HTML5はSEOに効く←yes/no? など10+2記事(海外&国内SEO情報)

ページの文字数、長いURL、301リダイレクトや、Googleアナリティクスの最新情報なども。
よろしければこちらもご覧ください


HTML5はSEOに効果があるのか? ないのか?
★★★★★ SEOのためだけならナンセンス (WWW WATCH)

HTML5は、SEOに有効なのかどうか

この疑問についての見解を、海外の記事を参照しながら述べた記事。

結論としては、HTML5だからSEOに有利だということはないし、HTML5でないからといって不利になることもないということだ。

HTML5のほうが意味付けの情報が多く細かいので、将来的には検索エンジンの文書理解に役立つようになるかもしれないが、それが、SEOにおいてHTML5への移行が今すぐ必須になるということには繋がらないとのこと。

SEO関連の話題を提供する「SEOワントピ」でキュレーターの渡辺隆広氏がこの記事に対して次のようツイートしている。

別にGoogleはコーディングの方法でランキングを決めているわけではない Googleは公式には「HTML5だからといって特にランキングに影響するわけではない」と回答済み  個人的にはどうでもいい話題。

要は、技術的に解釈しやすいページかどうか?がポイントなので、今のウェブ技術周辺のこと考えたら HTML5 という選択肢はありなんじゃないでしょうか。ただ、先ほど紹介した記事の結論で触れている通り、SEOのためにHTML5 を選択するならそれは間違い。

ユーザーにプラグインをインストールさせることなく簡単に動画を扱えるなど、HTML5には多くの特徴があるので、新しいサイトを構築するときには十分に採用の選択余地があると筆者は思う(ブラウザの対応を除けば)。しかし、「SEOで効くから」という理由だけでのHTML5の採用は、WWW WATCHブログさんと渡辺氏が述べているように見当違いであろう。

日本語で読めるSEO/SEM情報

グーグルの考えるSEOとは? グーグル金谷氏によるセミナーのレポート
★★★☆☆ 次は別のテーマでも開催してください (SEMアドバイザーの揺さBrain!)

Web担が11月8日に主催した「Web担当者Forum ミーティング2011 Autumn」で、グーグルのサーチクオリティチームの金谷氏が「Google検索最新トレンド」というテーマで基調講演した。

「Googleが目指しているもの」「SEOについて」「ウェブマスターツールを使う理由」など、この講演でのポイントを亀田氏がブログにまとめてくれた。

SEO関係者ではなく「正直SEOはあまり詳しくないが、勉強中」のような一般のウェブ担当者向けの話であったらしく、このコーナーの読者には目新しい情報はないかもしれない。しかしひと通り目をとおしてほしい。基本といえど重要なことを伝えている。

グーグルのサーチクオリティチームが人前でスピーチするということは、日本ではこれまでなかったことなので、ウェブ担当者とのコミュニケーションを深めるためにも今後も機会を提供してもらえたらと願う。

記事に4000文字以上書くと検索エンジンの評価が上がる!? はずがない
★★★☆☆ 文字数で評価はしていない

「記事の文字数は4000文字あるとSEO的に効果がある」と主張する記事を見かけた(リンクは省略、理由は後述)。

しかし、「1ページに何文字以上あると検索エンジンの評価が上がる」といったことはない。それをこのコーナーの読者に伝えておきたいので紹介した。とはいえ、記事やその筆者を批評する意図は毛頭ないのでリンクは省略する。

検索エンジンが「200文字しかないから関連性がなく質が低い」とか「4000文字あるから関連性があり質が高い」と文字数を基準にコンテンツを評価するのは、まったく理にかなっていない。“きちんとした”文章で書かれており価値のあるコンテンツを含んだ長い記事ならば、複数キーワードでのロングテール検索に引っかかりアクセスが増えることはある。しかし、だからといって文字数が多ければいいということでは決してない。

「何文字書けばいいですか?」という質問を筆者もよく受ける。だいたい何文字くらいと答えることはあるにしても、それはSEOに有効だからということでは全然なくて、記事書きに慣れていない人にとって目安がなにもないと書き始めづらいから、目安を伝えているだけだ。

SEOで重要なのは、ユーザーが求めている情報、ユーザーにとって価値のある情報を、十分かつ冗長になることなく、適切に理解してもらえるように書くことだ。ページ内の独自コンテンツの文字数が少なすぎるのは良くないが、「何文字書けば順位が上がる」という考えを持つのは、まったく意味がない。検索エンジンは、大学入試の小論文と違って既定の文字数を求めたりしていない。

米ヤフーのSite Explorerの代わりになる被リンクチェックツール
★★★☆☆ それでも完全な代わりにはならない (SEOテンプレート比較)

海外記事のセクションでお伝えするが、米ヤフーが提供するページやリンクの情報を表示してくれるツール「Yahoo! Site Explorer」(以下、YSE)がサービスを終了した。米ヤフーが採用する検索エンジンシステムのBingへの移行に伴うものだ。日本のヤフーのサイトエクスプローラーが終了した後は特に、被リンクをチェックするツールとして日本でも利用していたウェブ担当者も多いに違いない。

YSEの代わりとして使えそうな被リンクチェックツールを5つ、SEOテンプレートブログで竹内氏が紹介している。ただ有料だったり使い勝手がよくなかったりとYSEの完全な置き換わりになるようなツールはなさそうだ。自分の管理サイトの被リンクはグーグルウェブマスターツールで調べられるとしても、自分で管理していないサイトのバックリンク調査がかなり難しくなったと確実に言える。

複数言語でのウェブサイト運営に役立つ公式TIPS
★★☆☆☆ Googlebotには優しくね (グーグル ウェブマスター セントラル 日本版 公式ブログ)

さまざまな言語を利用している多くのユーザーに向けて各言語でコンテンツを提供するウェブサイト運用における注意点を、グーグルのウェブマスター向け公式ブログが解説した。以下の4項目に関する説明になる。

  • Googleの言語認識
  • 多言語のサイトの分析: URL構造
  • 多言語のウェブサイトのクロールとインデックス
  • 文字コードの使用

複数の言語でサイトを展開しているウェブ担当者は読んでおくといい。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
・米ヤフーがYahoo! Site Explorerのサービスを終了
・長いURLはGoogleに嫌われる?
・301リダイレクトはいつまで続けるべきか
・“逐語”検索ツールがグーグルに登場
・Googleアナリティクスの「サイトの速度」レポートが全ユーザーで利用可能に
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
・Googleのモバイル検索&SEOに関する8つの公式見解
・公式でも微妙に異なるのがあるけれどどれも重要

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

米ヤフーがYahoo! Site Explorerのサービスを終了
★★★★★ ついにこの日が来た (Yahoo! Search Blog)

米ヤフーは、サイト管理者ツールYahoo! Site Explorer(以下、YSE)のサービス提供を終了した。すでに利用できなくなっている。2011年後半に終了すると7月には発表していたので驚くことではないのだが、それでも「とうとうこの日が来てしまったか」というのが多くのサイト管理者の率直な思いだろう。

XMLサイトマップの送信やURLパラメータの処理設定など、YSEの主だった機能はBingウェブマスターツールから利用できるし、BingウェブマスターツールにはYSEにはなかった優れた機能も実装されている。またヤフー検索のトラフィックデータ(インプレッション数・クリック数・クリック率)はBingウェブマスターツールに統合されている。

しかし問題はバックリンクレポートである。Bingウェブマスターツールは管理サイトのバックリンクの完全なデータをレポートしてくれるものの、YSEと違って、自分が管理していないサイトのバックリンクを知ることはできない。YSEの最大の価値は、競合サイトであっても、だれのサイトのバックリンクでも調査できることだったといっても過言ではない。YSEの代用となる信頼できる無料のバックリンクツールは今のところ存在しない。貴重なツールが失われてしまったのは非常に残念だ。

長いURLはGoogleに嫌われる?
★★★☆☆ ユーザーには嫌われそう (John Doherty)

グーグルの各公式ブログの記事に割り当てられているURLや検索結果に出てくるページのURLをつぶさに観察した結果、長いURLはランキングにネガティブに働くのではないだろうかと推測した記事。

グーグルのブログは一定の文字数以上のファイル名を付けていないし、URLがとても長い記事は本来なら1位に出てくるようなキーワードでの検索でも1位に出て来ないというのだ。

長いURLは検索結果でのクリック率が落ちると聞いたことはあるが、ランキングに与える影響はどうなのであろうか。たくさんのキーワードをハイフンで繋げたURLはスパム要素の1つになりうるとグーグルの社員がどこかでコメントしていた記憶がある(ソースを見つけられなかった)。ひょっとすると長すぎるURLには注意したほうがいいのかもしれない。

301リダイレクトはいつまで続けるべきか
★★★★☆ リダイレクト指示は止めないこと (Matt Cutts (mattcutts) on Twitter)

マット・カッツさん、301リダイレクトの効果はどれぐらい続くのでしょうか? どれぐらいの期間301しておいたら転送状態が確定(永続化)するのでしょうか?

ウェブマスターからのツイッターでの質問に、グーグルのマット・カッツ氏は次のように返信した。

簡潔に言えば、可能なら短い期間よりも長い期間その状態を保っておいたほうがいい。Googleは再チェックしている。

302リダイレクトが「一時的な転送」の指示であるのに対して、301リダイレクトは「恒久的な転送」を意味するが、だからといって1回だけ301リダイレクトすれば永遠にだれもが転送指示に従ってくれるわけではない。転送の効果が出るのは301リダイレクトが設定されている間だけだ。だから、301リダイレクトを解除したら、転送元のページの情報は転送先のページには引き継がれなくなる。つまり、「ある期間だけ301リダイレクトしておけば情報の移動が完了して、もう元に戻ることはない」というわけではないのだ。

たとえばサイトのリニューアルでURL構造が変わったときに、当初は旧URLへのアクセスを301リダイレクトしていたが、1年後にリダイレクトを停止する場合もあるだろう。しかし301リダイレクトを解除した旧URLにGoogleのクローラがアクセスし301リダイレクトされなくなっている状態を何度かインデックスしたら、301リダイレクトによる転送効果はなくなると考えていい。

そもそも、リダイレクトは検索エンジンのためだけでなく、他サイトのリンク経由で来るユーザーを新しいURLに導くためのものだ。そういった意味も含めて、元のURLの情報を引き継ぎたい限りは、永遠に301リダイレクトは設定したままにしておくのが原則だ。

“逐語”検索ツールがグーグルに登場
★★☆☆☆ 余計なお世話を排除する検索 (Inside Search)

グーグルの「こういう検索をしたかったのでしょ」というお節介をすべて排除して検索キーワードの一語一句に文字通り従った結果を返すための「verbatim」という検索オプションがグーグル検索で利用できるようになった。

「verbatim」の意味は、「正確に言葉どおりの」「逐語的な」というもの。

通常の検索では、入力間違い(ミススペル)を補正した結果を返したり、パーソナライズ機能が働いたり、同義語での検索結果も混ぜて返したりすることがある。その方がユーザーにより適切な結果を返すことができるためだ。ところが場合によっては、キーワードに完全に一致した結果だけを知りたい時があるし、入力間違いではないのに直されてしまうこともある。

verbatim検索は、このような普通ならありがたい機能をオフにして、入力キーワードに100%忠実な検索を実行するものだ。

キーワード補正を無効にした検索結果。デフォルトでは「マイドキュメント」の結果が返ってくる。

オフにされる機能は公式ブログで次のように解説されている。

  • 自動綴り訂正
  • パーソナライズ
  • 同義語も含めての検索
  • 似た意味も含めての検索
  • 活用形を含めての検索
  • 入力されたフレーズの一部の単語だけを使っての検索

また、これ以外にもローカライズ機能も無効になるようだとマット・カッツ氏は補足している。またそのキーワードがページに存在していなければならないそうだ。

今のところ利用できるのはGoogle.comを英語インターフェイスで使った場合だけのようだが、日本語検索でも利用できる。検索結果ページの左ペインメニューにある「More search tools」をクリックすると展開して出てくる追加ツールから「verbatim」を選択する。

SEOに直接関わる機能ではないが、逐語的な検索結果を求める際に利用してほしいと思いピックアップした。なおキーワードを「" "」(半角のダブルクオーテーション)で囲っても逐語検索は可能だ。また、これまでストップワードを含めたりして逐語検索するために使われていた検索演算子の「+」は数週間前に廃止されているということだ。

Googleアナリティクスの「サイトの速度」レポートが全ユーザーで利用可能に
★★★☆☆ さっそくスピードチェック (Google Analytics Blog)

Googleアナリティクスでは「サイトの速度」レポートでページの表示スピードを分析できるようになっている。今年の5月に始まった新機能であるが、計測するには専用のコードを追加する必要があった。

しかし、今回新たに、特別なトラッキングコードを追加しなくても全ユーザーが「サイトの速度」の情報を取得して解析できるようになった。ただし新しいバージョンのGoogleアナリティクスでのみ閲覧可能だ。「サイトの速度」は「コンテンツ」メニューからアクセスする。

ページの表示速度が速いことはユーザーエクスペリエンスの向上にも繋がる。管理サイトがどのくらいのスピードで表示されているのか「サイトの速度」でチェックしてみよう。ページの表示速度が速い方がコンバージョンが多いなどという発見があるかもしれない。

ちなみに、11月22日から、Googleアナリティクスの新機能の目玉である「ビジュアルフロー」を全ユーザーが利用できるようになっている。「ユーザーフロー」「ゴールフロー」ともに非常に興味深いものなので、確認してみるといいだろう。

ユーザーフローは標準レポートの[ユーザー]>[ユーザーフロー]で表示できる。
ゴールフローは標準レポートの[コンバージョン]>[目標]>[ゴールフロー]で表示できる。

SEO Japanの掲載記事からピックアップ

今後ますますトレンドになってくるモバイル検索とローカル検索に関する記事を今週はピックアップ。

この記事の筆者

鈴木 謙一(すずき けんいち)

「海外SEO情報ブログ」の運営者。株式会社Faber Companyの取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。

海外SEO情報ブログは、SEOに特化した日本ではもっとも有名なSEO系ブログの1つ。米国発の最新のSEO情報を中心に、コンバージョン率アップやユーザーエクスペリエンス最適化のための施策も取り上げている。

正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうために、ブログでの情報発信に加えて所属先のFaber Companyでは、セミナー講師や講演スピーカーを主たる役割にしている。

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