから生成されますか?
  • 強調スニペットのオプトアウト
  • 自分のページを強調スニペットとして設定できますか?
  • この機能はナレッジグラフの一部ですか?

興味があれば読んでみるといい。

Googlebotのクロール問題を送信するフォームがあった
★★★★☆ 念のため知っておくといいかも (Kazushi Nagayama on ツイッター)

Googlebotのクロールで問題が発生した際に、グーグルに問題を報告できるフォームがあることを紹介しておこう。

Search Consoleの「サイトの設定」にある「クロール速度」からレポートを送ることができるが、こちらのリンクから対象の管理サイトを指定し、直接アクセスすることもできる。

Googlebotによるサイトのクロール機能に関する問題を報告するフォーム

so.laの代表である辻氏が、クライアントのサイトでGooglebotのクロールに問題が生じていることをツイッターでつぶやいたときに、グーグルの長山氏がSearch Consoleから状況をレポートするようにアドバイスしている。

辻氏が関わっているような大規模サイトでない限りは、クロールに問題が出てくることは少ないと思われる。それでもクロールの問題に対するレポートフォームがあることは知っておいてもいいだろう。

海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ

App Indexingに関するグーグル社員とのQ&Aと、GooglebotのJavaScript対応を解説した記事を今週はピックアップ。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
  • AMPに関してよくある3つの質問
  • ECサイトはAMP対応してもグーグル検索には表示されないの?
  • Googlebotの「地域認識クロール」は完璧ではない
  • サムネイル画像付きのスニペットをグーグルがテスト中
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
  • SMX West 2016-RankBrain。我々は、Googleの新しいマシンラーニング・システムをどのように理解するべきか?
  • SMX West 2016-Googleのランキングエンジニアが語る、Googleの仕組み。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

AMPに関してよくある3つの質問
★★★★☆ AMP対応の際の参考に (Accelerated Mobile Pages Project)

AMP関連でグーグルの公式ヘルプフォーラムによく投稿される質問に、AMP(Accelerated Mobile Pages)プロジェクトの公式ブログが回答した。

AMP対応の際の参考にしてほしい。

質問1自分のサイトでAMP対応したページを作成することを検討しています。AMPに対応するとどんなメリットがあるのでしょうか? どんなサイトやページがAMPに向いていますか?

回答1

AMPフォーマットを使うと、モバイル端末を使っているユーザーに、「コンテンツを利用して関わりあいたい」とずっと強く思わせることができます。

ページ表示が遅いとイライラするため、すばやく表示されるコンテンツをユーザーはとても好みます。瞬時に表示されるコンテンツをユーザーがより多く読み、利用するのを私たちは見てきました。

AMPのメリットについてはこちらのよくある質問(リンク先は英語)も参照してください。

AMPが目指しているのは、ニュース記事から動画、ブログ、写真、GIF画像などに至る、発行されたコンテンツすべてが、Accelerated Mobile Pagesを利用してうまく機能するようにすることです。

質問2Search Consoleにログインすると、「不適切な構造化データがある」という何千ものエラーがAMPレポートに出ています。しかし、エラーはすでに修正してあり、すべてのページが正しくなっています。どうしてエラーが消えないのでしょうか?

回答2

簡単に言うと、AMP HTMLの変更がSearch Consoleに反映されるまでにはしばらく時間がかかるからです。

もっと詳しい理由を、グーグルのウェブマスター トレンド アナリストのジョン・ミューラー氏が、「Search Consoleのデータ反映の遅延」と題して投稿しています(リンク先は英語、筆者のブログに日本語訳あり)。

質問3AMPページがトップニュースのカルーセルに表示されません。どうすべきでしょうか?

回答3

トップニュースのカルーセルに掲載されるには、ArticleかVideoObject、またはArticleのサブタイプであるNewsArticleやBlogPostでのschema.orgマークアップ(リンク先は英語、筆者のブログに日本語での解説あり)が必要です。開発者は、テストツールを利用して構造化データが正しいかどうかを検証できます。

ECサイトはAMP対応してもグーグル検索には表示されないの?
★★★★☆ 今はニュース系記事だけが対象 (Google Webmaster Central Help Forum)

ECサイトのウェブ担当者がAMPの実装についてヘルプフォーラムで質問した。

ECサイトを運用しています。

ECサイトなので、構造化データには、schema.orgのArticleやBlogPostを使いません。ですが、構造化データはきちんと設定してありテストツールでも合格しています。

それなのにSearch ConsoleのAMPレポートで構造化データのエラーが出ています。何がいけないんでしょうか?

グーグル社員のTOMO T氏は次のように説明した。

そのエラーが伝えているのは、「トップニュースのカルーセルに表示するために必要な構造化データを認識できないので、そのページはトップニュースに適合していない」ということだ。

「トップニュースに適合していないAMPページがある」ということ以外に、そのエラーが害を与えることは何もない。

それでもエラーがどうしても気になって仕方がないのなら、AMP HTMLそれ自体はどんな構造化データも必要としない(ので構造化データを削除してもいい)。

ただし、先に言ったように、グーグルのようなプラットフォームはコンテンツをどこでどのように表示するかを決定する際に構造化データを必要とすることがある。

今のところ、グーグル検索に表示されるAMPページは、ニュース系コンテンツやブログ記事、動画に限られる。そうしたコンテンツは、トップニュースのカルーセルに掲載される(リスト形式の場合もある)。

カルーセルに掲載されたAMP記事

カルーセルに表示されるには、記事コンテンツ用の構造化データの設定が条件になる。言い換えれば、記事コンテンツ以外はトップニュースカルーセルの対象にはならない。つまり記事コンテンツでなければ、AMP対応していたとしてもグーグル検索で表示される場所はない(少なくとも、今のところは)。

1つ前の、AMPによくある質問の3番目で説明があったとおりだ。

AMPの仕様には構造化データの設定は含まれていない。あくまでも、グーグルが検索結果に表示する際の要件にしているにすぎない。

とは言うものの、グーグルは、記事以外のさまざまな種類のコンテンツも検索結果に表示していくことを計画している。記事以外のコンテンツを発行しているサイトのウェブ担当者は、準備をしつつ、グーグル検索のAMP対象の拡大を楽しみに待とう。

Googlebotの「地域認識クロール」は完璧ではない
★★☆☆☆ 「別々のURL + hreflang」の構成を推奨 (Google Webmaster Central Help Forum)

Googlebotは現在、「地域認識クロール」という特徴を備えている。同一URLで、IPアドレスや言語設定に応じてそれぞれの国や言語に向けたコンテンツを配信している構成のサイトでも、各コンテンツを適切にクロール、インデックスできる。

しかし、この「地域認識クロール」は必ずしもうまい具合に機能するとは限らないようだ。

英国での検索結果のスニペットに米国向けの情報が表示されてしまったサイト管理者が、ヘルプフォーラムでアドバイスを求めた。

フォラームメンバーの1人は、ヘルプ記事の次の一節を引用して地域ごとに別々のURLで構成することを勧めた

重要: Google では、地域ごとに別々の URL 設定を使用し、rel=alternate hreflang アノテーションで注釈を付けることを今後も推奨いたします。

グーグルのジョン・ミューラー氏も、このアドバイスに同調している。

多言語・多地域サイトで、各コンテンツを確実にクロール、インデックスさせるには、別々のURLを割り当てたたうえで rel=alternate hreflang を設定する構成が好ましい。

サムネイル画像付きのスニペットをグーグルがテスト中
★★☆☆☆ 目立つ? 目障り? (Search Engine Roundtable)

グーグルは、検索結果ページでサムネイル画像を表示するスニペットをテストしているようだ。

Search Engine Roundtableの記事に掲載されている、サムネイル画像付きの検索結果

過去にも同じようなテストが確認されていたが、正式公開されることはなかった。ここ最近また目撃情報が増えているらしい。

目を引くので検索結果のクリック率が上がるような気もするが、画像が多すぎると返って目障りに感じてしまうユーザーも出てきそうだ。今度もテストだけで終了するのか、それとも正式公開されるのか、どうなるだろうか。

日本の検索結果でもこのテストに出会ったならばぜひ教えてほしい。

SEO Japanの
掲載記事からピックアップ

前回に続いて、SMX Westカンファレンスのセッションレポート記事を今週もピックアップ。

この記事の筆者

鈴木 謙一(すずき けんいち)

「海外SEO情報ブログ」の運営者。株式会社Faber Companyの取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。

海外SEO情報ブログは、SEOに特化した日本ではもっとも有名なSEO系ブログの1つ。米国発の最新のSEO情報を中心に、コンバージョン率アップやユーザーエクスペリエンス最適化のための施策も取り上げている。

正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうために、ブログでの情報発信に加えて所属先のFaber Companyでは、セミナー講師や講演スピーカーを主たる役割にしている。

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