SEO目的でtitleタグを変えたら、予想外の検索トラフィックを失ってしまった! など10+3記事

SEOのためのデータを細かく取得するテクニックや、パンダアップデートにつかまった事例なども
よろしければこちらもご覧ください

※来週(7/18)のこのコーナーはお休みとさせていただきます。再来週の更新をお楽しみに。


SEO目的でtitleタグを変えたら、予想外の検索トラフィックを失ってしまった!
★★★★☆ SEOは意識すべきだが検索ユーザーのことも忘れてはいけない (インハウスSEOブログ)

SEOを意識しすぎたtitleタグの修正によって、順位が上がるどころか、本来ビジネスにつながっていた検索からのアクセスを減らしてしまったという失敗談。

少しSEOの知識がある担当者にWeb担当者を交代したのだが、その後任が良かれと思って修正したタイトルが問題だったのだ。

その失敗の内容は、次のとおり。

  • 前担当者 ―― パンフレットなどで「◯◯で検索」と訴求しているので、その「○○」の検索で1位に表示されるようにしていた。

  • 新担当者 ―― 「○○で検索」の「○○」ではない、業界のビッグワードを先頭に置くタイトルに変更した。

新担当者が改善の意図で行った変更なのだろうが、おそらくこれが原因で、それまでアクセスを集めていたキーワードでの順位が下がってしまったのだろうとしている。

検索ユーザーが自社を見つけるために使うキーワードや検索ユーザーの目を引くコピーがtitleタグには重要なのは、確かだ。

しかし、SEOは、単に「検索で上位に来ればいい」「検索トラフィックを増やせばいい」だけのことではないのが、よくわかる。ビジネス成果につながることが大切なのだ。

自社が全体としてどんな施策を行っているかを把握して、SEOだけでなく他の施策との関連もちゃんと意識しなければ、本来ならば得られる成果を逃してしまうという、良い事例だ。

Web担当者をだれか他の人に引き継ぐときは、そうした全体の施策のこともちゃんと情報として引き継がないと、同様の失敗をしてしまうだろう。

日本語で読めるSEO/SEM情報

WMT単体ではできない、検索順位やCTRの日次推移をデータで確認する方法
★★★★☆ 利用方法を思い付けば活用したい (真摯のブログ)

  • キーワードの検索順位の日別推移の把握
  • 検索クエリデータのメールでの定期配信

この2つは、ウェブマスターツールやGoogleアナリティクスで実現できそうだが、実際にはそれぞれ単体ではできないことだ。

しかし、ウェブマスターツールをGoogleアナリティクスと連携させることで、それを実現できるとして、設定方法を解説した記事。

詳しい設定手順は元記事を参照してほしい。

注意点がいくつかあることに気をつけたい。たとえば、ウェブマスターツールの検索クエリにある「動画や画像などの検索のデータも含まれる」「実数値ではなく以前のように概算値でレポートされる」などだ。

そしてデータを取得しただけでは役に立たない。入手したデータをどのようにしてサイト改善につなげられるかを思い付いたなら、このレポートを利用するといいだろう。

もしかしたら、メール送信先を人間ではなくプログラムが処理するメールアドレスにして、日々統計データを蓄積していくという使い方のほうが、価値を生み出しやすいかもしれない。

拡張子が「.html」じゃないとSEOにマイナスなのか?
★★★★☆ 関係なし (グーグル ウェブマスター向けヘルプフォーラム)

拡張子が「.jsp」で作成したサイトはSEOにおいてマイナスでしょうか?

このような質問がグーグルの公式ヘルプフォーラムに投稿された。

前回ピックアップしたhタグと同じ「SEO関連のよくある質問」の1つだ。

はるか昔は、動的に生成されるURLのページはクロールやインデックスがされづらいという状況があったようだが、今は違う。クローラがきちんと読み取れるHTMLで提供されているのであれば、拡張子の種類がマイナスに働くことはまったくないと考えていい

ましてや、「拡張子が.htmlのページを高く評価して、.jspや.phpのページの評価を低くする」なんていうことも、あり得ない。グーグルが検索結果に表示したいのは関連性があり高品質なページだ。拡張子が.htmlのページではない。

ちなみに、「index.xxx」(xxxは拡張子)のページについても聞かれることが多いが、index.htmlやindex.phpが存在しなければならないということもない。

ただしこの場合、次の2点が大切になる。

  • ファイル名を記述しない「/」止まりのURLでアクセスしたときでも既定のページが表示されるようにWebサーバーを設定する
  • 「index.xxx」の有無を正規化する

正規化するというのは、

http://www.example.jp/

http://www.example.jp/index.html

のどちらを優先URLとするのかを決め、優先URLでないほうへのアクセスをリダイレクトするか、rel="canonical"で指定するのだ。

Seesaaブログのウェブマスターツール登録が簡単になった
★★★☆☆ グーグルも大喜び (Seesaaブログ)

Seesaaブログに、グーグルとBingのウェブマスターツールの所有者確認のmetaタグを挿入する機能が付いた。HTMLを直接編集しなくても管理画面の所定の場所にmetaタグを入力すれば、所有するブログのトップページに自動的に設定される。

グーグルのサーチクオリティチームも歓迎している。

Seesaaブログをビジネス用途に利用しているウェブ担当者はそう多くはないとは思う。だがもし利用していれば嬉しいニュースであろうから紹介することにした。

Chromeからの検索で常にパーソナライズ検索を無効化する方法
★★★☆☆ パーソナライズが邪魔な人にオススメ (和洋風KAI)

グーグル検索では、検索結果のURLに「pws=0」というパラメータを付けるとパーソナライズ検索(プライベート検索ウェブ履歴)を無効にできる。自分のウェブ履歴やソーシャルでのつながりに影響されない、“素”の検索結果を見たいときに重宝する。

だが、毎回毎回「pws=0」を付け足して再読込みさせるのは面倒だ。

こちらの記事では、Google Chromeのアドレスバーからの検索を、常に「pws=0」が付いたパーソナライズ無効な状態にする方法を説明している。

Chromeで設定できる「検索エンジンの編集」に次を登録し、デフォルトの検索エンジンにセットするだけだ。

https://www.google.co.jp/search?q=%s&pws=0

詳しい手順は元記事をご覧いただきたい。

筆者は同じ設定をもう数年来利用している。ユーザーとしてはパーソナライズ検索がありがたいこともあるのだが、SEOの仕事をやっていると“自分好み”にカスタマイズされた結果が、かえって迷惑になることもある。

ちなみに、この方法を使っていても、パーソナライズ検索の結果を見たい場合は、検索結果ページの右上にある「人マーク」のアイコンを選択すればいいだけなので、安心してほしい。

海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ

グーグル社員が説明した常時SSLサイトへ移行する際のベストプラクティスと元Bing社員が語る検索の未来予想を今週はピックアップ。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
  • パンダの餌食になるべくしてなったサイト
  • 不正な手段が原因で順位が上がらないときの2つの対処策
  • noindex robots metaタグが記述されたページからのリンクはSEO価値があるのか
  • 優れた検索エンジンマーケッターになる秘訣
  • グーグル、ポーランドのリンクネットワークに2回目の制裁
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
  • Googleのマット・カッツ氏が長期休暇に入る旨を発表

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

パンダの餌食になるべくしてなったサイト
★★★★☆ おそまつなユーザー体験を放置していた結果 (The Internet Marketing Driver)

パンダアップデートやペンギンアップデートの分析と対応に関しては群を抜いている(と筆者は思う)米国のSEOコンサルタント、グレン・ゲイブ氏がおもしろい出来事を記事にした。

予想どおりパンダアップデートに低品質評価を受けたサイトのケーススタディだ。

ある企業にサイト診断をゲイブ氏は頼まれた。診断してみて彼は絶句した。次の2つの大きな問題を発見したからだ。

  • 中身がない大量のページ

    動画のサムネイル画像とそのタイトルだけのページが1万5000ページほどインデックスされていた。再生できる動画はない。このページに来たユーザーは何もすることがなく、すぐ去ることしかできない。

  • スマホユーザーをアプリストアへ強制リダイレクト

    スマホユーザーがこのサイトにアクセスすると、Google Play ストアまたはApple Storeに強制的に302リダイレクトされる。このサイトの目的が、自社のアプリをダウンロードしてもらうことである点は、まったく問題ない。しかし、検索からであろうが直接であろうが、スマホでアクセスしたユーザーは、そのサイトを見ることなくアプリストアに送られる。

取りも直さず、以下に挙げるような、グーグルが嫌う状態を三拍子も四拍子もそろえたサイトだ。

  • 薄っぺらいコンテンツ
  • ユーザーを混乱させる
  • ユーザーをだます
  • ひどいユーザビリティ

あいにくゲイブ氏はこのサイトの面倒を見る余裕がなく、問題点を報告するだけにとどまった。ところがこのサイトの管理者は何一つ対応しなかった。果たして、パンダアップデート4.0が実施されたときに、案の定、グーグル検索からのトラフィックを大きく失ったということだ。

このサイトは、ページを量産することでトラフィックを集めることに成功していた。だがそれは、グーグルによる正当な評価が完了するまでのほんのいっときにすぎなかった。

ユーザーを満足させる体験を提供できないサイトは遅かれ早かれ退場になるということを、反面教師としてとらえておこう。

不正な手段が原因で順位が上がらないときの2つの対処策
★★★★☆ 「1つに集中」と「再スタート」 (Google Webmaster Help Forum)

思うように検索順位が上がらないサイト管理者に、グーグルのジョン・ミューラー氏がアドバイスした。

2つ勧めたいことがある。

  • 運用している同じようなサイトの数をばっさりと減らすこと。そのほうが努力を分散させずにすみ、もっと適切に作業しやすくなる。それに浅く広くコンテンツを公開するよりも、検索エンジンがコンテンツをずっと評価しやすくなる。

  • あなたのサイトは深刻なウェブスパムの問題を抱えているように見える。たとえば、不自然なリンクを作っているなら、ウェブスパムとして見なされるだろう。こういうことをやっていると、そのサイトについては何もかも信頼することが難しくなる。

問題が非常に深刻で、どうやってそれを正すかはっきりと学んでいるなら、古いサイトをすべて削除し、新しいサイトを1つだけ作るほうがいいかもしれない。

簡単な決断ではないと思う。だが、特に、不自然リンクのような今のサイトの問題につながっている状況を避けることができて、すばらしいコンテンツを持っていると確信できるなら、検討する価値があるだろう。

ジョン・ミューラー氏のアドバイスの重要点を簡潔にまとめると、次のようになるだろう。

  • 似たサイトをいくつも作らずに1つのサイトをすばらしくすることに集中する
  • 不正が深刻で解消できないときは、新規にサイトを作りなおすべき

noindex robots metaタグが記述されたページからのリンクはSEO価値があるのか
★★★☆☆ 通常のリンクと同じく評価される (WebmasterWorld)

あるサイトからリンクが張られていたのだが、そのページのmeta robots タグを見ると「noindex,follow」タグが入っていた。

リンクとして検索エンジンに評価してもらえるだろうか?

こんな質問がWebmasterWorldフォーラムに投稿された。

フォーラムモデレータが回答しているとおり、きちんと評価対象になる。

robots metaタグの「noindex」は、検索結果への表示を禁止するために用いる。検索エンジンは実際にはインデックスしないわけではなく、インデックスには登録するが検索結果に出さないようにする。リンクの処理とは無関係だ。

したがってそのページにリンクがあれば、そのリンクをたどるし、PageRankやアンカーテキストを渡す。

ただし、meta robotsタグの「nofollow」があわせて記述されていたり、リンクにnofollow属性が付いていたりすればリンクとしては無視される。

しかしこの場合は、robots metaタグの「follow」が指定されているので、問題なくリンクも評価されるというわけだ。

細かな技術的な仕組みだが、知っておくのは悪いことではないだろう。

優れた検索エンジンマーケッターになる秘訣
★★★☆☆ グーグルのエンジニアの気持ちになる (Pedro Dias (@pedrodias) on Twitter)

元ブラジルのグーグルで働いていたペドロ・ディアス氏のツイートを紹介する。

検索エンジンマーケティングのプロフェッショナルたちのほとんどに見られる問題は、だれも検索エンジニアのように考えることを知らなかったり、考えようとしたりしないことだ。

的確なSEOを施策するには、検索エンジンのアルゴリズムを開発する人の気持ちになってみるといいというのだ。

「もし自分がマット・カッツやジョン・ミューラーだったらどうするか?」、こんなふうに想像してみると、やろうとしていることが検索エンジンの評価にどう関係するか、検索エンジンが嫌がる行為ではないのか、グーグルは何を評価したいのか、などが見えてくることが多い。

もちろん、完全にグーグルのエンジニアになりきれるわけではないが(それができるのならば、グーグルに就職するほうがいいだろう)、少なくとも、「サイトを上位に表示したい側」の気持ちだけで考えるのではなく、視点を変えてみるということに価値はあるだろう。

グーグル、ポーランドのリンクネットワークに2回目の制裁
★★★☆☆ マット・カッツは内緒にしていた (Karolina Kruszyńska (@karo_krus) on Twitter)

グーグルは、ポーランドのリンクネットワークに制裁を与えた。今年の2月にもポーランドのリンクネットワークには制裁を与えており、これで2回目だ。

ただ今回は、米グーグルのウェブスパムチームのトップであるマット・カッツ氏ではなく、ポーランドのウェブスパムチームの人物によるツイートで明らかになった。

(ポーランドの)2つのリンクネットワークに制裁を与えた。

マット・カッツ氏は、この制裁が事実だったことを認めつつ、自身が明らかにしなかった理由を次のように述べている。

もっとポジティブになるようにみんなが頼むから、この件に関してはツイートしなかった。

リンクネットワークへの制裁は、SEO界隈では“ネタ”にはなる話題だが、明るい話題だとはいえない。

となると、今度は水面下でリンクネットワークへの制裁が進むのだろうか。むしろ公表されるよりも業者はますます戦々恐々となりそうだ。

事実、2つのリンクネットワークに対策したとグーグル社員は言っていたが、実際にはもっと数多くのリンクネットワークが対象になったという情報もある。

SEO Japanの
掲載記事からピックアップ

米グーグル サーチクオリティチームの象徴的存在、マット・カッツ氏がしばらく検索の世界から離れることを発表した件の紹介記事を今週はピックアップ。

この記事の筆者

鈴木 謙一(すずき けんいち)

「海外SEO情報ブログ」の運営者。株式会社Faber Companyの取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。

海外SEO情報ブログは、SEOに特化した日本ではもっとも有名なSEO系ブログの1つ。米国発の最新のSEO情報を中心に、コンバージョン率アップやユーザーエクスペリエンス最適化のための施策も取り上げている。

正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうために、ブログでの情報発信に加えて所属先のFaber Companyでは、セミナー講師や講演スピーカーを主たる役割にしている。

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