SEOの神でも解読できないほど、今のグーグルは複雑怪奇なアルゴリズムなのか など10+3記事
検索エンジンのアルゴリズムは、もう常人には追い続けられないほど複雑怪奇になっているのかもしれない。そうしたことを感じられる、辻氏のつぶやきを紹介する。ほかにも、「サイトの更新状況と順位」「ウェブマスター向けモバイルガイド日本語版」「レスポンシブウェブデザインと順位」「ペンギン」など、SEOの情報をお届けする。
SEOの神でも解読できないほど、今のグーグルは複雑怪奇なアルゴリズムなのか
アルゴリズムを追いかけるSEOはもはや不可能 (辻正浩 (@tsuj) on ツイッター)
SEOの作業を徹夜でやっていた株式会社so.laの辻正浩氏の、朝のツイートを2つ紹介する。
どうやら、「SEOの神」と呼ばれる辻氏ほどの実力の持ち主でさえも、昨今のグーグルにおける順位変動やアルゴリズムの分析は、難しいようだ(ちなみに、「SEOの神」というのは、周りの人間が勝手にそう呼んでいるだけで、本人が自称しているわけではない)。
やはり、検索エンジンのアルゴリズムを追いかけるのは、SEOを直接のビジネスとしているのでなければ、やめておいたほうがいいだろう。そうしたことは以前から言われていたのだが、昨今のグーグルの動きをみるに、それがかなり強くなってきているようだ。
いまのSEOというものは、そうしたアルゴリズムを追って対応するのではなく、コンテンツの充実だったりユーザビリティの向上だったり、全体としてのユーザーエクスペリエンスの改善だったりと、そうしたことに注力するべきだというのを、改めて理解しておいてほしい。
辻氏のツイートを「今週のピックアップ」として紹介するのは先週に続いての連続になるが、「いまのSEO」を端的に表している内容なので、チョイスした。
日本語で読めるSEO/SEM情報
「Googlebot がサイトにアクセスできません」は検索順位に影響するか?
その状況が続くならありうる (グーグル ウェブマスター向け公式ヘルプフォーラム)
毎月数回、Googlebotがサイトにアクセスできないというエラーが届きます。
3ヶ月ほど前から検索トラフィックが減っています。関係があるでしょうか?
こういった趣旨の質問が公式ヘルプフォーラムに投稿された。
関係性は否定できない。アクセスできない状態が短時間でほんの1、2回くらいであれば、心配はいらない。しかし断続的ではあっても続くようであれば、クロールやインデックス、ランキングに支障が現れ、結果として検索トラフィックの減少に繋がることは十分にありうる。
もしこうした状況にあったとしたら、サーバーの構成を調査したり、サーバー会社に問い合わせたりしたほうがいい。解消しないようなら安定したサーバーへの移行も考えたほうがいいだろう。
ちなみに、この質問ではDNS関連のエラーが出ている点が、特に問題だと思われる。次のようなメッセージが届いているのだ。
Googlebot がサイトの DNS 情報の取得を試みましたが、過去 24 時間で 21 件のエラーが発生しました。このサイト全体での DNS クエリのエラー率は 24.7% です。
「DNS」とは、ネットワークを通じてサイトにアクセスする際に、アクセス先の場所を調べる、非常に重要なものだ。具体的には、「www.example.jp」のようなサーバー名に対応する「192.168.0.1」のようなIPアドレスを調べるためのものだ。
ここに不具合があれば、Googlebotがサイトにアクセスできなくなる。
質問者は、自分でサイトを見ても問題ないようだとしているが、DNSの場合はそれでも他の人(やGooglebot)には問題となることがある。というのも、DNSはアクセスごとに毎回確認するものではなく、サイト管理者としてある程度定期的にサイトを見ているのであれば、以前にDNSから得た情報を使い回しているはずだからだ。
DNS関連の問題が指摘されていて独自ドメイン名を使っている場合は、サーバー会社ではなく、ドメイン名を取得した会社に問い合わせる必要があるかもしれない。
大切なのは、ドメイン名に対して登録した「DNSサーバー」を管理しているところに確認することだ。
サイトの更新がストップすると順位は下がる? それとも変わらない?
サイトのタイプによるのか? (パシのSEOブログ)
サイトの更新が止まるとグーグルの評価が下がり、結果として検索順位が下がり検索トラフィックが減るのだろうか?
こちらの記事では実例をいくつか挙げて分析しているが、次のようなものではないかと、状況証拠から結論づけている。
ブログやニュースサイトのように更新性が関わるタイプのサイトでは、更新しなくなると評価が下がるようだ。
更新性がさほど問われないタイプのサイトでは、更新を止めても影響を受けないようだ。
更新性が問われるサイトと問われないサイトをグーグルのなかではひょっとしたら区別しているかもしれない。
あるいはそういったことではなく、より関連性があり質の高いページを他のサイトが新たに公開したために、相対的に順位が下がっただけかもしれない。
また更新がストップしていたとしても、古びることがない有益なコンテンツに対して継続して被リンクが付き、評価を保ち続けていたとも考えられる。
実際のところは、どうなのだろうか。
毎日3記事を更新するとグーグルにペナルティを受けてしまうのか?
それはないが低品質記事ばかりなら評価は下がる (グーグル ウェブマスター向け公式ヘルプフォーラム)
もう1つ、サイトの更新に関する話題を。次の質問が公式ヘルプフォーラムに投稿された。
毎日一定のページ数を更新し続けていたらペナルティの対象になる、ということはあり得ますか?
……(中略)……
毎日欠かさず3ページ更新しております
結論としては、「毎日3記事ずつ継続的に更新し続けたこと」が原因でペナルティを受けることはない。
もちろん、1日あたり1万記事も2万記事も公開し続けていたら、何か疑わしいことがあるかもしれないとしてチェックが入るかもしれない。
しかし、常識的な範囲で記事を増やし続けることが理由で評価を下げられることは、絶対にないと断言できる。もしそういったことがあるなら、Web担当者Forumや新聞社サイトのようなメディアサイトが生き残れるはずがない。
ただし、この質問に付けられた次のようなコメントが鋭い。
毎日3ページ更新することが目的になってしまい、
他のサイトからコピーしたり中身のないコンテンツを作成していないかどうかには気をつける必要がありそうです。
たしかにそのとおりだ。
価値に乏しい、低品質なコンテンツを“コツコツ”と増やしたとしても、ユーザーの役には立たないとしてグーグルの評価は当然下がるだろう。
質問者のサイトがそのような更新をしていて低品質なのかは、わからない。そういうことではなく、一般論として、「有益で質が高いコンテンツだけを増やしていくことに価値がある」ことを、ここで改めて認識してほしい。
ついに公開! ウェブマスター向けモバイルガイド日本語版
必ず目を通すこと (ウェブマスター向けモバイルガイド)
スマートフォン向けに最適化されたページを対象に「スマホ対応」というラベルをモバイル検索結果でグーグルは表示するようにした。
この新しい仕様を発表した際に、モバイル向けサイトの構築に役立つドキュメントとツールをあわせて公開していた。英語版だけだったが、ついに日本語版が登場した。ドキュメントもどちらも日本語で利用可能だ。
次の3つのカテゴリで、Webサイトをモバイルに最適化するための情報を得られる。
- サイトがスマホ対応かどうか確認する
- ウェブサイトのソフトウェアをカスタマイズする
- モバイル SEO を正しく実装する
特にありがたいのは、「WordPress」「Joomla!」「Drupal」などのCMSごとに、モバイルでも使いやすいサイトにするための簡易的な解説が容易されていることだ。
“モバイルフレンドリー”なサイトを設計、運用するために必ず目を通しておくようにしてほしい。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
モバイルSEO用ツールとペンギンアップデート対応に関する記事を今週はピックアップ。
- モバイルSEOに役立つGoogle純正ツール×5
5ツールすべてを使いこなしたい - ペンギンアップデートにやられたサイトを別ドメインで新規に作り直す安全な方法
ゼロからの再スタート用に
- レスポンシブウェブデザインだからといって、SEOで有利にはならない
- rel="canonical"を設定しているのに重複が解消されないのはどうして?
- 1か月以上たった今でもペンギンアップデートが展開中
- CMSサイトではグーグルからどんな通知を送ってほしいですか?
- 米ヤフーの検索シェアが2週間で9.6%から29.4%に激増!? ただしFirefoxで
- SEOを制する究極のリンク構築ガイド 全12章
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
レスポンシブウェブデザインだからといって、SEOで有利にはならない
実用的な理由からグーグルは推奨している (Google Webmaster Help Forum)
グーグルはどうしてレスポンシブウェブデザインを勧めるのですか? レスポンシブウェブデザインのサイトの検索順位を上にするのはなぜですか?
公式ヘルプフォーラムに投稿されたこの質問にグーグルのジネブさんは次のように答えた。
レスポンシブデザインで作られているサイトだからといって、他の構成を採用しているサイト(モバイル向け別URLや動的配信)よりも上位表示するようなことは、私たちはしていません。
モバイル推奨ガイドラインでは、次のように説明しています。
ページとページのアセット(JavaScriptやCSS、画像などのリソース)にGooglebotのユーザーエージェントがアクセスできる限りは、特定の構成を有利に扱うことはありません。
私たちがレスポンシブウェブデザインを推奨するのは、実用的な理由からです。維持管理しやすく将来的に望ましい仕組みだし、構成ミス(たとえば、間違ったリダイレクトやユーザーエージェント検出の誤り)が起きにくいとわかっています。
このコーナーでも何度か伝えたことがあるように、レスポンシブウェブデザインだからといってそれだけの理由でグーグルの評価が上がることはない。少なくとも推奨ガイドラインに従っていれば、3つの構成に優劣はない。
とはいえ、ジネブさんが言うようにレスポンシブウェブデザインにはメリットが多いのも確かなことだ。特に、技術的な知識が豊富なわけではなく、システムの設定が得意なわけでもない、ふつうのWeb担当者にとっては、レスポンシブウェブデザインにしておくほうが、トラブルが少ないのは間違いないだろう。
rel="canonical"を設定しているのに重複が解消されないのはどうして?
即座に処理されるわけではないから (Google Webmaster Help Forum)
次の質問がグーグルの公式ヘルプフォーラムに投稿された。
ウェブマスターツールの「HTMLの改善」で重複コンテンツを発生させているURLが存在することを発見しました。
そこでrel="canonical"を設定しました。
2週間がたちましたが、状況は変わっていません。そのうち解消されるのでしょうか? それともURL削除ツールを使って重複したURLを削除リクエストすべきなのでしょうか?
グーグル社員のジョン・ミューラー氏からのアドバイスは、次のとおりだ。
一般的には、rel="canonical"リンク要素を処理するにはそのページをクロール、インデックスしなければならない。つまり、優先するURLとして指定されたURLにまとめられる前に、重複しているURLがまずクロールされる必要がある。そのため、ウェブマスターツールに重複として現れてしまうことがある。
実際には、重複したURLを依然として私たちはクロールするし、それがウェブマスターツールに出てくるかもしれない。
もし最適化したいというのであれば、重複したURLを発見されないようにしたり(たとえばサイト内のどこからもリンクしない)、すぐに優先URLに301リダイレクトしたりするように構成したりしてもいい。
だが、実際問題としてどちらも重要なことではないから、処理されるまでそのまま任せておいて構わないだろう。
ページにrel="canonical"を指定しても、すぐにそれがグーグルの処理に反映されるわけではない。まず、そのページ自体をグーグルが発見し、クロールし、インデックスしなければならない。そして、それからcanonical情報の処理が始まる。
この間に、ウェブマスターツールのレポートに重複として出てくることがあるのは、当然だろう(出続けることもあるかもしれない)。また、同様に検索結果にも出てくることもある。
だが、正しく設定できているならば、気にする必要はない。昨今のSEOでは常の「じたばたせずに、待つ」という対応がいいだろう。
1か月以上たった今でもペンギンアップデートが展開中
これまでのペンギンとは何かが違う? (Search Engine Roundtable)
グーグルは、10月の下旬に最新のペンギンアップデートの更新を開始した。実に1年以上ぶりの更新だった。発表したピエール・ファー氏は、完了までに数週間かかると話していた。
ところが1か月半近くたった今でも、新しいペンギンアップデートはまだ完了していないようだ。事実、11月27日にグーグルは依然として展開が続いていることを認めた。
その後も、ペンギンアップデートに起因すると思われる順位変動の話がSEO界隈ではいくどとなく持ち上がっている。たとえば回復に成功したサイトの順位が再度下がったり、反対に、下がったサイトが元に戻ったりといった具合だ。
単純に展開がスローペースだということではなさそうに思える。
一般的なアルゴリズムのように常時稼働するようになったとか、出てきた結果を基に次の処理を繰り返すような“再帰的”な特徴を備えたとかいった推測もある。
とにかく今までのペンギンアップデートとは様相が異なることは確かだ。
CMSサイトではグーグルからどんな通知を送ってほしいですか?
アンケートなのか啓蒙活動なのか (Google Webmasters on Google+)
グーグルのサーチクオリティチームが、Google+でアンケートをとっている。
対象はWordPressやJoomla、DrupalなどのCMSでサイトを運用しているサイト管理者だ。ウェブマスターツール経由で通知してほしい種類のメッセージを選んでもらうように依頼している。
英語版に続いて日本版の公式アカウントでも同内容のアンケートを日本語で投稿しているので、リンクは日本語版にしている。記事の執筆時点では英語のみだったため、カテゴリとしては「海外SEO情報」になっているのはご容赦いただきたい。
候補に挙がっているメッセージは、次のとおりだ。
- 利用している CMS の最新版がリリースされたことをお知らせするメッセージ
- 自分のサイト上の CMS が最新版でないことをお知らせするメッセージ
- 利用している CMS の脆弱性についてお知らせするメッセージ
- 上記すべてのメッセージを受け取りたい!
- 上記すべてのメッセージを受けとりたくない!
人気があったものはウェブマスターツールでの新しいタイプの通知として実装されるかもしれない。希望する通知に投票しよう。
もっとも、1つ目~4つ目は基本的には同じことを意味している。「受け取りたくない」という意見が多数でなければ、採用されるのだろう。
もしかしたら、「CMSを利用してサイトを運営しているのならば、CMSのセキュリティやアップデートに責任をもつのが大切だ」という啓蒙の目的が強いのかもしれない。
米ヤフーの検索シェアが2週間で9.6%から29.4%に激増!? ただしFirefoxで
英語圏向けSEOではヤフーの重要度が上がった (Search Engine Land)
Firefoxの既定の検索エンジンがグーグルからヤフーに変更になることによって、米国では影響が出るかもしれないと前々回お伝えした。
Firefoxの最新バージョン(34)から既定の検索エンジンがヤフーになった。予想どおり、さっそくその影響が現れているようだ。
グーグルとヤフーの利用率は、Firefox 34とFirefox 33とでは次のように差が出ているようだ(StatCounter調べ)。
グーグル | ヤフー | |
---|---|---|
Firefox 33 | 82.14% | 9.64% |
Firefox 34 | 63.46% | 29.4% |
約22.7%の減少 | 約205%の増加 |
Firefoxの最新バージョンへの移行が進めば進むほどグーグルはシェアを落とし、逆にヤフーはシェアを伸ばすだろう。米国市場を対象にしてサイトを運用しているなら、ヤフーのSEOの重要性が増してきそうだ(なお米ヤフーは、Bingの検索データを使用している)。
ただし、これはFirefoxに限定したデータであり、Firefoxの米国でのシェアは約15%ほどだということは記しておく。
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
被リンク獲得のノウハウを書いた12記事が公開されている。数が多いので、ここではその目次ページを紹介するに留めておく。
- SEOを制する究極のリンク構築ガイド 全12章
ボリューム満点の全12章!
ソーシャルもやってます!