(not provided)で隠された検索のキーワードもわかる「検索アナリティクス」ついに登場 など10+4記事

ウェブマスターツールの名称が「Search Console」に変更などの話題も
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グーグルの検索キーワードの大半を分析できなくなって久しいが、Googleアナリティクスでも見えなくなっていた検索キーワードを手軽に分析できる機能を、グーグルがウェブマスターツールに追加した。


(not provided)で隠されたグーグル検索のキーワードがわかる「検索アナリティクス」ついに登場
★★★★☆ 柔軟なフィルタ機能と使いやすい比較機能 (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)

Googleアナリティクスでは「(not provided)」となってしまう検索キーワードでも便利に分析できる機能を、グーグルが提供開始した。その名も「検索アナリティクス」だ。

ウェブマスターツールには「検索クエリ」というレポートツールがあり、グーグル検索からのトラフィックやキーワードの分析に使えた。この「検索クエリ」をさらに便利にしたレポートツールとして、グーグルは「検索アナリティクス」をウェブマスターツール(Search Consoleに名称変更されている)で公開した。

少し前から一部のユーザーは試験的に限定利用できていたのだが、すでに全ユーザーが利用できるようになっている。

「検索アナリティクス」の特徴は、、柔軟なフィルタ機能と使いやすい比較機能だ。こうした機能は、以前の「検索クエリ」には備わっていなかった。

PC検索とモバイル検索のクリック数と掲載順位を比較している。真ん中あたりに見える「更新」という縦のラインはモバイルフレンドリーアップデートの実施日。

レポートでは、次の4種類のデータを表示できる。

  • クリック数
  • 表示回数
  • CTR
  • 掲載順位

この情報を、次の切り口で分析したり、絞り込んだりできる。

  • クエリ(検索キーワード)ごと
  • ランディングページURLごと
  • 検索ユーザーの所在国ごと
  • デバイス(PC・モバイル・タブレット)ごと
  • 検索タイプ(ウェブ・画像・動画)ごと
  • 日付

データ表示の指定部分が、慣れないと少しわかりづらいので、簡単な使い方を図で示しておく。

従来の「検索クエリ」のデータに比べてかなり正確で、計算方法も異なるそうだ。詳しい使い方や仕様はヘルプを参照してほしい。

検索クエリと同様に検索アナリティクスは、HTTPSの影響を受けずに、グーグル検索からの検索キーワードを取得できる点でも価値がある。URLごとに分析するなども可能なので、有効に活用したい。

非常によくできていると思われるデータだが、次のような意見もある。

辻氏のように(超)大規模サイトを監視していると、一部のデータしか入手できないと、困ることもあるのだろう。

とはいうものの、検索アナリティクスはまだ「ベータ版」だ。使いやすいツールにしてもらうためにも、改善点や機能要望があればグーグルにフィードバックしよう。フィードバックの手段としては次のものがある。

またグーグルの長山氏に直接送っても大丈夫なようだ。

日本語で読めるSEO/SEM情報

ウェブマスターツールが「Google Search Console」に改名
★★☆☆☆ Apple製の検索エンジンを見てみたい (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)

これまで「Googleウェブマスターツール」と呼んでいたツールの名称を「Google Search Console(サーチ・コンソール)」と変更することを、グーグルが公式ブログで発表した。

すでに旧ウェブマスターツールにアクセスすると、表示される名称が変更されている。

名称変更の理由としてグーグルは、このツールを利用しているユーザーの立場や目的を調査したところ、利用者のなかで「ウェブマスター」は一部でしかなく、マーケティング担当者や開発者なども含まれていたことを挙げている。

名称が変わることで多少の混乱はあるかもしれないが、現時点ではURLや機能に変更はないし、「ウェブマスターツール」と検索すればたどり着けるので、気にしなくてもいいだろう。

🐼 検索結果のクリック率が絵文字でアップするのか試してみた 🐧
★★★☆☆ 環境によって上がったものと下がったものが (hinishi.com)

グーグルが検索結果に絵文字を表示するようなったことを前回紹介した。絵文字は目立つとして、クリック率にどのような影響を与えるのだろうか?

こちらの記事では、絵文字を入れたtitleタグの検索結果における変化を調査している。

結果だけを簡単にいえば、クリック率が上がったもの・下がったもの、環境によってどちらのパターンもあった。

検証数が限られているので、これだけで結論は出せないが、筆者の考えとしては、絵文字は視線を集めるだろうが、それが必ずしもクリックに繋がるとは限らない。結局は文字としてのタイトルやスニペットが重要になるのだろう。

また記事では絵文字を使う際の注意点も挙げている。

  • 文字数が多い場合は真っ先に削られる
  • 環境によって表示される内容が違うなど、安定した状態を作れない
  • ターゲットによっては嫌われるかも
  • 新しい仕様なので今後変わる可能性が高い

試してみる価値はあったとしても、安定した効果は期待しないほうがいいかもしれない。なおグーグルのジョン・ミューラー氏はtitleタグでの絵文字の乱用に対しては何らかの対策をとるだろうとも言っているので、実行する際は注意してほしい。

1か月でサイトをモバイルフレンドリーにしよう グーグル公式情報まとめ
★★★★☆ スマホ対応の見直しとしてチェックしておこう (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)

モバイルフレンドリーのアップデートの予告から実施までに公開してきたリソースをグーグルが公式ブログにまとめた。

グーグルが推奨するスマホ対応が未完了なら、必ずチェックしておきたい。もちろん、運用サイトがすでにモバイルフレンドリーになっていたとしても、目を通しておくのはいいことだ。

なお英語版の公式ブログも同じようにリソースをまとめた記事を投稿している。だが、こちらは英語で発信した情報だ。日本版ブログのリソースとは異なるので、英語に不自由がなければこちらも参照しておくといい。

アップルが独自のウェブクローラを開発、検索エンジンを始めるのか?
★★☆☆☆ Apple製の検索エンジンを見てみたい (Apple サポート)

アップル(Apple)が独自のウェブクローラを運用していることが明らかになった。とはいっても、検索サービスのためではない。SiriやSpotlightの検索候補のためにウェブ上のデータを収集することが目的だ。

SiriはiOSの音声アシスタント、SpotlightはiOSの検索機能

ユーザーエージェント(User-agent)名は“Applebot”だ。robots.txt や robots meta タグの命令に従う。ちなみに、User-Agentに“Googlebot”が指定されていれば、それに従うとのこと。Applebotの存在を知らないサイト管理者も多いはずで、そんな場合でもGooglebotに対する指示に従っておけばトラブルを減らせるからだろう。

検索サービスが目的ではないとはいうが、もしAppleが検索エンジンを開発したらどんな検索エンジンができあがるであろうか? 見てみたい気もする。

なお、サポート記事の更新日は2015年3月8日で最新情報だとは言えないかもしれない。しかし話題になったのは比較的最近のため紹介した。

海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ

筆者が3月に米サンディエゴで参加したソーシャルメディアマーケティングのカンファレンスのレポート記事を2本紹介する。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
  • Bingもモバイルフレンドリーアップデートを予告
  • パンダとペンギンがリアルタイムかどうかの真相がついに判明
  • 誘導ページとは何かをあなたは正しく理解できているか?
  • サイトマップに必要なタグは6つのうちどれか?
  • モバイル検索とPC検索のインデックスは同じ、しかしモバイル検索用のアルゴリズムがある
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
  • モバイルフレンドリー・アルゴリズムは改良され、ページスピードが要素として組み込まれるか
  • ユーザー体験はモバイルでの順位に影響するが、デスクトップの順位には影響しない

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

Bingもモバイルフレンドリーアップデートを予告
★★★★☆ グーグルのマネではないはず (Bing Webmaster Blog)

グーグルに続いてBingも、“モバイルフレンドリー”をランキング要因として使用する予定であることを公式ブログで発表した。

モバイルフレンドリーとは、わかりやすく言い換えればスマートフォン対応できているかどうかだ。もっともグーグルがモバイルフレンドリーをランキング要因にしたばかりなので、説明不要だろう。

モバイルフレンドリーでないページは、モバイル検索では検索順位が下がる可能性がある。しかし、クエリとの関連性やコンテンツ品質を無視するということではない。ましてモバイルフレンドリーでないからといってペナルティを与えられるわけでもない。

関連性を重視しつつも、モバイルフレンドリーなページを優先的に検索結果でモバイルユーザーに提供することが狙いだ。

Bing版のモバイルフレンドリーアップデートの実施は、今後数か月後を予定している。それまでに、詳細な情報を伝えていくとのことだ。

今回の発表では、モバイルフレンドリーかどうかの判断にはたとえば次のような要素をチェックするとしている。

  • ナビゲーション
    ボタンやリンクが十分な大きさで、互いにきちんと間隔が空いており、タップしやすいか。

  • 読みやすさ
    ズームしなくても文字が読める大きさであるか。また目的のコンテンツを見るのに横にスクロールしなければならないのは良くない。

  • スクロール
    縦方向のスクロールはまったく問題ないが、横方向のスクロールはコンテンツ利用の妨げになる。ポートレートモードでもランドスケープモードでもページがきちんとディスプレイに収まるようにする。

  • 互換性
    Flashのようにスマートフォン端末で利用できないコンテンツを使わない。

グーグルのモバイルフレンドリーの条件と非常によく似ている。だがマネしたわけではないと筆者は考える。結局、モバイルユーザーが使いやすいサイトにするためは必須な要件なのであろう。

またグーグルの「モバイルフレンドリーテスト」に相当するようなチェックツールを、数週間後に提供することになっている。こちらはマネっぽい感じがしないわけではないが、アルゴリズム変更にウェブマスターが対応できるように提供するサービスとしては、当然といえば当然だ。

Bingのシェアを考えると、Bing検索からのトラフィックが重要なサイトは日本ではそう多くはないと思われる。それでも、モバイル対応がいかに大切かなのかを改めて認識できる出来事だ。よりモバイルフレンドリーなサイト作りに励もう。

なお公式ブログは言及していないが、おそらく世界中での展開になるはずだ。モバイル対応しているページには、(Bingの)モバイル検索結果でMobile-Friendlyのラベルが付くのだが、日本のBingでもラベルを見ることができるからだ。ただしラベル名は「モバイルで使いやすい」となっている。

Bingの検索結果でのモバイルフレンドリー表示は「モバイルで使いやすい」

パンダとペンギンがリアルタイムかどうかの真相がついに判明
★★★☆☆ 正真正銘のリアルタイムとは言えない (Mariya Moeva on Google+)

「パンダアップデートとペンギンアップデートは、リアルタイムで更新するのか、それとも手動で更新するのか」という問題に対するグーグル社員たちの発言は矛盾しているようにしか思えなかった。

グーグルのマリヤ・モエヴァ氏は、真相と突き止めようとするウェブマスターからの質問に対して、次のように答えている。

基本的に、(パンダとペンギンの)両方ともがリアルタイムのインフラストラクチャに組み込まれています。ですが、データは別個に更新しなければなりません。この2つに分かれたプロセスが、不明瞭さをもたらしているのだと思います。

重要点を抜き出すとこのようになるだろうか。

  • パンダもペンギンもリアルタイムで自動稼働する基盤システムの一部になっている
  • 最新のデータは手動で取り込ませる必要がある

わかったようなわからないようなモヤモヤ感が筆者には依然として残る。ただ確実に言えることがある。

結局は、パンダもペンギンも更新には人の手が必要で、完全に自動化されたリアルタイム更新ではない。

誘導ページとは何かをあなたは正しく理解できているか?
★★★★☆ グーグル社員がベストアンサーを付けた回答より (Google Webmaster Help Forum)

「誘導ページ」に関して、次の質問がグーグル公式ヘルプフォーラムに投稿された。

チェーン展開しているホテルのサイトをコンサルティングしている。

すべての場所のホテル情報を掲載した総合ブランドサイトと、個々の場所のホテルだけのサイトを運用している。これは誘導ページに相当してしまうだろうか?

  • ブランドサイト:http://hiltongardeninn3.hilton.com/en/hotels/california/hilton-garden-inn-monterey-MRYMHGI/index.html
  • ホテルサイト: http://www.hiltonmonterey.com/

1人のフォーラムメンバーからの回答を紹介する。グーグル社員がベストアンサーを付けた回答だ。

いいや、そういうのは誘導ページではない。見たところ、だますようなものは何もない。

誘導ページの例というのはこういうものだ:

200ページのサイトがあったとして、すべてのページが基本的に同じことが書かれている。

しかし、各ページで場所だけを入れ替えてある(例:「ロンドンでタクシーを見つける」と「ニューヨークでタクシーを見つける)。

ページはそれぞれが上位表示するように設計され、それぞれの検索キーワードを狙うが、検索からのすべてのアクセスは最終的には同じページに到達する。

ユーザーに価値ある情報を与えずにほとんど素通りさせるようにして、そのページ経由で、本当の目的ページヘ連れて行くページが代表的な誘導ページだ。ユーザーや検索エンジンを欺こうとする意思が(あなたに)あるかどうかも決め手になるだろう。

サイトマップに必要なタグは6つのうちどれか?
★★★★☆ changefreq と priority は不要 (Google Webmaster Central office-hours)

(検索エンジン向けの)サイトマップには次の6つのタグを含めることができる。どれが必要なのだろうか?

  • <urlset>
  • <url>
  • <loc>
  • <lastmod>
  • <changefreq>
  • <priority>

グーグルのジョン・ミューラー氏の最近の発言とヘルプ記事、筆者の知識にもとづいて説明する。

先に挙げた6つのうち、次の3つは必須だ。

必須タグ
  • <urlset>
  • <url>
  • <loc>

サイトマップ作成ツールを使えばどのタグも必ず含まれているはずなので、悩むことはない。

問題は残りの3つだ。含めるか含めないかは任意だ。

lastmodは、既存のページを更新した際には含めたほうがいい。更新したことを検索エンジンに伝えることができ、優先的にクロールするようにリクエストできる。

changefreq と priority は、特に含める必要はない。更新頻度と優先度を設定するものだが、少なくともグーグルに限っていえば、このタグはたいした価値は持っていない。もちろん含めても構わないが、値をどうしようか悩むほどの意味はない。

モバイル検索とPC検索のインデックスは同じ、しかしモバイル検索用のアルゴリズムがある
★★★☆☆ 将来的には分離する可能性も (Sha Menz on Twitter)

豪シドニーで先日開催されたSMXカンファレンスで、グーグルのゲイリー・イリーズ氏は次のように発言したそうだ。参加者がツイッターに投稿していた。

(モバイルとPCとで)2つのインデックスを持ってはいない。しかし、モバイル向けとPC向けで2つの別々のランキングシステムを確かに持っている。

現在グーグルはモバイル検索専用のインデックスを運用していない。だが、モバイルフレンドリーアップデートやApp Indexingでわかるように、モバイル検索にだけ適用されるアルゴリズムを用いている。

ただしモバイル検索専用のインデックスを試験的に作っているというコメントを、3月に米サンノゼで開催されたSMXカンファレンスでイリーズ氏がしていた。将来的には、モバイル検索とPC検索のインデックスの2つに分かれる可能性も、おおいにある。

SEO Japanの
掲載記事からピックアップ

グーグルのゲイリー・イリーズ氏によるアルゴリズム関連の発言を元にした記事を2本、今週はピックアップ。

この記事の筆者

鈴木 謙一(すずき けんいち)

「海外SEO情報ブログ」の運営者。株式会社Faber Companyの取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。

海外SEO情報ブログは、SEOに特化した日本ではもっとも有名なSEO系ブログの1つ。米国発の最新のSEO情報を中心に、コンバージョン率アップやユーザーエクスペリエンス最適化のための施策も取り上げている。

正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうために、ブログでの情報発信に加えて所属先のFaber Companyでは、セミナー講師や講演スピーカーを主たる役割にしている。

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