グーグル検索結果のスパム率は0.5%以下だって!?【SEO記事12本まとめ】

少なくとも「ウェブマスター向けガイドラインに反するようなスパムコンテンツ」に関しては、かなりうまく対処できるようになっているようだ
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グーグルは、ウェブスパムの傾向と対策を紹介した記事で「ユーザーが検索結果からスパムサイトにアクセスする割合が0.5%以下」であることを発表した。

ほかにも、「MFI完了にはまだ数年かかる」「AMPページとサイトマップ」「JSON-LD構造化データ作成ツール」や、「カナダが政府WebサイトのHTTPS&HSTS化を義務づけ」「“ウザい”プッシュ通知を撲滅していこう」などの役立つ情報をまとめてお届けする。

今週のピックアップ

グーグル検索結果のスパム率は0.5%以下だって!?
2017年の取り組み成果をグーグルが報告 (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ) 国内情報

2017年のウェブスパムの傾向と取り組みの状況をグーグルがウェブマスター向け公式ブログで報告した。

注目したいのは、やはり次に示す部分だろう。

Google では、ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反するさまざまなタイプの不正行為をまとめて「スパム」と呼んでいます。独自に分析したところ、ユーザーが検索結果からアクセスしたサイトがスパムサイトだった割合は長年 1% を下回っており、さらにここ数年は 0.5% 以下に抑えることができています。

グーグルは少なくとも「ウェブマスター向けガイドラインに反するようなスパムコンテンツ」に関しては、かなりうまく対処できるようになっているようだ。

とはいえ、「これが本当に検索ユーザーにとって良いコンテンツなのか?」というグーグル検索結果もないとは言えない。ダラダラと長いだけの記事が上位に来ている場合などがそうだ。

しかし残念ながら、その受け取り方は人によって異なるし、何らかの基準があるわけではない。そのため現時点でグーグルはそうしたコンテンツを「ガイドラインに反するスパムコンテンツ」と扱うわけではない。

個人的には、今後はそうした「ユーザー行動としては良いコンテンツであることを示すシグナルが現れるかもしれないが、実際にわかっている人間が見るとそうではない」コンテンツも、どんどん検索結果から減らしていってもらえると、もっと良い検索体験になるのではないかと思う。

また、スパムリンクへの対策もグーグルは引き続き進めており、成果を出しているようだ。

2017 年は、ランキング手法の改善と手動による対策の強化を通じて不自然なリンクの削除に力を注ぎ、スパムリンクを前年比でほぼ半数にまで減らしました

そのほかにも、2017年のウェブマスターや検索に関連するトピックとして、グーグルは次のようなことを挙げている。

2017 年を象徴する傾向の 1 つが、掲載順位の操作やマルウェアの拡散を目的とするウェブサイトへのハッキングの増加でした。

2017 年はこの脅威を軽減することに力を入れ、ハッキングされたサイトの 80% 以上を検知して検索結果から除外できるようになりました。

また、グーグルは自分たちで検索を改善していくだけでなく、世の中のウェブマスターと協力しながら物事を進めるようにもしている。

検索スパムに関するユーザーからの報告は、昨年 1 年間で 9 万件近く寄せられました。

昨年は、ウェブサイトに問題があることが特定されたサイトの所有者宛てに、Search Console を通じて 4,500 万通のメッセージを送信しました。そのうち 600 万通を超えるメッセージが手動による対策に関わるものです。

手を緩めることなくウェブスパムとの戦いを精力的にグーグルは続けているようだ。スパムを完全に防ぐことは不可能に近いとしても限りなくゼロにするために取り組んでおり、成果は確実に出ていると言える。今後の頑張りにも期待したい。

スパムを発見したらグーグルに通報して、我々もスパム撲滅に協力しよう。

また、検索結果に関する感想や疑問などがある場合は、「ウェブマスター オフィスアワー」などのイベントを通じてグーグルに伝えるのが良いだろう。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

グーグル検索SEO情報

MFIの完了までにはまだ数年かかる見込み
準備ができていないサイトがたくさんある (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報

モバイル ファースト インデックス(以下、MFI)をグーグルは3月に開始した。しかし、すべてのサイトがMFIに移行を完了するまでには、まだ数年かかるようだ。

グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように状況を説明している。

MFIの移行には、まだしばらく時間がかかると思う。

多くのサイトをMFIに移行し始めたが、まだやるべきことがたくさん残っている。特に、MFI移行の準備がまだできていないサイトがたくさんある。

そうしたサイトを移行するにはどうしたらいいかという点に関して、長期的な計画をたてたいと考えている。MFIに移行するために必要そうな情報をそうしたサイトにどうやって提供しようかを考えている。

そうしたことが終わるには、おそらくまだ数年かかると予想している。すぐにできることだとは思わない。

筆者たちのようにグーグル検索の変化を頻繁にウォッチしているのは、世の中のウェブサイト管理者のなかではごく一部だろう。グーグルがMFIについて通達したとしても、まったく届かないサイト管理者が大多数なのではないだろうか。

グーグルがMFIに移行しようとしていることをどうやってウェブマスターたちに知ってもらうか、またそれでもMFIに対応していないサイトに悪影響が及ばないようにするにはどうしたらいいか、こうしたことをグーグルは模索しているようだ。

グーグルは、「気づかないサイトが悪い」と強引に進めようと思えばできないわけではない。しかし、忙しい・よくわからない・優先度が高い他の件があるといった理由でMFI対応を進められていないサイトもある。

そうしたサイトも尊重し、こうしてしっかりとウェブマスターたちとの関係を保ちながら進めるグーグルの姿勢には好感をもてる。検索エンジンはそうしたウェブサイトあっての存在なのだから。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

AMPページのURLはサイトマップ送信不要
例外はカノニカルAMP (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報

サイトをAMP対応していても、サイトマップにAMPページのURLを記載する必要はない

通常のページ(AMPではないページ)に、AMPページのURLを指定するための rel="amphtml" リンク要素が記述されているはずだ。グーグルはこれによって対応するAMPページを発見する。

ただし、例外はある。通常のHTMLページは一切用意せずに、AMPバージョンのページだけでサイトを公開している場合だ(「Canonical(カノニカル)AMP」と呼ぶ)。AMPページだけなのだから、AMPのURLをサイトマップで送信する。

★★★☆☆
  • AMPがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

ページをインデックスさせずに、画像だけをインデックスさせることは可能なのか?
不可能、ページのインデックスが必須 (Gary "鯨理" Illyes on Twitter) 海外情報

画像が設置されているページは検索結果に表示させたくないが、画像だけは検索結果に表示させたい。

こういったことは可能なのだろうか?――どうやら無理なようだ。

グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏によれば、画像検索に表示させるには、その画像が設置されているウェブページをインデックスして検索結果で表示する必要があるとのこと。したがって、「ページをインデックスさせることなく、画像のみをインデックスさせる」ことはできない

クロールをrobots.txtでブロックしたりnoindexを設置したりして、ページのインデックスを防ぐと、そのページに設置してある画像も検索結果に出なくなるのだと思われる。

「ページをインデックスさせずに画像だけをインデックスさせたい」のがどういう状況なのか筆者は想像できないのだが、いずれにせよ画像を検索結果に出すには、ページもインデックさせなければならない。

★★★☆☆
  • ホントにSEOを極めたい人だけ

これは便利! JSON-LDの構造化データをサクッと作成してくれるツール
これであなたも構造化データマスター (TechnicalSEO.com) 海外情報

JSON-LDでマークアップしたschema.orgの構造化データを簡単に作成するツールが公開された。

対応している構造化データのタイプは次のとおりだ。

  • Website(ウェブサイト)
  • Breadcrumbs(パンくずリスト)
  • Person(人物)
  • Organization(組織)
  • LocalBusiness(ローカルビジネス)
  • Article(記事)
  • Product(製品)
  • Event(イベント)
  • Recipe(レシピ)
  • JobPosting(求人)

使い方は簡単だ。タイプを選び、設定するプロパティの値をボックスに入力する。自動的に、JSON-LD(とmicrodata)で記述した構造化データが作成される。

必須のプロパティはすべて設定できるようだ。さらに多くのプロパティが必要であれば、自分で追加するといいだろう。

覚えてしまえばJSON-LDはなんてことないが、難しいと感じたりゼロから作る手間を省きたい時には便利なツールになりそうだ。

改善点や要望があれば開発者にフィードバックするといい。快く対応してくれるだろう。

★★★★☆
  • 構造化データがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
Web担当者に役立つ最新情報
  • カナダが政府WebサイトのHTTPS&HSTS化を義務づけ
  • “ウザい”プッシュ通知を撲滅していこう
  • 6月のオフィスアワー: 再審査リクエストのコツ、短くなったスニペット、meta descriptionは不要か? ほか
  • PWA最新情報ツイートまとめ
  • 「グーグルアドワーズ」が「グーグル広告」にブランド変更
海外SEO情報ブログの掲載記事から
  • 新Search Consoleに「URL検査ツール」が追加、Googleのインデックス状況を詳細にレポート
  • Google、求人検索ためのIndexing APIを公開。即時性が高いクロール・インデックスを可能に

Web担当者に役立つ最新情報

カナダが政府WebサイトのHTTPS&HSTS化を義務づけ
日本政府にも見習ってほしい (Government of Canada) 海外情報

カナダは、政府系サイトの公開Webコンテンツをすべて、「セキュアな」通信を通じて提供するよう義務付ける指示を、2018年6月27日に発表した。

具体的には、通信はすべてHTTPSにして素のHTTPを禁止し、さらにHSTSにすることを指示している。

また、HTTPSでも脆弱性があるTLS 1.0/1.1やSSL系を禁止し、TLS 1.2以上を利用することや、RC4や3DESといった弱い暗号化も無効にするといったことも指示している。

新たに作るサイトはすべてこれに従うこととし、既存のサイトでも個人情報などを扱う場合は「可能な限り早く」対応、そうでないサイトも2019年9月中の対応を指定している。

国レベルでセキュリティとプライバシーを保護する姿勢はすばらしい(正確には「Policy on Management of Information Technology」の対象となる部門の全サイトだが)。

一方日本はどうだろう? 筆者が調べた限りではサイト全体を完全HTTPS化している省庁は、財務省外務省厚生労働省などごく一部だった(しかもHSTSではなくHTTPSへの301リダイレクトのみ)。

多くの省庁の公式サイトはChromeブラウザでアクセスすると、今月中に、「保護されていない通信」のラベルがアドレスバーに表示されるようになってしまうだろう。

国のことはさておき、あなたのサイトのHTTPS対応はすでに完了しているだろうか?

★★★☆☆
  • HTTPS対応していないWeb担当者 必見!

“ウザい”プッシュ通知を撲滅していこう
良いプッシュ通知と悪いプッシュ通知の違い (sadakoa) 国内情報

「プッシュ通知」の適切な出し方と不適切な出し方を解説した記事を紹介する。元記事で解説しているのはアプリのプッシュ通知の話だが、ウェブサイトのプッシュ通知にも共通する部分があるので取り上げる。

まず、ユーザーに嫌われる不適切なプッシュ通知は次のようなものだという。

  • ダウンロード・起動直後にプッシュ通知の許可を求める――ウェブサイトであれば、アクセスした瞬間にプッシュ通知を受け取るかどうかを尋ねてくるパターンに相当する

  • どんなプッシュ通知が送られてくるかわからない

  • プッシュ通知の情報の質が低い、プッシュ通知が送られてくる頻度が多すぎる

対して、ユーザーが安心して利用できる適切なプッシュ通知は次のようなものだという。

  • 送られてくる内容が直感的にわかる

  • 適切な場面で許可を求めてくる

  • 通知の内容を選択できる

アプリであろうがウェブサイトであろうが、プッシュ通知の大原則は、次のとおりだ。

  • 適切なタイミングで
  • 通知することがふさわしいユーザーに
  • 役立つ情報を届ける

プッシュ通知は、上手に使えばサービスの向上につながるしユーザーにも喜ばれる。

だれでもかれでもに受信を押し付け、無分別に自己満足の情報を送りつけるのが、プッシュ通知ではない。“ウザい”プッシュ通知が蔓延すると、プッシュ通知そのものが嫌悪されてしまう

特にWebサイトにおけるプッシュ通知に関しては、ダメなパターンが非常に多いようにみられる。各自、それが本当にユーザーにとって良いのかを考えながらうまく進めてほしい。

★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!
  • アプリ開発者にも伝えましょう

6月のオフィスアワー: 再審査リクエストのコツ、短くなったスニペット、meta descriptionは不要か? ほか
質問多すぎて時間切れ (ウェブマスター オフィスアワー) 国内情報

6月のオフィスアワーが開催された。質問に答えてくれたグーグル社員は、いつもの金谷氏とあんな氏だ。

今回取り上げられた主だった質問は次のとおり。たくさんの質問に2人がどのように回答したのかチェックしてみてほしい。

  • 有料リンクの報告方法
  • 再審査リクエストのコツ
  • レシピの構造化データ
  • 無駄に長いコンテンツが上位に来る
  • ディスクリプションの文字数が短くなった
  • meta descriptionは不要か?
  • JavaScriptで書かれたrel="canonical"
  • AMPページへの流入が減少
  • canonical AMPのためにCSSサイズを増やしてほしい
  • コンテンツ省略したAMPページからスマホページへの誘導
  • amp-formでGETを使った事例
  • Fetch as Googleでレンダリングが不完全
  • 一部のキーワードで順位が不安定
  • MFIの通知が英語
  • 大阪弁の使用で低品質と認識されるか
  • インデックスカバレッジの「クロール済み・インデックス未登録」
★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!

PWA最新情報ツイートまとめ
グーグル社員の講演をグーグル社員がツイート (ツイッター モーメント) 国内情報

グーグル日本がモバイルビジネスに関わる最新のテクノロジーを紹介するためのイベントを6月28日~29日に開催した。5月8日~10日に米マウンテンビューで開催されたGoogle I/O 2018 の発表内容をベースにしている。

グーグルの北村氏によるPWAセッションの注目ポイントを、同社の宇都宮氏がツイートしていた。モーメントにまとめたので参考にしてほしい。

★★★★☆
  • PWAを極めたい人
  • 技術がわかる人に伝えましょう

「グーグルアドワーズ」が「グーグル広告」にブランド変更
さらに効果的な広告配信が可能になることを期待 (グーグル広告主コミュニティ) 国内情報

グーグルは、広告プロダクトとして提供していた「グーグル アドワーズ(Google AdWords)」を「グーグル広告(Google Ads)」としてブランド名変更することを発表した。

18年近く前に始まったアドワーズ広告は、検索連動広告として検索結果(だけ)に掲載される広告だった。しかし長い年月を経て、グーグルが配信する広告は、YouTubeやグーグルマップ、Google Playなどにも拡大している。スマートフォンに代表されるようにユーザーが利用する端末も変化してきた。

こうした背景があって、今回のブランド変更になったようだ。変わるのはもちろん名前だけではない。よりいっそう効果的な広告を配信するための改良も計画されている。

グーグル広告のほかにも、広告主向けやメディア向けのソリューションも、次の2つのブランドに統合される。

  • Google マーケティング プラットフォーム
  • Google アド マネージャー

このコラムを読んでくれているウェブ担当者のなかには、SEOだけではなくグーグル経由で配信する広告運用に携わっている人も多くいるはずだ。生まれ変わったグーグル広告で、集客をさらに増やせることを期待しよう。

なお、安田編集長がもう少し詳しいことを編集長ブログに記している。こちらも参照してほしい。

★★☆☆☆
  • 広告運用者に伝えましょう

海外SEO情報ブログの
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Search Consoleの新ツールと求人検索用の新技術を紹介する記事を今週はピックアップ。

この記事の筆者

鈴木 謙一(すずき けんいち)

「海外SEO情報ブログ」の運営者。株式会社Faber Companyの取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。

海外SEO情報ブログは、SEOに特化した日本ではもっとも有名なSEO系ブログの1つ。米国発の最新のSEO情報を中心に、コンバージョン率アップやユーザーエクスペリエンス最適化のための施策も取り上げている。

正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうために、ブログでの情報発信に加えて所属先のFaber Companyでは、セミナー講師や講演スピーカーを主たる役割にしている。

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