自社サイトの点検してますか? サイト改善に役立つチェックリストと情報整理術を紹介 #7

自社サイト(オウンドメディア)の再点検に必要な情報整理方法とサイト改善に役立つチェックリストを紹介します(第7回)。
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この記事は、書籍『いちばんやさしいデジタルマーケティングの教本』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開しているものです。

オウンドメディアはデジタル資産です。まず自社のオウンドメディアの再点検からはじめ、足りないものや運用のコストだけが大きいものがないか確認します。最も身近な「コーポレートサイト」の再点検から始めて、自社サイトの目的や役割を総合的に再確認しましょう。

Chaper 2 オウンドメディアを正しく運用しよう
Lesson 10 [オウンドメディアの点検]
自社のオウンドメディアを再点検しよう

○自社サイトはきちんと更新されていますか?

皆さんは、自社でどのようなページが公開されているかを把握していますか? オウンドメディアの施策を検討する場合には、まず自社でどんなWebサイトを所有しており、その運営目的や管轄の組織、内容がどんなものかをチェックしてみましょう

企業の規模が大きくなると、それぞれの部門でサイトを管理運営することも多く、時には社内でサイトの内容が重複しているケースや、サイトを構築したものの、更新頻度が減り放置されているケースもあります。

放置されているサイトは、販売が終了していたり、仕様が変更された商品の古い情報が提供され続けるなど、マーケティングに悪影響を与えている場合があります。

▶社内に存在するサイトを整理する 図表10-1

○サイトの役割を整理するポイントとは

オウンドメディアを有効に活用するために、それぞれのサイトの役割や目的指標を整理しておきます。

例えば、以下のようなマトリクスを作って既存サイトのポジショニングを行う方法があります。企業情報を中心としているサイトなのか、商品方法の提供を中心としているサイトなのか、あるいは、企業の理念や考え方をメインとしているのか、実際の技術やノウハウを提供しているサイトなのかといった提供情報の内容に注目し、さらに、サイト閲覧後に消費者のどのようなアクションを期待しているのかを考えてみます。

このように自社の運営するサイトを改めて整理すると、現状のコーポレートサイトが果たしている役割や位置づけが明確になるでしょう。

▶コーポレートサイトの提供している情報から目的を再整理する 図表10-2

サイトの目的が直接的な取引の獲得なのか、長期的なブランド訴求や信頼感の醸成なのかによって、提供すべき情報の種類も変わってきます。

○競合企業のサイトも研究してみよう

自社の競合企業のサイトも同時に研究して、自社と比較してみましょう。

前ページと同様のマトリクスを使って、サイトデザインやコンテンツから目的や想定している顧客を推測し、自社の状況と比較をしてみます。

もし、コーポレートサイト以外にもコンテンツサイトなどのオウンドメディアを運営しているのであれば、同様に落とし込んでみると競合各社がどのような戦略でオウンドメディアに向き合っているのかを確認することができます。

▶他社との比較例 図表10-3

○運用の指標を設定して改善しよう

各種のオウンドメディアは、目的や運営指標を設定し運用・改善することで、運営効果を最大化できます。

コーポレートサイトは売上に直結しないと考えてしまい、指標が明確ではないケースも多々見られますが、実際にはコーポレートサイトも、「全体のアクセス数」「サイト経由の問い合わせ数」「リリースのダウンロード数」「ページ滞在時間」などの指標を用いて運用・改善をすべきです。

▶サイト改善のためのチェックリスト 図表10-4

このチェックリストを通じて、サイトの目的とサイトの内容が目的に合致した内容になっているのかを改めて押さえておきましょう。これが、今後のサイト改善のベースとなります。

  • 著者:田村 修
  • 発行:株式会社インプレス
  • ISBN:9784295002307
  • 価格:1,980円+税

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この記事の筆者

田村 修(たむらおさむ)

株式会社アイレップ パートナー営業本部 副本部長

1985年に大学を卒業後、株式会社第一広告社(現I&S BBDO)に入社。11年の営業を経て、1996年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(以下DAC)設立時のスタートアップメンバーとして出向。インターネット広告黎明期より広告メニューの開発・営業・メディアプランニングに携わる。

I&S BBDOに帰任後はネットメディアと制作の2部門を統合したインタラクティブ部を統括。その後DACに戻り戦略統括部門を経て、2007年にアイレップ子会社の株式会社レリバンシー・プラスの設立に参画。株式会社アイレップではメディアマネジメントグループを率いて純広告を主としたプロモーションプランニングを推進、現在はアイレップにおいて広告会社向けのサービスを牽引する。

一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の新人研修実施プロジェクトリーダーとしての顔も持ち、専門教本「インターネット広告の基本実務」の改訂と研修講師を務める。大学でのゲスト講師招聘実績多数。2017年より専修大学講師を兼任。業界の若手育成にも貢献する業界のベテラン。

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