マット・カッツに学ぶ“順位を下げないドメイン移転の正しい手順” など10+2記事(海外&国内SEO情報)
※お知らせ: 来週(10月14日)は、筆者所用のため「海外&国内SEO情報ウォッチ」の記事更新をお休みとさせていただきます。
グーグルのマット・カッツから学ぶ、
ランキングを維持したままドメイン名を変える正しい手順
ドメイン移転の定石として覚えておく (Google Webmaster Central Channel on YouTube)
グーグルのマット・カッツ氏が、ドメイン名の移転をトラブルなく成功させる手順をビデオで説明した。
登録したがサイトとしてはまだ利用していないドメイン名を、ドメインパーキングの管理会社に預かってもらうなどして、広告を表示するページを出している状態、または単に利用せずに放置している状態のドメイン名のこと。
まず移転先のドメインをパークドメインのままにしておかない。小さな、たとえ1ページだけのサイトであっても、新しいサイトであることを数行のメッセージでいいから伝えておき、何か独自のサイトであることを示しておく。CSSやJavaScriptも使わずシンプルでいい。
グーグルはパークドメインと利用中のドメイン名を区別しており、通常はパーキング状態から利用開始したことを検出しようとしているのだが、早めにパーキング状態を解除しておけば、それだけ適切に対応できるからだ。
まず、プールの深いところにいきなり飛び込むようなことはしない。つまり、いきなり全サイトを移行しようとしてはいけない。まずテストしながら少しずつ進める。新しいサイトにコンテンツを移動したことを確認して、サブディレクトリまたはサブディレクトリのように一部分から始める。
一部のコンテンツを新ドメイン名に移行したら、元サイトへのアクセスを新サイトにリダイレクトする。通常は301リダイレクトを使うことになるが、再び元に戻す可能性があるときは302リダイレクトを使うといいだろう。
新しいサイトに一部分だけを移したら、しばらく様子を見て、順位が変わってしまっていないかチェックする。移行したことで検索結果からサイトが消えてしまったら、移行を中断して調査しなければならない。たとえば、移行先が中古ドメイン名だったら、前の所有者がスパム行為を働いている可能性があり、その場合は再審査リクエストを出さなければいけない。サイトの一部分でテストすることなしに全体を移動してはいけない。
複数のサイトを新しいドメイン名に移行して1つのサイトにまとめるのは、よくあることであり問題ない。ただしその場合は、いちばんトラフィックの少ないドメイン名から始めるといい。3つのドメイン名を統合するとしたら、もっともトラフィックの少ないドメイン名を301リダイレクトして、移行に関係することがすべてうまくいっているかを確認する。そうすればいちばんトラフィックのあるサイトを危険にさらすことなく上手に進められる。その後、次にトラフィックの多いサイト、その次にトラフィックの多いサイトの順で301リダイレクトして移転していく。
ちょっとしたノウハウとしては、移行前のサイトと移行後のサイトすべてを、Googleウェブマスターツールにあなたの管理サイトとして登録しておくといい。そうすると、クロールの状態などを知ることができる。
前のドメイン名のサイトにリンクが張られているはずだ。可能ならば、リンク元サイトの管理者に「新しいドメイン名に移動したからリンク先を変更してほしい」と連絡したいところだが、すべてのリンク元サイトに対してそうする必要はない。ものすごく重要なサイトにだけリンク先を変更するように頼むのがいい(大手のニュースサイトやWikipediaなど)。
適切に301リダイレクトしてあれば、検索エンジンはすべてのURL変更をたどることができる。しかし、重要なリンクに関しては、直接新しいURLにリンクする形にしておく価値がある。PageRankがそのまま流れるし、仮に新しい検索エンジンが出てきたとしても戸惑わせることがない。
新しいドメイン名への移転と同時にサイトのデザイン変更をすることもあるだろうが、それはやめておくほうがいい。テンプレートやUIの変更は、ドメイン名の移行とは切り分けて実行するべきだ。
ある場所からある場所へ移転するのと同時にサイト全体を完全に改装すると、もし順位が下がるなどまずいことが発生したときに、ドメイン名の移転が原因なのかサイトの改変が原因なのか判断するのが困難になってしまうからだ。サイトに対して何か変更を加える場合は、なるべく細かく分割して、少しずつ実行して予想どおりうまくいっているか確かめながら進めるといい。
もし可能なら十分な時間をかけてやるといい。僕がmattcutts.comをdullest.comに移動して元に戻したときは、90日から180日、長い時間をかけた。
ゆっくりと慎重に丁寧にやれば必ず上手にできる。たくさんの人が成功した報告を受けている。
今説明したステップに従ってサイト移転を実行すれば確実にうまくできるだろうし、問題が起こっても何が原因か突き止められるだろう。
日本語で読めるSEO/SEM情報
ヤフーの検索結果にGoogleプレイスの情報が?
アルゴリズム変更通知のWeather Reportが懐かしい (Yahoo!検索)
ヤフーのYahoo!検索の検索結果は、基本的にグーグルのものと同じだ。グーグルの検索システムを利用しているからなのだが、例外がいくつかある。その1つにグーグルのプレイス検索が挙げられる。グーグルで地域に関連するキーワードを含めて検索すると、ウェブ検索の結果にGoogleプレイスの情報が差し込まれることがある。
グーグルのプレイス検索はヤフーの検索結果ではこれまで表示されていなかったのだが、この記事を書いている時点で表示されるようになっている。
ただしプレイスページ情報までは表示されていない。ただ通常のウェブページに分類されないためだろう、プレイス検索が挿入されたときは、標準設定のままでも検索結果が10件以上出てくる。
この変化についてサクラサクの林氏は次のようにコメントしている。
Y!のSERPsが地域に依存するワードの場合、Gと同じく10件以上になってますね。ただし、MAPは無し。
結論として、Gのプレイス結果がY!に反映されているため、Y!のSERPsが荒れてるっぽいですね。そうなると、Gでプレイスに差し込まれているサイトがY!で上位表示される事に。
地域キーワードのヤフーの検索順位に一波乱あるかもしれない。ただし林氏は次のようにも付け加えている。
G自体も結構動いてる事、テストの可能性も否めない事。以上2点から、現段階では数日間、経過観測する必要がありそうです。
この記事が公開されるころにはもっとはっきりしたことが明らかになっているかもしれない。
ヤフーのリアルタイム検索の対象期間が伸びた
7日間と言わずに1年間くらいに (Yahoo!検索 スタッフブログ)
ヤフーは、6月にリリースしたリアルタイム検索におけるツイートの検索対象期間を、これまでの直近24時間から直近7日間へ延長したことをアナウンスした。
「2日~7日前のツイートに関しては、重要度と新しさを基準として段階的に検索対象を増加させ」ているとのことだ。
期間については引き続き延長を目指す予定だそうで、1年くらいはさかのぼって検索できるようさらなる拡張に期待したい。
そのSEO情報はあなたにとって必要ですか?
取捨選択の能力を高める (パシのSEOブログ)
数年前と比べて今はSEOの情報が無料でたくさん手に入る。氾濫しているともいえる状況でもある。しかし、そうしたSEO関連情報があなたにとって有益かどうかは、質の善し悪しもさることながら、ビジネスの種類やサイトの規模、SEOを施策する人の立場によって変わってくることを、パシのSEOブログの竹内氏が指摘している。
この記事に対して渡辺隆広氏が、キュレータを務めるワントピで次のようなコメントを述べた。
この記事は全くその通りで、ビジネスやサイトの規模、立場云々で、最適なSEOは異なるので自分の今の状況にあったものを選択する必要ある
たとえば同じ通販系でも楽天さんとY!ショッピングさんのSEOの戦略が異なる(異なるべき)は当然のことなのです
自分にとってふさわしいSEO情報を選択する目利きができるようになろう。
オリジナルコンテンツのないページはNG
価値がないしペナルティの原因にもなる (SEMリサーチ)
グーグルのウェブスパムチームの長マット・カッツ氏が、「検索に該当するコンテンツがない」サイト内検索結果をランディングページにしたり、他のサイトやデータベースから情報を引っ張ってきただけのページを作ったりすることに対する警鐘を鳴らしている。こうしたコンテンツは検索ユーザーに価値を与えないと、Hacker NewsというIT系の掲示板でコメントしたのだ。
渡辺隆広氏がSEMリサーチでカッツ氏の発言の要点をわかりやすく解説している。データベースやRSSなどでページを大量に自動生成しているようなサイトを運用しているとしたら、渡辺氏の解説をよく読んでおくといい。そういったコンテンツは検索結果から削除されることが今後はおおいにあり得るはずだからだ。
ウェブ担当者は災害時のサイトでの対応準備を
備えあれば憂いなし (Googleウェブマスター向け公式ブログ)
大規模な自然災害が発生したときなどの緊急時には、情報を求めるユーザーが突発的にサイトに集中してアクセスしてくることが考えられる。そういった事態でサイトがダウンしてしまうことを防ぐための対策を、グーグルのウェブマスター向け公式ブログが紹介してくれた。
緊急時の集中アクセスに対してウェブ担当者ができることとして、次の4項目を挙げて説明している。
- 軽量化したサイトを別途用意する
- なるべく軽いファイル形式で提供する
- 表や数値データは CSV や XML などの形式でも用意する
- サードパーティのサービスを活用する
災害は起きないに越したことはないが、そうでなくても突発的なアクセス集中が起きる要因はいろいろとある。そういったときにもユーザーに情報を提供し続ける必要があるサイトのウェブ担当者なら、参考にして非常時に備えておきたい。
・wwwありとwwwなしの正規化は必ず設定すること
・スマホもPCも同じURLでそれぞれ適切に表示させる「Media Queries」
・グーグルの検索結果に、Google+のサークルに追加したユーザーの人数表示
・Webサーバーの物理的な場所はその国でのランキングに影響するのか
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
・SEOの最先端はここで学べ! – SMX East 2011の総まとめ
・Googleのトップ二人が語り尽くしたGoogleの現状と未来
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
wwwありとwwwなしの正規化は必ず設定すること
意識してないウェブ担当者が多すぎる (Google Webmaster Central Help Forum)
wwwなしのドメイン名でのサイトをwwwありに正規化せずにパークドメインとして公開しておくことは、ユーザーエクスペリエンスを低下させるうえに検索エンジンを混乱させる原因になる。
wwwありとなしの正規化を怠ったせいで順位が下がってしまったサイトの管理者に、グーグル社員のゲイリー・イリーズ氏が公式ヘルプフォーラムで上記のように指摘した。
この管理者は、wwwありとなしを正規化しておらず(wwwありでもなしでもそれぞれアクセスできる状態)で、wwwありのURLでアクセスした際には本来のサイトが表示されるが、wwwなしのURLでアクセスするとパークドメインとして固有のコンテンツのない状態でアクセスできるようにしていたのだ。
グーグルは、wwwありとwwwなしを多くの場合自動で正規化してくれるが、その処理は完璧ではなく、ネガティブに処理することがある。このコーナーでも以前から何度も繰り返し喚起してきたことだ。筆者が見てきたサイトでもwwwありとなしの正規化ができていないサイトが驚くほど多い。今一度、wwwありとなしの正規化が正しく設定できているか管理サイトをすべてチェックしてほしい。
スマホもPCも同じURLでそれぞれ適切に表示させる「Media Queries」
URLが変わらないのがポイント (John Mueller on Google+)
デスクトップPC、タブレット、スマートフォンなど、アクセスしてきたユーザーの端末の種類に応じてページのデザインを変えているサイトが増えてきた。端末に応じてページを変えるときでもURLを1つに保つことが、SEOを考慮した場合いちばん好ましい。
これを実現するためにグーグル社員のジョン・ミューラー氏が次のようなヒントをGoogle+で与えてくれた。
CSS3のMedia Queries(メディア・クエリ)を使えば、同じURLで端末の種類に応じてCSSを使い分けることができ、検索エンジンがどのURLを検索結果に出すか考えずにすみコンテンツの理解だけに集中することの手助けになる。そして端末の条件に応じてリダイレクトすることでサイトの表示が遅くなることも避けられる。
これまでも画面表示用や印刷用などでスタイルシートを切り替えられたが、CSS3のMedia Queryを使えば、「画面幅が300px以下の場合はこのスタイルシート、画面幅が301px以上の場合はこちらのスタイルシート」や、「表示デバイスの色数が6万5000色以下しか表示できない場合はこちらのスタイルシート」というように、細かく指定できる。
CSS3 Media Queriesの実装方法の参照先としてIBMの開発者向けのサイトのページ(英語)を紹介している。日本語の情報としては、「MediaQuery まとめ」(IT戦記)あたりがわかりやすいだろう。
グーグルの検索結果に、Google+のサークルに追加したユーザーの人数表示
コンテンツ作者の質もランキング要因になるのか? (Digital Inspiration)
グーグルはコンテンツとそのコンテンツの作者を結びつける「rel="author"」要素のサポートを今年の6月に始めた。
「rel="author"」を実装すると、その作者が作ったページが検索結果に出たときに名前と写真が表示される。新たにここに、Google+で何人のユーザーのサークルに含まれているかの数字が加えられた。
コンテンツの質に加えてコンテンツ作者の質も問われる時代になってくるのだろうか。
なおrel="author"は、今のところGoogle.comの検索結果で英語サイトにだけ適用される。
Webサーバーの物理的な場所はその国でのランキングに影響するのか
海外サイトを運用するウェブ担当者向け (WebmasterWorld)
特定の国のユーザーを対象にしたサイトを運用する際は、その国にサーバーを設置するべきか?
このテーマに関する長いディスカッションがWebmasterWorldで交わされた。
「ほとんど影響しないか影響したとしてもごく僅かだ」という意見から、「その国へサーバーを移転したらランキングが上昇した」という体験談まで、さまざまな返信が書き込まれている
検索エンジンは、IPアドレスからユーザーの場所とサーバーの場所を判断し、検索順位を出すための要因として見ている。このことは、グーグルのマット・カッツ氏がウェブマスター向けのビデオで認めている(2年前のビデオだが)。だが、場所がランキングにどのくらいの影響力を持つかは一概には言えないようだ。
結論として、コスト的・性能的に難点がないなら対象となる国にサーバーを置くのがよいのではないだろうか。また対象となる国のccTLDを取得したほうがいいし、gTLDの場合はグーグルウェブマスターツールで地域設定をしておくことも大切だと合わせてお伝えてしておく。
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
米ニューヨークで先月開催された検索エンジンマーケティングのカンファレンスのレポートとグーグルの経営陣の講演を今週はピックアップ。
- SEOの最先端はここで学べ! – SMX East 2011の総まとめ
日本では手に入らない貴重な情報ばかり - Googleのトップ二人が語り尽くしたGoogleの現状と未来
グーグルという会社を知ってみよう
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