クリック率25%↑ 再訪問23%↑ 新規ユーザー増加などAMPの成果事例 などSEO記事まとめ10+3本

ワイアード、ギズモード、ワシントンポストなどなど、実際にAMPを導入したメディアの事例をまとめて紹介
よろしければこちらもご覧ください

「検索結果からのクリック率」「新規ユーザー獲得」「再訪問促進」「広告クリック率」「滞在時間増加」――AMP導入で実際に成果が出たというサイトの事例をまとめて紹介する。
ほかにも、AMPページでのアクセス解析をするamp-analytics、Googleオプティマイズの無償版と有償版の違い、noindexタグやcanonicalタグ記述の注意点などなど、SEOに役立つ情報をまとめてお届けする。
ちなみに、今週から、各記事に「どんな人向けか」の情報を追加し、少しフォーマットを変えた。情報の取捨選択に役立ててほしい。


クリック率25%↑ 再訪問23%↑ 新規ユーザー増加などAMPの成果まとめ
発足から1年、成功事例が続々登場 (Accelerated Mobile Pages Project)

「検索結果からのクリック率」「新規ユーザー獲得」「再訪問促進」「広告クリック率」「滞在時間増加」など、AMP導入でどんな成果を得たのか、5つの最新の成功事例を紹介する。

AMPプロジェクトが発足してからの1年間の成果を報告している、公式ブログの記事に掲載されている内容だ。

それぞれのサイトがAMP導入で得た成果を簡単にまとめると、次のようになっている。

ワシントンポスト

ご存じ新聞社のニュースサイトであるワシントンポストは、55%のトラフィックがモバイルから。AMPの導入で、次のような成果を上げている。

  • モバイル検索で7日以内に再訪問するユーザーが、これまでと比べて23%増加
  • 読み込み時間は平均で0.4秒。通常のWebページ表示に比べて88%の改善

ギズモード

Gizmodo(ギズモード)は、テクノロジーやサイエンス、ビジネス、エンターテイメントなどのコンテンツを発行する大手メディアサイトだ。

2016年5月にAMP対応を開始し、すでにすべての記事をAMP化している。AMPでのA/Bテストも早くから開始し、AMPでナビゲーションメニュー・ソーシャル共有ボタン・メールマガジン購読などの機能も実現しているギズモードでは、次のような成果があったという。

  • 毎日10万訪問を、2万4000のAMPページに得ている
  • AMPページは通常ページよりも3倍高速に表示
  • AMPページに訪問するユーザーの80%は新規ユーザー、対してモバイルページは50%以下(つまり、AMPは新規ユーザーの獲得に貢献しているということ)

Wired

Wired(ワイアード)は、最大手のニュースサイトの1つだ。20年以上前からの記事を10万記事AMP対応し、次のような成果を上げている。

  • 検索結果からのクリック率が25%上昇
  • トップニュースのAMPカルーセルで記事を閲覧するユーザーの広告のクリック率は63%上昇

plista

plista(プリスタ)は、ネイティブ広告配信のプラットフォームだ。パブリッシャーが発行する記事に広告を掲載する。

次のような成果を上げている。

  • 広告のクリック率が平均で220%改善、あるパブリッシャーでは600%の改善
  • CPMが平均で133%増加し、収益が5倍になったパブリッシャーも

Slate

Slate(スレート)は、政治や文化、テクノロジー、などのニュースを配信するメディアサイトだ。

次のような成果を上げている。

  • グーグル検索からの毎月のユニークユーザーが44%増加
  • 1か月のユニークユーザーあたりの訪問回数が73%増加
  • 年間で8万5,000ドル(約890万円)の開発リソースを削減

Relay Media

Relay Media(リレイ・メディア)は、既存のページをAMPに変換するサービスを提供している。

次のような成果を上げている。

  • 直近の30日間で250万ページをAMPに変換
  • リレイ・メディアが変換したAMP記事の表示時間は700ミリ秒以下(対応するモバイルページは8~12秒)
  • リレイ・メディアを利用するMiami Herald(マイアミ・ヘラルド)は、セッションあたりの滞在時間が10%増加
  • 同じくリレイ・メディアを利用するDaily Dot(デイリー・ドット)では、AMPページに訪問するユーザーの90%は新規ユーザー

大手サイトばかりだが、1年後は、小規模サイトや個人ブログの成功事例もたくさん出てくることを期待したい。

★★★★☆
  • メディア系サイトの担当者、またはAMP検討中の人

日本語で読めるSEO/SEM情報

「ECはウェブよりもアプリを作るべき」にグーグル社員が反論
インストールしてもらわなきゃ話が始まらないのってどうなのよ? (Eiji Kitamura on ツイッター)

グーグルのDeveloper Advocate(デベロッパー・アドボケイト)である北村英志氏の、ECとアプリに関するツイートを紹介する。

アプリの重視する場合の最大の難関は「どうやってインストールしてもらうか?」だろう。

アマゾンや楽天市場のようなメジャー級のECサイトであれば、訪問時のインストールバナーや広告、口コミなどやりようはいくらでもある。しかし、中小のECサイトではなかなか難しそうだ。

いったんインストールしてもらえれば、App Indexingを実装すれば検索からの再訪問は促せるかもしれない。それでも、やっぱりインストールしてもらわなければ話は始まらない。

アプリが悪いとは言わないが、自社の顧客がどんな人で、自社と顧客の関係がどういうものか、そして顧客はどんな情報接触行動をしているのかを、よく考えるのは大切だ。

ウェブよりも使い勝手が良いアプリの体験をユーザーに提供したいのであれば、プログレッシブ ウェブ アプリ(PWA)への対応を検討するのもいいのではないだろうか。PWAはあくまでもウェブページなので、検索を通じて新規ユーザーのトラフィックを獲得できる。

★★★★☆
  • 参考情報

AMPページでアクセス解析ツールを設定する方法
使い慣れたGAを利用可能 (Google Developers Japan)

AMPページでのアクセス解析の設定方法について、開発者向けのグーグル公式ブログが説明した。「#AMPlify(アンプリファイ)」キャンペーンの一環だ。

解析ツールをAMPページにインストールするには、2つの方法がある。

  • amp-pixel
  • amp-analytics

一般的には、amp-analytics を使うほうがいいだろう。GoogleアナリティクスやAdobe Analyticsなどの有名なアクセス解析ツールがamp-analyticsをサポートしている。

AMPページといえど、高度で特殊なものでないかぎりは、通常のウェブページで計測できることはAMPページでも計測できる。詳しい設定方法は、元記事と(元記事で紹介されている)ドキュメントを参照してほしい。

★★★★☆
  • 技術がわかる人に伝えましょう

Google オプティマイズとGoogle データスタジオの有償版と無償版の違い
まずは無償版でお試しか? (アユダンテのコラム)

グーグルは、次の2製品を無償で提供することを発表している(Web担でもニュースになっていた)。

  • Google オプティマイズ(ベータ) ―― ウェブとモバイル向けの、A/Bテストとパーソナライズのツール
  • Google データスタジオ(ベータ) ―― レポーティングとビジュアライゼーションのツール

それぞれ、有償版の「Google オプティマイズ 360」と「Google データスタジオ 360」の機能限定版だ。

ここで紹介する記事では、この無償版と有償版の違いを説明している。

無償版である「Googleオプティマイズ」には、たとえば次のような制限があるそうだ。

  • 多変量テストが存在しない
  • Googleアナリティクスのユーザーセグメントを使ったターゲティングができない
  • A/Bテストの数に制限がある
  • ヘルプとフォーラムのみのサポート

とはいえ、Googleアナリティクスのウェブテストでは、コードを自分で書かないかぎりは別URLでのテストしかできなかったのが、同一URLでページ内要素を変更してA/Bテストできるのは大きなメリットだ。

同じく無償版の「Googleデータスタジオ」には、たとえば次のような制限があるそうだ。

  • 作成できるレポートは5つまで
  • ヘルプとフォーラムのみのサポート

有償版でないとやりたいことができないとはっきりしているのでなければ、まずは無償版から使い始めるのがいいのではないだろうか。

★★★☆☆
  • A/Bテストはすべての人が試すべき!

グーグルのフロントエンド関連情報サイトがリニューアル
レスポンシブ、AMP、PWA、HTTPS、パフォーマンス改善などの情報がぎっしり (Eiji Kitamura on ツイッター)

グーグルのフロントエンド関連の情報サイトがリニューアルしたそうだ。

レスポンシブウェブデザインやAMP、PWA、HTTPS、パフォーマンス改善などのリソースがここにまとまっている。

ごく一部だが、日本語化されている。徐々に増えていくのではないだろうか。

サイトでのユーザー体験向上のために、英語であっても読み尽くしたいところだ。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用

海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ

ペンギンアルゴリズム更新の追加情報と、SMX Eastカンファレンスのレポート記事を、今週はピックアップ。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
  • indexタグとnoindexタグを同時に記述したらどうなる?
  • 海外サイトからのリンクはすべてスパムリンク?……のはずがない
  • rel="canonical"のURL指定に相対パスを使うことは可能か?
  • 再審査リクエストはペンギン対策に効果があるってホントのこと?
  • 「クロールの統計情報」レポートで知っておくと良さそうなこと
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
  • Googleは“ハンズフリーの検索”における勝利を狙っている。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

indexタグとnoindexタグを同時に記述したらどうなる?
制限が厳しいnoindexが優先する (Gary Illyes on Twitter)

グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏が、再確認と称して次のようなツイートを投稿した。

(robots metaタグの)noindexと index の両方を同じページに記述していたとしたら、noindex が優先される。クローラを制御する命令において、優先されるのは常に制限が厳しいほうだ。

具体的には、次のような記述をしていた場合のことだ。

<meta name="robots" content="index" />
<meta name="robots" content="noindex" />

この場合は、noindexが優先される。したがってこのページは検索結果には表示されない。

では、次のタグを同時に書いたらどうなるだろうか?

<meta name="robots" content="follow" />
<meta name="robots" content="nofollow" />

このページに設置されているリンクを検索エンジンのクローラはたどらない。なぜなら、「リンクをたどるな」という命令であるnofollowのほうが厳しい制限だからだ。

こうした相反する記述をすることは、普通はないはずだ。しかし、noindexやnofollowが記述されているテスト用のページやテンプレートをそのままコピーして、本番環境でindexやfollowをあとから追加するミスは考えられそうだ。

なお、indexもfollowも通常は不要だ。検索結果表示やリンクをたどるのは標準で許可されていると検索エンジンはみなす。あえて書く必要はない。

★★★★★
  • すべてのWeb担当者が知っておくといい(念のために)

海外サイトからのリンクはすべてスパムリンク?……のはずがない
国や言語が違っても関係ない (John Mueller on Twitter)

グーグルのジョン・ミューラー氏に、ツイッターのフォロワーが次のように質問した。

関連性があって権威があっても外国のサイトからのリンクだとしたら、グーグルはスパムリンクだとみなしますか?

ミューラー氏は次のように答えた。

いいや、リンクの質というものは、どこの国だとかどの言語だとかには関係ない

フォロワーは続けて質問した。

ということは、スペイン語のサイトからのリンクであっても、ノルウェーのサイトの上位表示に役立つことがあるということですか?

ミューラー氏はこう返した。

もちろんだ。そうじゃない理由があるかい? (その言語を知らないので)読めないサイトからのリンクだといって心配する人たちがときどきいるが、そういうのは必ずしも悪いしるしではない。

外国のサイト、たとえば中国やロシアのサイトからのリンクは、たしかにスパムが多い。しかしだからといって、すべての海外サイトからのリンクがスパムということではない。

現にこのコラムは英語圏のサイトに必ずリンクを張っている。ときにはドイツ語やフランス語のサイトにリンクすることだってある。そのリンクが、リンク先のサイトにダメージを与えているはずがない。

きちんとしたサイトからのリンクであれば、国や言語が異なっていてもグーグルは相応に評価してくれる。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用

rel="canonical"のURL指定に相対パスを使うことは可能か?
可能だが、完全なURLのほうがわかりやすい (John Mueller on Twitter)

rel="canonical"やhreflangで指定するURLに相対パスを使うことはできますか?

グーグルのジョン・ミューラー氏にツイッターでフォロワーがこのように質問した。

ミューラー氏は次のように答えた。

実際のURLに対してきちんとした相対パスになっているなら、もちろんかまわない。

だが個人的には、完全なURLのほうがいいと思う。そのほうが、どのURLを指しているかがはっきりとわかる。

下のどちらでも、rel="canonical"は機能する。

<link rel="canonical" href="hoge.html" />
<link rel="canonical" href="https://example.com/hoge.html" />

しかし、正規化するURLが何なのか、人が見ても一目瞭然なのは、2つ目のほうだ。現在のURLを把握したうえで考えなければいけない相対パスとは異なり、勘違いする危険はまずないだろう。

なお、http://http:// は絶対に省略してはいけない。

<link rel="canonical" href="example.com/hoge.html" />

もしこのように記述してしまったとしたら、相対パスだと認識される。現在のURLが https://example.com/moge.html なら、正規化先が https://example.com/example.com/hoge.html として認識されてしまうだろう。そんなページは実際には存在しないので、グーグルに無視されるかもしれない。

プロトコル相対URLとして、//example.com/hoge.html を使用することは可能だが、HTTPとHTTPSの両方でアクセスできる環境では統一されないので、ほとんどの場合は避けるべきだろう。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用

再審査リクエストはペンギン対策に効果があるってホントのこと?
関係なし (Gary Illyes on Twitter)

ペンギンアルゴリズムが先日2年ぶりに更新されたばかりだが、もしペンギンで悪影響を受けたとしたら、再審査リクエストで回復できるのだろうか?

答はノーだ。

再審査リクエストは手動対策の解除のためのものだ。普通に考えるなら、ペンギンのように自動で判定されるアルゴリズムには影響しない。

だが、Mozのランド・フィッシュキン氏は、ペンギンからの回復に再審査リクエストは効果があるとかたくなに信じているようだ。間違っていると指摘されても、譲る姿勢を断固として見せていない

実際のところどうなのかを尋ねられたグーグルのゲイリー・イリェーシュ氏はこう答えた。

絶対にそんなことはないね。以前もそんなことはなかったし、今もそんなことはない。

ペンギン対応に再審査リクエストはまったく関係しないとイリェーシュ氏は断言している。

やはりフィッシュキン氏の思い込みのようだ。

不自然なリンクの手動の対策を取り下げてもらうには、問題視されているリンクを徹底的に削除する必要がある。削除不可能なリンクは否認することもあるだろう。

こうした対策が、結果として、同じように不正なリンクを問題視するアルゴリズムであるペンギンに対してもプラスに作用したと考えるのが自然ではないだろうか。

そもそも、ペンギンアルゴリズムの悪影響を受けていることが明らかだったとしても、再審査リクエストをいつも送ることができるわけではない。再審査リクエストは手動対策が適用されていないと利用できないからだ。つまり、「ペンギン+手動対策」のダブルパンチの状況に陥っていないといけない(言うまでもなく、これは最悪の状況だ)。

★★★★☆
  • ふつうの人は気にしなくていい

「クロールの統計情報」レポートで知っておくと良さそうなこと
HTMLだけじゃなく、CSSやJS、画像も含まれる (John Mueller on Twitter)

Search Consoleの「クロールの統計情報」に関するいくつかの質問に対して、グーグルのジョン・ミューラー氏がツイッターで答えていた。

回答を簡潔にまとめる。

  • 統計情報には、グーグルがダウンロードするすべてのコンテンツ タイプ(CSS、JavaScript、Flash、PDFファイル、画像など)が含まれる(ヘルプ記事に説明あり)

  • ウェブ検索用のクローラであるGooglebot、画像検索用のクローラであるGooglebot-ImageなどすべてタイプのGooglebotが対象

  • 400番台や500番台、到達できないなどのエラーを返したURLへのクロールは含まれない

クロールの統計情報のデータを利用しているなら、知っておくと良さそうだ。

★★★☆☆
  • ホントにSEOを極めたい人だけ

SEO Japanの
掲載記事からピックアップ

久々の更新あり!

この記事の筆者

鈴木 謙一(すずき けんいち)

「海外SEO情報ブログ」の運営者。株式会社Faber Companyの取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。

海外SEO情報ブログは、SEOに特化した日本ではもっとも有名なSEO系ブログの1つ。米国発の最新のSEO情報を中心に、コンバージョン率アップやユーザーエクスペリエンス最適化のための施策も取り上げている。

正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうために、ブログでの情報発信に加えて所属先のFaber Companyでは、セミナー講師や講演スピーカーを主たる役割にしている。

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