グーグルSSL検索の影響は10%以下? GAで確認できるカスタムレポートをどうぞ など10+1記事(海外&国内SEO情報)

日本のグーグル公式情報4連発や、有料リンク・ナチュラルリンクといったSEO情報
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※お知らせ: 来週(11月11日)は、筆者所用のため「海外&国内SEO情報ウォッチ」の記事更新をお休みとさせていただきます。


グーグルSSL検索の影響は10%以下? GAで確認できるカスタムレポートをどうぞ
★★★☆☆ 本質的な影響はまだ不明 (Rand Fishkin(randfish) on Twitter)

グーグルのウェブ検索のSSL(HTTPS)化による影響は全体の10%未満になるだろうと、グーグルのマット・カッツは公式アナウンスが出た後にコメントしていることをダニー・サリバン氏が報告している。

マット・カッツ氏の試算によると、このSSL化がログインユーザー全体に反映されたとしても、Google.comでの検索全体の1桁パーセントに収まるだろうとのこと。

この数字に関しては多くの疑問が寄せられたためマット・カッツ氏に再度確認したが、彼はこの試算値で問題ないとのこと(あなたがこの試算を信じるかどうかはまた別の問題だが)。

変更が行われてからの1週間におけるSEOmozのグーグル検索からのトラフィックのうち、暗号化された通信を示す「(not provided)」は2.5%だったとランド・フィッシュキン氏がツイートした。ダニー・サリバン氏によれば、Search Engine Landでは2.6%、彼の個人ブログは2%前後だったそうだ。アクセス解析専門のこちらのブログでは1%、そのクライントのかなり大規模なサイトでは約2%だったのことだ。

※Web担編注: SSL化はまだGoogleアカウントにログインしているユーザーがgoogle.comを利用した場合のみでgoogle.co.jpではログインユーザーでもSSL化されていないため、Web担のデータ(過去2週間)では0.2%に留まっている。

マット・カッツ氏が見積もったように10%以内には落ち着きそうな気配である。ただ10%以内であっても、その失われた数字がアクセス解析に与える意味合いはサイトによって違ってくるので、一概に低いと第三者が述べることはできない。

Googleアナリティクスに1クリックで作れる(not provided)調査用カスタムレポート

Googleアナリティクスのエバンジェリストも務めているアヴィナッシュ・コーシック氏が、SSL検索の状況を調べるGoogleアナリティクスのカスタムレポートツイッターで共有している。米国グーグルからのアクセスに依存しているサイトを運用しているなら自分のサイトの状況分析に利用してみるといいだろう。

Googleアナリティクスにログインした状態でこのカスタムレポートのリンクをクリックすると、必要な設定がされた「カスタムレポートの作成」画面が表示されるので、[保存]をクリックするだけで、SSL検索の影響を調べられるカスタムレポートが自動的に作成される。

画像をクリックすると、あなたのGoogleアナリティクスにカスタムレポートを作成できる。

日本語で読めるSEO/SEM情報

ウェブマスターツールのパラメータ処理機能の拡張で重複URLを防止
★★★★★ 高度な機能だけど使いこなすべき (グーグル ウェブマスター セントラル 日本版 公式ブログ)

パラメータの付いたURLの処理方法を設定する機能である、グーグルウェブマスターツールの「パラメータ処理」が「URL パラメータ」に名前を変えて、さらに細かな指定が可能になった。

「URL パラメータ」機能を利用すると、どのパラメータがページ内容に影響を与えないので無視するのか、どのパラメータが付いたURLをクロールさせないようにするのかなどを詳細に設定できる。クローリングの効率化や重複URLの防止の大きな手助けになる。オプションがたくさんあり理解が難しいかもしれないが、大規模サイトでパラメータの付いた複数の種類のURLを動的に生成する場合はぜひとも利用したい機能だ。使い方をマスターしてほしい。

ただし、URLパラメータの設定画面にも示されているように、どのパラメータがサイトの動作にどういった影響を与えるのかを把握して使わないと、意図せずしてページがインデックスから削除されてしまうことがあるので注意が必要だ。元記事の公式ブログでは、このURLパラメータの使い方を詳しく解説しているので、わからなければ参考にしておくといいだろう。

なお「URL パラメータ」は7月の下旬からに実装されている。日本版のウェブマスター向け公式ブログでは3か月以上たってアナウンスされたことになるので、すでに利用しているウェブ担当者にとっては新しい機能ではない。

ユーザーのサイト内の動きを可視化する機能がGoogleアナリティクスに登場
★★★★☆ 早く見てみたい (Googleアナリティクス 日本版 公式ブログ)

訪問したユーザーがどのような経路を通ってサイト内を動いたかをわかりやすく可視化する「ビジュアルフロー」という機能がGoogleアナリティクスに追加される。

第一弾として導入される「ビジュアルフロー」は次の2種類だ。

  • ユーザーフロー:サイトに訪れた経路、つまりトラフィックからユーザーの行動を見せていき、どこでサイトを離脱したかまで追いかけることができる。
  • ゴールフロー:目標のステップに沿ってユーザーがどう行動したか、どこで離脱したかを、ビジュアルに表現する。

このビジュアルフローの大きな利点として、「目標を設定したときよりも過去のアクセスデータを分析できる」ことがある。これまでGoogleアナリティクスでは、目標設定をしても、コンバージョン関連のレポートには設定した時点以降のデータしか表示されなかった。これからは、目標設定をいろいろと変えながら、ビジュアルフローで確認していくという作業も可能になる。

楽しみな機能だが、Googleアナリティクスの大内氏によると導入はかなりスローペースで進んでいるらしい。筆者のアカウントではまだ使えないが、早く使ってみたいものだ。

はい、かなりゆっくりで最初は10%以下の方々のようです。リアルタイムの方は大分広がっているはずです。

再審査リクエストによく見られる誤解
★★★★☆ 公式ブログでも説明してほしい内容 (グーグル ウェブマスター 公式ヘルプフォーラム)

再審査リクエストを送信した後にどのように対応しているかの詳細をグーグルが伝えるようになってきたことを先週のこのコーナーでピックアップした。

ウェブマスター向けの公式フォーラムでグーグルの社員がこれに対して補足を書き込んだ。「再審査リクエストの対象」と「再審査リクエストの送信が必要ないケース」について説明している。

有益な情報だが、公式フォーラムをチェックしているウェブ担当者が多いとは思えないので紹介しておく。

SEOに最適なURL階層とは?
★★★★☆ 後から変えなくていいように設計すること (モバイルSEOの勧め)

URLのディレクトリ階層について論じた記事。ある勉強会の参加者の間では、URLのディレクトリ階層について次のような意見でまとまったそうだ。

  • ディレクトリ階層と評価には関係が無さそうだ
  • リンクのクリック数のリンク階層の方が重要
  • ただし綺麗なディレクトリ構造は分かりやすく、人に好まれやすい。(Googleガイドライン)
  • ディレクトリがサイト階層構造にならっているとアクセス解析などに有利

続いて、サイトの階層と合わせたURL構造に変更を実行した事例を紹介している。URLを変更した後でも「検索エンジンの評価はまったく変わりがなかった」とのことだ。

301リダイレクトなどを用いて適切にURLを変更すれば検索エンジンに対する評価に影響を与えることはほとんどないが、それでも稀にランキングが下がりなかなか復活しないこともある。URLを変えることによる危険性よりも得られるメリットがはるかに大きい、あるいは現状のURLに無視できない問題がある、このようにURLを変えることに明確な目的がありかつ旧URLの評価を新URLに確実に引き継げる技術的な体制が整っていない限りは、URLの変更は避けるべきだと筆者は考える。

「モバイルSEOの勧め」さんの場合のURL変更は目的とメリットがはっきりしておりスキルもあるので、問題だったとはもちろん思わない。しかし、それでもいったん公開したURLを変更することがないようにサイトの設計段階でURLの構造を入念に検討しておこう。

スマートフォン利用の世界規模調査から驚くべき事実が
★★★☆☆ 日本のスマフォ利用者の68%は1日に4回以上ネットを利用 (グーグル 公式ブログ 日本版)

世界のスマートフォン利用に関する大規模調査の結果をグーグルが公開した。調査は、

  • スマートフォンの普及率
  • 利用状況・シーン
  • 使用用途
  • オンラインコマース(情報収集と購入行動)
  • 広告への反応

の5つのカテゴリに分かれており、調査結果レポートサイトで、自由にデータをグラフ化したりデータとしてダウンロードしたりできる。

SEOには直接関係しないが、ウェブ担当者として知っておいて損のないデータが出ている。

  • 日本のスマートフォンユーザーで、毎日 4 回以上モバイルインターネットを利用していると答えた人は 68%で、これはアジアにおいてもっとも高い数字でした。

  • 日本のスマートフォンユーザーの45% が、スマートフォンで商品を購入したことがあると答えており、これはアメリカ、イギリス、ドイツに比べ約 2 倍です。

スマートフォンユーザーが増えていることが、データで裏付けされた形だ。現状グーグルは、スマートフォンをデスクトップPCと同等に扱っており専用のインデックス(検索結果)を用意していない。しかしスマートフォンユーザーを意識したサイト作りが重要になってくることは間違いない。ECサイトにとっては特に重要になりそうだ。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
・有料リンクは未だに上位表示に効果あり?
・リンクが自然かどうかを決定する要因×8
・ドメイン名にキーワードを含んでいても上位表示できるわけじゃない
・rel="canonical"タグを使ってペナルティから脱出できる?
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
・FacebookページのSEOを強化する7つの秘訣

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

有料リンクは未だに上位表示に効果あり?
★★★★☆ さらなるグーグルの進化が必要 (WebmasterWorld)

WebmasterWorldに、次のような投稿があった。

そこそこ競争が激しくて儲かるキーワードで上位表示しているサイトを所有しているが、競争を挑んできたサイトが登場した。本当にひどいスパムドメインからの有料リンクを大量に購入してそのサイトは順位を上げてきている。どれくらいひどいかというと、カジノ、保険、債務整理のサイトからのリンクで、なかにはアレを大きくするためのサイトからのリンクもある。

しかもこのサイトはそういったスパムサイトからだけしかリンクを得ていない。グーグルの有料リンクを検出したり関連性を判断したりするアルゴリズムは一体全体どうなっているんだ?

同じような事実に気付いているという同調コメントがいくつも寄せられている。

「(スパム的手法による上位表示は)そう長くは続かないさ」と言う決まり文句に対して、フォーラムのベテランメンバーの1人は次のようにコメントしている。

自分もそう言うだろう。と同時に、スパム手法は株式市場の大暴落を予想するようなものだとも言いたい。

リスクの高い戦略だ。1か月続くことがあるし、2年間続いたのを見たこともある。だが、ほぼ必ずといっていいほど悪行の報いが来る。スパム手法が通用するというのも、いつかは終わるというのも両方とも正しい。上位表示は、上位表示しなくなるまで続くものだ。

逆に言うと、取り締まられるまで1~2年かかるのならば、金を稼ぐにはいい手段になってしまうだろうことも事実だ。

有料リンクのようなスパム手法で上位表示しているサイトが存在するのはご存知のとおりだ。しかしそういった手法にはリスクが付きまとい、いつかは報いを受けることになるだろうことも事実である。

リンクが自然かどうかを決定する要因×8
★★★★☆ リンクが“自然に”集る施策を練ること (SEO wizz)

ナチュラルリンクに求められる、さらに重要になってきた要因をSEO Wizzが8個リストアップした。

  1. バリエーションに富んだキーワードでのアンカーテキスト
  2. ブランド名(サイト名や会社名、サービス名など)でのアンカーテキスト
  3. 同じ国・地域にあるサイトからのリンク
  4. サイドバーやフッターなどサイト共通のテンプレート部分からではなく、そのページ固有のコンテンツ中からのリンク
  5. オーソリティのあるサイトからのリンク
  6. ディレクトリやブログ、ソーシャルサイトなどさまざまなタイプのサイトからのリンク
  7. 絶えずリンクが集まるようにコンテンツを増やし続けること
  8. 質が高くて関連性のあるリンクしかないと、かえって不自然に見えてしまう

ドメイン名にキーワードを含んでいても上位表示できるわけじゃない
★★★☆☆ そりゃ公式にはそう言うよね (Google Webmaster Central Help Forum)

数か月前に他人からドメイン名を購入してサイトを運用しているがなかなか順位が上がらないサイト管理者に対してグーグルのジョン・ミューラー氏が次のようにアドバイスした。

口を挟むようで役に立たないかもしれないが、以前から使われていたドメイン名でサイトを運用しているようだね。そしてターゲットにしているキーワードがそのドメイン名には含まれているということだね。

中古ドメイン名は役に立つこともあるが、それでも基本的には新しいサイトを持っていることになる。ドメイン名にキーワードを含んでいるからといって、それが自動的にそのキーワードで1位になるわけではない。我々のアルゴリズムはドメイン名のキーワード以上のものを見ているのだから。

いずれにしても見栄えのいいサイトだ。その調子で頑張ってほしい。

「長く使われてきたドメイン名だから」「キーワードを含んだドメイン名だから」……そんなことで簡単に評価が上がると思ってはいけないということだ。

rel="canonical"タグを使ってペナルティから脱出できる?
★★★☆☆ 一時しのぎでしょう (WebmasterWorld)

次のようなレポートがWebmasterWorldフォーラムに寄せられた。

スパム的な方法で上位表示していたサイトが検索結果から消えた。ペナルティを受けたと思われる。しかし似たようなサイトを新たに作成し、ペナルティを受けたサイトからrel="canonical"タグで指し示したところ、ペナルティを受けたサイトが元いた順位に、新しく作ったサイトが表示され始めた。

グーグルのアルゴリズムの隙を突いた裏技なのかもしれない。いずれは対策されるはずだ。今回のケースと同じようにペナルティを受けたサイトを別のサイトに301リダイレクトしペナルティから逃げるという策をとる人もいる。ただこちらも根本的なペナルティ要因を排除しない限りは、たいてい再びペナルティを受けることになる。

こうしたことを「SEOテクニック」と称して喧伝する輩がいるだろうことから、そういう抜け道が効く場合もあるが本筋のSEOではないことを知ってもらうために、ここで伝えておく。

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この記事の筆者

鈴木 謙一(すずき けんいち)

「海外SEO情報ブログ」の運営者。株式会社Faber Companyの取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。

海外SEO情報ブログは、SEOに特化した日本ではもっとも有名なSEO系ブログの1つ。米国発の最新のSEO情報を中心に、コンバージョン率アップやユーザーエクスペリエンス最適化のための施策も取り上げている。

正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうために、ブログでの情報発信に加えて所属先のFaber Companyでは、セミナー講師や講演スピーカーを主たる役割にしている。

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