ディスプレイ広告で「喉から手が出るほど欲しいターゲット」を明確化する方法とは?

ディスプレイ広告で商品を購入しそうな人を2つの視点でイメージする方法を紹介します(第6回)。
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喉から手が出るほど
欲しいのは誰?

商品を購入しそうな人を2つの視点でイメージする
Chapter 3 ディスプレイ広告 クリエイティブが8割、設定が2割

ディスプレイ広告の施策をプランニングするうえで最初に取り組むべきことは、ターゲットの明確化です。デモグラフィックと心理状況をまとめたターゲットシートの形で言語化しましょう。

デモグラフィックと心理状況を思い浮かべる

前節で、ディスプレイ広告で意識すべき要素としてターゲティング(ターゲットの明確化)を挙げました。自社の商品・サービスの顧客となりうるユーザーの姿がぼんやりとしているなら、それを明確にすることが最初に取り組むべき施策です。

ターゲットを明確にする意義は2つあります。

  • そのままターゲティングの設定に生かす
  • ターゲットに刺さるクリエイティブを作成する

そのためにはデモグラフィックだけでなく、ユーザーの「悩み」や「欲求」といった心理状況を想像することが大切です。ターゲットとする人が何を考え、どのような行動をしているか、脳内で視覚的にイメージできるレベルまでリサーチしましょう。

次の表は筆者がよく使うターゲットシートです〔図表29-1〕。自社商品を「青汁」と仮定した記入例を示しています。

ターゲットシートの例〔図表29-1〕

まずは仮説を立て、データで検証していく

ターゲットシートの作成を始める前に、まず自社サイトやパンフレットをあらためて熟読してください。そのうえで、商品を「喉から手が出るほど欲しい!」と思ってくれそうな人をイメージし、ターゲットシートに書き込みます。これがターゲットの仮説になります。

次に、商品の実際の販売データ、レビューやクチコミを参照し、仮説を検証します。販売データはデモグラフィック、レビューやクチコミは心理状況と見比べます。ターゲットに近い人が友達や知り合いにいるなら、ヒアリングしてみるのもいいでしょう。

新商品の場合は実際のデータが得られないので、ターゲットがよく読んでいそうな雑誌やニュースメディア、Q&Aサイト、SNSなどをチェックし、仮説との齟齬がないかを確認しておきます。

前述のターゲットシートでは「ターゲットA」をメインに挙げていますが、「B」「C」のように第2・第3のターゲットまで考えておくと、コンバージョンが頭打ちになってきたときに配信対象を広げやすくなるメリットがあります。

「絞り込みすぎ」には要注意

ターゲットを明確にするときにやりがちな失敗として、絞り込みすぎてしまうことがあります。例えば「40代独身女性/年収1,000万円以上/東京在住/健康食品に月10万円以上を使っており、既存の青汁をほとんど試したが不満があり、新商品を探している」といった人には確かに売れそうですが、該当する人はわずかです。

クリエイティブの作成時には、ターゲットを絞り込んだほうが発想しやすいこともありますが、ターゲティングの設定時には、売り上げを最大化する視点を忘れないようにしましょう。(辻井)

まとめ

ターゲットを明確にすることは、ターゲティングの設定そのものだけでなく、クリエイティブの質も左右します。もっとも時間をかけて取り組むようにしましょう。

  • 寳 洋平 著/辻井 良太 著/高瀬 順希 著 著
  • 発行:インプレス
  • ISBN:978-4-295-00320-5
  • 価格:2,500円+税

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SEMのプロフェッショナルとして多くの企業の広告運用に携わっているアユダンテ株式会社の寳洋平氏、同社高瀬順希氏、GDNやYDNのディスプレイ広告運用の経験に長けたCRAFT株式会社の辻井良太氏の3名が実際に試行錯誤し成果を出した手法を公開。

この記事の筆者

辻井良太 CRAFT株式会社 代表取締役・コンサルタント

株式会社ロックオンにてリスティング広告自動入札ツールの導入・コンサルティングを経験後、2013年アナグラム株式会社に入社。検索連動型広告の設計・運用をはじめ、GDN・YDNを中心としたディスプレイ広告の運用で、数々の通販企業の売上アップに貢献する。2016年3月にCRAFT株式会社を設立。

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