検索結果1ページ目の25%強がHTTPSページ、その比率は増加傾向 などSEO記事まとめ10+4本
グーグル検索結果の1ページ目に表示されるリンクの25%以上がHTTPSページになっているという。HTTPSページの優先インデックスも含め、グーグルのHTTPSへの動きは止まらない。
ほかにも、グーグルの新しいウェブマスター向けサイト、サイトのハッキング対策、タブ型UIの良いデザイン、meta descriptionタグのSEOでの意味などなど、SEOの話題をまとめてお届けする。
検索結果1ページ目の25%強がHTTPSページ、その比率は増加傾向
HTTPSが着実に増えている (Dr. Pete Meyers on Twitter)
Mozのピート・マイヤーズ氏によれば、検索結果の1ページ目、つまり上位10位に表示されるページのHTTPSの割合は25%を越えているそうだ。
Moz独自の検索結果調査ツールであるMozCast(モズキャスト)は、常時1万キーワードでの検索結果をトラッキングしている。このツールのデータによると、HTTPSページの比率はここのところまた増えており、1月16日の時点で25.75%弱になっていることを示している。
ただし気をつけてほしい。この情報をもって「HTTPSページの順位が高くなっている」と考えるのは適切ではない。グーグルはHTTPSをランキング要因にしている。しかし影響は非常に小さいことがわかっている。
検索結果の1ページ目に出るHTTPSページが増加しているのは、次のようなことが主な理由だろう。
- HTTPSを導入するサイトが増えたこと
- HTTPSページを優先的に検索結果で表示するようにグーグルがインデックスの仕組みを調整したこと
理由はどうであれ、検索結果ページでユーザーがHTTPSのサイトに触れることが増えていることは確かなようだ。
日本語で読めるSEO/SEM情報
グーグルがHTTPSページを優先的にインデックス開始
ランキングシステムの変更ではない (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)
グーグルは、HTTPSページを優先的に検索結果に表示するようにインデックスシステムを調整したことをアナウンスした。
1か月前の発表だが、このコーナーでまだ取り上げておらず、比較的重要なので今回紹介することにした。
具体的には、同じページがHTTPとHTTPSのどちらでもアクセスできた場合は、検索結果にHTTPSのURLを出すようになっている。
ここで勘違いしてならないのは、「HTTPSページを上位表示するようになった」とか「HTTPページがインデックスされにくくなった」わけではないということだ。
あくまでもインデックスシステムの調整であり、ランキングシステムの更新ではない。
あくまでも、同一のページが http://
と https://
の両方のURLでアクセスできるのならば、検索結果には https://
のURLを表示するという話だ。セキュリティが高いほうのページに検索ユーザーをアクセスさせたいからである。
おもしろいのは、たとえHTTPSページヘのリンクがどこにも存在しなかったとしても、HTTPSでアクセスできるのであればこの仕様変更が適用される点だ。Googlebotは、HTTPとHTTPSの両方でどのページにもアクセスを試みるとイメージすればわかりやすいだろう。
ただし、HTTPSを優先してインデックスするには条件を満たしている必要がある。そのほかの大切な点も含めて、詳細は公式アナウンスを参照してほしい。
グーグルSEOはここで学べ! ウェブマスター向けサイトをグーグルが刷新
日本語版も同時公開 (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)
刷新したウェブマスター向けサイトをグーグルは公開した。
このサイトの作成にはあたっては、じっくりと時間をかけて、サイト訪問者の行動を分析したりユーザー アンケートを実施したりしました。その結果、サイトをカテゴリ別に分類することでさらに使いやすくすることができました。
とのことで、満を持しての公開のようだ。
よくありがちな「英語版だけの公開」ではなく、日本語版も同時公開された。ヘルプやSEO教材などさまざまなリソースが提供されている。グーグルSEOのポータルサイトとして利用したい。
筆者が個人的に嬉しいと感じたのはイベントカレンダーだ。オンラインでのオフィスアワーの予定のほか、カンファレンスなどでグーグル社員が参加するイベントも登録されている。
ハッキング対策は検索結果が命。Search Consoleに頼るのはNG
警告メッセージが届くとは限らない (グーグル ウェブマスター ヘルプ フォーラム)
ハッキング対応に関して重要なことを伝えておく。
ハッキングされて検索ユーザーに危害を与えるほどにサイトを改ざんされた場合、検索結果に、「このサイトは第三者によってハッキングされている可能性があります」や「このサイトはコンピュータに損害を与える可能性があります」といった警告メッセージが表示されることがある。
あなたがSearch Consoleにサイトを登録していれば、もしサイトをハッキングされたら、そのことを通知する警告が届く。しかし、Search Consoleにハッキングの通知が来ていないからといって、サイトがハッキングされていないとは限らない。
もしSearch Consoleでは何もなくても、検索結果に警告メッセージが表示されていれば、ハッキングされてしまっていると考えてほしい。Search Consoleよりも検索結果を信頼するのだ。
ハッキングが疑われたのなら、ハッキング対応のヘルプ記事を参照して対処にあたってほしい。また、Fetch as Googleで検証することで具体的なハッキング内容を特定できることもある。
Search Consoleからの「Google 検索トラフィックを監視する」メールの正体は?
各種レポートを入手できるようになった良いお知らせ (UMA)
サイトをSearch Consoleに新規登録した際に、今までにはなかったタイプの通知が届くようになったらしい。
件名は「http://www.example.com へのGoogle 検索トラフィックを監視する」だ。
Search Consoleに正常に登録できてデータ収集が始まったので、各種レポートを入手できる準備が整ったというお知らせだ。
新しいメッセージなので、良くない問題が発生したのではないかと不安になるウェブ担当者がいるかもしれない。良くないお知らせではなく、反対に、Search Consoleを利用できるようになったという良いお知らせなので安心していい。
ちなみに、実際に新しいサイトを登録してみたところ、これまでと同じ「http://www.example.com の検索パフォーマンスを改善できます」という件名で、メッセージタイプ「WNC-376106」のメールが届いた。
ここで紹介している「検索トラフィックを監視する」のメールはメッセージタイプ「WNC-756200」なので、文面が変わっただけというわけではないようだ。
国内でも海外でも同様のメールが報告されているので、グーグルが何かテストをしているのかもしれない。
ユーザビリティとアクセシビリティに優れたタブ型UIに必要なこと
使いやすくわかりやすいタブ型UIを設計するコツ (Website Usability Info)
SEOではなく、UI(ユーザーインターフェイス)を扱った記事を紹介する。タブ型のUIを採用するときに、考慮に入れるべきことを解説している。
ユーザビリティの観点からは次が重要になるそうだ。
- タブっぽく見えること
- タブの並びが不自然でないこと
- タブの大きさが十分であるあること
- タブの切り替えに伴うフィードバックが自然であること
アクセシビリティの観点からは次が重要になるそうだ。
- キーボード操作ができること
- スクリーンリーダーでも利用できること
タブ型UIは一般的に使われるデザインになっており、採用しているサイトもあるだろう。こちらの記事に書かれていることを参考にして使いやすくわかりやすいタブ型UIを設計しよう。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
(ウェブ担当者が気にしすぎてはいけないが)アルゴリズム更新に関連した記事を今週はピックアップ。
- 先週末の順位変動はペンギン アップデートではなかった。日常的なコア ランキング アルゴリズムの更新
ペンギン更新はまだ来ていない - コア ランキング アルゴリズムに組み込まれたパンダアップデートは完全に自動更新になったのか? そもそもコア ランキング アルゴリズムとは?
パンダは自動で稼働するアルゴリズムへ
- meta descriptionタグは今でもSEOに重要なのか?
- 不正リンクの温床サイトからのリンクは、すべて信頼されなくなる
- 自動生成した関連記事リンクはnofollowにすべきか
- アルゴリズム更新を追いかけるのは最も生産性が低いこと
- ダニー・サリバン氏による、アミット・シンガル氏へのインタビュー。”モバイルファースト”な生活を送ることで、気づいたこと。
- アルゴリズムを追い続けるか、オーディエンスを引き付けるか。SEOにおける、2つの新しい考え方。
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
meta descriptionタグは今でもSEOに重要なのか?
タイトルとともに上手に使うと検索ユーザーへの広告になる (Cre8asiteforums)
meta descriptionタグについてSEOフォーラムでこんな投稿があった。
meta descriptionタグは今でもSEOに関係しているのでしょうか?
人によって言っていることが違っていて困ります。
マイナスの影響をサイトに及ぼすこともあるのでしょうか?
フォーラムの上級メンバーは次のようなコメントをすぐさま返した。
私の意見では、meta descriptionは非常に重要だ。
検索結果でタイトルの下に出てくる言葉を決める機会を与えてくれる。クリックを引き起こしたり売上に影響を与えたりするかもしれない補足的な情報をそこで提供できる。でも間違って使えば反対の結果にもなってしまう。
meta descriptionをGoogleは使うかもしないし、使わないかもしれない。だけど、少なくとも使う場面があるのは確かなことだ。
フォーラム管理者が続けてコメントする。
そのとおりで、meta descriptionは大切だ。自然検索のトラフィックに対しては決定的に重要とさえ言える。
タイトルの検索結果における役割は、自分のサイト以外の結果からは目をそらせて、自分のサイトのページへの視線をつかむことだ。
meta descriptionの検索結果における役割は、ほかのページよりも自分のページの方がいかに優っているのかを検索者に売り込むことだ。
(タイトルとmeta descriptionの)両方がそろうと、検索クエリに対してうまくアピールできるになる。正しくやれば、上位表示よりも効果を発揮する。
2人の意見に、筆者もまったく賛成だ。
meta descriptionは、ランキングには影響しない。しかし、検索結果でクリックしてもらえるかどうかに大きく影響する。というのも、検索結果に表示されるスニペット(説明文)に使われるからだ(クエリによっては使われないこともある)。検索ユーザーが「このページを見てみたい」と思うように、興味や期待をかきたてるmeta descriptionにするのは、重要なことだ。
しっかり考えられたmeta descriptionには、検索順位を押し上げる効果はなかったとしても、検索トラフィックを増やす効果がおおいに期待できる。
不正リンクの温床サイトからのリンクは、すべて信頼されなくなる
PageRankの計算から除外 (Google Webmaster Central office-hours)
英語版のオフィスアワーでグーグルのジョン・ミューラー氏は次のように説明した。
PageRankを渡すことに何の意味もないサイトだと私たちがみなしたら、「このサイトからは、全体としてPageRankを渡すのはやめよう」と決めてしまうかもしれない。
長い間リンクスパムをやってきたサイトや、だれでも書き込めるのにリンクがnofollowされていない掲示板などでは、こうしたことが起こりうる。
そのサイトには問題があって管理しきれていないのかもしれないし、意図的にそうしているのかもしれないが、いずれにせよ、PageRankの計算に関してはそうしたサイトを私たちは信頼したくはない。
不正なリンク操作の温床になっているとグーグルが判断した場合は、そのサイトからのリンクをすべて信頼しないというサイト単位での処置が課せられることがあるようだ。
自動生成した関連記事リンクはnofollowにすべきか
クロールに役立つからそのままで (Google Webmaster Central office-hours)
英語版のオフィスアワーで次の質問が出た。
ブログでプラグインを使って、記事のあとに関連記事を自動的に表示するようにしています。
グーグルは自動生成コンテンツを好まないので、関連記事へのリンクはnofollowにしておくべきでしょうか。
グーグルのジョン・ミューラー氏は次のようにアドバイスした。
必ずしもそうする必要はない。
コンテンツの関連記事を示すリンクは、ウェブサイトをクロールしてもっと多くのコンテンツを発見するのに、とても良い手段になる。たとえ自動生成だったとしても、nofollowにする必要は全然ない。
自動生成コンテンツが私たちにとって問題になるのは、ページのメインコンテンツを自動的に生成している場合だ。大量のテキストを取得してきて操作したり、あるいは同義語を置き換えて自動でコンテンツを作り出したりしているのであれば、検索にとってはそんなに価値がないと私たちは考える。
ミューラー氏は、関連記事へのリンクはクロールに役立つとしてnofollowを付けずにそのままのリンクにしておくことを勧めている。
これとは別に、関連記事へのリンクはユーザーの役に立つことも多いだろう。関係する記事を紹介されたら、そちらの記事も続けて読んだユーザーはもっと満足するかもしれない。たくさんの記事を読んでもらえたなら、あなたも嬉しいはずだ。
ユーザーと検索エンジン、サイト運営者のみんなをハッピーにさせるのだから、たとえ自動生成であろうと、スパム扱いされることを心配して関連記事リンクをnofollowにする必要はまったくない。
アルゴリズム更新を追いかけるのは最も生産性が低いこと
何よりもユーザーを優先して追いかけることが大切 (Gary Illyes on Twitter)
ペンギンアップデートの次の更新についてあれこれ聞いてくるツイッターのフォロワーに対して、グーグルのゲイリー・イリーズ氏が言い放った。
アルゴリズム更新を追いかけるのは、きっと、キミができることのなかで最も生産性が低いことだよ。
あなたの主要な職務がSEOの研究ではなくウェブサイトの運用にあるなら、アルゴリズムの動向ばかりに気を取られてしまうことは、たしかに価値がある結果を生み出さないだろう。
モバイルフレンドリーアップデートのようにほぼすべてのサイトに大きな影響を与えるようなアルゴリズム更新は知っておく必要があるし、知的好奇心からアルゴリズムのことを“多少”調べるのはかまわない。
しかし、ユーザーよりもアルゴリズムを優先して追いかけるようであっては絶対にならない。
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
Google検索部門の最高責任者とのインタビュー記事と、SEOのあるべき考え方を主張した記事を今週はピックアップ
- ダニー・サリバン氏による、アミット・シンガル氏へのインタビュー。”モバイルファースト”な生活を送ることで、気づいたこと。
グーグルにはモバイルしか見えていない - アルゴリズムを追い続けるか、オーディエンスを引き付けるか。SEOにおける、2つの新しい考え方。
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