有料リンクかどうかの境目はどこにあるのか? など11+4記事(海外&国内SEO情報)

モバイルサイトに役立つツールや、プレイス検索でのサイテーションに関する話題などもお届け
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有料リンクかどうかの境目はどこにあるのか?
★★★★☆ お金が絡むかどうかが基本的な判断基準だけれど曖昧 (Search Marketing Savant)

有料リンクか有料リンクでないかの境界線はどこにあるのだろうか?

金銭の授受が介在すれば、それは明らかに有料リンクになる。しかし、次のようなシナリオの場合、あなたならばどう判断するだろうか?

  • シナリオ1

    レンタルサーバー会社が自社のサイトにリンクを張る代償としてお客に無料でサーバーを貸し出す。

  • シナリオ2

    レンタルサーバー会社がコンテストを開催して、優勝者に無料でサーバーを貸し出す。また、優勝したことを示すバナー(レンタルサーバー会社のサイトへのリンクが含まれている)を優勝者に提供し、サイトに張るように促す(必須ではない)。

ピックアップ元記事の投稿者は、次のように考えている。

シナリオ1では、金銭の授受に相当するやり取りが発生しているので、有料リンクだとみなされる。

対してシナリオ2では、リンクの付いたバナーの設置は強制力を持たず貼るかどうかはそのサイト管理者の意志に委ねられている。したがって有料リンクには該当しない。

お金の受け渡しが発生していないとしても、シナリオ1のように便宜の供用に準ずる行為があれば、有料リンクだと判断されることは有り得る。実際に、商品を無料提供する代わりにリンク付きのレビューをブロガーに書いてもらったことが原因でツールバーPageRankを手動で下げられたと思われる事例がかなり以前だが起こっている

シナリオ2でのリンク付きバナーの設置はサイト管理者の意思によるものなので、大丈夫だといえば大丈夫そうだ。だが自由意志によるかどうかをグーグルが適切に判断できるかどうかの保証がないところに、多少の不安が残るのも事実だ。

結局のところ、有料リンクかどうかの線引きは常に曖昧であり、グーグルの判断次第ということになるのではないだろうか。それに、これは良くてこれはダメと言い切ってしまうと悪用・乱用するケースが起こりそうなので、グーグルが明確に線引きするとも思えない。

古典的な表現だが、「検索エンジンがなかったとしても、同じようにしたか」を基準に考えて行動するのが、精神衛生上も良いのではないだろうか。

日本語で読めるSEO/SEM情報

モバイル向けサイトに役立つ4つのグーグル純正ツール
★★★☆☆ モバイル向けの知らない使い方があるかも (WEB戦略ラウンドナップ)

モバイルの重要性が日に日に増してきているのは疑いようのない事実だ。モバイルサイトを運用するにあたって活用すべきグーグル製のツールを4つこの記事は紹介している。

モバイルサイトの運用にこれらのツールをどのように使うといいのか参考にしてみてほしい。

あなたのコンテンツを無断でパクったコピーサイトをグーグルから消し去る方法
★★★★☆ オンラインで簡単申し立て (SEO is DEAD!! WEB in the morning)

自分がウェブに公開した著作物を無断でコピーして使われるのは、コンテンツ制作者にとって非常に腹立たしいものだ。ましてコピー側がオリジナルの自分よりも検索結果で上位に表示されようものなら、我慢できない。パクった人物よりもグーグルを恨みたくなる。

こちらの記事では、グーグルに対して権利侵害コンテンツの申し立てをオンラインフォームから送信する手順を説明している。申し立てが認められれば著作権を侵害しているコンテンツはグーグルの検索結果から削除される。

Web担でも安田編集長が2年近く前に「あなたの著作物をパクったサイトをGoogle八分に追いやる正しい手順」というタイトルで権利侵害コンテンツの申し立て方法を解説し大人気記事になった。これはFAX送信による手順だったが、今はオンラインのフォームからも申し立て可能になっている(Web担の記事でも補足されている)。

筆者自身もフォームから申し立てを行ったことがある。年末年始をはさんでいたものの2~3日で受理され、パクリページはインデックスから見事に消え去った。

自分の著作権を侵害しているという明らかな証拠を示せるなら、このフォームから著作権侵害の申し立てをするといいだろう。

グーグル直々のサイトクニックが日本でも開催されていた
★★★☆☆ 生で聞きてみたい (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)

日本版のグーグルウェブマスター向け公式ブログが、NPO法人を対象に実施した「サイトクニック」のレポート記事を公開した。

実際のサイトを対象に、サイト運営のベストプラクティスや改善点について次の5項目を中心に解説したとのことである。

  • 質の高いコンテンツを提供しよう
  • 適切なページ タイトルを付けよう
  • description メタ タグを設定しよう
  • URL の構造を改善しよう
  • ナビゲーションをわかりやすくしよう

どれも基礎的な内容だが、確実に押さえておかなければならないことだ。記事に詳細が書いてあるので、ひととおり目を通しておきたい。

グーグルの社員が直々に外部機関に出向いてサイトクニックするというのは海外ではしばしば開催されているとは聞いていたが、日本でも行われていたとは、失礼かもしれないが意外だ。

どんなふうな講義なのか、現場で実際に聞いてみたいものだ。

Googleアナリティクスeコマース関連のフィルタとカスタム変数が変更
★★☆☆☆ 既存の設定によっては重要 (Analytics 日本版公式ブログ)

Googleアナリティクスの eコマースに関連するフィルタとカスタム変数の仕様が変更された。

eコマースの 「トランザクション」と「商品」がページビューやイベントと同じレベルの「ヒット」レベルのデータに新たに加わった。この変更によりeコマースのトランザクションや商品でフィルタを行うことができるようになった。

嬉しい改良なのだが、プロファイルやフィルタの設定によっては思わぬ影響が出てくるかもしれない。自分が運用するサイトに関係するかチェックしておいてほしい。

本当に売れるランディングページがやっていること
★★★☆☆ メッセージの可視化を具体例で見てみる (LPO コンサルティング)

前回ピックアップした「売れるランディングページの成功法則」の続編記事だ。

コンバージョンを達成するには「メッセージの可視化」が重要だった。その「メッセージの可視化」の具体例を今回は示してくれている。よりイメージがわくだろう。

改善前のページを見ると「意外とよくできているページじゃないか」と思うのだが、改善後のページを見ると「なるほど、確かにこちらのほうがいい」と感心する。

例に出ているランディングページはアドワーズのディスプレイネットワーク広告向けに作成したものだそうだが、「メッセージの可視化」自体はどんなランディングページにおいても大切な要素である。

“CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」”カバレッジ
★★★★★ 日本における過去最大のSEOイベント (CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」)

今週は番外編でもう1本ピックアップがある。

CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」という、社内のSEO担当者を主な対象にしたSEOのイベントが9月22日に開催された(CSS NiteとWeb担当者Forumの共催)。

筆者も登壇した「Ask the SEOs(SEOのプロに聞け!)のセッションの様子(撮影:飯田昌之氏)

海外を含むSEO業界の著名人たちがセッションでスピーチし非常に濃い内容のイベントとなった。筆者も出演者の1人として出させていただいたのだが、参加者によるレポート記事をいくつか紹介しておく。

なおもう1つの共催者であるIn-house SEO Meetupが、6回目となるインハウスSEO担当者向けの会合を12月13日に予定している。正式な告知はまだだそうなので興味があるインハウスSEO担当者はIn-house SEO Meetupのフェイスブックページと代表の三澤氏のツイッターアカウントをチェックしておくといい。

海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ

グーグルのアルゴリズム変更とツール改良の記事を今週はピックアップ。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
  • グーグルのランキング要因に「meta keywords タグ」が復活!?
  • 閉鎖したサイトのコンテンツを再利用したら重複コンテンツになるか
  • 静的なHTMLサイトをWordPressに移行するメリットは?
  • グーグルのプレイス検索にサイテーションはもはや不要なのか
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
  • 通販サイトで使えるSEOに役立つコンテンツアイデア集
  • target=”_blank” の正しい使い方講座

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

グーグルのランキング要因に「meta keywords タグ」が復活!?
★★★☆☆ グーグルニュースだけ (Google News Blog)

グーグルは、news_keywords という新しいmeta タグのサポートを開始した。news_keywords meta タグは、従来のmeta keywords タグに相当する役割を果たす。そのページのコンテンツに関連するキーワードを指定することでページの内容を検索エンジンが理解するのを手助けできるのだ。

ただしグーグルニュースだけに利用されるものであり、通常のウェブ検索にはまったく影響を与えない。グーグルニュースへの掲載対象になっているサイトだけが関係する。

ニュースの記事見出しは読者を惹き付けるキャッチーなコピーが求められることがある。しかし、そうしたコピーは検索の対象となるキーワードを含まないこともあるし、場合によっては記事の内容とまったく関係のない表現を慣用句や比喩として使うこともあるだろう。

たとえば、米国の株式市場が大暴落した際に次のような見出しの記事が新聞に掲載された。

WALL ST. LAYS AN EGG

直訳すると「ウォール街、卵を産む」である。しかし“lay an egg”は慣用句としてここでは使われており、「大失敗する」すなわち「大暴落する」という意味を表す。

検索エンジンのことを考えると記事の見出しつまりtitleタグにはキーワードを入れざるを得なく、こういった創造性や独創性がある表現に制限をかけてしまう。

news_keywords meta タグの導入により、機械の検索エンジンではなく人間の読者を意識した記事見出しを付けたとしても、そのページの内容を適切に検索エンジンに伝えることが可能になったのだ。

先ほども述べたように、グーグルニュースの検索だけにnews_keywords meta タグは利用される。グーグルニュースに掲載されるサイトのウェブ担当者がこのコーナーの読者にそうたくさんいるとは思わないが、対象サイトであれば利用してみるといいだろう。詳しい使い方はヘルプを参照してほしい。

グーグルニュースの掲載対象になっていない大多数のウェブ担当者は、中途半端に知った内容から「ランキングが上がるそうだ」と勘違いしてこの新しいmetaタグを使わないように注意してほしい。なおグーグルでは、従来のmeta keywords タグは、ランキング指標としては無視されるようになって久しいことを付け加えておく。

閉鎖したサイトのコンテンツを再利用したら重複コンテンツになるか
★★★★☆ リサイクルOK (WebmasterWorld)

数年前にいくつかのサイトを閉鎖した。そのサイトのコンテンツには非常に優れたものもあったので、別のサイトで再び公開したい。

元の記事はウェブ上にはもう存在しないとしても、重複コンテンツだと判断されてしまう可能性はないだろうか?

このような質問がWebmasterWorldに投稿された。

すでに存在しないサイトで使っていたコンテンツを別のサイトで再利用したいのだが、重複コンテンツ扱いされてしまうのではないかと不安視しているのだ。

フォーラム管理者は次のようにコメントした。

そのコンテンツがもうインターネット上に存在しないのならば、別のドメイン名で再び公開されたとしても、重複コンテンツにはならない。グーグルは長期に渡る時間の経過についてのデータを持っているに違いない。もっともどのくらいの量のデータをどのように使っているかまでは分からないから、あらゆることが起こる可能性はある。

だが経験から言うと、ネットから削除した古いコンテンツが新しいURLで掲載されたとしても、ランキングの問題は起こらない。

入れ違いですぐに別のサイトで同じコンテンツを再利用するのならば、もしかしたら何らかの問題が発生するかもしれない。しかし、十分な間隔が空いているのならば、いったんウェブから姿を消したコンテンツを復活させても大丈夫だろう。

静的なHTMLサイトをWordPressに移行するメリットは?
★★★☆☆ 正しくやればいいことづくめ (High Rankings)

昔ながらの静的なHTMLサイトをWordPressに移行して成功した経験はありますか?

ここでいう「成功」は、トラフィックを失わなかったり増えたりしたことなどです。

High RankingsのCEOであるジル・ウェイレン氏が、自分のフォロワーに向けてソーシャルメディアでこのように問いかけたところ、うまくいったという反応がたくさん寄せられている。

ただし注意してほしい。グーグルが静的なHTMLサイトよりもWordPressのような動的なサイトを優遇するという意味ではないし、WordPressを使えば検索エンジンで上位に来るということもない。

静的HTMLで作っていた古いサイトということは、title要素や見出し要素がしっかりと作られていなかったり、サイト内のリンク構造が中途半端だったりする。そうしたサイトをWordPressに移行する際に、SEOのための基本的な要素が整えられたと考えるのが自然だろう。また、“正しいやり方”で移行すれば、それまであった検索トラフィックが失われることもないだろう。

移行にあたって特に気を付けるべき点を挙げるとすれば、次の2つになるだろうか。

  • URLが変わる場合は、301リダイレクトを確実に設定する。内部リンクはすべて、外部リンクも可能な限り新しいURLに張り替える。

  • ナビゲーションメニューのリンクの構成を変更する場合は、PageRankの流れに変化が起きリンク先ページの順位が下がることがある。ラベルのテキスト(アンカーテキスト)を変える場合も注意が必要だ。

移行する際はリンク切れやコンテンツが最新の情報を反映しているかも、ついでにチェックするといいだろう。

グーグルのプレイス検索にサイテーションはもはや不要なのか
★★★★☆ 比重が下がっただけかと (Understanding Google Places & Local Search)

グーグルのプレイス検索(地図検索)のランキング要因の1つに「サイテーション」があると推測されている。サイテーションとは、その店舗・会社の名称や住所、電話番号などについて言及することだ(詳しくは以前に取り上げたピックアップを参照)。

サイテーションはローカル検索ではとりわけ重要なランキング要因とみなされている。しかし将来的にその効力を失うのではないかと疑う声があるようだ。

米国におけるローカル検索のエキスパートであるマイク・ブルーメンソール氏は、次のように論じている。

プレイス検索のランキング要因として、グーグルはさまざまな指標を用いるようになってきている。たとえば今年前半に実行されたアルゴリズム改良では、通常のウェブ検索と同じ要因がより強くプレイス検索にも影響するようになった。

サイテーションの比重が低くなってきていることは事実かもしれない。しかしサイテーションの影響力がまったくなくなるということは、今後もないだろう。

1つの要因に強く依存するのではなく、利用できるさまざまな要因をもとにしてランキングを決定するという流れは、ウェブ検索における被リンクの重要度の変化と同じようなものだと言えるかもしれない。

SEO Japanの
掲載記事からピックアップ

ネットショップのコンテンツ作成に役立つ記事とtarget=”_blank”を使うべき場面について解説した記事を今週はピックアップ。

この記事の筆者

鈴木 謙一(すずき けんいち)

「海外SEO情報ブログ」の運営者。株式会社Faber Companyの取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。

海外SEO情報ブログは、SEOに特化した日本ではもっとも有名なSEO系ブログの1つ。米国発の最新のSEO情報を中心に、コンバージョン率アップやユーザーエクスペリエンス最適化のための施策も取り上げている。

正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうために、ブログでの情報発信に加えて所属先のFaber Companyでは、セミナー講師や講演スピーカーを主たる役割にしている。

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