Google AdWordsが消滅、18年の歴史を終え「Google広告」へ。その他のブランドも整理統合

Google AdWordsは「Google広告」に、GA 360やDoubleClickも新しいブランド名に整理統合
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今日は、「Google AdWords」の名前が消えるなどの、グーグルが提供する広告関連サービスの名称変更について。「Google AdWords」は「Google広告」という名称になり、その他のGA 360やDoubleClickのサービスも「Googleマーケティングプラットフォーム」「Google アド マネージャー」に名前が変わります。

※2018-07-05追記 記事初出時点ではGoogleアトリビューション360の予定は未定と記載していましたが、その後情報がアップデートされ、アトリビューションもGoogleマーケティングプラットフォームのブランドに含まれることが明らかになりましたので、本文中の記述も変更しました。

グーグルは、同社が企業向けに提供する広告関連サービス群を整理し、名称を変更することを発表しました。

新しいブランド名は次の3つで、2018年7月24日から適用されます。

  • Google広告 ―― 「広告主向け」「広告出稿サービス」の新ブランド
  • Googleマーケティングプラットフォーム ―― 「広告主向け」「広告買い付け・データ分析・最適化などのサービス」の新ブランド
  • Google アド マネージャ ―― 「メディア向け」「広告掲載サービス」の新ブランド

それぞれ解説していきます(今回のブランド整理の対象外である「AdSense」「Googleアトリビューション」に関しても言及しています)。

Google広告
「広告主向け」「広告出稿サービス」の新ブランド

Google AdWordsが名称変更するもので、Google検索、YouTube、Googleマップ、Google Playストアといったグーグルのサービスや、グーグル以外のさまざまな広告掲載面に広告を出稿するサービス。

このブランドに含まれる旧製品名
  • Google AdWords(広告出稿サービス)

他のブランド変更は各種サービスを整理統合するものですが、これは実質的にはGoogle AdWordsの名称変更だけです。そのため、名称が変更されても、既存の広告の掲載状況やレポートに影響はなく、さらに管理画面もブランドが変わるだけで操作方法に変更はないようです。

当初「Google AdWords広告」という呼び方でスタートしたGoogle AdWordsですが、2000年10月に米国でサービスを開始してから18年弱の歴史を経てその名称がなくなることになります。

Googleマーケティングプラットフォーム
「広告主向け」「買い付け・データ分析・最適化などのサービス」の新ブランド

グーグルが企業向けに提供している、広告主向けのマーケティング関連サービス群を整理するもので、DoubleClick Digital Marketingの広告主向けプロダクトや、Googleアナリティクス360スイートを統合して名称変更します。

このブランドに含まれる旧製品名
  • Googleアナリティクス360スイートの製品群(アナリティクス360、タグマネージャ360、オプティマイズ360、アトリビューション360、データスタジオなど)
  • Googleアナリティクス関連の製品群(アナリティクス、タグマネージャ、オプティマイズ、データスタジオなど)
  • Google Audience Center 360(DMP)
  • DoubleClick Campaign Manager(メディアプランニングやレポート作成などのキャンペーン管理)
  • DoubleClick Bid Manager(プログラマティック広告取引の購入側サービス、DSP)
  • DoubleClick Creative Solutions(広告の作成や管理、DoubleClick Studio)
  • DoubleClick Search(検索広告の入札自動最適化など)

※Googleアトリビューション360は「アトリビューション360」と名称を変更し、Googleマーケティングプラットフォームのサービスとして提供されます。

グーグルは2008年にDoubleClickを買収し、これまでサービス名に「DoubleClick」のブランドを使ってきましたが、この名称も姿を消していくことになります。

Google アド マネージャ
「メディア向け」「広告掲載サービス」の新ブランド

こちらは広告主向けではなく、メディア(パブリッシャー向け)サービスの新ブランドで、DoubleClickブランドで提供してきた広告掲載やSSPのサービスを統合するものです。

このブランドに含まれる旧製品名
  • DoubleClick for Publishers(メディア向け広告掲載サービス)
  • DoubleClick Ad Exchange(プログラマティック広告取引の掲載側サービス、SSP)

※グーグルの広告掲載サービスにはAdSenseもありますが、こちらに関してはブランド名変更の影響を受けず、今後もAdSenseのまま提供を続けるということです。

DoubleClickは1996年に設立された企業で、DART(Dynamic Advertising Reporting & Targeting)やDFP(DoubleClick for Publishers)というブランドに耳なじみがあるメディア関係者も多いかもしれません。しかし、Web初期からディスプレイ広告を支えてきたこれらの名前も消えていくことになります。

◇◇◇
  • ブランド変更に関する告知記事
    「新しい効果的な Google 広告ソリューションを − Google AdWords は Google 広告として生まれ変わります −」
    (Google AdWords 公式ブログ)
    https://goo.gl/uJxKJs
この記事の筆者

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレス
Web担当者Forum 編集統括(初代編集長)

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、Webサイト 「Web担当者Forum」初代編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開いる。現在は編集統括として媒体に携わる。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

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