橋本大也の“帰ってきた”アクセス向上委員会 #008 ~2008年はiPhone/Touchに最適化だ!?

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橋本大也の“帰ってきた”アクセス向上委員会 #008

毎回、視点を変えてアクセス向上を考えるコラム

今回のキーワードはiPhone/Touchに最適化

橋本大也

最近、気になっているのが「iPhone/Touch対応」というキーワードである。

Apple iPod Touchや米国で人気のiPhoneの液晶で見るのに最適化されたサービスやソフトウェアのことである。iPhone発売から74日で販売台数100万台を達成した米国では、人気サイトが次々に対応を表明している。アップル本家のサイトでは、対応サイトのディレクトリまで公開されている。

GoogleマップをTouchで見やすくする対応例
http://touch.voidcafe.com/

日本でもiPod Touchは火がつき始めた。そう遠くない日に日本でもiPhoneが上陸するだろう。「iPhone/Touch対応」はアクセス向上のために、そろそろWeb担当者が意識しておくべきキーワードだと思う。

携帯対応とiPhone/Touch対応では勝手が違いそうだ。

携帯の場合はPCよりも狭い画面と貧弱なインターフェイスを前提としていた。しかしiPhone/Touchには、大きな画面とタッチパネル+傾きセンサー、さらには「つまんで拡大縮小」などの強力なインターフェイスがある。たとえばGoogleマップの画面スクロールなどは、PCのマウスで操作するよりも、Touchのタッチパネル上で指を滑らせた方が直観的で使いやすいと思う。携帯対応はPCサイトから引き算で作られることが多いが、iPhone/Touch対応では、使いやすさの付加価値を足し算できる。

アップルは来年2月にネイティブアプリケーションの開発キットを公開すると発表している。それまでは、裏技をのぞいては、付属ウェブブラウザ内で動くウェブアプリの対応がメインになるだろう。iPhone/Touchライクなメニューやボタンを実装に使える便利なライブラリも現れた。これを使えば比較的簡単にそれっぽい操作感を、ウェブアプリに与えることができそうだ。

iPhone/Touchライクなユーザーインターフェイスを実現するJavaScriptライブラリ「iUI」
http://joehewitt.com/iui/

日本の主な対応サイトをまとめてみた。目下急増中である。

電子本ビューアの老舗のボイジャーは、iPhone/Touchの画像ビューアで、テキストを読みやすく表示させるというユニークな方法で、対応を発表した。T-Timeに青空文庫などのテキストをドラッグ&ドロップして、iPod Touch向けの「書き出し」を行うと、画像化された複数枚のテキストが出力される。iTunesの同期機能を使って、画像を転送すれば、あの指でページを前後に送り出すインターフェイスでテキストが読める。テキストに加えてコミックにも対応しているのがすばらしい。

iPhoneが日本上陸しそうな2008年に向けて、今が旬なトピックだなあと思う。私も目下複数の案件に取り組み中。

この記事の筆者

橋本大也

データセクション代表取締役
早稲田大学在籍中に立ち上げた「アクセス向上委員会」以降、ITベンチャーの創業役員やコンサルティングを開始。2000年にデータセクションを設立。

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