最新コアアップデートはE-E-A-Tの「Experience」を重視するようになったかも?【SEO情報まとめ】

グーグルの「コアアップデート」「ヘルプフル コンテンツ アップデート」に関する2つの情報をピックアップしてお届けする
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グーグルの「コアアップデート」「ヘルプフル コンテンツ アップデート」に関する2つの情報をピックアップしてお届けする。

アップデートでE-E-A-Tの「E」を高く評価するようになったのではないかという意見と、アップデート関連のドキュメントで「寄生サイト」を明確に非推奨とするようになったという話題だ。

ほかにも、海外のGoogle SEOオフィスアワーを日本語で読めるコンテンツ、古いコンテンツの大量削除、ECサイトのSEOなどなど、あなたのSEO力とWeb力(と生成AI活用力)をアップさせる情報を、まとめてお届けする。

  • 最新コアアップデートはE-E-A-Tの「Experience」を高く評価するようになったかも?
  • ヘルプフル コンテンツ アップデートをグーグルが実施、寄生サイト対策に本腰か?
  • 英語版Google SEOオフィスアワーの日本語文字起こし(2023年8月): ARIA属性のSEO効果、購入したドメイン名のペナルティを確認するには、など
  • 新しいコンテンツの大量追加、古いコンテンツの大量削除は、SEOの役に立たない
  • グーグル、ハウツーリッチリザルトを完全に終了
  • ECサイトに求められるSEO施策×5を品質評価ガイドラインから読み解く
  • グーグル、Search Consoleとマーチャントセンターを連携強化
  • グーグルは多言語での検索をどのように処理しているのか?
  • ネットワークエラーをストーリーで解説
  • グーグルBardが大幅進化、ChatGPTやBingチャットに負けないサービスに
  • BardがGoogle検索で回答の真偽を自己検証
  • Search Consoleでデータをフィルタすると元データよりも多くなるのはブルームフィルタが原因

今週のピックアップ

最新コアアップデートはE-E-A-Tの「Experience」を高く評価するようになったかも?
実例付き (Google Search Status Dashboard) 海外情報

2023年8月のコアアップデートを8月22日(太平洋時間)にグーグルは実行した。9月7日に展開は完了している。今年2回目のコアアップデートだ。

コアアップデートに関しては、もはや定例行事のようになっているので特筆すべきことはない。何らかの影響を受けたようであれば公式解説を再度読んでおこう。

それでも、ひとつだけ参考情報を紹介しておく。アルゴリズム分析に定評のあるリリー・レイ氏は、今回のコアアップデートの特徴を次のようにコメントしている:

コアアップデートから、いくつかの傾向が浮き彫りになってきています。

グーグルは、真の “E”、つまり “Experience” を示すサイトを本当に評価しているようです。

次のサイトはいずれも、著者が実際に体験したことを書いているのだと示す内容を豊富に含んでいます。

レイ氏が例示したのは次の3サイトの記事と思われる:

どのサイトの記事も、執筆者の実際の経験に基づいた詳細な体験談が書かれている。

英語サイトを対象とした分析であり、ほかに同様の明確な報告が多くあるわけではないため断言はしづらいのは確かだ。とはいえ、わざわざ「E-A-T」を「E-E-A-T」としたグーグルが、新たに追加した「体験」に重み付けをするのは自然な流れだろう。

いわゆる「コタツ記事」よりも本当の「記事」を優先するのならば、インターネットにとっては良い流れだろう(「コタツ記事」とは、外出して取材しに行ったり現地調査したりすることなく、ネットで調べた情報だけで書いた記事を指す言葉)。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

ヘルプフル コンテンツ アップデートをグーグルが実施、寄生サイト対策に本腰か?
今回はドキュメントの更新だけ (Google Search Status Dashboard) 海外情報

ヘルプフル コンテンツ アップデートをグーグルが2023年9月に実行した。9月14日(太平洋時間)の展開開始で、完了までには2週間程度かかる見込みだ。

ヘルプフル コンテンツ システムは、ユーザーのために作った有用な情報をより高く評価するランキングシステムだ。反対に、検索エンジンでの上位表示を最優先して作ったコンテンツの評価を下げる。まず英語コンテンツに対して2022年9月に導入され、日本には2022年12月に導入された。

一部のジャンルではそれなりの順位変動が発生しているようだ。

今回のヘルプフル コンテンツ アップデートのタイミングで公式ドキュメントも更新された。寄生サイトについての言及加わったのだ:

メインサイトやサブドメインで第三者のコンテンツをホスティングしている場合、そのようなコンテンツは、コンテンツの有用性など、サイト全体のシグナルとして含まれる可能性があります。そのため、第三者コンテンツがメインサイトの目的と大きく無関係で、またはメインサイトからの緊密な監督や関与なしに作成されている場合は、グーグルによるインデックスから除外することをお勧めします。

※この記事を書いている時点では、日本語ドキュメントは未更新のため、翻訳(と強調)は筆者による

寄生サイト対策のシグナルがヘルプフル コンテンツ システムに追加されたように解釈したくなるのだが、実際にはそうではなかった。単にドキュメントの更新(寄生サイトの非推奨)であって、検索システムの改良ではなかった。将来的には、検索システムに組み込むつもりだそうだが、現時点ではまだ組み込まれていない。次回以降のアップデートに期待だ。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

グーグル検索SEO情報①

英語版Google SEOオフィスアワーの日本語文字起こし(2023年8月): ARIA属性のSEO効果、購入したドメイン名のペナルティを確認するには、など
英語が苦手でも読める (グーグル 検索セントラル) 国内情報

2023年8月の英語版Google SEO オフィスアワーの日本語文字起こしが公開されている。取り上げられている質問は次のとおりだ:

Q&Aは英語でのやりとりだが、日本語に文字起こししてもらえると英語が苦手でも参照できる。気になる質問だけでもチェックしておこう。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

新しいコンテンツの大量追加、古いコンテンツの大量削除は、SEOの役に立たない
検索エンジンファーストの考え方では非推奨 (グーグル 検索セントラル) 国内情報

「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」を説明する、検索セントラルのドキュメントの一部をグーグルは更新した。

検索エンジンを第一に考えたコンテンツ作成を回避する」のセクションに次の項目が加わった。

サイトを「新鮮」に見せて検索ランキングを全体的に上げるのに役立つだろうと考えて、新しいコンテンツを大量に追加したり、古いコンテンツを大量に削除したりしていませんか?(実際にはそうした効果はありません)

※この記事を書いている時点では日本語ページは未更新のため、翻訳は筆者による

「役に立つ」「価値のある」サイトであるようにするために、次のことをするのは決して悪いことではない:

  • 新規コンテンツを追加する
  • 古くなったコンテンツを削除する

しかし、「最新の情報だけを提供しているように見せかければ、検索エンジンの評価が上がる」と信じて、そのためだけに大量に追加・削除する人がいる。そうした行為はユーザー本意の施策ではないと、グーグルは注意喚起しているのだ(そもそも、そうした施策は意味がない)。

コンテンツの追加・削除にかぎらず、「誰のために」「何のために」それをやっているのかが大切だ。検索エンジンを相手に上位表示することが主要な目的だとしたら、それは有用なコンテンツにはならないだろう。

★★★★☆
  • ホントにSEOを極めたい人だけ

グーグル、ハウツーリッチリザルトを完全に終了
検索結果をシンプルにする取り組み (グーグル 検索セントラル ブログ) 国内情報

モバイル検索でのハウツー(How-To)リッチリザルトの表示をグーグルは8月初旬に終了していた。それから1か月後、同様の措置をPC検索にもとった。つまり、PC検索でもハウツーリッチリザルトの表示を終了した。

結果として、グーグル検索においてハウツーリッチリザルトの表示が完全に終了した。技術ドキュメントはすでに削除されている。関連するツールやレポートもまもなく廃止される。

検索結果をシンプルにする取り組みの一環だとグーグルは理由を説明している。

★★★★☆
  • How-toリッチリザルトを実装していたすべてのWeb担当者 必見!
グーグル検索SEO情報②
  • ECサイトに求められるSEO施策×5を品質評価ガイドラインから読み解く
  • グーグル、Search Consoleとマーチャントセンターを連携強化
  • グーグルは多言語での検索をどのように処理しているのか?
  • ネットワークエラーをストーリーで解説
  • グーグルBardが大幅進化、ChatGPTやBingチャットに負けないサービスに
海外SEO情報ブログの掲載記事から
  • BardがGoogle検索で回答の真偽を自己検証
  • Search Consoleでデータをフィルタすると元データよりも多くなるのはブルームフィルタが原因

グーグル検索SEO情報②

ECサイトに求められるSEO施策×5を品質評価ガイドラインから読み解く
メインコンテンツ品質とE-E-A-T達成度が肝 (ボーディ) 国内情報

ECサイトに求められるSEOとは、どんなものか。ボーディの住太陽氏が、グーグルの品質評価ガイドラインに基づいて解説した。

ECサイトのSEOでは、特に次の2つの要素が重要だと住氏は言う。

  • メインコンテンツの品質
  • E-E-A-Tの達成度

これら2要素を踏まえたうえで、ECサイトに特有のSEOとして次の5つの施策を住氏は提案している。

  • ECサイトに特有のSEOの施策
  • 情報の正確性を高める
  • 肯定的な評判を広める
  • ニッチな分野でトップのブランドを目指す
  • オリジナル商品を製造する

このうち1つ目〜3つ目を必須の施策としている。4つ目と5つ目は可能な限り実行したいとのことである。

住氏の解説は、全体にわたってグーグルの品質評価ガイドラインを参照している。つまり、主観的な少数の経験や一般論で話しているのではなく、「グーグルが目指しているもの」を軸に説明しているのだ。しかも、重要だとしている点が品質評価ガイドラインのどの部分にあるのかを赤線でわかりやすく示している。この解説スタイルは理にかなっており、わかりやすい。

解説では、品質評価ガイドラインの該当箇所をわかりやすく示している

具体的なECのSEO施策や、ガイドラインを参照しながらの説明スタイルについては、詳細は元記事で確認してほしい。ECサイト運営者必読の指南書だ。

★★★★★
  • ECサイトを運営するすべてのWeb担当者 必見!

グーグル、Search Consoleとマーチャントセンターを連携強化
関連付け必須 (グーグル 検索セントラル ブログ) 国内情報

Search Consoleマーチャントセンターの連携をグーグルが強化した。具体的には、次の2機能を追加する:

  • 商品がなんらかの問題でショッピング タブに表示されなくなった場合に、販売者に通知する
  • クリック数を増やし、Google における商品のランキングを上げるためのアドバイスを提供する

ECサイト運営者には心強い改良だ。今後数週間のうちに段階的に導入されるとのことである。

なお、新しい強化機能を有効にするには、Search Consoleプロパティをマーチャントセンターアカウントに関連付ける必要がある。詳細はヘルプ記事で確認してほしい。

★★★★☆
  • すべてのECサイトWeb担当者 必見!

グーグルは多言語での検索をどのように処理しているのか?
言語設定やクエリ言語などさまざまな要因を考慮 (グーグル 検索セントラル ブログ) 国内情報

多言語の検索クエリと結果を検索がどのように扱っているかについて、グーグルが検索セントラルブログで説明した。

グーグル検索はさまざまな要素に基づいて、検索結果を表示するのに最適な言語を自動的に決定している。 たとえば次のような要素を考慮する:

  • ユーザーの言語設定
  • 検索クエリの言語
  • ユーザーの場所

また、多言語のユーザーに届けたいコンテンツ作成者やパブリッシャーのためのヒントもグーグルは提供している。 たとえば、異なる言語でコンテンツを作成したり、技術的なガイドラインに従ったりすることだ

さらに、多言語のユーザーに対して、より柔軟性と関連性の高い検索結果を提供できるように、言語マッチングシステムを改善するために行った最近のアップデートやテストについても言及している。

複数言語で検索する人や多言語サイトを運営するウェブ担当者は目をとおしておきたい。

★★★☆☆
  • 多言語サイトを運用する すべてのWeb担当者 必見!

ネットワークエラーをストーリーで解説
わかりやすい? (グーグル 検索セントラル ブログ) 国内情報

ブラウザがウェブサーバーに接続する際に起こりうる4種類のエラーを、例え話になぞらえたストーリー仕立てで説明する記事が登場した。検索セントラルブログが公開した記事だ。

お城の中にある図書館に利用者が訪れるというちょっと不思議な設定で、挿絵もついているが、インターネットの解説だ。

検索の仕組みを解説した漫画はSEO初級者にわかりやすい構成だった。今回のストーリーはどうだろうか?

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

グーグルBardが大幅進化、ChatGPTやBingチャットに負けないサービスに
英語版で先行リリースされていた機能が日本語版にも (Google Japan Blog) 国内情報

グーグルは、AIチャットのBardの日本語バージョンにいくつもの新機能を追加した。今までは英語バージョンだけで提供されていた機能が大半だ:

  • Google レンズを使って質問: 画像をアップロードして、その画像とテキストを組み合わせてやり取りできる

  • 回答を調整: Bard の回答の長さや口調を 5 つのオプションに調整できる

    • 短くする
    • 長くする
    • シンプルにする
    • カジュアルな表現にする
    • 専門的な表現にする
  • Google のアプリとサービスへの接続: GmailやGoogle ドキュメント、Google マップなどの情報を参照できる(自分のアカウント内のみ)

  • 回答の再確認: 「G」アイコンをクリックすると、回答を裏付けるコンテンツがウェブ上に存在するかどうかを確認できる

  • 会話の共有: 共有した会話を続けられる(他のユーザーの会話でも可)

※現時点では英語版だけでの提供

リリース当初のBardは、ChatGPTやBingチャットと比較すると性能が低かったように感じた。しかし、今のBardは最新版の言語モデルと新機能によって、引けを取らないサービスとなっている。うまく活用していきたい。

★★★★☆
  • AIチャット活用がんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ

BardとSearch Consoleに関係する記事をピックアップ。

この記事の筆者

【執筆】

鈴木 謙一(すずき けんいち)

「海外SEO情報ブログ」の運営者。株式会社Faber Companyの取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。

海外SEO情報ブログは、SEOに特化した日本ではもっとも有名なSEO系ブログの1つ。米国発の最新のSEO情報を中心に、コンバージョン率アップやユーザーエクスペリエンス最適化のための施策も取り上げている。

正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうために、ブログでの情報発信に加えて所属先のFaber Companyでは、セミナー講師や講演スピーカーを主たる役割にしている。

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